ドラえもんカート

【どらえもんかーと】

ジャンル レース
対応機種 ゲームボーイ
発売元 エポック社
開発元 エム・ティー・オー
夏システム
発売日 1998年3月20日
価格 3,980円(税別)
書換 ニンテンドウパワー
2000年11月1日/1,000円/F×2・B×1
プレイ人数 1人(対戦時2人)
セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ)
周辺機器 通信ケーブル、スーパーゲームボーイ対応
判定 クソゲー
ポイント 敵は画面のチラつき
難しいコースほど簡単になる狂ったバランス
アクセルベタ踏み推奨
原作要素は割と反映されている
ドラえもんシリーズ


概要

ドラえもんゲーの中でも珍しいレースゲーム。簡単に言えば『マリオカート』のドラえもん版。
のび太たちがひみつ道具「はこにわカート」で作ったコースを使い、カートとひみつ道具を駆使して1位を目指す。

特徴

  • ゲームは「シナリオモード」「VSモード」「タイムアタック」の3つのゲームが遊べる。
  • シナリオモードは最初に5人の中から好きなキャラを選び、5つのコースを好きな順番でクリアしていくモード。
    • コースにはレベルが設定されており、そのレベルのコース全てで1位になると次のレベルに進める。レベルが上がるごとにコースが複雑になっていくのだが…。
    • レベル3をクリアするとエンディング。クリア後はドラミちゃんが使える2周目が遊べ、新コースが追加される。
  • VSモードは通信ケーブルで対戦が出来る。CPUとの対戦は不可。
  • タイムアタックは好きなキャラで好きなコースのタイムアタックが出来る。選べるコースはシナリオモードで出現したコースのみ。

問題点

  • 頻発するちらつき。
    • 本作最大の問題点。近くに他のキャラクターがいるだけで激しく画面がちらつくため非常に見づらい。
    • タイムアタックではちらつかないので、純粋に複数キャラの処理が重いだけの模様。
  • SEがほとんど存在しない。
    • カートのエンジン音や妨害を受けた時の音もないため、気づいたら妨害されていたという事が起きやすい。
    • レース開始時のシグナルの音すらない。レース中は自分がアイテムを使った時くらいしかSEは鳴らないため非常に地味。
  • セーブデータが1つで完全固定。
    • 1度データを作ってしまうとキャラクター選択も不可能になってしまう。別のキャラでプレイする場合は最初からプレイするかEDに到達する必要がある。
    • コースのレベルなどもリセットされてしまう。ドラミちゃんを使う場合も「つづきから」を選ばないと使えなくなってしまう。
      • なお、クリア後に遊べる2周目もやはりレベルがリセットされて最初からになってしまう。
    • 2周目でエンディングをみた後はレベル、キャラクターを自由に選べるようになるが、なぜ最初からこうしなかったと言わざるをえない。
  • レースゲームとしてみても不満点が多い。
    • コースは平坦であり、形以外の違いは背景か使用カートのみ。
      • 簡素過ぎて別のコースを走っている感じがあまりせず、作業ゲーム感を助長させてしまっている。
    • コースのレベルとクリア難易度がかみ合っていない。
      • 一見ジャイアンのぐねぐねとしたコースが一番難しそうに見えるのだが、本作のCPUはコーナリングが苦手なためカーブが多いコースほど簡単にクリアできてしまう傾向にある。
        そのため、シンプルで走りやすいのび太のコースが一番難しい、という矛盾が発生してしまっている。
      • ゲームが進むと必然的に複雑なコースが増えていくが、その分難易度は下がっていく。
    • 基本的に減速するメリットはなく、アクセルは常に踏み続けていれば良い。むしろ減速するとあっという間に抜かれる。
      • 一応、上記の複雑なコースなら減速もアリだが、そんな事をしなくてもCPUが勝手に遅れていくためほぼ意味はない。
    • キャラごとの性能差は存在する…が、正直実感できないレベル。
      • シナリオモードではCPUに異常なほどの加速補正があり、レーススタートと同時にプレイヤーを置いて全員スタートダッシュして後ろから抜いていく展開になるので、余計性能差など感じられるはずがない。
      • ただし、ドラえもんとドラミちゃんはキャラ性能が低い代わりにひみつ道具を無制限に使えるというとんでもないキャラ。攻撃アイテム使い放題なのでヌルゲーがさらにヌルゲー化する。
    • レベルが上がると下がる難易度、どれも同じに見えるコースなどにより、後半になるほど作業感が強くなっていく。
  • 「シナリオモード」というモード名だが、特にシナリオはない。
    • 冒頭でレースをする事になった経緯が語られるくらい。
    • 一応エンディングは1周目と2周目で別々のものが用意されている。
  • パッケージやポスターでは「みんなの作ったコースでレースをたのしもう!」と書かれているが、コースを作成するモードは存在しない。
    • 「みんなの作った」というのは「のび太たちが作った」という意味なのだが、非常に紛らわしい。ある意味広告詐欺。

評価点

  • ひみつ道具による効果は特徴的なものも存在する。
    • 左右の操作が逆転する「アベコンベ」、一定時間空を飛んで一部の妨害やコース際の減速効果などを受けない「タケコプター」など。ドラえもんらしい点は再現出来ている。
  • クソゲーのお約束通りBGMは良い。
  • 意外とグラフィックも悪くない。
    • コース背景はキャラごとの特色が出ており、コースによってカートのデザインが変わるなど意外と凝っている。
  • キャラクターの表情やアクションが豊富。
    • 操作キャラが下に表示され、抜いたり抜かれたりする度に一喜一憂する様は見ていて楽しい。
    • CPUキャラが妨害を仕掛ける際、仕掛けてきたキャラが笑顔で表示されるため、誰がアイテムで妨害してきたかわかる。
      • ただし、置きアイテムを置くだけでも妨害行動扱いされるのでその場合何が起きたかわかりづらい。
    • アイテム攻撃を受けた際も受けたアイテムによりカートが固有のアクションを起こす。
    • ころばしやで攻撃されるとちゃんとすっころぶ。
      アタールガンに至っては専用のやられグラフィック付きである。なぜ用意したのかさっぱりわからないが…。

総評

レースゲームとしては正直不出来である。GBという機種の中で何とかしようとした結果、様々な問題点が出てしまった。 ドラえもんを題材としたゲームの中でも屈指の低評価を得ているクソゲー。
プレイヤーからの評価は散々だったが、そこそこ売れたのか続編が製作された。

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最終更新:2023年04月27日 22:01