第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇 / 天獄篇 / 連獄篇

【だいさんじすーぱーろぼっとたいせんぜっと じごくへん てんごくへん れんごくへん】

ジャンル シミュレーション





対応機種 プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
発売元 時獄篇:バンダイナムコゲームス
天獄篇:バンダイナムコエンターテインメント
開発元 B.B.スタジオ
発売日 時獄篇:2014年4月10日
天獄篇:2015年4月2日
定価 【PS3】8,070円
【PSV】7,120円(共に税別)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
備考 初回購入特典として以下の作品のDLコードが付属
時獄篇:リメイク版『スーパーロボット大戦
天獄篇:『第3次スーパーロボット大戦Z 連獄篇』
判定 なし
ポイント Zシリーズ完結編
難易度はかなり高め
スーパーロボット大戦シリーズリンク


概要

2008年から展開された『スーパーロボット大戦Z』シリーズ完結作。プレイステーション3及びヴィータ初の版権スパロボ作品。
前作『第2次スーパーロボット大戦Z』に続いて分割構成となっている。

『時獄篇』では全32作品、『天獄篇』ではシリーズ最多となる全44作品が参戦する。
新規参戦作品は『時獄篇』からは『機動戦士ガンダムUC』『装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル』『装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端』『アクエリオンEVOL』、
『天獄篇』からは『トップをねらえ2!』『翠星のガルガンティア』『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』『装甲騎兵ボトムズ 孤影再び』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』『フルメタル・パニック!(原作小説版)』の計10作品。

『天獄篇』の初回特典である『連獄篇』は『時獄篇』の外伝であり、オリジナルキャラクターたちを主軸にしたストーリーとなっている。
クリアデータを『天獄篇』にて読み込ませると資金を獲得できる。
『連獄篇』単体での販売は予定されていないことと、『OG』シリーズとは無関係であることがあらかじめアナウンスされている。


追加要素

  • タッグバトルシステム
    • 『K』以降の任天堂携帯機スパロボのパートナーバトルシステムや『OG』シリーズのツインバトルシステムに近い編成システム。
    • 文字通り2機一組で行動する。既存システムとの差異として、『第2次α』以降の小隊システム等と同じくサブの機体は通常は特定の武器しか使えないことと、敵を一定数撃墜することごとにタッグテンションが上昇し、MAXになるとマキシマムブレイクまたはタッグコマンドと呼ばれる特殊コマンドが使えるようになることが挙げられる。
      • タッグコマンドは前作までの連続行動と同じく撃墜時にもう一度行動できるマルチアクション、メインパイロットのSPを回復するチャージSPなど、補助的な効果を持つものが多い。ただし後述のようにマルチアクションが頭一つ抜けて強力ではある。
      • マキシマムブレイクは『第2次OG』とは異なり、サブ機体の使用武器制限がほぼ撤廃、敵のバリアや援護防御無効化、ダメージ1.2倍とボス向けの一撃必殺技となる。
  • Dトレーダー
    • 『α外伝』及び『Z』に存在した「バザーシステム」と同等のシステム。
    • バザーの元ネタである『戦闘メカ ザブングル』が参戦していないため、専用通貨がブルーストーン(BS)ではなくオリジナルの「Zチップ」になっていたり、売買できる強化パーツやユニットの出典作品がバリエーション豊かとなっている。
    • ZチップはBS同様敵を倒した時に入手できる(BSと違い敵の作品は問わず)他、特定の条件を満たすとDトレーダー上の会話でボーナスとして入手できる。感情や想いが深く関わるため、シナリオ上でも時折重要な役目を果たす。
  • 自軍強化機能
    • 上記のDトレーダー内にてZチップを払うことにより、「マップスタートから全敵ユニットに精神コマンド「偵察」がかかった状態にできる」などの便利な機能が追加され、攻略が便利になる。
    • 『天獄篇』からは「Zクリスタル」としてパワーアップ。新たに五段階に分けてパワーアップする機能となった。後述の「ソーラリアン」のパワーアップ機能も兼ねている。
    • 四段階目から効果が一気に三つに増え、取捨選択制となる。
  • カスタムサウンドトラック・システムBGM変更機能
    • 『時獄篇』からカスタムサウンドトラックに対応。ゲーム機本体に保存されている楽曲をゲーム内BGMとして設定できるようになった。
    • 『天獄篇』では『OE』で導入された「武器ごとに個別のBGMを選択できる機能」と、「全システムBGMを別のBGMに置き換えて設定できる機能」が追加された。

