ポップンミュージック19 TUNE STREET

【ぽっぷんみゅーじっく ないんてぃーん ちゅーんすとりーと】

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2010年12月9日
判定 良作
ポイント 新筐体リリース
全曲保証のタウンモード
ポップンミュージックカード登場
シリーズ初の全解禁が行われなかった作品
ポップンミュージックシリーズ


概要

アーケード版『pop'n music(ポップンミュージック)』シリーズのナンバリング19作目。テーマは「 音楽があふれる街 」。

特徴

  • 新筐体のリリース
    • 16:9の液晶モニターが初登場。これまでの4:3のモニターよりも画面が広がった。
    • 音ゲーの重要な点である音響もさらに強化された。高音域専用スピーカーのツィーターと低音域専用スピーカーのウーファーを搭載する形になった。
    • また、e-AMUSEMENT PASSの非接触型認識機能、下記のポップンミュージックカードの排出機能をデフォルトで搭載している。
    • さらに、画面が広がったことにより、新筐体限定で両端の余ったスペースにBAD数やCOMBO数などの情報を表示できるようになった。暗証番号入力用のテンキーで表示する情報を切り替えられる。
      • 選曲画面では「選曲ランキング」と、選曲回数の「急上昇ランキング」がそれぞれ全国版と筐体内版で閲覧可能。*1
        さらに「アンケート機能」が搭載され、特定のテーマに対して自分で楽曲を選び、プレーすることで投票できる。アンケートの結果は集計期間終了後に、選曲画面の新カテゴリ「アンケートカテゴリ」で発表される形となる。
      • プレー画面では、ポプとものスコアやノルマが点数とゲージで表示される「SCORE」、BADやコンボ数をゲージで表示する「BAD/COMBO」、ポプとものスコアデータを元に擬似的な順位比較が出来る「ポプとも」の3種類のうち、最大2種類を表示可能。プレー画面の両端に表示される形となり、画面の右側と左側にどの情報を表示させるのかを自由に選択できる。
  • PASELI対応
    • 今作からKONAMIの電子マネー「PASELI」に対応。
    • PASELIを使うことで金銭を持ち歩くことなくゲームを遊べるようになった。
  • 「ポップンミュージックカード」
    • 特定の料金設定(1曲+カード、3曲+カード)を選ぶことでプレー前にカードが排出される、収集要素。
      • ノーマルカードはハリアイ絵を使ったものが殆どだが、描き下ろし衣装違いの「チェンジカード」や過去のポスター・磁気カードのイラストを使った「レジェンド」等も存在。
      • 出現率の低い「レアカード」は全て描き下ろし。さらにそのうちのいくつかは「ラッキーコード」が書かれているものがあり、これを筐体で入力することで特定のキャラのスペシャルカラー(3Pカラー)を解禁できる。
  • キャラクターセレクトの標準化
    • キャラクター選択の流れが前作までと変わり「モード選択中に左右の黄色ボタンでキャラ設定画面を呼びだす」方式から「モード選択に自動でキャラ選択画面へ移行する」方式になった。
      旧作ではキャラクターの選択方法はあくまで隠しコマンドの扱い*2だったが、本作以降はキャラクターセレクトが完全に標準化された。
    • セレクト画面も一新され、前作までは顔アイコンが横にずらっと並んでいる形式だったのだが、今作よりアイコンと共にキャラクターの名前が縦に並ぶようになり、さらにカーソルを合わせた際に読みがなも出るようになった上に名前順カテゴリも新規追加されたため、従来よりも格段に探しやすくなっている。
    • キャラクター選択時、そのキャラのニュートラルポーズと共に担当曲の背景も表示されるようになった。
