鋼の錬金術師 迷走の輪舞曲

【はがねのれんきんじゅつし めいそうのろんど】

ジャンル ロールプレイング
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 バンダイ
開発元 トムクリエイト
発売日 2004年3月26日
定価 4,800円(税抜)
判定 なし
ポイント ハガレンゲーム化第2段
錬金術を除けばごくごくシンプルなRPG
シナリオ・バトルシステム共に薄味
鋼の錬金術師シリーズリンク


概要

漫画家・荒川弘の代表作であるダークファンタジー『鋼の錬金術師』のアニメ版をベースにしたRPG。
発売時期からわかるように元になったのは原作完結前にアニメ化された所謂「2003年版*1」で、原作発行所のスクウェア・エニックスによるPS2ソフト『翔べない天使』に次ぐ二度目のゲーム化となっている。

ストーリー

人体錬成で失った体を取り戻すべく、旅を続けていたエルリック兄弟。彼らは旅の途中で、イーストシティ付近で錬金術で作られた合成獣(キメラ)が大量発生する事件が起こっていることを知る。
エドワードは大総統キング・ブラッドレイから、キメラ大量発生事件の解決、そして事件解決のための人員を集めた特殊部隊の編成を命じられた。
エドは旅の途中で知り合った、国家錬金術師を目指す少女・コーニッシュや、国家錬金術師でありながら素行の悪さによって逮捕されていたマーティンスらを仲間に加え、事件の解決に動き出す。
  • 「エルリック兄弟がバルドや傷の男(スカー)と面識がある」ことから、ストーリーはおそらくタッカー関連の事件(原作2巻)以降の出来事と思われる。