評価点

システム面

  • 良質なBGM
    • 版権、オリジナル共に質のいい音楽が多数用意されている。初代『Z』では芳しくなかった「ジャスコクオリティ」の面影は一切見られない。
      • 主人公機「ジェニオン」には、順次開放される機体の3形態に合わせた3つの戦闘BGMが用意されているのだが、それぞれ物語中の機体と主人公たちの状況や立ち位置を反映してきちんと差別化されている。特に最終形態のBGM「太極のオーバーライザー」は、その勇壮な曲調が魅力で、強化イベントと合わせて歴代主人公の曲の中でも高い人気を誇っている。
    • さらに『天獄篇』では過去作で手掛けられたオリジナル曲が大量に復帰している。既に倒されているため絶望視されていたガイオウのテーマ「無窮の闘神」やユーサーの「王の愛は民のために」も収録。戦闘曲として選択できる。
      • 新たに追加されたオリジナル曲も非常に高クオリティ。サイデリアル幹部のスフィア・リアクターの面々には個別の曲が与えられており、どれもそのキャラクターらしさの表現に成功している。なお、スフィア・リアクターは元々前奏が異なっていたためか、カイメラやアークセイバーで見られた前奏が同じという試みは無くなっている。
      • そして、『第2次OG』のように最終決戦では作品の主題歌が流れる。『時獄篇』では「Rebellion 反逆の戦士*1」、『天獄篇』では「決戦 The Final Round」が流れる。
    • なお『ボトムズシリーズ』は計4作品も新規参戦するのにも関わらず、収録BGMは過去作の『炎のさだめ』1曲のみとなっている。『第2次Z』で人気を集めたオリジナルBGMの『戦騎たちの行進』も未収録。カスタムサントラを使えば済む問題ではあるが…。
  • 使用可能なBGMの制限緩和
    • 本作から導入されたカスタムサウンドトラック等を使って、好きな曲を使って好きな機体を戦わせたり、原作のBGMで原作の名場面や必殺技の再現度をより高めるなど、楽しみの幅が広がった。
  • Dトレーダーとエーストーク
    • マップクリアしてからDトレーダーに入室すると、そのマップで活躍したり仲間入りしたパイロットに対して、主催者の「AG」がコントさながらの会話で迎えてくれる。
    • さらに、今作では撃墜数が80を超えた全てのパイロットに対してお祝いの言葉をかけてくれる。漫画版や小説版などありとあらゆる関連作品のネタを振ってくることもある。中にはネット上のネタを意識したものまで存在しており、多種多様の会話が楽しめる。さらに、パイロットによっては進行状況によって会話の内容が変わるという徹底っぷり。
    • また、マップ内で特定の条件を満たすと専用の会話が発生し、AGからZチップのボーナスをもらえる場合もある。中には非常に条件が厳しいものもあるため、やりこみ要素として楽しむことができる。
  • キャラクターの顔グラフィックに「動作」が追加された。
    • 従来のスパロボでは、発言中にキャラクターの表情が変化することはあっても、何らかの動作を見せるということはあまりなかった。今作では「銃を向ける」、「掴みかかる」、「抱きしめる」といった多種多様な演出が、フェイスウィンドウ内で表現されている。
      • これに伴い、1つのウインドウ内に2人表示させるという今までになかった演出も行っている(マーサに食ってかかるアルベルト*2、宗介に詰め寄るかなめなど)。
  • さらに洗練された戦闘アニメーション
    • ほぼ全てのアニメーションが打ち直されており、前作以上にブラッシュアップされたスパロボ最高峰のアニメーションは多くのユーザーを唸らせた。
      • 主に話題になるのが、通称「アリオスの人」の作品を中心としたνガンダムやガンダムハルートなどのアニメーション。また、グレンラガン関連のアニメーションも、本作ならではのダイナミックさを引き立てたものとして、賞賛を浴びている。
    • オリジナル機体のアニメーションも同様で、特にリ・ブラスタTは本当に(いい意味で)呆れるほどの戦術が披露されている。
  • カスタムボーナスが、前作の「武器以外をフル改造」から「武器以外のステータスを5段階改造」で入手できるようになった。
    • より安上がりでボーナス効果が得られるようになり、ひとまずの改造の指標になる。ちなみに共通の強化が行われるボーナスは前作と同じくフル改造で入手。
  • シリーズ完結作かつ最多の参戦作品とあってか、「中断メッセージ」のボリュームが相当な量に膨れ上がっている。
    • 内容も、普通にプレイヤーに休息を促すキャラも居れば、「テスタロッサ大佐をエースにしていなければ、私は君を魚雷発射管に詰めて300キロの爆薬と共に射出する!*3」(要約)と迫真の形相で宗介を脅すマデューカス、「精神コマンドの『必中』や『直感』を使えばフロンタルにだって当てる事はできるけど…」と身も蓋もない事を言われ、激昂してバナージに銃を向けるアンジェロなど、バラエティーに富み飽きさせない。
  • 新録台詞が非常に豊富
    • 前作では、参戦済みキャラクターの戦闘メッセージがほぼ既存のものを流用していたが、本作ではほぼ全てのパイロットが新規で台詞を収録している。
      • 『ガンダムW』の面々は、実に久しぶりの新規台詞となっている。また、シンのシャアに対する戦闘台詞は『Z』におけるイベントを踏まえている。
  • 戦闘前会話の充実
    • ほぼ毎回と言っていいほど、主人公格のキャラクターと、ボス格の敵キャラの戦闘前会話が用意されている。
      • 戦闘前会話自体は他のシリーズにもあることだが、本作では他に無い要素として、ラスボス相手には、全ての味方キャラクターに個別の戦闘前会話が用意されている。