      • 担当曲がないキャラクターはタウン風の汎用背景が表示されることが多いが、一部の削除曲担当キャラについては削除前の背景が見られる場合もある。
    • バトルモードについても同じキャラクターセレクト方式が使用されることになり、AC16以来の全キャラクター自由選択形式に戻った。
    • ただしモード選択から分割されたことに伴い、これまでのシリーズに比べ制限時間は短くなっている。
  • NET対戦モードのアイテムやオジャマが購入式に変更
    • 前作までのパラメータ割り振りが廃止され、対戦で得られる賞金「NET」を使用してショップでアイテムやオジャマを購入する形式に変更された。
    • レベルアップに応じてショップに入荷されるラインナップが増えていく。
    • 装備アイテムはファンタジーRPG風だった17・18から一新され、今作では「砲門」や「バリア」など兵装風のネーミングになっている。
      • 実際の内容自体は前作から多くを引き継いでいるが、装備を2枠使うアイテムが廃止され、どのアイテムの組み合わせでも2つ装備できるようになった。
    • オジャマはグレード制になり、資金を投入して購入・強化していくことで最大4段階までパワーアップする。
      • グレードが強化されることで進化して別物になることもある。
        例えば「ミニポップ君」はグレードMAXで「ミクロポップ君」になり、「にせポップ君の嵐」は最初はスカスカだがグレードが上がるごとに密度が上昇していく。
        「バラバラポップ君」→「色々ポップ君」→「色々バラバラポップ君」→「?色ポップ君(ナゾイロ)」と4段階進化していくケースもある。
    • 前作で登場した「ボスバトル」がさらに遊びやすくなって続投されたほか、新たにオジャマを最低1個装備必須となる「オジャマスペシャル」、逆に強制的にオジャマが無しになる「ガチバトルスペシャル」も期間限定で不定期開催された。
  • エンジョイモードのボーナスステージの出現条件緩和。
    • 前作までは難易度★5を1曲以上クリアとなっていたが、今作より難易度★4以上に緩和された。
  • 「条件隠し曲」の廃止
    • 初代『ポップンミュージック』からの伝統で、稼働開始後一定の期間から解禁イベント開始までの間に、特定の条件を満たすことで出現する隠し曲のことで、伏せられた条件を試行錯誤しつつ探し出し楽曲を出現させるというものだが、本作以降、廃止された。
      • 条件を特定できても出現させたプレー内でしか遊べず自由に遊ぶには全解禁まで待つ必要があったことや、インターネットの普及により稼働間もなく出現条件が特定されて出回ってしまうなど、前作までの時点で半ば形骸化していたためと思われる。
    • 代わりに新筐体向けに2010年12月20日より「完全隠し曲」として3曲(『うたっち』からの移植2曲+完全新曲「ビートニク / UPBEAT」)が解禁された。
      • IIDX恒例だった同種の完全隠し曲のように「解禁日まではプレーすら不可能」「解禁日以降は無条件プレー可能」というpop'nでは初の形式となった。
      • なお、旧筐体からのバージョンアップ稼働は2010年12月21日からだったため、上記3曲は最初から出現している。
    • その他、IR期間中のみ出現する「インターネットランキング限定曲」(後に通常解禁)、『jubeat knit APPEND』主導の連動イベント「APPEND FESTIVAL」等、従来の形式とはまた異なる追加楽曲が登場している。
    • 条件隠し曲自体については、2作後の『Sunny Park』より形を変えて一部復活しているが、そちらは「条件を満たして楽曲を出現させると以降は常駐」という形式に変わっている。