ゲームシステム

基本的にはシンプルな一本道RPG。
序盤~中盤は特殊部隊の仲間集め、仲間が揃って以降はキメラを操る仮面の男「リンカー」とその一味との対決が描かれる。

  • 錬金術(錬成)
    • 本作における特徴的なシステム。原作の最重要設定といえる「錬金術」を再現したもの。
    • 錬成はフィールドマップ上でメニューを開いて行うか、戦闘中に行うことが可能。ルールに従って「素材カード」を組み合わせ、より強力な素材カードを錬成することができる。
    • 素材カードには、素材のカテゴリー(属性)を表す「色」、素材の種類を決める「質量」「価値」、素材の強さを表す「レベル」が書かれている。レベルは最大5*2、「質量」「価値」は最大7。素材カードの種類は質量・価値の数字の組み合わせにより変化する。
    • 素材カードを組み合わせると、互いの素材カードが持つ質量・価値・レベルが足し算された新しい素材カードが出来上がる。この時質量or価値が7を、レベルが5を超えなければ素材カードを好きな数だけ組み合わせて錬成することが可能。
      錬成された素材カードは最初に指定した素材と同じ色になり、質量・価値が増加することで別の種類の素材カードに変化する。
    • 例外として、色が紫(暗黒属性)の素材を組み合わせると、紫の素材が持つ質量・価値が引き算される。紫の素材を錬成に使うことで、質量・価値を下げながらレベルを上げることができる。
    • 素材カードは最大5枚持つことができ、デフォルトではレベル1で色・質量・価値がランダムなものを5枚持っている。消費した素材は同じように色・質量・価値がランダムなレベル1のカードで補填される。補填されるカードの傾向はパーティの現在位置で変化する。
    • 素材カードはエドだけが戦闘時「れんせい」コマンドで使用することができる。素材を使用すると錬金術による攻撃技を繰り出すことができ、素材カードのレベルが高いほどより高位の技が使用可能となる。
    • 素材は戦闘中、その場で錬成して即時使用することもできる。逆に、戦闘中でも技を使わずに素材を作るだけに留めることもできる。
    • また、フィールド上で様々な障害を乗り越えるために素材が必要な場面もある。
    • 通信を使えば互いのROMにある素材カードは交換することが可能。交換された素材カードはレベルがアップしているという特典がある。
  • パーティ
    • パーティは3人構成。フィールド画面で入れ替えることが可能。
    • 最初はエドとアルしか使えないが、ゲームを進めるごとに仲間が増えていく。エド以外のキャラクターは「れんせい」が使えない代わりに、各キャラ固有の特技「ひっさつ」を使用することができる。
+ キャラクター詳細
  • エドワード・エルリック
    • 主人公の一人。右手と左脚を鋼の義肢・機械鎧(オートメイル)に変えた「鋼の錬金術師」。
    • パーティメンバーで唯一「れんせい」が使える最重要キャラ。運には左右されるが錬金術により全体攻撃から連続攻撃までオールラウンドにこなす。
  • アルフォンス・エルリック
    • エドワードの弟。人体錬成の代償に全身を失い、その魂を鎧に定着させて維持している。
    • 原作のイメージからか、防御力とHPが高い。ひっさつは単体に向けて攻撃する「壁錬成」と「撃鉄靠掌」。またゲーム中様々な場所で手に入る猫を収集することで、所有する猫の数に応じて攻撃力が増す「猫」を使用可能。
  • コーニッシュ・ロイス
    • ゲームオリジナルキャラクター。多くの人々を錬金術で助けるために、国家錬金術師を目指す少女。通称「コニィ」。
    • HPが低く打たれ弱いが、ゲーム中で唯一回復技が使用可能な重要キャラ。単体攻撃を行うひっさつ「クロスダーツ」も使える。
  • アレックス・ルイ・アームストロング
    • 「豪腕の錬金術師」の名を持つ巨漢。情に厚く涙もろく、そして何かあるごとに脱いで筋肉をアピールする。
    • 見た目通りのパワーキャラ。単体・全体どちらもカバーする3種のひっさつを持ち、汎用性が高い。
  • アストン・マーティンス
    • ゲームオリジナルキャラクター。「雷霆の錬金術師」と呼ばれる国家錬金術師だが、素行の悪さにより刑務所に閉じ込められていたいわくつきの男。
    • 刀による抜刀術を駆使して戦うキャラ。アームストロング同様単体・全体どちらもカバーする3種のひっさつを持ち、特に火力の高い2連続攻撃「紫電」が強力。
  • ロイ・マスタング
    • 東方司令部の大佐。「焔の錬金術師」の二つ名を持ち、その名の通りハイレベルな炎の錬金術を操る。
    • ひっさつは「発火」ひとつしかないが、その発火は「高威力」「全体攻撃」「高速で発動」と性能が高い。
  • リザ・ホークアイ
    • ロイの補佐に当たる側近。冷静沈着なクールビューティで、銃の腕前に優れる。
    • 行動速度は早いが打たれ弱いスピード系のキャラ。ロイと同じくひっさつは「銃連射」ひとつだけだが、一回で銃を5発叩きこむため火力はパーティ中最高峰。
  • 戦闘
    • 戦闘はシンプルでオーソドックスにまとめられている。
    • 戦闘は、『ファイナルファンタジーシリーズ』の「アクティブタイムバトルシステム」に近い。*3各キャラはタイムゲージが満タンになるとコマンドを選択可能で、「こうげき」「れんせい(ひっさつ)」「てちょう(※エドのみ)」「アイテム」が使用可能。
    • 「こうげき」「アイテム」は即時発動するが、「れんせい(ひっさつ)」は選択後もう一度タイムゲージが満タンになるのを待たなければいけない。タイムゲージの増加速度は各ひっさつごとに異なるが、エドのれんせいは一瞬で完了するため、実質的には即発動するのと変わりない。
    • 「てちょう」(錬成手帳)には、過去に発動した錬金術が記録される(タイムゲージは使用しない)。手帳はフィールド画面からでも確認可能で、新たな錬金術を使用するたびに手帳が埋まっていく。
    • 各キャラの攻撃のタイミングが重なると、テンポよくキャラクターたちが連続で敵に攻撃を叩き込む。これはひっさつでも同様で、タイミングが合えば「各キャラのこうげき→ひっさつ」というコンボ攻撃に発展することも。
    • また戦闘中、キャラの攻撃に合わせて別のキャラが攻撃を加える「援護攻撃」が発動することがある。援護攻撃はタイムゲージを使用しない。援護攻撃の確率はキャラクター同士で戦闘を繰り返すごとに上昇する。
    • 状態異常に当たるものは存在しない。
    • 戦闘中は各キャラが互いの攻撃に応じて戦闘フィールド内を移動する。これはただの演出で、ゲームに影響を及ぼすことはない。
  • キャラクターの成長
    • 本作の成長システムは特殊で、RPGにつきもののレベルが存在せず、装備品もない。各キャラは「戦闘した回数」「敵にとどめを刺した回数」に応じてパラメータが成長する。
    • ゲーム中ではHP以外はマスクデータとなっており、攻撃力や防御力などを確認するすべはない。