シナリオ面(参戦作品)

  • ガンダム関連のシナリオは、今作も非常に充実している。
  • 多くのファンが望んでいた、『ガンダムUC』のフロンタルと『逆襲のシャア』のシャアの共演が実現。それによってネオジオンがかつてないほど強大な勢力と化している。
    • 『UC』単体においても、数多くのMSやパイロットが出演。エコーズのダグザやコンロイ、およびトライスターのナイジェルと、原作では同行しないパイロットも加入するという豪華な設計である。
  • また、本作では『逆襲のシャア』の原作再現がされるのだが、シャアが凶行に走る動機が原作の「地球人類に絶望して」ではなく「今まで共に戦ってきたシャアだからこそ」という展開になる。発売前は「『第2次Z』までのシャア(クワトロ)の言動を見るに、地球つぶしを目論むのは不自然」と思われていたため、プレイヤーはいい意味で予想を裏切られた形となった。自軍の面々も敵対せざるを得ない何らかの事情があるのではと察しており、本作以前の原作再現時のような完全敵対関係には陥っていない。特に『時獄篇』のクライマックスを飾る「アクシズ落とし」では本作独自の工夫が多数見受けられ*4、「今までのスパロボで最も優れたアクシズ落とし」と言われている。これによって、シャアを本作の主人公の一人として扱うユーザーも多い。
  • クロスオーバーも濃密。同じ組織内にいながらいがみ合うギュネイとアンジェロ、年頃の女性同士ウマが合うクェスとマリーダ、そしてシャアに対して屈折した想いを抱く者同士であるハマーンとフロンタルなど。
    • ギュネイは、原作『逆襲のシャア』では一人の強敵以上の立ち位置ではなかったが、本作ではカミーユやシンをはじめとした味方側との対立や共感が丁寧に描かれている。かつて『D』でも見事なクロスオーバーで原作以上の存在感を見せつけたギュネイだが、本作においてもかなりの優遇を受けた形となっている。『D』のギュネイが良き友人に恵まれたのにた対し、本作のギュネイは良きライバルに恵まれたと言える。
    • 更に極め付けと言えるのが、前述したシャアとフロンタルの関係。所謂「似て非なるモノ」という設定が強調されており、互いに同族嫌悪をしつつも自らの目的のために利用し合う展開は、スパロボならではの演出と言えるだろう。当然戦闘シーンはボイス付きなのだが、二人の声質が似ているようで異なることがとてもよくわかる。フロンタルの「シャアを真似ようとする」演技はまさに脱帽もの。池田秀一氏の演技力の凄まじさを物語っている。
  • 『ガンダムW』と『00』のクロスオーバーも健在。今作は互いに劇場版を展開していくことになるのだが、『第2次Z』で語られたソレスタルビーイングとコロニーのガンダムの関連性が引き続きピックアップされており、大いにストーリー内で絡みを見せることになる。また、『00』の方は『UC』ともからみが多い。
  • 『X』と『∀』は「翠の地球」の設定の影響で『時獄篇』には不参戦。その代わり、『天獄篇』では自軍の中でも最強クラスのモビルスーツとして返り咲き、長きにわたって活躍する。
    • さらに今作では『∀』の「黒歴史」の真実が明かされており、新規参戦した『翠星のガルガンティア』とも見事なクロスオーバーを果たしている。
  • 版権キャラを中心としたオリジナル組織「クロノ」。
    • 代表はオリジナルキャラだが構成員はガンダムキャラが多く、形としては『第3次スーパーロボット大戦』および『スーパーロボット大戦F』のディバインクルセイダーズに近い。
    • これによって原作再現されない『X』『∀』『SEED DESTINY』にもしっかりと見せ場を作り出せている。
      • 『時獄篇』では『劇場版00』、『天獄篇』では『逆襲のシャア』『ガンダムW』も原作再現されないが、同じ理由で空気参戦ではなくなっている。
  • 原作では表現できない「同じ世界観同士のシリーズ作品」の邂逅。
    • 前述した『逆襲のシャア』と『ガンダムUC』のほか、『トップをねらえ!』と『トップをねらえ2!』の共演も本作で初めて実現。
      • 世界観がつながっているため当然ではあるが、違和感なく溶け込んでいる。バスターマシン7号を含む新世代バスターマシンはガンバスターに戦闘力は及ばないという設定だが、実際にそれが反映されている。また、実際に憧れのノノリリと出会いつつも、原作通りにラルクをお姉さまと慕うようになるという独自の展開が用意されている。
    • 『創聖のアクエリオン』と『アクエリオンEVOL』も、OVA『創勢のアクエリオンEVOL』に先立って初の共演を果たした。
      • OVAでは事実上の『EVOL』の後日談という事もあってか一時の出会いでしかなかったが、本作ではしっかりとストーリー上でお互いを認識した上で出会いが描かれている。
