With Ribbon

【うぃず りぼん】

ジャンル 母親(ヒロイン)探しアドベンチャー
対応機種 Windows XP/Vista/7
発売・開発元 HULOTTE
発売日 2011年2月25日
定価 8,800円(税抜)
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント 『娘』の性格七変化は見もの
ヒロイン個別シナリオの格差
物語の核心は語られず終了
HULOTTE作品
With Ribbon - 妹のおかげでモテすぎてヤバい。
叶とメグリとのその後がイチャらぶすぎてヤバい。 - 嫁探しが捗りすぎてヤバい。
神頼みしすぎて俺の未来がヤバい。 - 出会って5分は俺のもの! 時間停止と不可避な運命


概要

エロゲーブランド『HULOTTE』の処女作にあたる作品。
未来からやってきた娘にかき回されるラブコメという新感覚要素があったことでそれなりに注目を集めた。
その一方、原画家に池上茜氏を据えたことで、そのことを不安視するユーザーも少なからず存在する中の発売となった。

あらすじ

幼い女の子の声がした。
「……やっと見つけた……やっと」

声に振り返ると、胸にやわらかくて抱き心地のいい、小さな女の子が勢いよく飛び込んできた。
「パパ、会いたかったよ!!」
それは見たことのない子だった。

「あたし、ずっとずっと探して……来たんだよ」
「パパは……まだパパじゃないけど、でも、やっぱり、あたしのパパなの」
彼女の言っていることがよくわからずに戸惑っていると、
「うーんと……今は、わからなくていいよ。すぐわかるから……そう決まっているから」
女の子の優しげな笑み――その目元のあたりに、ふと見覚えがあるような気がして……

そんな不思議な夢を見た日向翔太郎(ひなた しょうたろう)は、いつものように幼なじみである穂坂陽奈(ほさか ひな) と一緒に刻泉学園(ときみずがくえん) に向かう途中、車にひかれそうになっていた女の子を助ける。

