バーンアウト リベンジ

【ばーんあうと りべんじ】

ジャンル レーシング

対応機種 プレイステーション2
Xbox 360
メディア DVD-ROM
発売元 エレクトロニック・アーツ
開発元 Criterion Games
発売日 【PS2】2005年10月20日
【360】2006年3月23日
定価 【PS2】6,090円
【360】7,140円(税5%込)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
配信 【360】ゲームオンデマンド
 2009年8月26日
判定 良作
ポイント 前作『3』から正統進化
バーンアウトシリーズ



激突中枢を刺激しろ。



概要

レースでありながら意図的に事故を起こさせ、他車を破壊しながらゴールを目指すというクレイジーなゲームの第4作目。
前作『バーンアウト3:テイクダウン』のシステムが引き続かれ、ブーストやクラッシュに加え、相手の車を破壊するテイクダウン等は本作でも健在。

PS2版は『バーンアウト レジェンド』と同日に発売されている。


特徴

  • ドリフト、対向車線の逆走など、危険走行をすることでブーストバーが加算され、より速く危険な走りが可能になる。
    • ブーストを溜めるには、ドリフト、ニアミス、対向車線走行、更には相手車との衝突、スライド等があるが、中でも一番多く溜めれるのはテイクダウン。テイクダウンをすることでブーストバーの最大値が上昇し、ブーストバーが最大まで溜まる。
      • ただし、相手から衝突されたりするとブースト値が減少する。クラッシュしたり、相手からテイクダウンされるとブーストバーの最大値が減少する。
  • 本作では新たにレーティングシステムが追加された。
    • 前述のブーストを溜める危険な走りをする事でゲージが上昇し、レーティングが高い程必要なレーティング量が増す。逆に時間経過やクラッシュする事で減少する。
    • レーティングは5種類あり、OK→GOOD→GREAT→AWESOME→PERFECTの順。イベント中は最大でAWESOMEまでしかレーティングが上がらない。
    • イベント終了時、ブロンズメダルの場合はレーティングが一段回減少し、ゴールドを獲得すれば一段回上昇する。
      • AWESOMEレーティングのままゴールドメダルを獲得すればPERFECTへとなり、そのイベントは完全クリアした事になる。
  • トラフィックチェックが出来るようになった。
    • 自車と同じ方向に走っている車を弾き飛ばす(以下チェック)ことが可能になり、爽快感が増した。
    • ただしすべての車がチェックできる訳ではなく、対向車や横向きの車、バスや大型トラックに衝突するとクラッシュする。
    • チェックした車が対向車に当たった場合、トリックショットとなり、大型車に当たった場合はスキルショット、 トリックショット+スキルショットでAWESOME スキルショットとなり、それぞれレーティングが上昇する。
    • 又、チェックした車がライバルに当たるとテイクダウンとなる。逆にライバルがチェックした車がプレイヤーに当たってもテイクダウンされない。
  • タイトルにも冠されている「リベンジ」要素が強化。ライバルにテイクダウンさせられるとリベンジライバルとしてカメラに映し出され、マークされる。
    • リベンジライバルを攻撃すると演出が若干変化したり、レーティングの上昇がしやすくなったりする。
  • イベントはリベンジランクによって挑戦可能となるイベントの数は増えていく。
    • 最初はランク1だが、一定量の☆を獲得すると次のランクに入ることができる。
  • クラッシュイベント以外にもクラッシュブレイカーを使用可能になった。クラッシュ後に特定のボタンを押すと自爆し、相手を巻き込めばテイクダウン(この場合はペイバックという)となる。
    • 巻き込めた相手が一台の場合はブラストペイバック、2台の場合ダブルペイバック、最大五台巻き込めばトータルペイバックとなる。
    • クラッシュブレイカーは残りブースト量が多い程爆発範囲が広がる。
    • ただし、一台でも巻き込めなかった場合はブーストを全て失い、最大ゲージが1つ減るので注意が必要。
    • 一部のイベントでは使用することができない。
  • 前作に引き続きEA TRAXとして多数の実在のアーティストを使い、ロックを始めとした数多くの楽曲が収録されている。
    • 本作では新たにエレクトロニカのジャンルが追加された。
+ イベント一覧
  • RACE
    • 5台のライバルとレースし、決められたコースを規定周回数走る。
    • 3位でブロンズ、2位でシルバー、1位でゴールド獲得。
    • クラッシュブレイカーが使用できるのはランク5から。
  • ROAD RAGE
