忍たま乱太郎すぺしゃる
【にんたまらんたろうすぺしゃる】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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4MbitROMカートリッジ
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発売元
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カルチャーブレーン
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発売日
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1996年8月9日
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定価
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8,800円(税別)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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難易度が高すぎる最後のミニゲーム アクションパートのしんべヱリストラ 評価すべき点もありキャラゲーとしてはなんとか成立している
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忍たま乱太郎シリーズリンク
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概要
1993年から現在までNHKで放送され続けている長寿TVアニメ『忍たま乱太郎』。
本作は、その劇場版として製作された芝山努・小林常夫両氏監督のアニメ映画『映画 忍たま乱太郎』をカルチャーブレーンがゲーム化したものである。
ゲームモード
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ストーリーモードをプレイする「すとーりー」、アクションパートのタイムアタック、ミニゲームの練習等ができる「さぶげーむ」が存在する。
特徴とゲームシステム
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ストーリーモードはアドベンチャー・ミニゲーム・アクションの三つのパートに分かれ、それらを交互に攻略するというもの。
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アドベンチャーパート…カーソルを操作してキャラクターや背景を選択し、キャラクターを会話させ、ストーリーを進行させる。
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ミニゲームパート…場面に応じて画面に操作説明、指示が出るので、その指示に沿ってキャラクターを操作する。
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アクションパート…広いステージを進みつつゴールを探す、『スーパーマリオブラザーズ3』のような坂道や崖などの仕掛けが多いサイドビューアクション。十字キー左右で移動してBでジャンプ、Yで近距離攻撃(木刀、カタナ)、Aで遠距離攻撃(手裏剣、強化手裏剣)。攻撃手段は一部ステージ内及びステージ終了後のミニゲームで強化することができる。
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LRボタンで操作キャラを乱太郎、きり丸にいつでも切り替えることができる。今回しんべヱは特定のステージのみ操作可能となっている。
問題点
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アドベンチャーパートは総当りで何度もキャラクターと背景を選択しないと先に進まないため、冗長で飽き易い
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同じ背景やキャラを選択し続けると選択した際に表示される台詞が変わらなくなるため、次に何処を選択すればいいのかわかりやすくなってはいる。
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しかしドクタケ城へ利吉が助けに来る場面では総当りで選択しても先に進めない。更に選択順を間違えた場合、最初からやり直さなければならない上に変化がわかり辛いため特に面倒になっている。
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アクションパートの操作性が悪い
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キャラの挙動(特にジャンプ)にクセがあり、慣れるまで少し時間がかかる。
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しばしば処理落ちが発生する
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落ちるつり橋、乱舞攻撃をするドクタケ忍者など、アニメーションのある仕掛けがある場所でよく発生する。操作に影響を及ぼす程のものではないが、気になる人は気になるだろう。
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ただ、後半に出現する炎を吐く稗田八方斎の石像が登場する場所では操作性が悪くなるほど重くなってしまう。また、この稗田八方斎の石像は見た目の割に当たり判定が小さく倒しづらい。
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ちなみに操作性、処理落ち共に同社が過去に製作した忍たまシリーズから存在する問題だったりする。操作性に関してはマシにはなっているが、処理落ちについては改善されているとは言いがたい。
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意地悪な地形の存在
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後半のアクションパートにおいて、乱太郎ではジャンプ力が足りず、きり丸でないと絶対に進まない場所が幾つか存在する。
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乱太郎ときり丸のジャンプ力の差自体は小さく、一見するとどうやっても進めない場所であるため(実際にはきり丸でダッシュジャンプをすればギリギリ届く)初見では分かりづらい。
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このため一見性能差の少ない2人だが、キャラの使い分けが意外と重要となる。
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アクションパートで不遇なしんべヱ
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アクションパートにおいて、しんべヱはドクタケ城へ潜入をするステージしか操作できない。しかも操作は匍匐前進をするのみである。過去作では普通に操作できたのにどうしてこのような扱いになってしまったのか……。
