ロボットポンコッツ64 ~七つの海のカラメル~

【ろぼっとぽんこっつろくよん ななつのうみのからめる】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドウ64
発売元 ハドソン
開発元 レッドカンパニー
プロデュース!
発売日 1999年12月24日
定価 6,800円(税別)
セーブデータ 2個
判定 なし
ポイント 使用可能ロボポンに限りがある
ストーリーは好評
ロボットポンコッツシリーズGB - N64 - GBA


概要

  • 『ロボットポンコッツ』シリーズ唯一の据え置き機作品で、N64では数少ないRPGの一つ。
    • タイトル通り海が舞台で、七つの海と点在する島々を渡りながら冒険をしていく事になる。

ストーリー

世界最大の海「北パークランド洋」は、7つのエリアから構成されている。
それぞれのエリアにある秘宝「カラメラ」を全部集めると
その昔海の争いを沈めたといわれる伝説のロボポンが復活し、何でも願いを叶える事が出来るという。

その言葉を信じて、少年たちは長い航海に旅立った。

特徴

  • 大まかなバトルシステムはGB版とほぼ変わらないが、いくつか変更点が存在する。
  • 一番大きな変更点は、ロボポンが3Dのステージを動き回ることができる点と、画面下部に表示されているスタミナゲージが溜まったら任意のタイミングで技を繰り出せる点。
    • ロボポンを2体以上戦闘に参加させていれば、スタミナゲージが完全に溜まっている場合にのみ戦闘ロボポンの交代も可能。
    • スタミナゲージが溜まる速度は、本作独自のパラメータ「空腹度」に大きく影響される。GB版で行動順に影響を与えていた「素早さ」のパラメータは、本作では移動の速さと攻撃の成功率に影響するよう変更された。
    • ステージを動き回って相手の攻撃を回避…といったことはできないが、相手の背後から攻撃を当てればダメージを増やすことができる。バトル後の能力成長にも関わってくるので、狙える状況ならば貪欲に背後を狙っていくべし。
  • バトル中に落ちてくる「エネだま」を拾えばHPやEP*1、スタミナゲージを回復することができる。
    • 但し3種類の色がごっちゃになった「七色だま」には要注意。どのような効果になるかはランダムで、マイナス効果が発生することも珍しくない。
    • GB版と同様、一部のロボポンは一定数エネだまを集めることで進化が可能になる。
    • ちなみにこのエネだまをステージに落とすのはGB版記事でも触れているカトちゃん頭でパンツ一枚のおっさんが幼児体型の天使こと「おやじ妖精」。誰得。
  • GB版に存在した技の特殊効果「ぬすむ」「たんさ」が消滅。また「はかい → ソフトorパーツきんし」「ふういん → (技名)きんし」と、名称が変化したものもある。
  • ストーリーモードでは船に乗ってロボポンを育てつつ、秘宝探しを行うことになる。
    • ロボポンには(ゲーム内における)1日につき3回まで、以下の行動をさせることが可能。
      • なお日付はベッドを調べセーブすることで進められる。
    • 「おてつだい」:ロボポンに部屋掃除や魚釣り、船に搭乗している博士のマッサージなどをさせる。
      • ロボポンによって得意不得意が存在する。そりゃ美少女型ロボポンに船の燃料くべをさせるのは酷というものであろう。
      • ロボポンのパラメータ全般を底上げするCPUポイントの上昇が期待できる他、魚釣りでは料理の材料や燃料が手に入ることもある。
    • 「おしょくじ」:その名の通り、ロボポンに食事をさせ空腹度をダウンさせる。
      • 空腹度がアップしているとスタミナゲージが溜まる速度に影響があるのは先述の通り。バトル前にはできるだけ満腹にしておくこと。
      • ロボポンに応じて好き嫌いがあり、好きなメニューだとストレスを下げる効果もある。逆に嫌いなメニューだとストレスが上がる。