評価点

  • 各キャラクターのドット絵
    • GBAのスペックながら、各キャラのドット絵の書き込みは細かい。各キャラには攻撃モーションが複数用意されており、なめらか、とは言えないがそこそこ綺麗に動いてくれる。
    • ロイの通常攻撃モーションは、原作ではあまり見せなかった「拳銃」*4。GBA画質ではあるが、ロイの射撃が拝める貴重なゲームである。
    • 各キャラの「ひっさつ」使用時には簡易だがアニメーションするカットインが入る。また原作1話をなぞる序盤では、止め絵と簡易アニメを使い「エドがコートを脱ぎ捨て、機械鎧をさらけ出すシーン」を再現しているなど、ビジュアル面は良好。
  • 違和感のないゲームオリジナルキャラ
    • 荒川弘自らが原案を手がけたオリジナルキャラ、コニィとマーティンスはうまくハガレンの世界観に溶け込んでいる。
    • 純粋で、錬金術師の理想と現実の差を目の当たりにしながらも前に進んでいくコニィ、軽い性格で女たらしだが、決める時は決めるマーティンスなどキャラも立っている。
  • ゲーム全体の親切さ
    • 序盤では錬金術に関するチュートリアルを戦闘とメニューからの錬成と2つに分けて行い、錬成システムについてきっちり教えてくれる。またフィールドでRボタンを押すことで進行状況のヒントをアルから聞くことのできる「アルナビ」も備わっており、ゲームの作りは全体的に親切。
    • 基本が一本道であることもあって、きっちりキャラを育てておけば迷ったり、手詰まりになる状況は少ないだろう。
  • 戦闘
    • タイミングよく攻撃することで、キャラクターが連携するのを見るのはなかなか楽しい。援護攻撃が絡むと最大4連続でコンボが繋がることもあり、「攻撃→援護攻撃→ひっさつ」という爽快なコンボもタイミングと運次第では可能。
    • 錬金術関連のシステムは例えるなら「ゲーム開始時から最強の魔法(特技)を運次第で使える」ようなもの。予めフィールドで強い素材を錬成し「強敵と戦う前に強力なカードを錬成し切り札にする」「全体攻撃のカードを対雑魚用に錬成しておき戦いをさっさと終わらせる」など、柔軟な戦い方ができる。
    • 戦闘中に手持ちの素材カードをやりくりして戦うのも面白い。質量・価値・レベルの計算が噛み合って強力な素材が生まれた時の快感は、パズルゲームの連鎖に近いものがある。
    • またパーティのどのキャラもそれぞれ差別化されているため、パーティが固定化されにくいのもキャラゲーとしては嬉しいところ。キャラが育つ終盤では、打たれ強く「猫」による全体攻撃も可能なアル、本作の貴重な回復要員であるコニィが強さ的には一歩抜けるが、それでも他キャラの優位性を完全に奪うほどの差ではない。
  • デモ画面ではGBA音源で「メリッサ」が流れる。ED曲もメリッサのアレンジである。

賛否両論点

  • アルの猫好きな所、エドの身長を気にしている所、アームストロングの脱ぎ癖、ロイの不真面目さ・無能ネタなど、全体的にギャグにつながる設定を誇張して描いている部分があり、シナリオ全体で二次創作的なキャラ付けが目立つ。特にクリア後のイベントでは更なる悪乗りが目立ち、その点に関しては賛否両論。

