ポップンミュージック ポータブル

【ぽっぷんみゅーじっく ぽーたぶる】

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 ハドソン
発売日 2010年2月4日
定価 4,800円(税込)
廉価版 ベストセレクション:
2010年7月15日/1,980円(税込)
判定 良作
ポイント まさかのCS復活
実質『CS15』だが一部未収録曲あり
キャラ要素の充実
キー配置は覚え直しが必要
ポップンミュージックシリーズリンク


概要

アーケード(AC)版『ポップンミュージック15 ADVENTURE』をベースに、PSP向けへアレンジした作品。
携帯ゲーム機向けかつナンバリングこそ廃止されているが、事実上の家庭用(CS)シリーズ本編新作に相当する作品であり、
2007年にPS2版『ポップンミュージック14 FEVER!』が発売されて以来およそ3年ぶりの事実上の続編となる。

本作が出るまでの間、KONAMIは15以降のCS移植版を開発する代わりに、Windows用マウス型接続ゲーム『ポップンミュージック Be-Mouse』、海外向けを意識したがどことなくズレていたXbox360版『Beat'n Groovy』、リモコン操作で内容が大幅にかけ離れたWii版『ポップンミュージック』といった誰得な外伝作品を乱発してきた為、「15以降のCS版は絶望的」等と言われていた。
しかし、そんな絶望視されていたCSの正式な続編が、PSPにプラットフォームを移し発売された。
それが本作『ポップンミュージックポータブル』である。
ゲーム内容は主にAC15をベースとしているものの、デザインはポータブル独自のものになり、中身も大きくアレンジされている。


主なモード

チュートリアル

  • 遊び方を練習できるモード。PSP版の操作をミミニャミが一から優しく丁寧に教えてくれる。
    • 本作のミミニャミはAC15同様の声優が起用されていて、フルボイスのミミニャミが聴けるのはある意味では貴重。

フリープレイモード

  • 好きなキャラで好きな曲をプレイできる、CSではお馴染みのモード。
    • 使いたいキャラは、モードセレクトで△ボタンを押すことでキャラクター選択画面に行き、選ぶことができる。
    • 初期状態では全ての曲をプレイできず、隠し曲は後述のアドベンチャーモードで集める必要がある。

アドベンチャーモード

  • ミミかニャミを操作し、ポップンランドに隠された曲やアイテムを探しに行くモード。本作のメインとなるストーリー付きのモード。
  • 因みにこのモードは、『ポップンミュージック 15アドベンチャー』で行われた隠し曲解禁イベント『わくわくミミニャミ探検隊』が元になっているが、ポップンキャラとの会話やバトル等を加えて大幅にアレンジされている。
  • 最初にミミ・ニャミとマップ上の服装の色を選択。ミミは緑・青、ニャミは黄・赤から選択可能。*1
    • 服の色は色付きの属性マスに対して効果を発揮し、最初に選んだ色の付いたマスはポイント消費無しで通過できる(他の色は5ポイント消費)。なお、選ばなかった他の3色も道中で該当の色のメダルを発見して拾えば無消費で通れるようになる。
  • マップ上には様々なトラップやアイテム、レコードやワープホールが配置されている。
  • マップ上には「トレーナー」としてポップンキャラ達が立ちふさがっており、ポップンバトルを挑んでくる。
    • バトルにはキャラ毎に得点ノルマやオジャマなども掛かっており、ノルマをこなして勝利すると先に進めるようになる。
    • 一部のトレーナーバトルは4曲をぶっ続けプレーするエキスパートコース形式になっている。
    • 一度倒したキャラとは何度でも再戦可能。倒すとレベルアップに必要なポイントを稼ぐことが出来る。
  • レコードのあるマスに止まって○ボタンを押すと、ポップンバトルに突入。
    • プレイヤーが勝つと、隠し曲とその担当キャラが解禁され、何時でも選択できる様になる。
  • マップ中央のMZDのブースでポイントを消費してポッパーズテストを受けて合格するとレベルが上がり、対応したレベルの障害物を乗り越えて先に進むことができる。
    • レベルを上げないと進めない箇所があったり取れないレコードもあるため、ある程度のレベル上げ(とそれに伴うポイント稼ぎ)が必須。