      • 『EVOL』において非業の死を遂げてしまうジン・ムソウは、味方部隊との関わりの中で『ヱヴァ』のシンジと友情を育んでいく事になり、ifルートと『天獄篇』では味方部隊に加わる事になる。そのため、死亡イベントでの描写も原作とは異なっている。
      • なお、公式Webラジオ「うますぎWAVE」にて当初、神話型アクエリオンは参戦しない予定であり(つまり『創聖のアクエリオン』は不参戦にするつもりだった)、何とか出せないかと調整した結果、ソーラーアクエリオンだけでも出すことが出来た事が明かされている。
  • 『フルメタル・パニック!』は、『天獄篇』にて発売当時TVアニメでは展開されていない部分まで収録。
    • UX』の『鉄のラインバレル』に続き、原作小説版を基にしたストーリーが展開された。『フルメタ』自体、後半シナリオの映像化が望まれていたものの長らく叶わなかったため、今回が初の映像化となる。
    • その悲惨な最期から話題となったあるキャラクターが生存し、宗介が戦闘の後遺症も起こらずにエンディングを迎え、かなめが日常に戻り高校を卒業するなど、スパロボならではの救いのある展開にアレンジされている。
      • もちろん主要イベントはほぼ再現され、原作シナリオの名台詞もDVEとして初めて音声化され、アニメ版の声優陣が熱演してくれる。
    • これに伴い、多くのユーザーが待ち望んでいた「ARX-8 レーバテイン」が晴れてスパロボに参戦。性能は折り紙つきで、多くのファンを喜ばせた(ただし、プロデューサーの寺田氏は「あくまでスパロボのレーバテインの動き」と語っている)。
    • イベントシーンにおける原作小説版を含めた各キャラクターの顔グラはアニメ版『フルメタTSR』風に書き下ろされており、これまた多くのファンを喜ばせた。
    • 本作独自の目玉として「トゥアハー・デ・ダナン」が宇宙へ飛び立ち、そのまま航宙艦としてレギュラー参入するというイベントがある。もちろん原作者公認である。
      • 原作では潜水艇という設定であるため、海が存在するマップでしか出撃できず、過去に参戦した『J』『W』でもスポット参戦に留まっていたが、これによって晴れてレギュラー参戦枠を勝ち取っている。
      • 宇宙進出に向けてのシナリオも充実しており、様々な博士の協力の元で成し遂げられるという結果になっているうえ、艦長であるテッサの兄レナードを、この機能によって見事に出し抜いている。
    • 『時獄篇』では『ふもっふ』のエピソードも多く取り入れられており、登場人物の増加はもちろん『W』にもあったラグビー部の特訓、原作で宗介を追い詰めた用務員の大貫さんのエピソードも再現。「他作品のキャラがラグビー部のコーチとしてやって来た結果、特訓が原作以上に厳しくなる」「大貫さんに『真ゲッター』の竜馬がビビって敬語を使う」という笑撃のクロスオーバーも。
      • また他作品の学生キャラが陣代高校に通うようになり、『時獄篇』では学生生活を楽しむ場面が描かれる。
      • マスコットキャラクターのボン太くんもクロスオーバー方面で活躍。意外な人物が乗り込んだり、名有りキャラとの戦闘前会話が『W』以上のカオスになっている。
      • 一方『天獄篇』では『ふもっふ』のエピソードが一切なく、『フルメタ』本来のシリアスなキャラクター性が描かれており、「比較的原作小説に近い」と好評。但しボン太くんは宗介の搭乗機体として引き続き登場し、追加武装まで用意された。
  • 『時獄篇』における『THEビッグオー』では、初代以降音沙汰のなかったパラダイムシティが再び舞台として登場。
    • こちらもガンダムシリーズやオリジナルと緻密なクロスオーバーを成し遂げており、本シリーズにおける「ビッグオー」の重要性を再認させるシナリオを見せてくれる。
    • 「ビッグ・ヴィヌス」もついに登場し、以前に参戦した『D』では見送られた原作完結を迎えている。
  • 『天元突破グレンラガン』では、多くのファンが待ち望んでいた「超銀河グレンラガン」および「天元突破グレンラガン」が満を持しての登場。
    • いずれも終盤の登場となるのだが、その分、最大級のサイズと豊富なHPと攻撃力と隙がない。改造次第では強力なボスを一人で相手にできる強さで、ファンを魅了した。
    • さらに『時獄篇』ではスパロボシリーズとしては珍しい「版権キャラがラスボス」という展開*5が用意されている。『グレンラガン』参戦時から「もしかすると」と期待されていた展開だけに、実現を喜んだファンも多い。
  • 『装甲騎兵ボトムズ』では、ヒロインが二人とも生存するという幸せな結末となっている。
  • 『マクロスF』はついにランカルートが実装された。
    • 三角関係をメインテーマにした『マクロスF』ならではかつ、TV版の続きとなっている『Z3』ならではの展開であり、ランカのファンは大いに喜んだ。

