モンスターファインダー
【もんすたーふぁいんだー】
ジャンル
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カメラでモンスター捕獲&アドベンチャー
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対応機種
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ニンテンドーDSi(専用)
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メディア
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DSカード
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発売・開発元
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アルファ・ユニット
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発売日
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2009年11月19日
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定価
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4,800円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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備考
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ニンテンドーDSi専用(3DSでも起動可能)
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ポイント
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どこからどう見ても『ポケモン』の劣化パクリ 淡々と試合するだけの、超単調な内容
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概要
史上唯一のニンテンドーDSi専用パッケージソフト。カメラ機能を用いることが必須なので、初代及びLiteでは起動不可。
そのため、本作のパッケージ背は黒が基調の通常のDSソフトと異なる白系統の配色になっており、カードも白である。配色は全体的に3DSのソフトに近い。
「カメラで撮影してモンスターを集めて試合に臨む」といった内容で、一見独自性が高そうなのだが…。
ストーリー
地図に載っていない、
誰も知らない不思議な島。
「オブスキュラ島」
この世界とは別の次元に存在し、
一定の周期で現れては消える、無人島。
しかし久々に姿を現した島に、
あってはならないものが存在していた。
「街」が、存在していたのだ。
無人島であるはずの島に現れた町。
その街を調査するために、潜入捜査官が派遣された…。
システム
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基本サイクルは「島で行われているモンスターバトルの大会に参加する」→「勝利してランクを上げてより上の試合に挑戦する」の繰り返し。この間に新しいモンスターを捕まえて自分のデッキを強化する。
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モンスターは「さつえいモード」で手に入れることができる。カメラは3ランク、モンスターを捕まえるのに必要な消耗品「バレット」も3ランク。上のランクほど強くて希少なモンスターを捕まえやすい。カメラはストーリー進行に伴い解禁される。
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さつえいモードでは実際にDSiのカメラを通して周囲の風景を撮影する。撮影時の写真の色の配色パターンなどで手に入るモンスターが変わる…らしい。
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手に入れたモンスターは「デッキ」に組み込んでバトルに参加させられる。各モンスターには「コスト」が設定されており、コスト合計が「プレイヤーのコントロール力」以下になるようにしなければならない。コントロール力はバトルで勝ち進むことで上昇する。
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デッキは最大6匹。最初の3匹がバトルに最初に出場し、後の3匹は控えとなる。
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すべてのモンスターは2種類の技を持っている。技ごとに威力や効果範囲、使用回数が異なる。
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モンスターのパラメーターは、コストや技の他、タイプ、HP、こうげき、ぼうぎょ、とくしゅこうげき、とくしゅぼうぎょ、すばやさ、移動力がある。レベルなどの概念はなく、同じ種類のモンスターならどの個体でも能力は全く同じ。
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技は物理攻撃と特殊攻撃の2種類。物理攻撃はこうげき、ぼうぎょのパラメーターに依存し、属性はそのモンスターのタイプと同じ。特殊攻撃は炎水氷風などと言ったモンスターのタイプとは異なる属性が設定されている。
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技を受けるモンスターはタイプごとに得意な属性と苦手な属性がある。得意な属性なら「こうかはいまひとつだ」「こうかはないようだ」で軽減・無効化できるが、苦手な属性のダメージは「こうかはばつぐんだ」となり大ダメージを受ける。
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バトルシステムはごくごくシンプル。敵と味方が一直線に配置された6マスのマップ上に並べられ、相手を全滅させた方が勝利というもの。
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マスは3マスずつ各自の陣地となっている。各モンスターは移動力の範囲内で自由に動ける(相手モンスターのいる場所にも動ける。この場合相手と自分の位置が入れ替わる)。
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出現モンスターが3匹を切り、なおかつ控えがいるなら控えが自動投入されるが、控えが召喚されるのは自分の陣地だけなので、自陣地が相手に完全に占拠されていると控えが召喚できなくなり、戦闘モンスターが全滅した時点で負けとなる。
問題点
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システムの項目を読めば分かるかもしれないが、大体『ポケモン』と『カードヒーロー』を混ぜ合わせたという印象を強く受ける。
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特にポケモン臭はかなり強く、各パラメーターや相性ごとのメッセージまで丸パクりという始末。
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これで出来が良ければまだしも、足し合わせた上で2どころか4ぐらいで割ってみた程度のクオリティでしかない。
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ゲーム全体の問題点。
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「モンスターを集める」→「デッキを編集」→「バトルに勝つ」→「再びモンスターを集める」…の繰り返しで、ろくにイベントがない。
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一応バトル前後に軽い会話イベント程度はあるが、メインストーリー関連のもののみでサブイベントは皆無。早い話が、バトルに74回勝利したらそこで終わりである。
