セガラリーチャンピオンシップ (SS)

【せがらりーちゃんぴおんしっぷ】

ジャンル レース
対応機種 セガサターン
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 1995年12月29日
定価 5,800円(税別)
判定 良作
セガラリーシリーズ


概要

  • WRCにゲームとしての面白さを取り入れ、セガの代表作となったアーケードレースゲーム『セガラリーチャンピオンシップ』の家庭用移植版。
    • 本作の基本的なルールはAC版の記事を参照されたい。
  • 本作には「アーケードモード」の他に「タイムアタックモード」が追加されている。
    • 「タイムアタックモード」は基本的にはアーケード版のプラクティス準拠だが、制限時間やライバルカーが無い。

評価点

  • 当時としては非常に高かったアーケード版からの移植度
    • ハードの性能がアーケード版のMODEL2基板より低い為、当然グラフィックもAC版より明らかに劣ってはいるが、ポリゴン欠けや処理落ちをあまり感じられない様に工夫されている。
      • 正確に言えば前景のポリゴン欠け自体はそれなりにあるのだが、本作はカーブが多く見通しがもともと良くない上、コ・ドライバーが進行方向を指示してくれるので走りやすさも健在。
    • またセガサターンが苦手とする3Dグラフィックながら30fpsは維持しており、目立った処理落ちも無い。「DESERT」コースに出現するヘリコプターもちゃんと再現されている。
    • セガサターンの性能を考慮すれば、かなりハイレベルな移植度である。同年に移植された『デイトナUSA』と比べても良移植ということで大方の意見が一致している。
  • パッドの十字キーでも良好な操作性
    • 昔のレースゲームにありがちな入力した瞬間にカクカクと進行方向が変わる仕様ではなく、押す時間によってなめらかに車の向きが変わる。
      • アナログスティックがまだ存在していなかった当時としては抜群の操作感を誇っていた。
      • またオプションでステアリングの反応を「早い」「普通」「遅い」の3段階から選択でき、自分の感覚に合った設定にすることが可能。
    • なおSS専用のレーシングコントローラーにも対応している。
  • ランチア・ストラトスの追加
    • アーケード・チャンピオンシップモードの難易度NORMAL以上で優勝する(=LAKE SIDEで1位ゴールする)と出現。「アーケード」「タイムアタック」両方で使用することができる。
    • セリカとデルタの性能は似ており人によっては違いすらわからないレベルだが、ストラトスはその2台とは性能や挙動が明らかに違う。
      • ノンターボのミッドシップエンジン(MR)でスピード面では非常に速いが、挙動面がとにかくシビアでリアも滑りやすいと、上級者向けの車となっている。
    • ちなみに説明書のどこにもストラトスの存在が記載されておらず、購入当時知らなかったユーザーはびっくりしたことだろう。
  • リプレイ機能の追加
    • チャンピオンシップは3コース完走することが条件。1プレイで10分以上かかってもその全部が再生可能(タイムアタックは10分以内が条件)。
    • 第三者視点の他、鳥瞰視点や車の前に回り込んだ視点など、いろいろな視点が用意されているが、AC版と同じくプレイ中は鳥瞰視点にできない。
  • 評価の高いアレンジ・追加BGM
    • AC版では音が打ち込みでやや機械的だったのに対し、本作は生演奏のギターパートが追加されるなど迫力や熱さが増しており、全般的にAC版よりも好評を得た。
      • 厳密には本作のアレンジBGMは殆どがAC版の公式サントラから効果音を省いた編集版なのだが、本作に使用された事で唯でさえ高かった評価を更に上げる事となった。
      • 中でもエンディングBGMは「DESERT」コースBGMの流用から、完走・未完走の結果に関わらず、AC版で未完走時に流れていた曲「MY DEAR FRIEND, RALLY」に変更。
        同曲はAC版よりも曲調が爽やかで明るくなり、マシンと一体となり走るドライバーの感情を歌い上げる軽やかなボーカルが追加されたのだが、これもまた高評価を受けた。
    • 幡谷尚史氏により新規作曲されたメニュー・リプレイ時のBGMも、場面毎にマッチしながらもAC版のBGMとは違った雰囲気を持っており、それらも高く評価された。
      • チャンピオンシップでのリプレイBGMでは、コースをゴールしてから次のコースがスタートするまでの「つなぎのBGM」も用意されている徹底ぶりである。
    • 当時は人気ゲームのBGMが移植時にアレンジされる点で賛否両論がよく巻き起こっていたが、本作のBGMは当時からほぼ一定して高く評価されている。
  • その他様々なオプション・追加要素
    • AC版と同様、チャンピオンシップのラップ数が「1LAP」と「3LAPS」から選択可能。
      • 3LAPSに設定するとスタート時のCOM車との間隔や制限時間も概ね3倍になる。
    • タイムアタック環境の強化
      • 全モードで各計測地点を通過すると、画面の下寄りにトップレコードとのタイム比較が表示される機能を追加。
      • 「タイムレコード」モードではモード別はもちろん、車種別・ミッション別・チューニングの有無など細かい設定別にランキングを閲覧可能。
        また車の性能を大きく上げる隠しコマンドがあるのだが、それを使用したか否かでもちゃんとランキング分けがされている。
    • 画面分割式の「2人同時対戦」
      • ハンデを30秒(約半周分)まで設定できる。また設定した秒数差がついた瞬間に勝負が決する「タイムラグ」ルールも用意されている。
    • ハンドリングやサスペンションの硬さなどを設定し好みのチューンドカーを作ることができる「セッティング」
      • アクセルを戻した際のブローオフバルブの音まで5種類から選択することができるなど妙にマニアック。
        但し、作成したチューンドカーは「タイムアタック」モードでのみ使用可能。

