SIMPLE DSシリーズ Vol.45 THE 密室からの脱出2
【しんぷる でぃーえすしりーず ぼりゅーむ ふぉーてぃーふぁいぶ ざ みっしつからのだっしゅつ つー】
ジャンル
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脱出アドベンチャー
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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256MbitDSカード
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発売元
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D3パブリッシャー
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開発元
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インテンス
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発売日
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2008年11月27日
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定価
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2,800円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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スライドアクションがよりメインに ルート分岐がかなり多彩で、エンディングも多い 脱出の舞台はかなり色とりどりなラインナップ 何故か演出面は劣化
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SIMPLE DSシリーズ
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@SIMPLE DLシリーズ for Wii U Vol.2 THE 密室からの脱出2 ~消された19の記憶~
【あっとしんぷる でぃーえるしりーず ふぉー うぃー ゆー ぼりゅーむつー ざ みっしつからのだっしゅつ2 けされた19のきおく】
対応機種
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Wii U(Wii Uダウンロードソフト)
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メディア
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ダウンロード専売
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発売日
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2014年8月6日
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定価
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1,000円(税込)
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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なし
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@SIMPLE DLシリーズ for Wii U
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概要
『SIMPLE DSシリーズ Vol.42 THE 廃屋病棟 ~呪われた病院からの脱出~』を経て製作された『SIMPLE DSシリーズ Vol.27 THE 密室からの脱出 ~THE推理番外編~』の続編。
本作は『THE 推理』からは完全に独立し、本格的なシリーズ化が今回から始まっている。
システム面はほぼ変わらず、ゲーム画面をクリックして脱出のための手がかりを探すという内容になっている。
本作ではスライドアクションがよりメインとして確立。ただタッチするだけではない遊びも追加された。
ストーリーは、記憶喪失となった主人公が、自分の記憶を取り戻すため、謎の女性「ケイ」とともに謎を探るというもの。
番外編を完全に脱したことで、やや無茶な空気も見え隠れしつつあるが、本作でより独自の色を掴んだと言っても良いだろう。
2014年には本作もTHE推理番外編に続いてWiiU版としてアップコンバート版が発売された。
WiiU版の変更点
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ゲームパッド向けにテキストを変更。これに伴い、操作説明を行う「ケイ」の台詞は特に変更された。
評価点
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謎解きのパターン増加。
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前作はクリックでの謎解きがメインだったが、本作からスライドアクションが取り入れられたことで謎解きの幅が広がった。
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また、パズルゲーム風の爆弾解除やトロッコ・潜水艦の操作などミニゲーム的要素も増えていて単調にならず飽きない。
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ストーリー性の独自性を確立。
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内容は濃いとは言えず、シンプルシリーズらしくぶっ飛んだ内容も多いが、本作でより作風が確立したと言える。
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分岐が多く、最初のルートをクリアした後で別のルートのエンドを見たり、隠しアイテムを手に入れることで新たなエスケープミッションが追加される。
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ただしラストに関してはシンプルシリーズにはありがちな無駄な壮大感を出そうとして少し滑っている感じは否めない。
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さらに多彩となった舞台。
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前作は元のステージをある程度流用した「裏ステージ」が多かったが、本作ではストーリー分岐後はほとんどが異なる内容となっている。
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ゲームセンターに閉じ込められたかと思いきや、ゲームそのもの(しかも某配管工風)からの脱出を求められたり、果ては夢か現実か分からないような空間まで舞台となる。
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もちろんネタ的なものばかりではなく、遺跡や廃坑など、まともな舞台も存在する。
問題点
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相変わらず操作方法などのヒントが薄い。
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序盤で一応「ケイ」がひと通り説明してくれるのだが、基本的なことしか教えてくれず、最初のステージは謎の内容も簡素なため、後の例外や応用の参考になりにくい。
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相変わらずの操作性
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一々「何もない」と表示されるのも据え置きで、一部のテキストはすぐには消せず前作のように足止めされることもしばしば。
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クリック反応の悪さもやはり目立つうえ、本作はよりクリックしづらいように意地悪な形で隠しているものも増えている。
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ポリゴンの粗さ
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おもに主人公とケイのモデルで顕著。目にハイライトがなく、一昔前のゲームのような仕上がり。挙動もカクつきが目立つ。
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ステージでも物を動かす時に不自然な挙動をすることが多く、クオリティは低めと言わざるを得ない。
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前作に輪をかけて主人公のテンションがおかしいことが多い。
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本作の主人公は記憶喪失なのにもかかわらず、考えることやテンションがおかしい時がしばしばある。
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廃坑でトロッコに乗るシーンがあり、最初こそ怯えるのだが、二度目にはまるでジェットコースターにでも乗っているかのようなテンションで騒ぎ始める。
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ちなみにそのトロッコは途中で鉄路が途切れ、投げ出された先の線路まで飛び移るというアクロバティックな芸当を見せる。どう考えても映像的には無理がありすぎる。
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記憶喪失とは思えないほど、物事を見て感じることもおかしい。遺跡ステージで遺跡に落ちた際はインディ・ジョーンズ風の帽子を手に入れるのだが、それをわざわざ被って遺跡探索を行う(そのステージのみだが)。ロープアクションシーンはかなりシュールである。
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ちなみに主人公と唯一繋がりを持つ女性であるケイも稀におかしく、飛行機の登場中、彼女がハイジャック犯を倒した後、自分が飛行機を操縦すると言い出すのだが、操縦知識がなんとゲーム。しかもコナミコマンドを入力しようとしてBボタンを探している。
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パズル装置などはゲーム性を広げた反面、一つ一つの難易度が高く挫折しやすい。
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爆弾解除パズルはLv3まで存在し、制限時間は30分とかなり長い。つまりそれだけ時間をかけないと解けない難易度ということである。
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炭鉱ステージの歯車もなかなか難しく、ちゃんと計算出来る頭を持っていないと厳しい。
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箱入り娘のパズルが二度登場する。一度目は2×2のブロックが無く簡単だが、二度目は一度目より難易度の高いよく見るタイプが登場。段階的に2×2のブロックを指定の位置まで持っていく必要がある。
+
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ただ難しいだけではない
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二度目の箱入り娘パズルは4個ある1×1のブロックのうち、
特定の2個を隣接させるとゲームオーバーになる。しかも序盤ではその2個のブロックがわからない状態でパズルをさせられる。
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そのことを知らない状態でも流石に唐突なゲームオーバーになる訳ではない。ステージ中盤で入手できるアイテムで隣接させると危険なブロックが可視化される。以降は隣接させないように注意しながらパズルを解いていくこととなる。
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演出の劣化。
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前作ではクリアするとクリアBGMが鳴ったが、本作ではステージBGMがそのまま継続して流れるだけで、クリアした気になれない。
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スライド操作の際、一部のオブジェクトは動かした後で音が鳴るので違和感がある。
総評
前作と代わり映えはしないものの、どこかシュールな世界観やそれに準じたやや強引なストーリー展開といった方向性をより定めたのは本作であると言えよう。
一部のミニゲーム的な仕掛けの難易度はやや高く人を選ぶが、シリーズ化されただけあり脱出ゲームとして安定した一作になっている。
最終更新:2024年03月03日 19:57