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バトルの問題点
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システムがシンプルすぎて面白味に欠ける。強いモンスターと弱いモンスターの戦力差はひっくり返しがたいほど大きく、逆転要素は非常に少ない。
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各種パラメーターと技ぐらいでモンスター固有の特殊能力のようなものは皆無。2種類しか技がないこともあり、全体的に個性が薄い。
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育成要素もカスタマイズ要素もなくモンスターに名前すら付けられないため、弱いモンスターを愛着もって使い続けるというようなこともできない。どちらかと言えばこのドライさはカードゲーム的である。
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余ったモンスターは基本的に売り払って資金にするしかない。あろうことか、主人公が最初に手にするモンスターすら最も弱い単なる汎用雑魚なので、戦力が充実したら速攻売り飛ばされる羽目に…。
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CPUがかなりバカ。相性は微塵も考慮せず、全く効かない相手に技を無駄打ちしたり、無意味な移動を繰り返したりはザラ。
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こちらの合計コントロール力が「8」の時期に、合計コスト10の3匹デッキで挑まれることもある。CPUがバカとはいえ、これだけ差があると純粋に物量差で厳しい戦いになってしまう。
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一方でラスボスは前述の「相手の陣地を封鎖してから敵を倒す」戦法で控えを出させずに封殺可能。
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相性がイメージに反しており、理解しにくい部分がある。
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アンデッドが光に弱く闇に強かったり、植物が炎に弱いのはまだわかるが、獣人が炎に完全耐性を持っていたり、光と並ぶアンデッドの弱点が土だったり、鳥になぜか炎が効きにくかったりなどは一見の印象に反していてわかりにくい。ポケモンを真似るなら、なぜタイプ相性までコピペしなかったのだろうか。
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バトルフィールドには複数の地形が設定されており、その地形ごとに有利なタイプ不利なタイプがいる…らしいのだが、はっきり言って空気。
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まず第一に、どのフィールドに何が適しているのかゲーム中ではさっぱり説明されない。そして別に説明されなくても構わないほど効果が実感できない。バトルフィールドは相手ごとに固定なので、勝てなければ有利なタイプに変えて再挑戦しろ、という趣旨のはずなのだが…。
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相手モンスターは控えまでバトル開始時に確認できてしまう。
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技がたった2種類しかないこともあり、バトル開始直後に大体の勝敗が読めてしまう。一応各モンスターの動かし方など不確定要素はあるが、通信対戦ですら盛り上がりに欠けるだろう。
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撮影の問題点。
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撮影時に音量設定に関わらず大きな音が発生するので、深夜や公共の場でのプレイに適さない。
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一応撮影音自体は盗撮対策として、DSiだけでなくカメラ付き携帯電話にもほぼ確実に搭載されている機能だが、本作に撮影した写真を保存する機能はないので純粋に邪魔なだけである。
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「写真が保存できない」ということは「どんな写真でどのようなモンスターが生まれるか記録できない」ということでもある。このため、狙いのモンスターを引けるかはほぼ勘頼みになる。
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写真の内容による違いが不明瞭で、序盤は同じようなモンスターばかり発生する。おそらく決定基準は「写真内の各色の割合」のはずだが、どんな写真でどのようなモンスターが出るかはやはり謎。
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撮影後、発生したモンスターを保存するかどうか聞かれ、ここで「いいえ」を選ぶとバレットを消耗する上モンスターも手に入らなくなってしまう。モンスターは店で売却できるので、これを選ぶメリットは皆無。
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「限定モンスター」配信の方式。
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各種電機店でのみ配信されていたモンスターが存在する。それ自体はよくあるキャンペーンとしても、その方法が電機店に貼られたポスターの画像を撮影することでゲットというもの。ポスターがいつまで貼られているかはその電機店によるため、非常に不安定。
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また、通常以外に限定モンスターを配信していた店舗もあるが、それが上新電機とアピタのゲーム売り場のみ(それぞれ入手可能モンスターは違う)という何とも微妙なチョイス。上新は関東・中部・近畿・四国以外の地方に出店していない上、アピタに至っては中部地方中心のローカルマーケットである。なぜ全国区の企業を選ばなかったのか…。
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演出の問題点。
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モンスターは一枚絵のみでアニメーションは皆無。技の演出は「横にスライドして体当たり」「火球を打ち出してファイアーボール」というレベル。倒された際のモーションすらないため、非常に地味。
評価点
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ヒロインのキャラデザは比較的まっとうで可愛らしい。
総評
日本では唯一のDSi専用ソフトだが、目玉の撮影システムはむしろ足を引っ張っているだけであり、それを抜きにしたゲームシステムも劣化パクリだらけの地味で面白味に欠けるもの。
典型的な、売り文句ばかりが先走ったスカスカクソゲーである。
余談
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公式サイトには「モンスター公開第1弾!」と書いてあるが、第2弾は公開されていない。
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一応「限定モンスター」というのは公開されているが…。
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アメリカでは「Foto Showdown」のタイトルでコナミから発売された。
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コナミ繋がりなのか、アルファ・ユニットは後に3DSソフト「フロッガー3D」の開発を担当している。
最終更新:2023年11月12日 22:09