    • 決められたコースで規定時間内のテイクダウン数を競う。
    • ライバルは3台で、追い抜いても前で待機している。
    • このイベントのみ自車に耐久力があり、ライバルに攻撃されたりクラッシュするとダメージが蓄積していく。
    • 一定のダメージが溜まるとクリティカルダメージと表示され、自車から火花が常時飛び散るようになる。クラッシュすると完全破壊となり、イベントは強制終了。また制限時間がなくなっても終了する。
    • 前作とは違い、2、3台テイクダウンする事で制限時間が増えるようになった。
    • クラッシュブレイカーが使用できるのはランク6から。なおクラッシュブレイカーを使用するとダメージが更に増すため、使用には注意。
  • ELIMINATOR
    • 基本レースと同じだが、違う所は30秒毎に最下位が脱落するという事。
    • なのでクラッシュすると一気に追い抜かれて即脱落もありえる。
    • クラッシュブレイカーが使用できるのはランク7から。
  • TRAFFIC ATTACK
    • 前述のトラフィックチェックを用いたイベント。一般車を破壊し、その合計金額(スコア)を競う。
    • 制限時間があり、チェックするとタイムが回復する。残り時間が20秒以下になった場合は、チェックを行なえば最大20秒までは時間が回復。
    • またトリックショットやスキルショットでも金額が貰えるが、AWESOMEスキルショットではスコアが大幅に貰え、時間もかなり回復。更にはレーティングも大幅に増える。
    • このイベントでは一般車が比較的多いので、ショートカットして道外れなどに出ない限り、一般車出てこなくなる事はほとんどない。更にはそのショートカットに一般車が配置されていることも。
    • 一周する毎によってスコアが一倍ずつ増える。
    • クラッシュブレイカーは使用できない。
    • なおこのゲームで最初にプレイするイベントである。
  • BURNING LAP
    • 決められた車で決められたコースを一周走るタイムアタック。
    • ブーストバーの最大値は常時最大まで溜まっており、クラッシュしても最大値が減らない。
    • クラッシュブレイカーは使用できない。
  • PREVIEW
    • BURNING LAPと同じだが、違う所は使用する車が必ずスペシャルカーになっている所(一部例外あり)。
  • GRAND PRIX
    • RACEと同じで、各レースで得られる順位ポイントの合計を競う。
    • 1位でゴールすれば6ポイント獲得、2位で4ポイント、6位で0ポイント。
    • レーティングは次のコースにも引き続がれる。
    • クラッシュブレイカーが使用できるのはランク8から。
  • CRASH
    • 道に突っ込むことで大事故を起こし、その被害総額を競うモード。
    • 3とは違い、自由に車を選べるようになった。更にレース専用の車も選択可能に。
      • イベントによっては特定の車しか選べないのもあるが。
    • 3にあったアイテム(X4やキャッシュボーナス、ハートブレイカー)は削除された。
    • ロンチゲージを使用して自車を発進させる*1
      • 緑色のスポットに入ればブーストスタート、赤色のスポットに入れば自爆する。
    • クラッシュブレイカーの発動条件がブーストバー方式(その破壊した車による蓄積ダメージ)になり、ブーストバーが100%まで溜まるとカウントダウンとともにブーストが減少。ボタン連打で回復し、ブーストが100%に戻るかカウントダウンが終了した時点で、ブースト残量に比例した威力のクラッシュブレイカーを発動する。
      • 減少量は自車のフォースが高い程多く減少する。
      • クラッシュブレイカーはブーストが最大に溜まれば何度でも発動可能。
    • 本作のクラッシュモードは、歴代作品のそれに比べてクラッシュできる範囲が広いステージが多く、二人同時プレイでなければ全一般車を巻き込めないようなステージすら多くある。このためどこでクラッシュし、そのあと車をどこへ吹き飛ばすかも考えなければならない。
    • イベントには必ず一台にターゲットカーが存在し、それが破壊されればかなり多くの金額を獲得できる。
  • 360版ではオンラインに対応。
    • メインとなるレースモードでは、対戦前に「決着をつけにきたぜ!」「そろそろ退場願おう」などの煽り文句とともに相手プレイヤーが紹介され、気分を盛り上げる。
    • リベンジライバル要素も健在。マークされた相手に復讐の一撃を決めてやれ。
    • この他、ロードレイジやクラッシュ系のモードがいくつかある。
    • サーバー運営は2012年に一旦終了したが、海外有志の活動で復活しており、2017年にも一時期稼働中していた。(現在はサービス終了)