シナリオ面(その他)

  • 本作のシナリオは「完結編」ということもあり、世界観の根幹にまで切り込まれている。シリーズ通しての重要なファクターである「スフィア」をはじめ、『第2次Z』までに埋め込まれた伏線はほぼすべて回収されている。
    • 『時獄篇』では、オリジナルキャラの割合は低め*6なのだが、『天獄篇』では対照的に4人のスフィアリアクターが序盤~中盤で揃う。さらに全員、新型の機体が用意されている。
    • さらに終盤、オリジナル戦艦である「ソーラリアン」がトライア・スコートを艦長として参入、それに伴いグローリースターやマルグリット、ツィーネなど、過去作のサブキャラも全員が演出として(いわゆる「召喚攻撃」という扱いだが)参入。ファンを歓喜させた。
  • 今作では従来以上に、ストーリー上の性能と実際の性能が噛み合っている場合が多い。
    • 中でも特徴的なのは、『天獄篇』序盤の終わりごろより登場する黒いアンゲロイ。ボスでないにもかかわらずなんと装甲3200前後で、パイロットは序盤にもかかわらずレベル70。数こそ多くないものの複数で攻めてくる上に、特殊スキル「底力」まで所持している。見た目はアンゲロイと変わらないので甘く見がちだが、並のボス以上に苦戦する。
    • 倒さなければクリアできないステージは序盤は存在しないのだが、ストーリー上も「普通のアンゲロイとは桁が違う」という扱いを受けており、終盤に向けてもなお苦戦を強いられるのだが、それが終盤で一変する。
      • 物語と密接に関係した、『天獄篇』のとある終盤のイベント後、全ての自軍ユニットの能力が大幅に上昇。なんと攻撃力が2000も上昇するため、苦戦を強いられてきた彼らを完膚なきまでに叩き潰すことができるようになる。シナリオ上で勝てなかった敵を倒せるようになる展開は数多いが、実際に数値で表現されるのは珍しい。
  • ルート分岐が豊富。
    • ルート分岐の数やシナリオの総数は他のシリーズを圧倒している。多くの作品が参戦しているからこそできる芸当といえる。
      • ルートによって有利不利が分かれるということもないため、特定のルートばかりを強要されるということも一切ない。
    • 『時獄篇』では条件を満たす事で、Zシリーズで恒例となったifルートに進む事が可能。今回は『アクエリオンEVOL』が主軸となっているが、分岐に必要なフラグは『EVOL』関係以外にも様々なステージに隠されている。また、ルート次第でエンディングも変化していた過去作とは違い、原作再現終了後は通常ルートと共通の展開になる。
      • 通常ルートでは『アクエリオンEVOL』のシュレードが原作通り死亡する。アクエリオンスパーダの武装の多くはシュレードがいないと使用できない上、ルート共通で一部のキャラクターが一時離脱するため、原作再現終了まではスパーダの使用可能武器が極端に少なくなる。
      • 『天獄篇』ではifルートが正史となっており、シュレードが最後まで生存するため、シュレード不在による武装削減も起こらない。