バトルモード

  • 3種類の対戦形式が用意されている。
  • 「CPUバトル」と「アドホックバトル」は、AC版の「ネット対戦モード」やPS2版の「対戦モード」に相当するモード。
    • どちらもほぼ同じルールの4人対戦方式で、「セッティング」画面にて予め自薦曲とオジャマセッティングをしておく必要がある。
    • CPUバトルは過去のPS2版と異なり、好きな対戦相手のCPUを3体選んで戦うことができる。自分のオジャマを「なし」×3にしておけばガチバトル対戦も可能。
    • アドホックバトルは他のプレイヤーと最大4人までで通信対戦が行える。こちらは欠員が出てもCPUで埋まることはない。
      • 通信対戦を行うと互いの楽曲プレー履歴・ハイスコアが「ポプともデータ」として交換され、比較することが可能になる。最大30人まで登録可能。
    • どちらも1戦限りであり、AC版のような部屋の昇格・降格などのシステムはないが、特定条件を満たすと新たなオジャマを獲得可能。
  • 加えて、アーケードにおける「バトルモード」に相当する、1台のPSPを左右に分けて2人で使用する「2Pバトル」も収録。
    • 画面が横向きになって中央が繋がっており、1P側(ミミ)が方向キー、2P側(ニャミ)がボタンで操作する。
    • 通常のオジャマこそカットされているものの、新たに「LINE-HIDE」という新要素が登場している。
      • 画面中央にあるバーがスコア状況に応じてゆらゆら動いていき、両者のスコアをリアルタイムで比較してスコアが勝っている側の方へ寄っていく。
        スコアが勝っているほど演奏画面上部がバーに隠されて狭くなっていってしまい、逆に互いのスコアの格差が狭まるとバーが中央に寄って演奏画面が元の広さに戻るという形式。
        相手にスコアで大差をつけるほど画面が覆われて見えなくなっていくのでハンデとしても機能している。
      • 自由にコントロールできる訳ではないが、IIDXやDDRで言う所の「SUDDEN+」が疑似的に再現されているとも言える。
        ちなみに「SUDDEN+」自体は後に通算22作目のラピストリアでアーケード版に実装されているが、ある意味ではACに先駆けて同機能を堪能出来たとも言える。
      • もちろんオプション画面で△ボタンを押せばこの機能をオフにすることも可能で、普通の3ボタン対戦もできる。また、「片方だけLINE-HIDEあり、もう一方は無し」なんてこともできる。
    • なお、1台のPSPを使用してプレーするという形式上、両側を同時に操作する「1人バトル」も可能。
      • ただしAC版と違い2P側の譜面が反転していないため、これをやる場合はどちらかにミラーを付けたほうがやりやすい。

エトセトラモード

  • 今回登場したキャラクターの各アクションを鑑賞できる『キャラクターディクショナリー』や収録された曲を視聴できる『ミュージックプレーヤー』が収録されている。
    • 『キャラクターディクショナリー』はCS11からCS14までの間で、ミュージックプレイヤーは前作『14 FEVER!』で実装されていた物を引き継いだ物だが、前者に関しては新たに登場キャラのプロフィールの閲覧機能が追加されている。
    • ミュージックプレーヤーでは、譜面によって音源の変わる「ニエンテ/neu」のみ3種類の音源が分けて収録されている。

オプション

  • ボタンの設定などが変更できる。LRで画面を切り替えて、アドホックバトル等で使うプレイヤーネームや対戦コメントもここで設定可能。
  • ポプともデータやハイスコアの確認もここで可能なため、従来のレコーズの要素も吸収されている。
  • その他、以下の特徴がある。
    • コンボカウント方式はAC版『ポップンミュージック17 THE MOVIE』からの仕様変更を引き継ぎ、曲冒頭の1つ目のポップ君から数え始めるようになっている。
    • 『17 THE MOVIE』と同じくジャンル名⇔曲名の切り替え機能を搭載。なお、本作では曲名のフォントも汎用のものに統一されているため、切り替えても読みやすくなっている。
    • 3ボタンバトルモードも含め、全モードでCOOL判定を採用している。COOL無し(いわゆる普チャレ形式)は選択不可。
    • 操作性の問題を考慮してか、空BADが廃止。見逃しBAD、ズレBADは従来通り存在する。