      • メニューは船の種類毎に異なるラインナップの内ランダムで選ばれた4種類から選ぶことができる他、「おてつだい」の魚釣りや後述の連動機能で入手可能な特別メニューもある。
    • 「トレーニング」:ミニゲームを行い、クリアできればゲーム内容に対応したパラメータを上昇させることができる。
      • ミニゲームは5種類あるが、内3種類が連打ゲーと偏り気味。残り二つはジャンプアクションとシューティングで、それなりにやりがいはある。
      • 但しトレーニングはロボポンの空腹度とストレスも上げてしまうので、やりすぎには注意。
    • 「シャワー」:ロボポンのストレスを大幅に下げることができる。
      • ストレスが高いままだとお手伝いが失敗しやすくなる。特に部屋掃除は失敗すると痛いので、頃合を見て下げるようにしたい。
  • ロボポンやソフトの入手方法は「シード」を船内の植木鉢に植え、育てて収穫し手に入れる方式となった。
    • ロボポンのシードは各地のボス級キャラクターを倒すことで、確率で入手できる。植えた後、収穫するまでには(ゲーム内時間で)5日経過させる必要がある。
      • 更には、ストーリーの主人公毎に絶対手に入らないシードが存在している。
    • ソフトのシードは各地に存在するショップで購入可能。こちらは3日で収穫できる。
      • ソフトのシードは全10種類で、植えた後どのソフトを収穫できるかはランダム。
    • 「おてつだい」の部屋掃除を3日以上成功させていない状態だと、ネズミが現れ栽培していたものを食い荒らしてしまう。
      • ミニゲームで撃退に成功すれば栽培していたものを失わずに済むが、これがまた地味に面倒くさい。部屋掃除はこまめにやらせておこう。
  • 64GBパックに対応しており、GBソフトと連動させて以下の機能を使用できる。
    • 本作のセーブデータからGB版へ、或いはGB版から本作セーブデータへロボポンを転送できる。
      • 但し、転送可能なのはストーリーモード中で仲間にできる15体のロボポンのみ。
      • 実質上GB版の図鑑埋めと、本作で仲間にしたロボポンをGB版に送り大幅強化する以外に使い道の無い機能である。
    • GB版で育てたロボポンを使い、本作のルールで対戦ができる。
      • ストーリーモードで使えないロボポンを、本作において使用する唯一の方法。
      • ただし、こちらでも制約がある。問題点の項にて記述。
    • GBカートリッジからロボポンに食べさせる特別なメニューを生成する。
      • なんとこの機能のみ、GB版ロボットポンコッツでない別のゲームソフトを64GBパックに挿した状態でも実行可能。
      • 大半のソフトではランダムに特別メニューのいずれかが手に入るだけだが、特定のソフトを挿し込んでいる場合は専用の特別メニューが確実に手に入る。例えば、GB版ロボットポンコッツを挿し込んでいれば「アップル(SUNバージョン)」「でんちアメ(STARバージョン)」「つきみサンド(MOONバージョン)」「ぼんぼんランチ(ボンボンバージョン)」を確実に入手できる。
      • また、ハドソン繋がりで『ボンバーマンクエスト』を挿し込んでいれば「ばくだんチョコ」が手に入る。
      • 他にも「レッドチェリー」「グリーンチェリー」「ブルーチェリー」「イエローチェリー」等、一発で何のソフトを挿し込めば良いか分かるが流石にヤバいんじゃないかと心配したくなる特別メニューまである。

評価点

SUN・STARバージョンでは手に入らないロボポンを入手できる

  • 本作最大の評価点。ストーリーモード中で手に入るロボポンは、いずれもSUN・STARバージョンでは本作や別ソフトからの転送以外に入手手段が存在しない。
    • 手に入るロボポンの基本的な能力値もGB版のそれと比べて圧倒的に高く、しっかり育てれば戦力として十分に期待できる。