問題点

  • ストーリー・キャラクター
    • ストーリーは薄味で、ボリュームは少ない。味方側のオリジナルキャラであるコニィ・マーティンスとは対照的に敵側のキャラクターは出番が少なく、人物描写も薄いためいささか魅力という点では劣る。
+ ネタバレ注意
  • 本作の黒幕であるリンカーは「錬金術師の力は大衆のためにある」という理想を信じて国家錬金術師になるが、国家錬金術師を続ける内に理想とかけ離れた「人間兵器」として扱われる実情に絶望し、理想を追う姿勢から軍上層部からも疎んじられ、国家錬金術師の資格を剥奪されかかる。
  • その後イシュヴァール殲滅戦において戦友であったマーティンスの計らいで戦死を偽装して国家錬金術師の身分から離れるが、国への復讐のためにキメラを大量生産し事件を起こした…という設定のキャラクターになっている。
    • だが、「錬金術師の不当な扱いに憤り国家転覆を掲げる」という動機はわかるのだが、「一度はマーティンスのおかげで国家錬金術師の地位を捨てたのに、何故戻ってきたのか」「キメラや仲間で暴動を起こして、具体的にどうするつもりだったのか」が一切語られないため、悪役としての魅力が乏しい。
    • ゲーム中では一貫して「国家錬金術師は所詮軍の狗」「大衆のために戦う我々こそ正しい錬金術師」(要約)という主張をエドたちに演説するのだが、ぼんやりしていて要領を得ない。悪役としての魅力は原作におけるホムンクルス達やタッカー、第五研究所の二人などに比べると弱いと言わざるをえない。
    • また「自身の記憶を対価に強力な錬金術を使う」というハガレンでは珍しい能力持ちではあるのだが、そのあたりにも詳しくは触れられない。前述した「行動の計画性の欠如」「ぼんやりした理想」は、この「記憶を対価にした錬成」の使いすぎで、理想ばかりが暴走している状態になっているのではないか、と推察することもできる。
    • リンカーが仲間に加えたケイト・ランディに関しても出番はリンカーに比べると多いが、キャラ性は薄め。ケイトは「エドの身長いじり」、ランディは「いつも名前を覚えてもらえない」というネタをしつこく繰り返す。
  • メインの敵であるリンカー一味とは別に、原作の敵キャラであるラスト&グラトニー、傷の男(スカー)も登場するのだが、特にリンカーと関係があるわけでもなくぽっと出てくるので違和感と唐突さがある。一応ホムンクルス達には「リンカーの持つ力に興味を示し動向を追っている」という理由がないこともないのだが、エルリック兄弟と敵対する理由としては薄い。
  • また、一部のキャラのメタ発言も気になる所。
    • 代表的なのは序盤でマーティンスと接触する為に刑務所に潜入するイベントで、兄弟は脱獄した所を警備員に見つかり、警備員を蹴散らすのだがその際警備員が「俺ってばバトルもせずにやられちゃうの?」というメタ台詞を叫びながら吹っ飛んでいく。
    • さらにその警備員が落としたマーティンスの愛刀を見て、アルが思わず(警備員が都合よくマーティンスの刀を持っていたことに対し)「なんかすごくご都合主義だね」と突っ込む…というやりとりがある。ハガレンはそういうメタな作品ではないはずなのだが。
    • 挙句の果てにクリア後のイベントではロイが「台本ではこれはエドワード*5の台詞だったな」という特大級のメタ台詞を発する。繰り返すが、ハガレンはそういうメタな作品ではない。
  • 戦闘
    • まず大きな問題として、戦闘のテンポが悪い。互いに攻撃するたびに前進・後退する演出が入る上、エドの錬金術はいちいち錬成の演出が入るので、終盤になるとだれてくる。
    • 加えて終盤になると敵の体力が露骨に増えるため、雑魚戦が非常に面倒になる。加えて本作には、他ゲーにおける「虫除けスプレー」などのエンカウントを回避する手段や、ダンジョンからの帰還アイテムがないので、雑魚戦は避けて通ることはできない。
    • 戦闘システムはよく言えばシンプルだが、裏を返せば底が浅いということでもある。状態異常やMP、属性などの概念もなく、極論互いに殴り合うだけである。
    • 予告なしでパーティメンバーが強制的に固定されるイベント戦闘があり、そこで強制加入する仲間を育てていないとかなり厳しい戦いになる。特に単独戦闘があるマーティンス、二度も強制加入イベントが有るアームストロングは育てておかないと「詰む」とまでは行かないが辛い。
      • パーティの項で述べた通り攻撃手段が豊富で戦力として重宝するマーティンスだが、ラストバトル直前で永久離脱してしまう。そのため、マーティンスを主力に据えてプレイしているとラストバトルがかなり苦しい戦いになる*6
  • 錬金術
    • ただ適当に強い素材を作るだけならなんとかなるのだが、特定の素材を狙って作るとなるとかなり面倒。補充される素材カードは常にランダムなので、フィールド上の謎解きなど、特定の素材が必要になる場面では常に「思い通りのカードが出ることを祈って素材カードを引いては捨てる」という作業を強いられる。
    • 問題は、使用した錬金術を記録する錬成手帳の100%コンプリート。手帳を埋めるために特定の素材を狙って延々とカードの破棄と補充を繰り返す作業は正直苦痛である。