「……パパ!」
これは……夢の続きか? そう考えながらも、抱きつかれていたやわらかい感触は、しっかりと現実のものだった。

「やっと会えたね、パパ! ずーっと探してたんだよ?」
「あたし、パパの恋を応援しに来たの!」

突然現れた、自分をパパと呼ぶ女の子との、不思議な毎日が始まる。

登場人物

+...
  • 穂坂 陽奈 翔太郎がいないと生きていけない手のかかる駄目幼なじみ。
    外見は良いところのお嬢様風なのに、よく食べる、よく寝る、よくしゃべる、そして結構ずぼらで、ぐうたらで脳天気。学校の成績も芳しくない。
    朝、翔太郎を起こすのが日課だが、単に翔太郎が作る朝食をねだっているだけ。
    彼女の両親は仕事で帰ってこない日が多々あるので、日向家にだらだら入り浸っていることも多い。
    スキンシップが好き (主人公と女の子限定) で、気軽に抱きついたり、手を繋いだりと、無邪気にスキンシップする。
    翔太郎のことは無意識に大好きで、大して勉強もできないのに、翔太郎のことだけはやたらとよく覚えている。
    食べたものや着ていたもの、テストの点数などを簡単に思い出すことができる。
  • 手塚 ゆみみ 頑張り過ぎちゃうので目が離せない努力家な後輩。
    水泳部に所属している。
    自分に自信が無いのでいつもおどおどしており、それを努力することで補おうとするが、不器用なのでなかなか上手くいかず、結局頑張りすぎて倒れてしまうことも。
    なので、周りの先輩からはハラハラドキドキされている。
    澄香とは同じクラスメイトだが、何故か澄香はゆみみに対して厳しい態度を取るので、仲はあまり良くないらしいかも知れない。
    本人は仲良くしたいと思っているのだが……
    背が小さくて幼い容姿に見えるが、意外と胸は大きい。
  • 高見澤 沙蘭 巨大企業・高見澤グループの令嬢。
    翔太郎の先輩であり、刻泉学園の学生会会長でもある。
    娘を溺愛する父親からは 「高見澤の教育方針は実践あるのみ」 で育てられ、とても男前な性格のカッコイイ少女になってしまった。
    名家のたしなみとして習った武道 (古武術) が言動に染みついており、規則には厳格で、刃向かう者は容赦せず、古風な父親のような厳しい性格なのだが、実はこっそり可愛らしいファンシーグッズが大好きで、中身は意外と乙女。
    本音は女の子らしく振る舞いたいと思っている。
  • 槇喜屋 澄香 巨大企業・槇喜屋グループの令嬢のひとり。
    一年生でありながら陸上部のエース。
    姉の華澄をとても尊敬し慕っているので、華澄が気に入っている翔太郎にはいつも冷たく当たっている。
    また、クラスメイトのゆみみに対してもツンツンしているが、理由はいまのところ不明。
    なんでもそつなくこなし、出来ないことは必至で出来るようになろうとする努力型。
    ゆえに努力して生きてきた自分に誇りを持っているので、努力をしない人間が嫌い。逆に、努力している人間のことは尊敬している。
    日向家と槇喜屋家は古くから親しい交友があり、翔太郎と姉妹はずっと以前から知り合い同士で、今回槇喜屋家の事情から姉妹はしばらく日向家に居候することになる。
    敏感な体質でとても感じやすく、すぐに抱きついてすりすりなでなでしてくる陽奈は天敵とも言える。
    ちなみに翔太郎のことを以前は 「お兄ちゃん」 と呼んでいた。
  • 槇喜屋 華澄 巨大企業・槇喜屋グループの令嬢のひとりで、澄香の姉。
    刻泉学園の学生会副会長でもあり、会長である沙蘭のサポートをしている。
    あまり表には出さない(?)が、幼い頃から縁のある翔太郎のことを気に入っており、お姉ちゃん大好きの澄香を心配させている。
    また、たまに好意を寄せるような意味深な言葉を投げかけては、翔太郎の反応を楽しんでいるところがあり、今回の日向家での居候暮らしでも、なにか企んでいると思われる。
    妹と正反対の奥ゆかしい性格と言動で、沙蘭と同じく周りからの支持や人気は厚い。
    幼少の頃から自分が大企業を受け継ぐという自覚があり、そのことに対する勉強などもしっかり行っている。
  • 日向 はるか 翔太郎の娘で、母親は今のところ不明。
    未来からやってきたということもあって、翔太郎と同じぐらいの年齢で登場する。
    父親譲りなのか、頭はいいのに勉強は嫌い。
    性格は今のところ明るくて元気で割と脳天気なところがあるが、翔太郎が好意を寄せる女の子によって、彼女の性格も多少変化するらしい?
    彼女には他にも秘密が…。
  • 日向 久遠 翔太郎の母親。
    若すぎる外見と性格に、翔太郎自身もあまり母親と認識していない。
    その容姿ゆえ、世間の女性と違って年上に見られた方が喜んだりする。
    職業は家族にも明かされていないが、自宅で仕事をしている。
    部屋のドアに 『仕事中』 の札が掛かっている時は、絶対立ち入り禁止というのが日向家のルール。
    基本的な家事は翔太郎に任せっきりなのだが、家事が苦手とか出来ないのではなく、単に面倒くさがっているだけ。
    料理に関しては翔太郎以上にプロ真っ青の腕前を持っているのに、披露する機会はあまり無い。
    巨大企業を仕切る槇喜屋家とも仲が深かったり、息子の担任の美奈子とも旧知の仲だったりと、謎が多い。
  • 皆村 愛理 帰国子女。 以前はずっと英国で暮らしていたのでネイティブな英語を話せる。
    気配りが行き届いて明るく親しみやすい性格で、異性同性から好かれており、今ではクラス委員長として活動している。
    「委員長」 と呼ぶ人も少なくない。
    陽奈の良き理解者でもあり、翔太郎が陽奈と一緒にいてやれない場合などは代わりに愛理が陽奈の世話をしてあげることも多い。
    委員長だけど堅物キャラではなく、面白ければ割と何でもOKなところもある。
  • 朝霞 美奈子 現在彼氏募集中の独身。彼氏居ない歴=年齢。
    歳はそれ相応なのに、シモネタや性的なネタには弱く、すぐテンパってしまう。
    翔太郎や陽奈のクラス担任であり、担当教科は現代文。
    ゆみみが所属する水泳部の顧問でもあるが、当人はさっぱり泳げない。
    学生の頃は合唱部だったせいもあってか歌唱力は抜群らしいが、お披露目する機会は滅多に無い。
    趣味はカラオケ。久遠とは旧知の仲。
    なにか思うところがあるのか、翔太郎に頼み事をすることが多い。
  • 日向 翔太郎 (ひなた しょうたろう) 家事が一切出来ない手のかかる幼なじみの世話を焼いているうちに家事 (特に料理) が得意になってしまい、しまいには母親から家事の一切を押しつけられてしまった過去を持つ。
    頭は悪くないのに勉強はあまり好きではなく、特に成績優秀ではないが、陽奈よりはマシ。
    部活には所属しておらず、日々陽奈と母親の世話をしている。
    陽奈の存在もあってか性格は穏やかでなにかと世話焼き。
    環境のせいもあって今まで女の子への恋愛感情など少しも持ったことはなかったが、恋を体験する前に子供が目の前に現れてしまった。