(恐らくロボポンシリーズ中では一番まともな)ストーリーとキャラクター

  • 主人公はファッションにうるさい「グリア」と機械弄りが趣味の「パーム」から選ぶことができるが、性格はどちらも明るく前向き。
    • カラメラの譲渡を迫る敵に対して啖呵を切るなど、熱い一面も見せてくれる。
  • 各エリアで戦うことになるボス達も「己の夢(或いは野望)を叶える為秘宝を集める」比較的まともな好敵手が多い。殆どのボスが、最後は主人公のことを認めてくれるのも好印象に繋がっている。
    • 約1名ほどGB版のノリをそのまま持ってきたかのようなギャグ担当ボスが居るが、これはご愛嬌といった所か。
  • またGB版からのゲストキャラクターも存在する。
    • バトラードーム*2を管理する役回りとして、フラワー博士とノーズ助手が登場。本編に関わらないチョイ役なので、雰囲気を壊すことは無い。
+ 更に、GB版では本編の中核に関わる存在だったあのキャラも…。致命的なネタバレあり、閲覧注意!
  • GB版のラスボス、ドクターゼロがまさかの再登場。
    • 彼が使用するロボポン、ロボポンに使わせる技、そのいずれもが本作中最高峰。直前の展開もあって、一筋縄ではいかない強さを誇る。
    • 更に彼に勝利すると、GB版でも続編『2』でも見せなかった意外な一面を見せてくれる…。
  • 余談だが本作に出演したゲストキャラクターは全員『2』に再登場している。
    • 本作におけるドクターゼロの台詞と『2』での言動には若干矛盾点が存在している*3。パラレルワールドと割り切るべきなのだろうか?
  • ストーリー自体も「『空飛ぶ船』欲しさに善良な住人から秘宝を奪った集団を懲らしめる」「ある人物が力尽くで秘宝を奪い、秘宝が拒否反応を起こした結果エリア全体が氷に閉ざされてしまったのを何とかする」「散々喧嘩を売ってきた海賊団との隠された秘宝争奪戦」等、大筋は(冒険ものによくある)無理の少ない展開となっている。
    • ただ細部にまで目をやると、何故か覆面レスラーや赤ちゃんと戦うハメになる島・より性能の高い船を作ってくれるキャラのノリがまんまGB版のそれ・前述のギャグ担当ボスの存在など、やっぱりどこかおかしい展開もありはするのだが。

自分のロボポンとある程度のコミュニケーションを取れる

  • 地味ではあるが、他のシリーズ作品には無い評価点である。
  • 体育会系のシフォン、典型的な高飛車お嬢様のメスカル、進化前の雰囲気は何処へ行ったと言いたくなる程に寡黙な武人気質のニークロ等、ロボポン毎の性格もそこそこバリエーションに富んでいる。
    • 漫画版のような個体毎の性格の違いは無いが、そこまで高望みするのは流石に酷というものであろう。

最強のロボポンを育成可能

  • 本作でのトレーニングやバトル後のパラメータ上昇はレベルアップとは別計算で上限が無く、他作品で例えるなら「ちからのきのみ」等に近い。GB版にもドーピングアイテムはあるが希少であり、差は歴然。
    • レベルアップの効率はGB版の方が上なため、64版で一通り育ててからGB版へ送って育てると、カスタムロボポン(GB版の公式チート)すら上回る能力値になる。育成次第で能力値999も実現可能。
  • こうまでして育てる意義のある対戦相手はゲーム内には到底存在しないので、自己満足の領域ではある。