    • しかも、錬成手帳を埋めても得られる隠し要素はただのGBA画質の一枚絵。ゲームクリアやイベントには一切関わらないので無視できるやりこみ要素ではあるが、手帳埋めの苦痛に見合う対価とは言い難い。
    • 錬金術は数は多いものの、先も述べたように戦闘システムが単純なので各技が差別化されているとは言い難い。攻撃回数の多い錬金術や、暗黒属性の錬金術が強力な傾向にあり、最終的にはそれらの錬金術ばかりを使うことになる。
    • また暗黒属性の素材はまるで安いファンタジー作品のような「ブラックペーパー」「ダーククリスタル」などの安直なネーミングが目立つ他*7、「ダークマター」など明らかに錬金術の領域にない素材が含まれている。
    • それら暗黒属性素材を使った錬金術の解説も「負の力の流れをぶつける」「敵に負のものを降り注がせ爆発させる」など、原作の世界観から乖離したもの*8で、ハガレンの世界観にはいささかそぐわない。
  • 育成関連
    • 先述したようにHP以外はマスクデータなので、所謂「適正レベル」がわかりづらく、各キャラをどれだけ育成し、そのためにどの程度戦えばよいのかを把握するのが難しい。手がかりになるのはHPと、敵からのダメージ数値ぐらいしかない。
    • ラスボス以外は錬金術を使えばあまり苦戦せずに倒せる上、少し育成のために粘れば雑魚からのダメージを一桁~二桁前半程度に抑えられる程度には育つので、そこまで育成に手間暇を掛ける必要がないのは救いと言えるが、不親切さは否めない。
  • クリア後
    • クリア後には各種イベントが追加され、ある程度楽しめる作りになっているのだが、それらのイベントにも問題が見受けられる。
  • ブラッドレイが開いた武芸大会をエド一人で勝ち抜く「トーナメント」では、ブラッドレイが「優勝者には恩赦を与える」と作中の悪人を武芸大会に参加させてしまう。クリア後のおまけイベントとはいえ、それでいいのか大総統。
    • イベント中はエド単独で戦うことになるためとにかく火力が足りなくなる。その為、「強力な素材を錬成してとにかく錬金術を連発する」という単純作業になりがち。特に回避率の高いケイト、傷の男との戦いはかなりダレる。
  • 「幻の機械鎧」「大総統のお使い」は単なるお使いの繰り返しイベント。
    • 「幻の機械鎧」はウィンリィの頼みで各地に機械鎧の素材を探しに行くというものなのだが、一個見つけるたびにウィンリィの元に戻り報告しなければならないためかなり面倒。
    • 「大総統のお使い」は、タイトル通りお使いと称して各地をたらい回しにされる上に最終的にあるダンジョンの最奥まで潜らされる。しかも機械鎧の強化(エドのステータスアップ)という恩恵がある「幻の機械鎧」と違い、「大総統のお使い」にはクリアによる報酬は存在しない。ただ面倒なだけである。
  • 「マスタング大佐 汚名返上」はダンジョンにキメラ討伐に向かうというシンプルなイベントだが、最後のボスと戦う際はロイとキメラとの一騎討ちになる。このキメラが強力で、ロイを育てていないと詰む
  • 「シェスカのクイズ」は、シェスカから出題される(ハガレン作中の)錬金術の基礎を問う簡単な2択クイズをするだけ。国家錬金術師をナメているとしか思えない。ただし、報酬はアル用の猫3匹と手間の割に破格。
  • そして全てのイベントを終えて10個の「証」を手に入れると、真ボスであるエドのコピー人形と戦える最後のイベントが解禁される。このエドは今までのボスとは比べ物にならない圧倒的な強さで、一部の錬金術を食らうと相当育てたキャラであっても大ダメージは免れない。
    • 体力の低いコニィ・ホークアイなどは、体力満タン付近から即死することもザラ。本作には蘇生アイテムが存在しないため、回復アイテムとコニィの治癒錬成を上手く使わないと勝てない、真ボスらしい難敵に仕上がっている。
  • この各種イベントでは、先に述べた「エンカウントを防止できない」という短所が大きく響いてくる。既に戦う必要のない雑魚と、ダンジョンの往来で何度も何度も戦わされるのは苦痛でしかない。一応戦闘回数が必然的に多くなるので「キャラが強くなっていく」という副次効果はあるのだが…。
    • クリア後のイベントは何故か「ダンジョン内でイベントを終了させたら自動でダンジョン脱出」「イベント終了後もプレイヤーがダンジョンに残り、ダンジョンを抜ける必要がある」という二種の仕様が混在している。

総評

良くも悪くも「安い凡作キャラゲー」というレベルの出来で、原作の雰囲気を崩さないオリジナルキャラクターや錬金術を再現したバトルシステムなどクソゲーと言い切れない長所もあるものの、名作と呼ぶには程遠い。
肝心のストーリー面もいい出来とは言えず、ファン向けのキャラゲーとして見ても高い価値があるとは言えないだろう。


余談

  • 原作では一話きりの雑魚キャラだった列車強盗・バルドの存在が妙にプッシュされており、クリア後のイベントも含めるとなんと7回もバルドと戦うイベントがある。
    …スタッフにバルドのファンでもいたのだろうか?
  • 続編として『想い出の奏鳴曲』があり、本作での欠点の多くが改善されている。