評価点

  • 音楽・BGM
    • 主題歌はDucaの『Dear』。13時台のほのぼの昼ドラ風な歌となっており、ゲームの雰囲気に合致している。
    • また、エンディングは各ヒロインが歌う曲となっている(初回特典と、ショップ特典とに別れており、全部揃えるには複数店舗での予約が必要)。
    • ただし、ED曲として扱われている『たからもの』はゲーム中で流れない。
  • CG
    • 今作は前述の通り池上茜氏によるものであり、不安視されていたが、蓋を開けてみれば良好な完成度であった。
  • はるかの中身がめまぐるしく替わる
    • 今作でのキーキャラである娘のはるかは、ゲーム中の選択肢の選び方で中身が変わっていく
    • 例えば、沙蘭シナリオが近い選択肢の選び方だと、沙蘭が母親だと分かるような性格、口調に変化する。
    • それ以外でも、ゲームの至るところで、主人公の行動を反映してはるかの性格、口調が変化する。
    • 声優の演技力に感動する。
  • 後述するヒロインを除けば、全体的に良く練られた構成
    • 一部ヒロインのシナリオを除けば、はるかとの関わりやヒロイン個別シナリオでの山や谷を良く出せている。
    • ただし、なにぶん、特定ヒロインの扱いが…。

問題点

  • ヒロイン個別シナリオ間の格差
    • 特にゆみみシナリオと陽奈シナリオの手抜き感が他ヒロインと比べると目立つ。
    • 前者は水泳という要素をプッシュしすぎたことで主人公との関係性、はるかとの関係性を描写しきれていない。
    • 後者は実質的なメインヒロインながら、他ヒロインよりもヒロイン確定が非常に容易。場合によっては他ヒロイン攻略失敗の救済ヒロイン扱い
    • その上、陽奈もはるかも主人公も、特に大きな山も谷もなくシナリオは終了してしまう。
    • ただし、ゆみみのお楽しみシーンはかなり濃厚で、かなりエロ方向に振れているヒロインではある。
  • 物語の核心は語られず
    • 今作で最も大きなシナリオの鍵である「なぜはるかは未来からやってきたのか」は語られることがなくゲームは終了してしまう。
    • 一応それを問い詰めるシーンがあるのだが、はるかに軽くあしらわれてしまい、以降そのような話題が出ることはない。
    • それに加え、『たからもの』という曲が使われていないことを考えると、「Trueシナリオが実は作られる予定だったのでは?」と勘ぐられても仕方ないだろうだろう。

総評

全体的なストーリー構成や各ヒロインの設定、絵や音楽についてはメーカー処女作ということを考えてもかなり上出来だったと言える。
その一方、一部ヒロインの扱いや、伏線を回収する予定だったTrueシナリオを作れなかったことが伺える点がマイナス要素。
原画家の問題もあり注目はさほど浴びなかったが、萌えゲーとしての出来は悪くない作品。


その後の展開

サブヒロインの追加シナリオが公開された。
ボイスレスではありお楽しみシーンもない(未遂で終わる)。
なお、ゲーム本編が無くてもプレイ可能。