リリカル♪りりっく
【りりかる りりっく】
ジャンル
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ふいに胸がキュン、となる恋愛ADV
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対応機種
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Windows 98SE~XP
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メディア
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DVD-ROM
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発売・開発元
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ま~まれぇど
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発売日
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2007年7月27日
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定価
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8,800円(税別)
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レーティング
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アダルトゲーム
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配信
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2013年02月08日/4,572円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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ご都合主義が過ぎるシナリオ CGは優秀
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概要
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ま~まれぇどの3作目。
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前2作と同じく、ジャンルは恋愛アドベンチャー。
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略称は『リリりり』『かるっく』。
前者はファンによる呼称だが、スタッフとしては後者を推奨していた。
ストーリー
新しい生活、新しい出会い。舞い散る桜の花びらの中、芽吹き始めた新しい季節の始まり。あたたかな陽射しに包まれながら、物語は少しずつ動き出していく――――
故郷であるこの町に帰ってきて数日後。期待に胸を膨らませた転校初日は、校門で女の子と正面衝突。相手は、この桜ノ音学園でも一目置かれる美少女・貴水鈴。
この出来事が後にいろいろと影響を及ぼすことになるのだが、その時はそれどころじゃなく。
なにせ、幼馴染で俺の天敵(?)の浅倉七音が同じクラスだという衝撃の事実が判明。
そこに七音の友達のトラブルメーカー・萩原ともえやクラス委員長の大道寺涼子、さらに七音の兄で生徒会長の浅倉臣までもが乱入してきたのだ。
幸か不幸か、初日から一気に賑やかになった学園生活。
桜のように色鮮やかな日々の中、まだ見ぬ新しい出会いが俺を待っていた――――
特徴
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選択肢で分岐する恋愛アドベンチャー。
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ほとんどの選択肢にはヒロインの顔が表示されており、いくつか選ぶと個別ルートに入る。
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萩原ともえルートのみ少し特殊。
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他のヒロインを全員攻略した後に、始めからプレイすると選択肢が増えているのでそれを選ぶと個別ルート。
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萩原ともえ以外のヒロインを全員攻略すると「AFTER…」モードが出現。
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文字通り、本編終了後の物語になっており、一部の伏線を回収する。
問題点
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シナリオの評価が低い
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学園ものと思いきや、ヒロインが魔法少女に変身して敵と戦うバトルものとしての要素が多い。
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それ自体は他作品でもちらほら見られるのだが、問題はバトルものとしてのレベルが低いこと。
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ご都合主義な点が多すぎる。
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「唐突に敵が現れ、苦戦するものの仲間の力を借りて一瞬で逆転」という流れがあまりにも多い。
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逆転までの過程があっさりしすぎなため、バトル描写を評価する声はほぼない。強いて言うなら、演出は派手。
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学園でのパートも、これまで主人公達を敵対視していた教師が、急に手のひらを返すなど不自然な描写が多い。
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噛みあわない設定
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七音以外のルートでは、真相が分からないまま尻切れトンボな終わりになる。
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また、各ルートの話がほぼ独立しており、整合性が取れていない。
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「AFTER…」では本編の不明瞭な点が解決するが、終わり方はかなりご都合主義的。
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しかもヒロインの兄が死ぬにもかかわらず、ハーレムエンドでハッピーエンドになったかのようである。
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強引なエロシーン
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エロシーンの入れ方がかなり強引であり、緊迫した状態からいきなりエロに入ったり、不自然なほど連続してエロシーンが入ったりする。
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七音は7回もエロシーンがあるが、CGの使いまわしがあり、1回あたりのテキスト量が少ない。
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結果、CGは良いのにエロとしての実用性は微妙という事態に。
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そして、ハーレムエンドのCGはない。こちらにエロを回す余裕はなかったのか。
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男連中がうっとうしい。
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主人公の友人ポジション2人は、悪い意味で癖が強い。
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片方はヒロインの兄で、主人公のことが好きなゲイ。
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主人公の尻を触るなどしてスキンシップを図ってくるが、その回数がやたらと多くギャグとしてもしつこすぎる。
本作は紛れも無いNLであるにも拘らず、やたらと男同士の絡みを見せられても不快でしかない。
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もう片方は所謂悪友なのだが、ヒロインにモテるために、度々手のひらを返す発言を繰り返す。
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それによってヒロインがなびくことはなく、プレイヤーの心証を損ねる方向に刺激するだけで終わっている。シナリオにほとんど関わらないためなぜ登場したのか謎。
評価点
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シナリオ以外の評価は高い
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CG面
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原画家はみけおう、フミオ、ちこたむの3人が担当。
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いずれもレベルが高く、キャラクターのビジュアル面での評価が高い。
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目立ったパース崩れなどもない。
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キャラクターの魅力
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立ち絵差分が多く、キャラクターが生き生きとしている。
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アリエッタ、鈴、クゥの個別ルートを評価する声もある。
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親密になったあとのキャラが可愛く、キャラゲーとしては良い。
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もっとも、CGと声優に助けられている部分が大きく、やはりシナリオの評価は低い。
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変身アニメーション
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3人のヒロインに変身アニメーションが用意されている。
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後からおまけで見直すことも可能。
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本編中ではほとんど使われないのは残念。
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システム面
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選択肢はほぼ最小限しかなく、読み進めることに集中しやすい。
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最後に読んだところから再開できるコンティニューや、クイックセーブがあり快適に遊べる。
総評
原画家の実力は高く、CG面での評価は高い。
だが、総じて微妙なシナリオで、大きく減点されてしまった。
結果としてCG集としては良いが、ゲームとしての出来は悪いという評価に落ち着いた。
現在ではワゴンの常連で、ワンコインで買えることも珍しくない。
CGが目的なら値段相応には楽しめるだろう。
余談
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予約特典はフルカラーH漫画『ぶっかけ♪りりっく』
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ちなみに防水仕様。理由はタイトルで察してください。
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2008年5月30日にファンディスク『リリカルDS』が発売。
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『みらろま Miracle Romance Strawberry Scramble』『こんねこ She continues loving him over and over again.』のキャラも登場する。
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DSは「Dramatic Stories」の略称であり、ニンテンドーDSの略称ではないので注意。
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肝心の話の中身だが、尻切れトンボで終わったルートの話の補足などなく状況の矛盾もあり結局すべて有耶無耶のままとなっている。
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シナリオの酷評にも拘らずKTCと彩文館出版から本作の小説が出版されている。
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内容はメインシナリオとは関連が薄く、本編で影の薄かった「学園モノ」の話の補完としての意味合いが強い。
最終更新:2018年08月21日 18:49