SIMPLE2000シリーズ Vol.93 児玉光雄先生監修 THE 右脳ドリル

【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむきゅうじゅうさん こだまみつおせんせいかんしゅう ざ うのうどりる】

SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.4 児玉光雄先生監修 THE 右脳ドリル

【しんぷるにせんごひゃくしりーず ぽーたぶる ぼりゅーむよん こだまみつおせんせいかんしゅう ざ うのうどりる】

ジャンル その他(脳トレ系ソフト)

対応機種 プレイステーション2
プレイステーション・ポータブル
発売元 D3パブリッシャー
開発元 リュクス
発売日 【PS2】2006年3月9日
【PSP】2006年3月16日
定価 【PS2】2,000円
【PSP】2,500円(共に税別)
判定 なし
ポイント IQテストとしては良くも悪くも普通で真っ当
右脳に絞った結果パターン減少
問題集のような味気無さ
選択肢ぐらい変えましょう
SIMPLEシリーズリンク


概要

廉価ゲームシリーズ・SIMPLEシリーズの1作。同時期にPS2とPSPで発売された。
露骨なタイトル通り脳トレブームの便乗ソフトだが、本作は「右脳」をフィーチャーして差別化を図っている。
後述するが、いわゆるIQテストの問題集と考えてほぼ問題はない。

監修の児玉光雄氏はスポーツ心理学者で、イチローの頭脳学などの書籍を多数執筆している。
一方で脳トレ系の書籍にも携わっており、本作はその中の「右脳ドリル」シリーズが題材となっている。
最近ではテレビ番組『ホンマでっか!?TV』に度々出演したので、そちらで知っている人もいるだろう。

特徴

  • 本作で出題される問題は、一般的に「IQテスト」と呼ばれる類の問題である。
    • 形の違う図形がいくつか出てきて、「次の図形はどれでしょう?」と問題が出る「法則探し」の問題をやった人は多いだろう。
    • 他にも「正しい展開図探し」など、問題のパターンは複数存在する。
    • 問題は全て択一形式だが、選択肢の数は4~8ぐらいまでまちまちであり、「BとE」のように2つセットで解答する問題もある*1
  • 本作は「右脳の活性化」に特化している。
    そのため、イラストを使った視覚的な問題で全問が構成され、左脳を使う「文字・数字」を極力排していることが最大の特徴。
    • IQテストで割とある数列の問題や、漢字で熟語を作るパズルなどは全く出てこない。
    • もっとも、「これ結局は数の法則性探しだよね」という問題はいくらか出てきたりするのだが。
  • ゲームモードは、「右脳IQトレーニング」「右脳IQテスト」「ワールドツアー」の3つ。
    • 右脳IQトレーニング:問題を10問1セットで解いていく。セット毎に設問は固定だが、10問中6問正解してクリアしないと次のセットに進めず再度挑戦になる。
      • 問題は初級・中級・上級に分かれており、各10セット。総問題数は10問×10セット×3レベルで300問ということになる。
      • 出題中のBGMは全6曲から選択可能。
      • わからない問題を一旦飛ばして、後で戻ってきてもう一度解くことも可能(他のモードも同じ)。
    • ワールドツアー:世界中を回るという設定で、同じく問題を10問1セットで解く。こちらは問題が固定されておらず、ある程度ランダムに問題が出る*2
      • 「右脳IQトレーニング」に出てこなかった問題も含め、ゲーム中に収録されている全問から出題される。
      • クリアするとその国の写真が貰え、100%クリアすると星マークが付くが、あまり意味はない。
    • 右脳IQテスト:その場で、ゲーム収録の全問からランダムに10問プレイできる。
  • 「児玉先生の右脳解説」と称して、児玉光雄氏による右脳に関する簡単な解説も8種収録されている。
    • 一応隠し要素となっており、ゲームが進まないと全部は見られない。

評価点

  • 問題の質としては比較的安定したクオリティ。
    • 元がフォーマットの存在する問題なので、基本的な部分での難点が生じることはない。
    • 特に法則探し系の問題は、ある程度使い古されたものも出てくるとは言えいい頭の体操になるだろう。
    • 答え合わせ時に、問題の解説が見られる。こういった問題が苦手な人も、解説を見ながらパターンを掴みたい。
      • 必要な際はイラスト付きで解説されるので、解説を見てもわからないということはまずないだろう。
    • 問題には制限時間設定があり、悠長に考えている時間はあまりない。頭の回転の素早さも求められる。