評価点

収録曲

  • 人気曲「撫子ロック/凛として咲く花の如く」をはじめ、AC15の主要楽曲を収録。
  • AC16以降の作品からも、少数ながら版権含む新曲を先行収録。
    16からは「創世のアクエリオン」、17からは「ブルーバード」「ツインヒーロー/明日への誓い」「ハイパーファンタジア/Fantasia」「暗黒サイケデリック」、そして当時稼働中だった18からは「嘘」が先行収録され、ファンを喜ばせた。
  • また、AC14以前の旧曲に関しても、「ユーロビート/♥Love² シュガ→♥」「禅ジャズ/明鏡止水」「ゴエモン/がんばれゴエモンメドレー」「ニューミュージック/僕の飛行機」「メガネロック/ポップミュージック論」等、比較的人気が高い曲が再録されており、ベスト盤のような体裁である。
  • CSでは毎度お馴染みとなっていた家庭用オリジナルの新曲も5曲収録。
    • 「グリーニング/Greening」はCS12に入っていたミニゲーム「イマ様の緑化運動」にて使用されていたBGMその物であり、それがプレイアブル化したもの。
    • CS10で完結とされたシンパシーシリーズの新曲「シンパシー4/Cloudy Skies」の収録も意外なところである。*2
    • さらに家庭用オリジナルの版権曲として「カルマ」「風吹けば恋」の2曲も新規収録されている他、ギタドラシリーズの人気曲「ドリームゲイザー/Little prayer」も本作でポップンに移植される事になった。
  • アーケード版では本来AC17 THE MOVIEから搭載された、選曲画面のジャンル名表示を曲名表示へと切り替える機能が先行搭載。
    • 他BEMANI機種に収録されている曲については曲名の方が親しみがあるというプレイヤーもいるため、任意に切り替えられるのは便利。
    • なお、本作では曲名についても全て同じフォントに統一されている(アーケードではAC20まで曲名に個別のフォントを使っていたが、Sunny Park以降であちらも統一された)。
    • 版権曲は当時のAC15と違い、直近のAC版に合わせて曲名表記で統一されている。例として「ホクト」→「愛をとりもどせ!!」等。
      • さらに、AC版ではバナーにジャンル名が残っていた「アリプロ2/暗黒サイケデリック」も曲名のみのバナーに変更されている。

譜面種類の増加

  • アーケード版では通常の譜面が5ボタンノーマル・9ボタンノーマル・9ボタンハイパー+9ボタンEXのみだったが、新たに5ボタンにハイパーが追加。さらに完全新規となる「7ボタン譜面(ノーマル・ハイパー)」が設定され、プレーの幅が広がった。
    • 後述するキー配置の問題により9ボタンの敷居が上がってしまったため、少ないボタンでもやり応えのある譜面をプレーできるのは良要素。
  • 上記に加え、3ボタンのバトルモード専用譜面もノーマルのみだが収録されている(3ボタンハイパーは未収録)。

キャラ関連の要素の充実

  • アドベンチャーモードにはストーリー的な要素が組み込まれており、MZDに頼まれたミミニャミが冒険するというストーリーデモや、マップ上で様々なポップンキャラと会話し対戦していく要素がキャラクターファンには嬉しい。
    • それまでポップンキャラがゲーム中で会話するという要素はほとんど無かった*3ため、内容的には軽いもののストーリー的な要素が搭載されたのは当時新鮮だった。
  • 公式サイトや関連書籍などでしか確認できなかった各登場キャラの設定をゲーム内で確認できるようになったディクショナリーの搭載も良要素。元々キャラの設定は数行程度の簡潔なものではあったが、気になったキャラをゲーム内からすぐ調べられる。
  • メインキャラのミミやニャミも、AC15版とはまた別の本作独自の描き下ろしで、アニメも可愛いと好評。元々の15バージョンも隠しで登場する。
    • ポータブル版ミミニャミは後にアーケードへも逆輸入された。
  • 別ハリアイイラスト(立ち絵)のキャラクターを自分で使えるようになった。
    • アーケード版では「ソフトロックLONG」のリエちゃん、「創世のアクエリオン」のイア=ラムセなど、特定の楽曲固有で通常と異なる別ハリアイが用意される場合があったが、本作でそれに該当するキャラクターはその特殊ハリアイのまま使えるようになっている。AC版では通常のハリアイしか使うことができなかった。
      • これにより、本作ではカラーを変えるとハリアイが変わるキャラが存在し、例えばユーリやかごめは4種類の立ち絵がある。