賛否両論点

シードを栽培しロボポンやソフトを手に入れるという仕様

  • 磁石での捕獲や研究所での購入など、多様な方法で素早くロボポンを手に入れられたGB版と異なり、シードを育てるという手間が掛かる方法一択しか取れなくなった点には不満の声が上がることもあった。
    • 初めてロボポンに触れる初心者でもロボポン入手方法が分かりやすい、という利点は無い訳ではないのだが…。
    • 因みに続編の『ロボットポンコッツ2』では電池アイテムを組み合わせて入手する方式になった。3作連続でロボポンの入手方法が異なるというのも、ユーザーからしてみれば中々に不親切。
  • ソフトについては、何が手に入るかは収穫可能になるまで分からないという点が大不評。GB版では普通にショップで購入できた為、改悪と見做すユーザーも存在した。
    • 一応シードの種類毎に、収穫できる可能性があるソフトのラインナップは決まっている。
      • (ゲーム機本体への悪影響を度外視してよいのであれば、という前提条件は付くが)セーブの仕様を逆手に取り、植木鉢を調べてどのソフトか確認した後、収穫前に即リセットすれば厳選は可能。
      • 腰を据えて厳選すれば、GB版ではごく一部のロボポンしか使えなかった「アルファ」「オメガ」のソフトを複数入手できもする。ちなみにアルファが入手出来るのは今作のみ。
    • GB版で言うそうこ(使わないアイテムを一時保管するシステム)が無いためソフトの最大所持数も足りず、これらにより中々ソフトの組み合わせを満足に試せない。
  • 一方、何故かパーツだけは従来同様、普通に店で購入可能。

一部御座成りなグラフィック

  • バトル中のフィールドやロボポンのグラフィックは『ポケモンスタジアム』と比べると流石に見劣りするが、それでもサード作品としては頑張っている方である。
  • 船内部のグラフィックでは、人物やロボポンを2Dで描いている。変に3Dで人物を描いてコレジャナイ化した作品のことを考えれば、この判断は妥当だろう。
  • 問題は島を訪れた際の会話画面。島の住人との会話と顔グラフィック以外は3Dで描かれた小屋と釣竿、ヤシの木しかない殺風景な島の風景が延々と映るだけ。ロボポンバトルになる相手が居る島も似たようなもので、延々と映るのが島の風景からバトル時のフィールドになっただけである。
    • この為、登場人物は主人公サイドと一部の例外*4を除くと顔グラフィックしか分からないのである。キャラクターの造形自体は魅力的なものが多いだけに残念でならない。
  • ミニゲーム時のグラフィックも良く言えば必要最低限、悪く言えばチープにも程がある。

第4エリア「ツリーブルー」の謎解き

  • このエリアのボスと戦う為には、巨大な亀状の島の内部に存在する小島を巡り、ボスの手下であるロボポン使いを全員倒さないといけない。
    • …のだが、亀状の島の内部を移動する際、なんと行き先がルーレットで決められてしまう。一応行きたい島の一つ手前でボタンを押せばうまくいくことが多い。
  • それだけならばまだ良いのだが、このエリアには「一度そこにいる手下を倒した後、もう一度入ると別の手下が登場する」小島が存在しているのである。
    • 知ってさえいればルーレットを回す前にもう一度島に入れば良いだけなのだが、気付かない場合は無駄にルーレットを回し続ける可能性もありうる。