賛否両論点

シナリオ面

  • 今作のシナリオは前作までの伏線を消化させることに全力を傾けている。そのため、原作再現なども過去作と比べると控えめになっている(原作終了後の作品が多いというのもある)。
    • 『天獄篇』では特にこの傾向が強くなっており、オリジナルの敵組織「サイデリアル」との戦闘が多くなっている。この「サイデリアル」に所属する機体は耐久力、攻撃力共に非常に高く、幹部が「3回行動」や「スフィア・アクト」と呼ばれる強力な特殊能力を持っていたりしているため、かなり手ごわく、『天獄篇』がZシリーズ随一の難易度を誇る理由の一つにもなっている。
    • また、シナリオとゲームバランスの兼ね合いの影響もあるのだが、序盤から敵方に強力な機体が多くみられるうえにSRポイントを獲得する条件もかなり厳しくなっている。条件が多彩になったことは好評だが、敵味方ともに性能がインフレしている*7ともいわれており、最近のスパロボに慣れた人は、特に序盤は苦戦を強いられることになる。
  • 『時獄篇』のギャグパートは、「ネット上のコピペネタのような、エマの髪形をネタにするAGと無言の威圧をかけるエマ*8」など、人を選ぶ内容が多い。

システム面

  • 据え置き機で発売される作品としては異例となる携帯機作品のシステムが採用されている。PS3版のプレイヤーからは「これでは寂しい」、「PS3の性能を活かしきれていない」などの声が多い。「元々はVITA向けに開発されていたが、後にPS3とのマルチに変更され、VITA版を基にPS3に移植した」といった考察もある。
    • マップ画面が初代『Z』や『第2次OG』のようなクォータービューではなく、『Z2』から引き続き2Dビュー。『時獄篇』のPS3版では左スティックでの操作がカーソルの移動ではなく、マップの拡大・縮小に充てられている。そのため、従来の据え置き機作品とのプレイ感覚の違いに戸惑うプレイヤーも多かったが、『天獄篇』で従来と同じ仕様に改善された。
    • PS3版におけるTV画面で上下のテキストウィンドウの幅が空いており、眼を頻繁に上下運動させるために疲れやすくなるという弊害があったが、こちらも『天獄篇』でテキストウィンドウの位置調整が出来るようになり解消された。
  • タッグコマンドの有用性の偏り
    • タッグテンションを消費することで使えるようになるコマンドなのだが、その中の一つ「マルチアクション」が強力。利用次第では爽快なプレイが楽しめるのだが、その影響で他のコマンドを使う機会に恵まれにくくなってしまっている。もちろん、他のタッグコマンドおよびマキシマムブレイクが弱いわけではないのだが…。
    • 『天獄篇』においては、このマルチアクションを使わないとSRポイントを取得するのが極めて困難であるため、偏りに拍車をかけている。
  • 『時獄篇』で、担当者によるアニメーションの出来・不出来の差が如実に現れてしまっている。
    • 前述したとおり、戦闘アニメを一新したことでクオリティが大幅に上昇したアニメーションが目立つ一方で『フルメタル・パニック』系の機体全般や、リアルカットインが無くなり味気なくなった『ガンダムW』のウイングゼロ以外のMSなど、昔を髣髴とさせるシンプルさが災いし、評価が芳しくない。上記と並べて観賞すると「まるで別のゲームのよう」と言われることすらある。
      • 以前のスパロボでも、アニメの出来に差がなかったわけではないが、今作ではその差が歴代作品と比べてもかなり大きい。また、本作以前に同じくPS3で発売された『第2次OG』おいては、そういったクオリティーの差はあまり目立たないレベルだった。
      • また『第2次Z』からの参戦作品もカットインが減り劣化した機体もいくつかある。
      • ただし、前述のとおり決してグラフィックのクオリティが低いわけでない。また、これらの機体の『天獄篇』で書き直されたアニメーションについては比較的好評。
  • キャラクターの省略とユニットの武装化
    • 発売スパンが短く、スケジュールが足りなかったためか、シナリオ消化組かつ戦闘アニメーションの一新が行われた初代『Z』組の参戦作品はほとんど主役級しかユニットとして登場せず、武装化に留まっている。
      • ただし、初代『Z』参戦組は戦闘アニメが一新されており、どの戦闘アニメーションも概ね評価が高い。
    • 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のアスランすら武装扱いである。『Zガンダム』のカツは参戦しているため、冗談交じりで「カツを武装にしてアスランを復帰させろ」という声も聞かれた*9
      • アスランは原作『DESTINY』において彼視点で物語が展開されている部分も多い主人公格であり、Zシリーズにおいても『第2次Z』ではZEUTH(『Z』の自軍部隊)のメンバーを束ねるリーダーとしての立ち位置を任されていたため、本作での非ユニット化が特に惜しまれることとなった。