スキンチェンジ機能の収録

  • AC15で好評を得ていたが1作限りで終了してしまったスキンチェンジ機能が、本作ではしっかりと収録されている。
  • デフォルトではポータブル仕様の新規スキンなのだが、アドベンチャーモードでスキンアイテムを入手することで変更可能。AC15に存在した各種スキンをPSP用にアレンジして全て収録している。
    • PSPの画面サイズの関係上、レイアウトが多少異なってはいるが、AC15デフォルトのスキンも含め雰囲気をほぼ再現している。

楽曲解禁難易度の低下

  • AC15における個別楽曲解禁イベント『わくわくミミニャミ探検隊』はサクサクと楽曲を解禁する事ができた反面、プレイヤーの実力が解禁速度に直結する仕様だった。
    具体的には「手に入れた隠し曲の全譜面にクリアマークを付ける」というプロセスだが、その仕様上、終盤の解禁難易度が非常に高まってしまい、「超上級レベルの高難度譜面を軽々クリアできるほどの腕がなければ、ラスボス曲の解禁はおろか、最終エリアにすらたどりつけない」という重大な欠点が存在した。このため期間中に「HELL 15コース」を含む全解禁まで辿り着いた者はランカークラスのわずかな人数のプレイヤーのみであった。
    • 本作の『アドベンチャーモード』では、譜面の難易度は基本的に初心者レベルまでに抑えられているとはいえ、家庭用への移植に伴い時間を掛ければ誰でもラスボス及びエンディングまでたどり着けるゲームバランスに調整されており、はるかに遊びやすくなっている。
      • 楽曲解禁の難度が大幅に落とされた事によって、家庭用でようやくシリーズにおける解禁イベントのポリシーであった「誰でも手軽に最後の楽曲まで進める」点を実現させる事が出来たと言えるだろう。

アドホックバトルによる対人戦要素

  • 家庭用としては初めてAC版のNET対戦に準じた形式の対人戦システムが再現された。
    • それまでPS2版ではCPUとの擬似的な対戦しかできなかったため、ローカルで複数のPSPを持ち寄る必要はあるものの対人戦が初めて移植された形になる。

問題点

ロード時間が長い

  • キャラ選択時は勿論、曲の演奏開始まで数秒かかる事もある。
    • メディアインストールが出来ればまだ違ったのだろうが、本作では残念ながら対応していない。

PS・PS2版と異なる操作性

  • 本作はPSP専用ソフトなので、当然ながらPS・PS2の専用コントローラは使用できない。
    仕方ないとはいえ、これまで専用コントローラを使用していたプレイヤーは例外なくボタン配置の覚え直しを強要されることになった。
  • そうかといって、標準コントローラーの使用経験があるプレイヤーなら大丈夫かといえばそうでもない。
    PSPにはL2・R2ボタン、およびそれに相当するボタンが無いため、9ボタンモードにおけるデフォルトのキー配置がPS・PS2版と大きく異なっている。*4
    ボタン 1 2 3 4 5 6 7 8 9
    AC
    PS/PS2 L2 L1 ↑/↓ →/□ △/× R1 R2
    PSP L →/□ × R
    ※7ボタンでは白に該当するボタンも緑に、5ボタンでは黄も青になる。
    • キーコンフィグは使用ボタン数別にそれぞれ設定可能なのだが、必要なキーが少ない5ボタンや7ボタンならともかく、9ボタンでPS・PS2版のキー配置を再現するのはデフォルト・自己流ともに不可能。特にPS・PS2のキー操作に慣れた中~上級者に対しては、専コンプレイヤー以上の混乱を招いた。*5
    • 9ボタンではデフォルトだと左側の青緑同時押しが方向キーの上下に割り当てられているせいで押せなくなっているため、一部の譜面はAC版から変更・調整が加えられている(同時押しの配置変更の他、一部の譜面は同時押しそのものが減少している)。
  • 一応、チュートリアルでミミニャミから丁寧に操作を教わることができ、どのキーがどのボタンに対応しているかを画面表示する機能も引き続き実装されているので、キー配置を覚え直すだけの環境は整っている。
  • 操作方法の違いだけでなく、PSP版独自の画面レイアウトによりプレー画面の上下が狭くなっているため、相対的にポップ君の流れる体感速度が早くなり、HI-SPEEDオプションの適正速度の設定もこれまでとは大きく異なってくる。