評価点

  • グラフィックが前作から進化された。車や背景等が綺麗に作られている。
    • 360版ではHDハードへの移植という事もあり更に綺麗になった。グラフィックだけでなく、サウンドやインターフェースもモダンに進化された。
    • またズタボロになった車のモデリングはもちろん、本作は前述の通り車が爆発炎上する惨状は、もはや恐怖すら覚える領域になっている。
  • 前作からの改善点も多い。
    • ブーストを獲得できる量が多くなり、格段に溜めやすくなった。
    • ライバル車のバランスの調整。最下位になってしまっても、すぐにトップに追いつきやすくなった。
    • テイクダウンがやり易くなった。新たに登場したトラフィックチェックで当てたライバルはテイクダウンになる。
      • 逆にライバルがチェックした車両がプレイヤーに当ってもテイクダウンされない親切仕様になっている。
    • インパクトタイムによるカメラが改善。発動中は自車のフロントから後方を映すようになりライバルの場所を確認しやすくなった。
    • ロードレイジでは前作では制限時間3分固定で延長がなかったが、本作では2、3回のテイクダウンで制限時間が延長されるようになった為、規定テイクダウンに辿り着くまでに時間切れに悩まされる事はほぼなくなった。
      • ただしイベント開始時の制限時間は短めなので、テイクダウンにモタついているとすぐ時間切れになってしまうが・・・。
    • エリミネーターではテンポが改善された。
      • コースを一周する毎に最下位が脱落するルールから30秒毎に最下位が脱落するように変更。
      • 前作ではゴールドを獲得するのにコースを5周しなければならなかったが、本作では1周程度で済むようになった。
  • コースの構造も良く出来ており、ベースとなった街を実際に走っているかのように感じられる。
    • 全てのコースがほぼ一本道だった前作だったが、今作では全てのコースに分岐が用意され、更にはショートカットが追加されている。
      • ショートカットの入り口と出口には青く点滅しているランプがあるので、場所が分かりやすく表示されている。
      • ただし、本作は通れる道が多い分構造が複雑であったり、クラッシュしやすい場所も過去作の比ではないので、しっかりと道を覚えることが大切である。
    • 今作ではシリーズ初となる日本コースが初登場した。
      • 首都高がモチーフとなっており、道路の構造は勿論、所々に存在する看板がちゃんとした日本語で書かれている事や、首都高故の道路の複雑さ等のコースの完成度が高く、洋ゲーにありがちな「おかしな日本」がほぼ存在しない。
      • 強いて言うなら、首都高に何故か「焼き芋トラック」が走っている事や、360版ではやや違和感がある片言の日本語が書かれた看板が追加された事だろうか。
      • 因みに焼き芋トラックは何故か香港コースにも走っている。これは単なる使い回しの類ではあるが。
  • トラフィックチェックによる爽快感。
    • 「車を避ける」から「車を吹き飛ばす」事への爽快感が高く評価されている。
  • 車種が大幅に追加されている。
    • 前作は67台*2だったが、今作は79台*3
  • 360版ではオミットされたリプレイが復活。巻き戻しや早送り、更には録画が可能。
    • 録画は30秒まで可能で、オンラインで共有が可能だった。