賛否両論点

  • 法則系や仲間外れ系の問題の一部に、他の解釈をして別の解答でもOKになりそうなものがある。
    • 全体から考えれば僅かな問題量ではあるので、まあいいかで済ませられないことはない。
  • 答え合わせ画面で問題の解説が見られることに気づきづらい。
    • 画面下にそれほど小さくない大きさで「△解説」と書かれているのだが、他の項目に紛れているせいか気づかないプレイヤーが多数。
      • 説明書にも△ボタンの欄に「解説ON/OFF」と書かれているが、このようなゲームで説明書を丁寧に読むことも少ないためあまり意味なし。
    • Amazonのレビューなどで「解説もないからなんで間違えたのか分からない」というコメントが複数見られる。
  • 問題数はそれほど多くはない。
    • 全450問。4時間程度あれば全問解き終わってしまうだろう。
      • 全モードの履歴を10問正解にするまで完全にクリアしたとしても、せいぜい6時間程度。
    • 値段を考えればそれなりに妥協できるラインではあるので、これ自体はまだいいのだが……後述の問題と合わさり、これはより顕著となる。
  • 理由が明らかであるため、「正しい展開図探し」系の問題に解説がない。
    • ちゃんと展開図の組み上がりを見せてほしいという声は見られる。

問題点

  • イラスト問題のみを収録しているため、問題のパターンが乏しい。
    • メインは「図形変化の法則探し」「立方体の正しい展開図探し」「見本と同じイラスト探し(変則間違い探し)」「組み合わせの同じセット探し」「図形を部品に分けた際の使わない部品探し」「仲間外れ探し」。
      • この6種だけで、ざっと全問題の8割は占めている。
    • 「右脳を使う問題のみを収録する」というコンセプトの結果とは言え、このお陰でより問題の幅が狭まってしまっている。
    • そもそも、いわゆるIQテストとして出せる問題もパターンはそこまで多くはない。そこから種類を削ったのだから、目新しい新問でもなければ当然こうなる。
    • 似た問題を反復練習できるとポジティブに考えることもできはするが、やはり飽きやすさに繋がりやすい。
    • 初級・中級・上級と分かれているが、問題の複雑さが若干変わるだけでそこまでの差はなく、問題のジャンルも変わらない。
  • 同じ問題が出題された場合、選択肢は毎回まったく一緒
    • おかげで、問題の内容だけなんとなく覚えて、2度目以降は「あ、この問題は答えBだな」と解くことが簡単にできてしまう。
    • 前述したとおり問題数はそれほど多くはないので、間違えた問題だけ正答を覚えるのはごく簡単。これでは、『THE 記憶ドリル』である。
    • 問題がイラストである以上、問題自体を変えることは困難だとしても、出題する毎に選択肢をシャッフルするぐらいのことは簡単にできるはずなのだが。
  • どのモードでも10問クリア後にIQが表示されるが、基準はかなり雑で、まともなIQ測定として頼りになるとは言えない。
    • 「難易度初級で10/10問正解したからIQ160」といったように、難易度と正解数を機械的に照らし合わせているだけ。たった10問なので信憑性も薄い。
    • ゲーム内で成績表も見られるが、これまでの最高成績が反映されるだけなので、一度10問満点を取ればそれで固定されてしまう。これでは意味が全くない。
    • 50問ぐらいの問題を、出題ジャンルがバランスよくなるように設定して一気に解く、本式のIQテストに近いモードを入れるべきだったはずである。
  • PSP版の問題はPS2版のものを縮小しただけなので、一部の画像が非常に見づらい。
    • 間違い探し系の問題は、完全に無理ゲーとなってしまっているものが複数ある。
    • 解ける問題も、目を皿のようにして見なければ解答がおぼつかない問題が大量にある。
    • 携帯機の画面で、4つや6つもの細かいイラストや展開図などの細部を探させることにどだい無理がある。選択肢1つ1つを分けて見られるべきだっただろう。

総評

多数の関連書籍を出している専門家が関わっているだけあって、問題そのものは大した難点はなく無難に仕上がっている。
もっとも普通のIQテストで割とあるような問題で目新しさは薄く、「右脳縛り」の結果出題パターンの狭さにも繋がっているが。

他に問題なのはあまり多くない収録数と粗悪なインターフェース、モチベーション要素の微妙さか。
法則系の問題は実際のIQテストや就職でのSPIなどで役立つとは思われるが、この問題集のような内容では実際の問題集で十分な印象を受けざるを得ない。