Masquerade

【ますかれーど】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 Apple II、Commodore64、PC-8801、PC-9801、FM-7
発売・開発元 原語版:Phoenix Software
日本語版:スタークラフト
発売日 原語版:1983年
日本語版:1984年
定価 日本語版:9,800円
判定 ゲームバランスが不安定


概要

オリジナルの海外版には最初に解いた人に1000ドルの賞金をかけた事で有名なコマンド入力式ADV。
日本語版はスタークラフトが『マスカレード』のタイトルで移植している。

ストーリー

 このじけんは あなたの たんていとしての キャリアの中で もっとも
むずかしいじけんに なるだろう...
 手がかりは すべて行きづまってしまった。だれも 何もおしえては
くれない...
 
 しかし、あきらめるのは 少しはやい! なぞは かならずとけるだろう。
 あなたは ある、ゆうめいな殺しやを 何しゅうかんも おいつづけていた。
そして、古いホテルの へやに かれをおいつめると .44マグナムで
殺しやのしんぞうを ぶちぬいた(!)
 こうして、あなたは めんどうに まきこまれることに なったのだ!...
 
P.S. あなたのうわさは ひろくしれわたっている。 あやしい男たちに
きづかれないように したほうがいい...
(日本語版OPより)

システム

  • 一般的なコマンド入力式のADV
    • 入力は行動+対象指定方式(例:GET KEY)
    • 別画面への移動はN、S、E、Wの方角を指定するキー一つで移動でき、上下移動にはU、Dも使用できる。
      • 画面右上には「Exits:NS」(この場合南北に移動可能)という形で移動可能な方角も表示されている。
    • 特徴的なコマンドとしてPUTやWEARがある。
      • 持ち物の持てる数には上限があるのだが、PUTを使うと一時的にその場所にアイテムを置くことができ、必要になったらその場所へ戻ってきてTAKEを使えば拾いなおせる。
      • WEARはアイテムを身に着ける。これも所持数の上限には引っかかるが、アイテムによっては持つだけでなく身に着けることがクリアには必須。
    • 時間制限もあり。
      • コマンド入力時に時間が経過するタイプで、特定の状況では一定時間以内に解決しないとゲームオーバーになる。

評価点

  • UI等の基礎部分の便利さ
    • あくまで難易度は謎解きに由来するもので、別画面への移動のしやすさや分かりやすさなど、基本的なUI部分はむしろ良くできている。
  • 独特なイラスト
    • アメリカの風刺イラストやカートゥーン絵のような胴体や頭が大きく腕や足が細い独特なもの。同じPhoenix Softwareの『シャーウッドフォレスト』も同様だった。
  • 良好な日本語版移植
    • 文章の表示が漢字対応
      • 今までのスタークラフトの移植はカタカナのみの表示で文章が読みづらかったりしたのだが、本作から漢字+ひらがな表記になり非常に読みやすくなった。
    • コマンドの対象となるアイテムには日本語と同時に()で英語表記も併記。
      • その為、日本語で何かわかっても英単語が分からず苦労するといった事を防いでいた。
    • 画面表示速度も今までのスタークラフトの移植の中では早い。

問題点

  • 鬼畜な高難易度
    • 懸賞金をかけただけあり難易度が高いゲームだが、はっきり言って理不尽なレベル。
    • まず冒頭のストーリーにもある通り、ホテルで殺し屋を殺した所から始まるのだが、ホテル内には爆弾が仕掛けられている。
      • 一定時間が経過する(一定回数のコマンドを入力する)と爆発して死亡。
      • 「ならホテルから出ればいいじゃないか」と思うが、ホテルを出ると怪しい男に付け回されナイフで殺される。
      • あくまで最初の難関なのにもかかわらず、ホテルを脱出する方法が分からずに詰む人もいたという有様である。とにかくこういったデストラップが大量にちりばめられている。
    • アイテムの使用についても難しく、本来必要でないタイミングでも消費出来てしまう為、後になって必要なアイテムが不足する事態にも陥る。
    • そもそも何故ここでそんな事をする必要があるのか不明な解決方法も多い。

総評

基本システムは良くできたADVだが、懸賞金をかけただけありゲーム難易度はとてつもなく高い。
コマンド入力式ADVに慣れている人でもまずクリアはできないレベル。
あえてそうしたとはいえ、まずクリアできないのはゲームとしてはどうなのだろうか。


余談

  • 開発段階では『Mission in Madness(狂気の任務)』というタイトルがつけられていた。
    • ゲーム難易度と理不尽な解決方法を考えるとこちらの方が合っているのではないかという気もする。

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最終更新:2021年06月28日 20:08
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