アドベンチャーモードの作業感

  • 全曲プレーする為にはアドベンチャーモードを進行させないといけないが、ポッパーズレベルが低いと先に進めない、隠し曲のレコード集めが苦行等といった意見もある。
    • 初回対戦時は必ず5ボタン譜面というのもダレる原因。さらにそのほとんどがノーマル譜面を使用するため、途中で物足りなくなってしまいやすい。
      • 一応、既に倒したキャラとの再戦時には7ボタンや9ボタンへ難易度を上げることもでき、それに応じて獲得ポイントも上がるのだが、最初から選べても良かったのではという意見が多い(『2』では改善されている)。
    • しかも途中では、4曲続けてのプレーとなるエキスパートコースをプレーさせられる場合もあり、面倒さに拍車をかけている。
      • 加えて今作ではエキスパートモードが独立して存在せず、本モードに内包されているため、任意のコースをプレーしたいという場合もマップ上で該当のトレーナーを探す必要があるため面倒である。
    • これまでのCSシリーズと異なり、タイムリリースでの解放や隠しコマンドによる一時出現等の救済措置も存在しない。
    • 本作にはアーケードモードが存在しないため、AC版に存在した特殊条件の隠し曲(例えば「悪魔城ドラキュラ」のコナミコマンド等)の再現も無く、全てアドベンチャーモード内でのレコード解禁に回されてしまっている。
  • ストーリー上仕方ないとはいえ、せっかく多数のキャラクターが存在するのに、解禁のために長時間プレーせざるを得ないアドベンチャーモードでのプレイヤーキャラがミミ・ニャミのうち最初に選んだどちらかで固定(しかも選び直し不可)というのも、キャラゲー的な面で見るとややマイナス気味。
    • 一応フリーモードやバトルモード等ではこれまで同様にプレイヤーキャラを自由に選べるのだが、隠し曲やキャラを集めるためにはアドベンチャーモードでのレコード回収やトレーナーバトルが必須。

収録曲に関して

  • 本作では、全部で82曲収録されているが、そのうち50曲近くが隠しになっており、バランスが悪い。
    • しかもその中には、AC15ではデフォルト曲だったはずの「ケンドーロック/ギターケンドー」「フューチャーフュージョン/∞space」「エンシャントユーロ/In The Ruins」「パーカッシヴ2/西麻布清掃曲」等が入っている。
    • 過去の家庭用では隠しコマンドで一時的に隠し曲を出現させられる救済措置もあったが、本作ではそれすらも無いため、上記ACデフォルト曲も含めアドベンチャーモードでのレコード集めを強制される。
    • ディスク容量の関係もあるのでやむを得ないところもあるが、毎作100曲前後収録されていたPS2版のナンバリングシリーズと比べると収録曲数でやや劣っている。
  • AC15に登場した隠し曲のうち、一部の曲が収録されていない(以下ジャンル名のみで記載)。
    • 「ラテンREMIX」「ネジロック」「ラブポップ」「ウォートラントルーパーズ」「キュアー」「なまらジャズ」「オービタリックテクノ」「ガムラントランス」等。主に他機種からの移植楽曲が多く省かれている。
      • このうち、ウォートラントルーパーズに関しては、「実力派シンガーを起用しているので難しかった」「担当キャラ・ハーネマンのBADアクション(頭にナイフが刺さる)がCEROに引っ掛かる」等の諸説あり。
    • 上記の他、AC15から通常解禁された『ee'MALL 2nd avenue』の楽曲も、「ルイン」「A.I.KIDS」「JV-ROCK」のたった3曲しか収録されていない。
      • 前作CS14ではAC版にてee'MALL1stが解禁された関係でほぼ全てのee'MALL1st楽曲が網羅されていたため、それと比較すると見劣りしてしまう。
    • また、AC15に登場した隠しエキスパートコースに入っていた旧曲*6も、該当コースが再現されていないため省かれている。
  • 「IDM/ZETA~素数の世界と超越者~」のEX譜面の不具合
    • BPMが90から180に戻った再加速直後の小節以降、BGMと比べて譜面が約1拍分後ろにずれるという譜面ミスが存在する。同曲の他の譜面では発生しない。

