サイドワインダーF

【さいどわいんだーえふ】

ジャンル フライトシューティング
対応機種 プレイステーション2
発売元 アスミック・エース エンタテインメント
開発元 ピット・タウン
発売日 2001年12月13日
判定 良作
サイドワインダーシリーズリンク


概要

  • サイドワインダーシリーズの4作目。
  • 前作のシステムを基に、シューティング風に改良された。
  • 異色だった前作と比べて、内容は正統派寄りのフライトシューティングである。
  • 本作から架空の戦闘機や超兵器が登場する。
  • ミッションのランクシステムが初めて採用された。

ストーリー

西暦20XX年。

地球環境の破壊は、人類の予想を超えたスピードで進みつつあった。
温暖化、オゾン層の破壊、ダイオキシンなどの有害物質の汚染……。
地球上のあらゆる生物は、有史以来かつてない存亡の危機に瀕していたのである。

人類も、様々な対策を急ピッチで進めてきた。
しかし、21世紀中期、決定的な厄災が人類に降りかかった。
シベリアの永久凍土の溶解である。

永久凍土の溶解により発生したメタンガスは、さらなる地球温暖化を加速度的に進行させ、寒帯各地で凍土溶解が誘発。
海面上昇により、数十か国では国土の大半が水没。
また、水没を免れた地域でも、津波による原発や石油採掘装置の崩壊が相次ぎ、国土を放棄せざるを得ない国家が続出した。

そして、人類は最後のフロンティアを海洋に求めた。

大厄災以降、国家基盤を荒廃した大地から海洋に移そうという流れが主流になる。
新たに生まれた「世界連合」主導のもと、各地でメガフロートシティの建造が進んでいった。

しかし、その流れに乗れない者も存在した。
国土の多くを失い、かつ、メガフロートシティ建造に着手できる経済基盤を持たない国々。
彼らの世界連合への反感は強まり、やがて各地でのテロ・内戦が勃発する。
世界には、「国土を持つ者」「国土を持たない者」の対立が生まれつつあった。

自体を憂慮した世界連合は、最大の武器輸出国「グルトシュタイン共和国」に対し経済制裁を行い、新たな武器輸出禁止条約への調印を強要。
しかし、「グルトシュタイン共和国」はこれに反発し、世界連合を脱退。
さらに、世界連合に反発する諸国と同盟を結び、「WORF(World Order Reorganization Front/世界秩序再編戦線)」を結成。

対して世界連合も、新たな超国家的軍事組織「フロンティア・ネーションズ」、そして精鋭パイロットからなるチーム「チームSW」を組織した。

しかし、「チームSW」がグルトシュタインの海上首都であり、軍司令部であるメガフロート軍事要塞「リバイアサン」へと攻撃を仕掛けたとき、すでに自立航行機能を備えたリバイアサンは何処かへ姿を消した後だった。

特徴

システム

  • 基本的な自機の仕様は前作と同じ。ただし、細かい点が改善されている。これに関しては後述する。
  • 脱出装置がなくなったので、部位ダメージが一つ減っている。
  • 武器
    • ハードポイントの種類は前作と同じ。種類毎に搭載可能なミサイルが決まっている。
    • 対空ミサイル
      • AIM-9M/AA-11:短射程対空ミサイル。フレアで回避される。
      • AIM-120/AA-12:中射程対空ミサイル。チャフで回避される。
      • AIM-900:多弾頭対空ミサイル。マルチロック可能。チャフで回避される。
    • 対地ミサイル
      • AGM-65E/AS-10:短射程対地ミサイル。
      • AGM-88/AS-14:中射程対地ミサイル。
      • AGM-900:多弾頭対地ミサイル。マルチロック可能。
    • その他
      • LAU-68:無誘導ロケットランチャー。いつでも発射可能。一度に大量に発射できる。
      • 増槽:燃料が増加する。
  • 僚機
    • 最大4機編成の部隊で戦う。
    • 僚機はミッションが進むにつれて増えていき、最大5人になる。
    • それぞれの僚機には対空・対地能力が設定されていて、得手不得手がある。
    • 敵を破壊させるとレベルが向上し、能力が強化される。
    • 撃墜されても戦死はしない。
    • 出撃前に任務内容を指定できる。
      • 種類は多目的攻撃、対空特化、対地特化、プレイヤー援護の4つ。
      • それぞれの任務内容で武器搭載パターンが決まっている。細かく設定はできない。
  • ミッション終了時に、全編を録画したリプレイを見られる。
    • 効果音は流れない。
    • カメラアングルは全部で4種類。
    • リプレイは保存可能。