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一応アドベンチャーパートではそこそこの活躍をしており、しんべヱ専用のミニゲームも存在するため全体的にしんべヱが不遇というわけではない。
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エンディング直前のミニゲームの難易度がとてつもなく高い
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このゲーム最大の問題点。馬に乗って降り注ぐ火山弾を避けつつゴールを目指すミニゲームなのだが、降り注ぐ火山弾の速度が尋常ではなく、回避が非常に難しい。しかも火山弾の落ちる場所と数はパターンではなく完全にランダムなので火山弾が落ちるタイミングを覚えるという手段も使えない。回復アイテムも登場しないため、運と実力を兼ね備えたプレイヤーでなければクリア不可能である。
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何度失敗しても無限にコンティニューできるのが救いか。
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ちなみにプレイ開始直後のアドベンチャーパートが終わった後にも馬で岩を回避するミニゲームがあるが、こちらは岩の挙動が分かりやすく、回復アイテムも降ってくるため割と簡単にクリアできる。
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当たり判定がおかしい。
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落石を避けるパートでは時機の端っこのしんべヱに当たり判定があるにもかかわらず、きり丸の頭部の端には当たり判定が無い。
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本作は「アクションゲーム」と名乗っておきながらプレイ時間の大半をアドベンチャーパートが占めている。故にアクションゲームとは呼びがたい。
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普通にプレイすると1時間半からせいぜい2時間程度でクリアできてしまうため、ボリュームがやや薄い。一応タイムアタック等のやり込み要素はあるのだが。
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演出が少し寂しい
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このゲーム単体の問題ではなく忍たまシリーズしての問題なのだが、他の忍たまシリーズと比較するとビジュアルやボイスの演出が控えめであり、若干物足りなさを感じる。
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文字送りが速過ぎる上に勝手に次のテキストに移行してしまう。初見では録画しておかないとテキストを読みそびれる恐れがある。
評価点
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「さぶげーむ」からアクションパートのみ、ミニゲームのみのプレイをすることができるため苦手なパートはここで練習することができる。
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最後のミニゲームだけは事前に何度練習をしてもキツい難易度だが……。
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難易度を3段階から選べる。また、何度ゲームオーバーになってもコンティニューは無限にできる。最後のミニゲームの難易度が高すぎるためありがたい仕様である。
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上記の鬼畜ミニゲーム以外は難易度が低めで、幾つかは操作も単調であるが全体的に演出が良い。その分最後のミニゲームの難易度が目立ってしまうのだが。
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序盤のアドベンチャーパートはだれるが、シナリオは原作映画に沿っており普通に楽しめる。それどころかしっかりと作りこまれており、盛り上げるところではちゃんと盛り上げてくれる。
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また、後半のアドベンチャーパートは選択する場面が減る(台詞を進めるのみとなる)ため、作業感が減り、シナリオそのものを楽しみやすくなる。
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ドット絵の書き込みが細かく綺麗。キャラクターの達絵は勿論、アドベンチャーパートの一部ではキャラクターのドット絵がアニメーションするのだが、こちらもしっかりと書き込まれている。背景もスーファミではハイレベルと言える位クオリティが高い。忍たまの牧歌的な世界観を表現できている。
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しかし上記の通り、同社が製作した他の忍たまシリーズと比較するとその他の演出は控えめである。
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過去作からの使いまわしは多いが、音楽のクオリティは良好。
総評
いくら上映時間47分の映画のゲーム化とはいえ、ゲームとして多くの問題点を抱えており、何故かしんべヱがリストラされていたりとキャラゲーとしても問題点があるが、どうにかキャラゲーとしては成立している。
惜しむべきはやはり最後のミニゲームの難易度だろう。これさえなければギリギリクソゲーからは脱却できたと思われる。
現在では安価で購入できるため、気軽に忍たまの雰囲気を楽しむための作品としては悪くない。
ただ、他の忍たまシリーズと比較すると見劣りしてしまう点が多い。購入する場合は他の忍たまシリーズとまとめて買うのが良いだろう。
余談
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本作はシャープの「スーパーファミコンテレビSF-1」では起動しない。
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廉価版の「スーパーファミコンJr.」では、アドベンチャーやミニゲームのパートで主人公が固まって操作できないという致命的なバグが発生する。
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他の本体やソフトでちゃんと操作出来るコントローラにつなげ変えても操作不能のままである。
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最終ステージの1つ前のアクションパートでは「ここは乱太郎、きり丸の専用ステージです」と説明が出るのだが、アクションパートで使用可能なキャラは元々乱太郎ときり丸のみである。
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バグってしまうが改造コードを使用することで全てのアクションパートでしんべヱを使用することができるため、開発時には全てのステージでしんべヱを使用できたと思われ、その際に設定した説明文の消し忘れだと思われる。
最終更新:2023年02月21日 10:29