最終エリア「サニーブルー」の難易度

  • このエリアでは他のエリアのような謎解きがない代わりに、今まで戦ってきたボス達6組+ラスボスの7連戦を行うことになる。
    • この連戦で戦うボス達が今までとは段違いに強い。最高レベルのロボポンも惜しみなく投入してくる本気ぶりである。
    • しかも連戦の都合上、ボスを倒すとすぐに次のボスが登場し勝負を挑んでくる。
      • 仮に7連続で勝負した場合、当然ながらこちらのロボポンの空腹度はとんでもないことになってしまう。せめて最初に出すロボポンを変更できたならば…。
    • 勝負を断れば進行度はそのまま一旦船に戻って支度もできるのが救いだが、この時ボスが割と辛辣な言葉を投げかけてくれるのが(精神的に)痛い。
  • 1つ前のエリアの仕様も難易度の急上昇に拍車を掛ける。
    • 直前のエリアの敵は殆どが強力なロボポンを一体しか使ってこない。人数差で戦力差を補って何とか勝利したプレイヤーを次のエリアで待つのが、その一騎当千のロボポンよりも強いロボポンを3体使うボス達である。
    • クリアしたエリアのボスがいた島に戻ると中ボスと再戦出来るのだが、肝心の一つ前のエリアに残っているのがボスの変装をしていた偽物のみで、虎の威を借る狐故に使用ロボポンは物語序盤レベル。このためレベル上げは最終エリアの雑魚か2つ前のエリアの中ボスを相手にするしかなく、これまで以上に手間が掛かる。
  • 楽してクリアしたいのであれば、本作よりも育成環境が充実しているGB版にロボポンを送って強化するというのも一つの手段ではある。
    • 但しこれをサニーブルー到着前に実行すると難易度が激減する。やりがいを求めるならサニーブルー到着までは封印安定か。

問題点

使用可能なロボポンが、特定のアーム族ロボポン45体のみ

  • 本作最大の問題点。本作のバトルにはアーム族ロボポン46体しか登場せず、しかも内1体はイベントで登場するCPU専用ロボポン*5
    • この為、ムーブ族ロボポンやブート族ロボポン、更には登場しなかったアーム族ロボポンの使い手は涙を呑まざるを得ないことになってしまった。
    • 出場できなかったロボポンにはMOONバージョンでの初期ロボポン「ドラゴ」や、漫画版ではトップクラスの人気を誇る「ノロイダー」も含まれる。
    • 「ギョジン」「ドルッピ」など、一部のロボポンは主人公たちが乗る船として登場しているが…。
  • 更に、ストーリーで仲間になる15体を除いた残り30体を使えるのは対戦モードのみ。一応ソフトに予め登録されているロボポンを使うこともできるが、あまり強いとは言えない。きちんと育てたロボポンを使いたいならGB版を用意する必要がある。
    • GB版で苦楽を共にした相方で本作も戦い抜くぜ!と意気込んでいたユーザーもまた、涙を呑まざるを得ないことになってしまった。
    • 使用可能なロボポンもバージョンの顔である「ロボまる」「タンイチ」や、漫画版で高人気の「コジロウ」「ナース」「マーシャル」「ムサシ」、高い性能と格好良い見た目から愛用者も多い「ゴールドン」「シルバーン」など順当なラインナップが揃う一方、未進化状態な「ギャルル」や「ヌーハーフ」「ブッピー」「ベンザー」など誰得だよと言いたくなる面子も紛れている。
      • ただ、お色気枠で「ヒトミ」を出しているのは個人的に評価したい。
    • しかも前述のパラメータ上昇もあって、同じレベルではGB版のロボポンが64版のロボポンの相手にならないという事態に。
  • GB版が『ポケットモンスター』のフォロワーであるように、本作も『ポケモンスタジアム』の影響を受けていることは否定できないが、何もこんな所まで真似しなくても…。どうせなら本作と同年発売の『2』を真似て欲しかった

対戦時に相手ロボポンの能力を判断し辛い

  • 対戦前に自分と相手のロボポンの強さが「総合力」として示されるのだが、これが大まかにしか表されない。
    • しかも表示方法がどういう訳かプリンの数と大きさ。プリンが大きければ大きいほど、大きいプリンが多ければ多いほど強いという目安はあるが…。
    • 「そうごうりょくがあがった!」という表示2回が小さなプリン一個分に相当する。つまり表示されているプリンを数えるだけでは厳密なレベルが分からない。