ゲームモード

  • キャンペーン
    • 一般的なフライトゲームと同様、破壊目標の全滅などの目的を達成するとクリアとなり、次のミッションに進める。
    • ゲームオーバーの概念が廃止された。ミッション失敗になっても、コンティニューするかしないかを選ぶだけ。
    • デブリーフィング
      • クリア時間、ランク、各隊員の戦果、護衛対象の友軍被害状況が表示される。
      • ランク条件はミッション毎に異なり、敵破壊数、クリア時間、友軍被害状況、着陸・着艦の成否、プレイヤーがクリア後に墜落しなかったかどうかで決まる。
  • トレーニング
    • 最大4機編成の部隊同士で戦闘訓練を行う。
    • それぞれの部隊の機数、機種、武器の強さを設定できる。相手部隊の場合、パイロットの選択も行う。
    • 隊長機のHPを先に0にした方が勝利。

評価点

システム

  • 自機の仕様が改善された。
    • 機銃が強化された。
      • 施設を含む全ての目標にダメージを与えられる。
      • 射程が延長された。
      • ミサイルと併用ではなくなり、いつでも発射可能。
      • 敵機を攻撃する際、敵機の未来位置と当たり判定がHUDで表示される。このため、機銃を当てるのが初心者でも楽。
    • ミサイルが強化された。
      • 誘導性能が高く、命中しやすい。
      • ハードポイントの数と、1つあたりのミサイル搭載数が実際の戦闘機より増えた。このため、多い機体では20発近くのミサイルを搭載可能。
    • 機動性と安定性が向上した。
      • 特に安定性の向上で、地上への機銃攻撃がしやすくなった。
      • 前作にあった操縦不能状態にはならなくなった。
    • チャフ/フレアが自動発射式に戻った。
  • 僚機が強化された。
    • 明確に役割分担ができるので、攻撃させたい目標を指定できる。
    • 戦死しないので、損害を気にしなくて良い。
  • 自由度の向上
    • 部隊編成は自由。好きな機体、装備、僚機で出撃できる。
    • 一部の特殊なものを除き、ミッション中は自由に飛行できる。制限時間は基本的にない。
    • 一度クリアしたミッションでも再挑戦可能。
  • ゲームテンポの改善
    • 余計な会話イベントの類は一切存在しない。
    • ブリーフィングを飛ばして、戦闘情報で具体的な敵勢力や破壊目標を一目で確認できる。
    • 部隊編成を素早く行えるようになった。
  • 豊富な隠し要素と裏技
    • 自機無敵化
    • ACMIモード*1によるリプレイ
    • データ継承を使った新規プレイ

ミッション

  • 各ミッションの特色が強く、印象に残りやすい。
    • 陸海空問わず、様々な種類のユニットが登場する。
    • 大量の敵を相手にする大規模ミッションなどがある。
    • 峡谷突破ミッションが復活した。
  • 架空兵器
    • 一部のミッションではボス級の敵として、超大型架空兵器が登場する。
      • 巨大ヘリ、巨大車両兵器、多足歩行戦車、空中空母、メガフロートと種類が豊富。
      • 超兵器は手強いので、戦い甲斐がある。
      • ミッションの特徴付けにも一役買っている。
    • F-25 ブラックオウル
      • 本作オリジナル架空機の一つ。次作にも登場する。
      • ほぼ全てにおいて最高の性能を備えており、最強クラスの対空戦闘力を持つ。
      • デザインはF-22を基に、カナード翼を足して単発にしたもの。架空機にしては癖が少なく、無難な格好良さが魅力の機体。