賛否両論点

  • チャンピオンシップの難易度「HARD」が本当に難しい。
    • COM車が尋常じゃないくらい速くなり、制限時間も短くなる。アーケード版*1でも決して甘くない制限時間設定がプレイヤー達を苦しめてきたが、無論それ以上に厳しくなっている。
      • 完走に必要なタイムは、AC版での難易度ノーマルの3分32秒に対し、本作のNORMALが3分37秒、HARDが3分27秒。更に1位を獲るためにはこれよりもはるかに速く周らないといけない。
    • しかも1LAP設定ならまだいい方で、3LAPSだとさらに厳しい。参考に完走ボーダーは10分3秒。
    • ただHARDをクリアしないと開放されない要素は無い。また上級者にも歯ごたえがあり常にタイムアップと隣り合わせという緊張感も味わえるので、存在価値は決して無いわけではない。
  • エンディングの内容がAC版から変更されている。
    • AC版では4コースでのプレイヤーの走行をかいつまんだダイジェスト映像が流れたが、SS版ではディスクを使用しているハードの都合上、「LAKE SIDE」の走行のみが丸ごと再生される。
    • 流れるBGMの変更・統一も、AC版から演出面も含めた出来うる限りの完全移植を望んでいたファンにとっては不満点といえるものではあるだろう。

問題点

  • ゲーム単体としてみればボリュームは少なめ。
    • コースは4つ、車種はストラトスを含めても3台。アーケードでプレイしていた人にとっては前述の移植度の高さに見過ごされがちだが、コンシューマー作品として見れば内容が薄いといえる。
    • せめていくつか追加コースを収録して欲しかったところだろう。ただ家庭用移植作品にありがちな、「追加要素にこだわりすぎて肝心の移植部分がおろそかになる」よりはマシではある。

総評

当時としては圧倒的な移植度でファンを歓喜の渦に巻き込んだ移植版。移植元のゲームが名作であること、そして本作への移植度の高さを見れば、そこから導かれる答えは明白であろう。
十字キーでの操作のしやすさやリプレイ機能の搭載等、ひとつのレースゲームソフトとしても完成度が高く、この移植版を機に『セガラリー』を知ったという人も多いのではないだろうか。
商業面でも本作は国内で50万本以上を売り上げ、セガサターンで最も売れたレースゲームとなった。名実ともにトップクラスのSSレースゲームであったことは間違いないといえる。


セガラリーチャンピオンシップ・プラス

【せがらりーちゃんぴおんしっぷぷらす】

ジャンル レース

対応機種 セガサターン
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
発売日 通常版:1996年9月20日
サタコレ:1997年6月20日
定価 通常版:5,800円(税別)
サタコレ:2,800円(税別)
判定 良作
セガラリーシリーズ

概要

  • 電話回線を使った通信対戦ができた「X BAND」およびマルチコントローラー(アナログスティック)に対応したアップコンバート版。
    • 後に廉価版も販売された。どちらも車種やコースの追加は無し。
  • 現在では本当に「プラス」程度の追加要素であり、マルコンを使用したい人以外は本作を無理に購入する必要は無い。