余計な手を加えた戦闘システムと無駄が多い敵AI

  • 3Dのステージを動き回れるようになり、自動で溜まるスタミナゲージを消費して行動するようになったというのは前述の通りだが、これらが戦闘における駆け引きとして機能しているとは言い難い。
    • 敵の背面を取ればダメージが上昇するといっても、ずっと敵の方を向いていれば背面を取られる事は無い。エネ玉の出現位置もその時の両者の中間の位置なので、エネだまを取りに行って背面を取られるという事もない。
    • スタミナゲージも空腹なのかやたら溜まりが遅い敵が多く、その上溜まっても中々行動してこない。このせいで、敵が攻撃する前にこちらが連続で攻撃し続けるという事態もしばしば。勿論、攻撃を待つことにメリットは無い。
    • つまり、これらのシステムはAIに舐めプレイをさせるだけの代物。RPGなのに敵がターン制すら投げだして真面目に戦ってこないというのは…。
      • このため、ストーリー中の敵とかなりの戦力差(敵の攻撃で一発KOされる程度)があっても割と何とかなってしまう。
      • バトラードーム挑戦時はAI操作に任せるため、これがより顕著になる。自分のロボポンが敵に背中を向けたり様子をうかがったりした挙句に勝利を逃したとあってはやるせない。

主人公選択制による弊害

  • 二人の主人公の違いは「最初に乗る船、およびその船で提供可能な食事のメニュー」「入手可能なロボポンシード」「ごく一部のメッセージ」位のもので、ストーリーの本筋や敵キャラクターの手持ちロボポンは両者共通。
    • この為、全てのロボポンを集めたいならほぼ同じストーリーを2周以上周回する必要がある。ソフト1本に付き2個作ることが可能なセーブデータ間でロボポンの遣り取りを行えるので、2周目が面倒ならクリア済みのデータからある程度育てたロボポンを持ってきて無双する事も可能ではあるのだが。
    • バージョン商法を行っていたシリーズの他作品はともかく、本作でわざわざ主人公を分ける必要はプレイ時間の引き延ばし以外にあったのだろうか?

特定のロボポンシード入手が困難

  • 確実に手に入る「アシュラシード」「シャークシード」「プリンシード」以外のシードは手に入るかどうかがランダム。最悪、他のロボポンシードが手に入らないまま本編をクリアしてしまう可能性すらある。ロボポンシードを落とす可能性のあるボスに挑む際は事前のセーブを忘れずに。
    • 中でも凶悪な入手難易度を誇るのが、よりにもよって片方の主人公でしか手に入らない「イーグルシード(グリアでのみ入手可能)」と「マタンゴシード(パームでのみ入手可能)」。これらから収穫可能な「ピパ」「タンビ」を入手できないままクリアしてしまった方も多いのではなかろうか。

燃料の管理

  • 主人公たちが乗る船は「パールトン」という燃料を使って航行しているが、これの補給方法が限られている。
    • ロボポンバトルで勝てばまとまった量が手に入る他、魚釣りでまれに燃料を釣り上げる事もある。
  • RPGというジャンル故に各所を調べ回る必要性があるが、燃料の都合上無駄な行動はなるべく控えなければならないというジレンマが発生する。
  • 当然、燃料が切れると完全に航行不能となる。一応残量が少なくなると博士が教えてくれるが、できればメッセージが出る前に余裕を持って補給しておきたい。
    • 万が一燃料が尽きかけ補給手段が見つからなかった場合、最終手段「ロボポン回収屋を呼び出して、手持ちロボポンと燃料を交換してもらう」しか取れる方法が無くなってしまう。当然ながら交換したロボポンは二度と取り戻せないので注意。
  • とはいえ、尽きる可能性があるのは序盤で戦闘を避け続けた上で延々と迷った時ぐらい。終盤になればCPU戦一回で最大貯蔵量の半分以上ものパールトンが入手でき、パールトンが満タンの状態なら(謎解きを終えた後で)最初の海から最後の海まで補給無しで移動出来る程度の余裕があるため、逆に尽きる心配が全く無くなる。