      • この処置は参戦作品数にも関係していると言える。第2次Zの時点で兆候はあったが、無暗にユニットを増やしても出撃枠から溢れ、ほぼ出撃しないといった事態が多かったため、やむを得ないことではある。
      • カツの場合に限って言えば、カツを演じる浪川大輔氏が「レナード・テスタロッサ」、「リディ・マーセナス」、「シュレード・エラン」といった、いずれも主役級のキャラを演じるという事情もあったであろうと推察できる。
  • 顔グラフィックの作画
    • Zシリーズは原作アニメの作画に近づけた顔グラフィックが特徴であったが、本作では原作アニメからのトレスが多く、前作までの続投組の大半も再びグラフィックが一新された。
    • 本作の顔グラフィック自体は非常に豊富であり、キャラクターによっては多数用意されているのだが、今回は原作アニメをそのまま取り込んだことによる作画作業の簡略化が指摘された。
    • キャラクターの動作を再現した顔グラの殆ども、結局は原作アニメを取り込んだ物である。一方で、物によっては顔以外の部分も描かれており、可能な限り動きを伝える工夫もされている。
    • 『ガンダムUC』・『ヱヴァンゲリヲン』・『フルメタTSR』・『ガルガンティア』といった新規参戦組は原作アニメの美麗作画が顔グラにも反映されている。一方、続投組の作品によっては本作の新規顔グラと初代『Z』からの顔グラとの差が激しく、前作から劣化したという悲しみの声が一部で出た。『SEED DESTINY』に関しては、『時獄篇』では何故か作画が悪めなシーンからも採用されていたが、『天獄篇』で修正されている(ただしこちらも「質が悪い」と言われる事もある)。
    • 70・80年代に放送された作品は例外となり、『オーガス』以外は前作までのグラフィックを引き続き使用していた。
  • 『時獄篇』の『フルメタル・パニック!』シリーズのシナリオが『スーパーロボット大戦W』から流用したかのような展開が非常に多い。(特に『W』オリジナルアイテムであるカロリーフレンドと通じて仲良くなる宗介とヒイロは全く同じ)
    • そのため『スーパーロボット大戦W』で終盤しか扱われる事が無かった『TSR』は本作でも終盤のみである。
    • また『時獄篇』では『W』と同様に宗介のキャラクター性が『ふもっふ』寄りになっているため、『天獄篇』の原作小説寄りの宗介とはキャラクター性が変わっている上に、設定も食い違っている(『時獄篇』ではヘルマジスタンで宗介の戦闘技術は全てザイードが教えた事になっているが、『天獄篇』ではカリーニンがアフガニスタンで教えたという発言をする)。
    • 『天獄篇』初出の原作版のレナードの配下は全員戦闘にも参加せず、シナリオ上でもカスパーを除き、意味深に出てくるも、何もしないまま、そのまま忘れさられて二度と登場しない。

問題点

シナリオ面

  • 『ダイターン3』は、『天獄篇』でメガノイドとの決着がつくというスパロボとしては久々の展開になるのだが、主人公勢が火星を訪れた時には、既に万丈がメガノイドを壊滅させてしまっている
    • 『第2次Z』のオリジナル勢力「聖インサラウム王国」の火星入植をはじめとする過去作でのフラグ、『ザンボット3』のガイゾック再来*10等、『ダイターン3』のシナリオ展開を期待できる要素が重なっていただけに、久々のメガノイドとの戦闘を期待したユーザーは肩透かしをくらってしまった。
    • 主人公・波嵐万丈役の鈴置洋孝氏を始めとする『ダイターン』出演声優の多くが既に鬼籍に入ってしまっているのが原因の一端ではないかとも推測されている。
      • ラスボスであるドン・ザウサーも過去のボイス付き作品で登場した際の戦闘シーンのセリフは「……」のみ(声の無い携帯機などでは喋っている)。スパロボシリーズでは担当声優が故人・引退である事を理由に代役を立てる事は多いが、ドンに限っては現在に至るまで代役は立てられておらず、その理由は不明である。
    • 一応、プレイヤーの知らない所で敵組織を壊滅しているという状況は、αシリーズにおける『勇者ライディーン』という前例もあるし、敵が出ないだけなら原作終了後の参戦は珍しいことではない。しかし今回は前述したとおり期待させる要素が多かった。
  • 『ヱヴァンゲリヲン』の扱いが中途半端
    • 『序』『破』に続いて『Q』も参戦しているが、『Q』からは各エヴァ4機とパイロット5人のみの参戦で、ミサト達NERVの面々は『天獄篇』序盤で早々にフェードアウトする。戦艦「ヴンダー」や新組織「ヴィレ」も登場しない。
    • ただしストーリーとは密接にかかわっており、シンジおよびEVA13号機がメインを張るイベントが後半で存在。『時獄篇』ではミサトの戦闘ボイスが収録されており、『天獄篇』ではニア・サードインパクト後の世界が(1ステージではあるが)本編にも登場する。また、原作で死亡したキャラクターが生存するなど、まったく救いがないわけではない。
    • ともあれ、原作が未完なうえ、原作でもそれらに関して説明が少なかった故にしょうがない部分はある。