賛否両論点

難易度

  • 前作より改善されたとは言え、慣れが必要な操作性。ゲームに支障が出にくくなってはいるが、機体がふらつきやすくて安定しない。
  • 全体的にミッションの難易度が高い。
    • 序盤から難しいものが多く、初心者は最初のミッションだけでも一苦労となる。
    • 敵の攻撃が熾烈で、その上にミサイルの誘導性能が高い。攻撃をやり過ごすのが難しい。
  • 戦闘艦や超兵器の破壊部位の当たり判定が小さ過ぎる。
    • 機銃で狙いを付けて破壊するのはかなりの技術を要する。
    • この判定の小ささがとりわけ大きな壁になっているのが、超兵器の巨大ヘリ。
      • 超兵器の割に動きが速く、ミサイルでも狙いが付けにくい。それは、破壊不可能部位を盾にして素早く破壊可能部位を防御するため。
      • 下手に機銃で戦おうとすると、高確率で激突する。
      • よりにもよって、序盤であるミッション5から登場する最初の超兵器であるため、初心者はこれが原因で詰む可能性が高い。
    • 計画的にミサイルを使っていけば何とか対処可能。パターン化する必要がある。
  • 着陸が難しい。バウンドしやすく体勢を崩しやすいため、感覚が身に付いていないとまず成功しない。
  • 難易度ハードでのSランク獲得が運ゲー。
    • 敵機に対するミサイルの威力と命中率にはムラがある。時間がランクに関与するミッションでは致命的。
    • ミッションによっては僚機の活躍に期待する必要がある。僚機はいくら優秀でも、所詮は不確定要素である。
    • 幸い、機体やミッションのコンプにハードは関与しない。挑戦するかはプレイヤーの自由。
    • また、ミッションは長くても5分程度で終了できるので、再挑戦への意欲を削ぎにくいのも救い。

機体

  • ミサイル性能に関して、多弾頭ミサイルがほぼ一強状態。
    • 威力、制圧力、射程、命中率と、どれを取っても申し分なく、他のミサイルの存在意義が薄い。
    • 強いて他のミサイルの利点を挙げるならば、短射程ミサイルは機体に関係なくロックオン速度が同じなので、火器管制システムが悪い機体で有用であることぐらい。
    • 一度に大量に敵を破壊できる爽快感と実用性を兼ね備えた武器のため、一概に欠点とは言えない。むしろ、本作と次作の魅力の一つでもある。
  • 戦闘機に関して知識がある人ほど気になりやすい要素がある。
    • ゲームシステムに合わせるためとは言え、ハードポイントが実際の戦闘機と異なる。再現度に関しては低い。
    • 非艦載機でも発着艦ができる。

問題点

システム

  • ロックできない敵に対しては黄色のコンテナが表示されるのみ。名前、距離を把握できない。
    • 対空・対地いずれかのミサイルしか持っていない時、そのミサイルに対応していない敵の状態が分からなくなる。
    • ミサイルを切らした場合、全ての敵が黄色のコンテナになってしまう。
  • 隠しミッションは、初回プレイ時で解放条件に関わるミッションで条件を満たさないと、二度と出現しない。満たせなかった場合、次のミッションに進む前にリトライするか、ミッションクリア前のデータを読み込む必要がある。
  • リプレイのカメラアングルの変更方法が、説明書に記載されているものと異なる。

ボリューム

  • 使用可能機体数は13機。『初代』と『MAX』よりマシな数だが、多いとは言えない。
    • 実在機だけなら11機。
    • 第3世代以前の戦闘機は登場しない。
  • ミッション数は全20個。程良くまとまってはいるが、『初代』以外のシリーズ作品に比べると少ない。

総評

シンプルにまとめられたために、『2』とはまた違った面白さを確立した作品。
前作のシステムがシューティング風に見事に昇華された。
前作で大問題だった自由度とゲームテンポの悪さは、本作で完全に解消されるに至った。
攻略難易度が高いので、初心者にとってはやや辛いゲーム内容となっている。
ボリュームが不足気味だが、これは次作で改善される。