スターコレクションの全取得が面倒

  • やり込み要素の一つとしてスターコレクション(現在で言うトロフィーのようなもの)があるのだが、一部に果てしなく面倒な条件のものが存在する。
    • 「ロボポン図鑑完成」「バトラードームSランククリア」はストーリーをクリアした上で、両主人公で「もう片方の主人公では入手できないシードから収穫できるロボポン」を入手しておく必要がある。
    • 「バトル100回達成」はバトラードームやバトルシミュレーション機能でのバトルはカウントされない。ストーリークリアまでに行うバトルは48回程なので、残りはエリア上にランダムで出現する海賊船や渦巻と接触しての任意バトルで稼がないといけない。
    • 「GB版とロボポンの遣り取りを行う」事で入手できるスターもある。それは果たしてトロフィー獲得に足る実績と呼んで良いものなのか?
    • 本編とはこれっぽっちも関係ない上、コンプリートしても何も無い正真正銘の自己満足要素なので、面倒なら無視できるのが救いか。

総評

GB版からして使いたくなるような「まともなデザイン」のロボポンが少ないとはいえ、特定のロボポンしか使えないという欠点は想像以上に大きなものだった。

その一方で、シリーズ通しての欠点だったストーリーは大幅に改善している。
ロボットポンコッツシリーズは、この作品の次に出る『2』が最後の作品となってしまっているが
もし他のシリーズ作品で本作並のストーリーを披露できていたならば、また違った未来があった…のかもしれない。


余談

  • 本作と同日に発売されたGB版『ロボットポンコッツ MOONバージョン』では、本作で入手可能なロボポンがランダムエンカウントや特定イベントで入手できるようになっている。
    • 但しランダムエンカウントでの遭遇率は恐ろしく低い為、ロボポンの種類によっては本作でシード入手を粘ったほうが楽。
  • タモリはタル氏による漫画版では、『1』終了から連続する形で本作のストーリーに入ったが、『2』の舞台であるコビック大陸へ移動する途中のユースケ一行と海賊団「バーモント一家*6」との対決を描いた、ほぼ完全オリジナルの展開になっている。
    • 一応バーモント一家幹部の一人との対決場所が「船に乗ったまま利用可能なジェットコースター状の線路」で、「MOONBLUE」と読める看板が掲げられている*7等、関連性を匂わせる要素は存在する。
    • バーモント一家幹部のロボポンは基本的に本作で使用可能なロボポンから選ばれているのだが、どういう訳か一人だけ本作では影も形も出てこない戦車型のムーブ族ロボポン「タンクー」を使用してくる幹部がいる。
      • 確かにGB版のシナリオ攻略では重要な役回りを果たし、且つ性能面でも本作で入手可能なロボポンに対抗しうる数少ない存在ではあるのだが…何故ここで登場させたのだろうか?
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最終更新:2024年02月15日 16:25

*1 技を繰り出す際に必要なポイント。ドラクエでいうMPのようなもの

*2 エリア毎に難易度の異なるロボポンバトルに挑める施設。特に条件の無い「ノーマル」と、特定のロボポンでないと挑めない「セレクト」の二種類が存在する

*3 時間軸を本作→『2』と仮定した場合、本作での描写を踏まえると『2』での彼の言動は極めて不自然なものとなる。逆に『2』→本作の場合、『2』での彼に関するとある描写が茶番と化してしまう

*4 主人公の船に乗り込んでくる海賊と、エンディングの1枚絵で上半身が描かれているキャラクター、そして公式攻略本で立ち絵を確認できるボス数名

*5 ロボポン回収屋を利用したり、収穫前のロボポンシードをネズミに食べられたりなど「ロボポンを粗末に扱う」と現れる。船内で使えるバトルシミュレーション機能で戦闘し、勝てば撃退可能。ペナルティのように見えるが、少々気持ち悪いだけで実害は無い

*6 ボスのバーモントを始め、メンバーの名前は全てハウス食品のカレーが元ネタになっている。

*7 本作で最初に攻略するエリアは「ムーンブルー」で、ジェットコースター状の仕掛けを使い謎解きをしていく