問題点

  • ナビゲーターが削除された。
    • 前作ではゲーム中にアドバイスをしてくれたり、様々なジョークを挟んだ会話をしたりしてゲームを盛り上げてくれた存在であったのだが、今作では削除されている。
    • 代わりとしてチュートリアルムービーではナレーションをしてくれる。
    • 海外版ではPS2、360版共にオープニングムービーではナレーションが存在していたが、何故か日本語版ではどちらも一切喋らなくなっている。
  • PS2版はロードが長い。
    • 360版では逆に非常に短くなっており、あまりストレスを感じない。
  • 前作で多すぎたクラッシュイベントの数こそは減ったが、場所が変わっただけだったり同じ場所の使い回しが存在する。
  • クラッシュイベントのリプレイが見られなくなった。
    • 360版では復活し、クラッシュイベント以外でも見られるようになった。
  • 前作グランプリイベントではコース毎にやり直しが出来たが、本作ではリスタートをするとイベントの最初からやり直しになる。
    • そもそもグランプリはスコアの合計点によって勝敗を決するものであり、一戦ごとにやり直せてはただ連続でレースしているのと変わらなくなるため、あえて初めから開始しているものとは考えられる。
  • レース系で使えるクラッシュブレイカーに問題が多い。
    • レース系イベントのクラッシュブレイカーは一定ランク以上のイベントでないと使用できない。
    • クラッシュブレイカーの当たり判定は分離帯の壁を貫通しない。例えば爆発がガードレールを超えて反対車線に届いているように見えても、当たり判定はガードレールまでしか届いていない。
    • とあるコースのトンネルで使うと何故か当たり判定が消滅する。
    • クラッシュブレイカーを発動するタイミングが遅すぎると、ブーストを全消費して爆発する寸前にコースに復帰してしまう。
  • バーチカルテイクダウンが運頼み。
    • 坂やジャンプ台が多いコースでは比較的楽だが、それ自体が少ないコースでは運頼みになる。
    • コース毎にこれを成功させる条件のやりこみ要素もある為、これのおかげでコンプリートできない事も。
  • バーニングラップの難易度が高い。
    • 基本的に常時ブースト、クラッシュ無し、ショートカットを出来るだけ通る事が出来なければゴールドはほぼ不可能。
    • トラフィックチェックの次にプレイ可能な2番目のイベントだが、それを果たさなければゴールドは不可という有様。
    • 幸い一般車の出現位置は固定でいわば覚えゲーであるため、何度も繰り返せばクリアができないことはない。最悪の場合でも、イベントをスルーしても次に進められるのが救いと思われる。
    • なお、PREVIEWイベントではPS2版は二回クラッシュしてもギリギリゴールドが取れるようになっていたものの、360版では一度でもするとゴールドがほぼ不可能になるガチガチなタイム設定に変わってしまっている。
  • ライバルに壁に押しこまれた時、稀に真っ白い空間に落ちてしまうというバグがある。
    • 一定時間後に元に戻るが、レース終盤やELIMINATORでこれが起こると敗北確定になってしまう。

総評

前作のシステムを継承し、それをさらに進化させた本作。
邪魔な障害物だった一般車を吹き飛ばせられるようになったり、コースに近道が出来たりジャンプ台があるなどの進化した点も多い。
ただナビゲーターが削除されてしまったのは残念といえるが、それでも面白さは健在。
普通のレースゲームに飽きたという人なら、今でも十分に楽しめるゲームである。


余談

  • 本作と『レジェンド』に収録されているYellowcardの「Lights and Sounds」は、本作で初めてメディアで収録された楽曲である。
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最終更新:2023年11月08日 10:21

*1 360版では削除されている。

*2 クラッシュ専用を含む。レース専用では56台。

*3 クラッシュ専用を含む。レース専用では59台(360版はクラッシュ専用を含み10台追加)。