システム面

  • 神話型アクエリオンの使い勝手が悪化
    • なんと今回、ソーラーアクエリオン固定となっており、変形が不可能となっている。これは、前記したとおり神話型アクエリオン自体がほぼ飛び入り参戦だったため、製作スケジュール的な理由が多いと思われる。
    • そのためシリウスとシルヴィアもサブパイロット扱いとなり、育成ができずパイロットステータスも無い。故にエレメントは二人の特殊能力を発動させるのみで、過去作のアクエリオン、および今作のアクエリオンEVOLと比較すると、使い勝手が大幅に悪くなってしまっている。
    • 移動後に使える有射程のALL攻撃や高火力の必殺技があるので役に立たない訳では無いのだが、エレメントシステムという固有のシステムを使ったステータスの大幅な増強ができない、多数のパイロットで潤沢な精神コマンドを使いこなす事ができないなど、今までと比べるとどうしても見劣りしてしまう。
  • グレンラガンを超銀河グレンラガンに合体させると、次のインターミッションでタッグから外れた状態のままになってしまう。

総評

とにかく「完結させることを目指す」ことをコンセプトに作り上げられた事が伺える一作。事実、放置された伏線などもほとんど見当たらず、綺麗な形で終えることができている。
しかし、その代償としてかスパロボシリーズの持ち味である版権シナリオのクロスオーバーが、ガンダム関連以外は『Z』および『第2次Z』には及んでおらず、そちらに関しては残念なところ。

また、携帯機仕様のUIや、質より量を重視した顔グラなど、システム面の賛否両論も目立ってしまった。そもそもスパロボシリーズ自体がPS3向けに発売されるようになった時期が遅めだった影響もあり、据置機相応の版権作品がPS3向けには発売されずに終わった。

王道シリーズとして大作・連作で期待されたがゆえに、賛否がわかれたのは過去シリーズの完結作品同様ではあるが、魅力そのものは過去作にも負けず劣らずなので、展開される原作再現やクロスオーバーに興味があるなら十分プレイしてみる価値はあるだろう。


余談

  • 本作にて全貌が明かされたスフィア関連の設定と、本作が初出となるオリジナルキャラクターたちの設定は『ゼノギアス』との類似点が多く、ユーザーからはオマージュではないかと考察されている。
  • 『時獄篇』は当初、PSVでの販売は「ダウンロード」のみとなる予定であった。
    • これは「カード内に容量が収まりきらないため」と解説されたが、後に容量問題が解決しユーザーからの要望も多かったため、パッケージ販売も無事決定された。『天獄篇』では発表当初からVITA版のパッケージ販売が告知されている。
  • 「ARX-8 レーバテイン」はアニメ未登場ながら多くの立体化に恵まれる人気機体なため、「戦闘アニメーションを担当したスタッフは物凄いプレッシャーを感じていた」とプロデューサーの寺田氏は語っている。ちなみにカットインはバンダイから発売されている超高級フィギュアシリーズ「METAL BUILD」を参考にしている。
  • バンダイナムコの方針により各種ゲームブランド(バンダイ、ナムコ、バンプレスト)廃止・統合によりバンダイナムコゲームスとなり今作よりバンプレストのロゴは消滅となった。 (近年(2019年2月)バンプレストが無くなると話題になったが、話題のは2008年に旧バンプレストのプライズ部門が新規に再編・設立した方であり、ゲーム部門(現BBスタジオ)は同年にバンダイナムコに吸収されたので関係は無い)