その他

  • トレーニングモードが未収録。
    • 過去のCS版では譜面のオートプレーによる鑑賞や、テンポを落としたりフレーズごとの練習などができたのだが、本作には実装されていない。
  • オジャマ「ダンス」の難化
    • ライバルキャラがプレー画面内でアクションして演奏妨害をするオジャマでキャラ毎に難易度が大きく異なるのだが、PSPの画面サイズに合わせて変化した演奏画面の比率(縦幅が狭くなっている)に対し、ダンスオジャマの表示範囲の調整が特に施されていないため、キャラ問わず画面を覆い隠す範囲が相対的に高まったことで難易度が上昇している。
      • 難易度が易しかったキャラが難しくなっているのはもちろん、元から高い難易度のキャラのダンスは更に難しくなっている。
  • AC15にあったオジャマのうち、「QMA」「ファンキー」等いくつかが未収録になっている。
  • キャラクターディクショナリーにてREMIX版のMZDを閲覧できない。
    • 過去のCS版ではREMIX版のMZDを使用こそできないものの、アニメーションの閲覧だけは可能だった。
  • 1台で画面分割対戦する2Pバトルモードはキャラクター選択がなく、1P側がミミ、2P側がニャミで固定。
    • PSPを左右に分けて使うという仕様上、2人がそれぞれキャラクターを選択するという操作が難しかったものと思われる。
    • ただし選択画面をカットしている分、バトルに行くまでのテンポはかなり早く済んでいる。

総評

ベースとなったAC版『15 ADVENTURE』を再現しきれていない箇所はあるものの、携帯機であるPSPに合わせたアレンジが行われている。
特に15以降、CSへの移植が長らく途絶えていたことや、先に出た外伝3タイトルが本家からかけ離れた内容であったため、久々に本家準拠のタイトルとしてリリースされたことは喜ばれた。
メインモード「アドベンチャーモード」は隠し曲解禁の面で見れば作業感が強いものの、ストーリーの導入やキャラとの会話などファン向け作品としても優秀。
PSPに起因する操作性や読み込み等の見逃せない問題もあるものの、それを差し引いてもポップンファンにオススメしたい1作として仕上がっていると言えるだろう。


余談

  • パッケージ裏には「はじめての、ケータイできるポップン」と書かれているが、以前にもGBCの『ポップンミュージックGB』シリーズやビーマニポケットシリーズのポップン版が発売されているため、この文章は正確ではない。
    PSPで初、ということなら一応間違ってはいないが。
  • アーケード版『ポップンミュージック18 せんごく列伝』との連動要素
    • アドベンチャーモード終盤で拾えるアイテム「古びた巻物」に書かれた「秘密の暗号」をAC版で入力すると、本作の新曲がAC版で遊べるという要素が存在した。
    • 発売日時点では「シンパシー4」が解禁可能で、その1ヶ月後には「ポータブルポップ」も移植が行われた。
  • 本作と同月にニンテンドーDSで外伝作『うたっち』が発売されている。しかしそちらは本家と大きく異なる内容やシビアな判定等であまり評価は良くなく、本作『ポータブル』とは対照的に同時期のその他の微妙な外伝作の1つといった扱い止まりである。
  • ACではその後も連動ではないものの、上記の2曲に加えて『19 TUNE STREET』で「ラブリーキャットポップ」と「グリーニング」、『20 fantasia』で「ドリームゲイザー」が移植され*7、本作のオリジナル曲については全て移植されたことになった。
    • 版権曲の「風吹けば恋」「カルマ」のAC移植は叶わなかったが、そちらはその後2022年よりPC版『ポップンミュージック Lively』にて配信されている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • コナミデジタルエンタテインメント
  • ハドソン
  • 音ゲー
  • ポップンミュージック

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年11月06日 23:36

*1 実際のプレー画面ではどちらもポータブル版の衣装になる。

*2 「4」で完結というわけでもないようで、ラピストリアでは実質「シンパシー5」にあたる「Perverse Heart ~あまのじゃく~」が収録された。

*3 9のギャンブラーZのボス戦、11のポップンツーリストの手紙等、少ないながら一応は存在していた。

*4 PS・PS2版ではL2・R2が白で←と○が緑だったものが、PSP版では←と○が白、↓と×が緑になっている。これはDC版ポップンの配置に近い、

*5 逆にPS・PS2版の方をキーコンフィグでPSP版と同様の配置にして馴れることは可能だが、そちらでは後述の同時押しの問題により物理的に押せない配置が一部出てきてしまう。

*6 例えば「ニンジャ卍ヒロイン」「ロープレバトル」等。

*7 「ドリームゲイザー」はAC移植にあたり譜面変更が加わり、HYPERが弱体化、EXが逆に微強化されている。