楽曲解禁専用モード「タウンモード」

  • ゲームプレイ終了後に解禁イベントが開始される従来の形式から変わり、専用モードを選んで遊ぶ形となった。
  • ポップンをプレーすることで手に入る「TP(タウンポイント)」というポイントを使い、「工務店」で施設を設置して街を発展させていく。
    • 設置できる施設は100種類以上と非常に豊富。施設の中には「TPボーナスを増やす」「隠し楽曲の値段を下げる」などの効果があるものもある。
  • 「TP」は施設の設置の他、「CDショップ」での隠し曲の購入、「雑貨店」でのスキンやBGMの購入、「ホームセンター」での地面の変更にも使う。
    • 隠し曲は後述の対戦でその隠し曲を遊ぶことで入荷。価格は1曲1000TP程度と高値となっている。
    • スキンやBGM、SEを変更することが可能。スキンはAC15以来の登場であり、種類も多い。
    • 地面の変更は施設の設置と同じように行う。施設同様地面を変更しないと出現しにくいキャラもいる。
  • 街には多数のポップンキャラが徘徊しており、自由に話しかけることができる。
    • 無条件で登場するキャラは少なく、特定の施設や地形を設置しないと出現しにくいキャラが多いため、多くのキャラに会うためには多数の施設を設置する必要がある。
      • 分かりやすい例では「DTO→学校」「みここ→神社」「テトラ→海」「ミシェル→図書館」など。それ以外には「サトウさん*3→バス停」「文彦さん*4→洋館」「ミサキ*5→公衆電話」といった、アクションやキャラ設定に関わる施設の設置で登場する例が多い。
      • 「エンプレス」「ナン」「蒼井梢子」「スーツ」など、中々マニアックなネタを拾っているキャラも存在する。
      • ただし、中には特に関連が無さそうな施設で出現するキャラも(「ハジメ→コンビニ」「アメトリ→飛行場」など*6)いるが、施設やキャラ数の問題を考えれば止むを得ないと言えるだろう。
  • ある程度街が発展すると、自動的に他のプレーヤー8人の街を加えた大きな街が形成される。
    • 他の街にある施設で登場するキャラにも話しかけることが可能なため、運良く発展している街を引ければ解禁作業がスムーズになる。
    • 他のプレーヤーも街に出現し、勝負できる。キャラはそのプレーヤーが最後に使ったマイキャラで、カテゴリはマイベストフォルダ。さらに通常のキャラよりも獲得TPが高くなる。
    • また、この状態になると街の中央に巨大な建設スペースが用意され、街に作られた施設に応じて自動で施設が建設される。加えて街の中央に駅が出現し、他の大きな街へ移動することもできるようになる。
  • 一部のポップン勝負を挑んでくるキャラに話しかけ、勝負を受けると選曲画面に移る(時間切れになった場合はランダムで決定される)。
    • 対戦するキャラクター毎に一定数の課題曲が設定されており、その中から選ぶとTPが多く獲得できる。課題曲にはそのキャラが担当した楽曲が必ず入っており、その他にはキャラのイメージに合致する曲や、同じアーティスト繋がりの曲で数を合わせている。もちろん課題曲以外の曲も自由に選べる。
    • ポップン勝負であるため、相手側のキャラクターは楽曲の担当キャラではなく、勝負するキャラクターとなる。
    • 特定のキャラはイベントで解禁される隠し曲を持っており、勝負を挑んでその曲を選ぶことで、CDショップから隠し曲の購入が可能になる。楽曲解禁に関わるキャラクターは、特定の施設を設置することによって出現するものが多い。

評価点

好評な楽曲群

  • DJ YOSHITAKAの「ハイスピード幻想チューン」、Dormirの「おしゃまスウィング」、jubeat knit主催の『APPEND FESTIVAL』からは現在のpop'n musicの第一線で活躍するアーティスト7人による豪華なコラボレーション楽曲「キルト」など、人気の高い曲が揃っている。
  • 前作で楽曲提供デビューを果たしPONは本作からサウンドディレクターを担うと共に本作のメインテーマ曲「探検ノート」の作詞作曲も手掛け、ポップス調の「フロンティア」、ストリートバンドスタイルの「ストリートチューン」の2バージョン仕立てで提供した。
    • 前者は「パーキッツ」解散後初のふじのマナミ氏によるボーカル曲という事もあってか同氏の新たなる船出の一曲として評価された他、後者はアーティスト自身によるロック調かつボーカル付きのセルフアレンジという事もあってか、同期に稼働していたギタドラ収録の楽曲群の存在も相まって、氏のロック及びバンド系アーティストとしてのイメージを確立させる事になった。
  • 後にREFLEC BEAT及びBeatStreamのSDを務めるQrispy Joyboxが「エレクトリックダンスウェーブ」で、『beatmania IIDX』への楽曲提供で知られるピアノ演奏家の久保田修が「ジャズ・アリア」でそれぞれポップンデビューを果たした。
    特に後者は初登場から実に10年の時を経てpop'nデビューを果たしたこともあり、BEMANIファンの多くが驚いたとか。
  • 長らく楽曲提供がなかった「Kiddy」こと木田俊介も参加。「ビートニク」を提供した。
  • 現サウンドディレクターを務めるPONの旧友「742」も「ラボテクノ」「レトロフューチャーREMIX」でBEMANIデビューし、以降もレギュラーアーティストの一人としてポップンを支え続けている。
  • 「日本ブレイク工業 社歌」やアニメ「天体戦士サンレッド」主題歌「溝ノ口太陽族」のMANZOも「土木ロック」ですわひでおとタッグを組みまさかのポップンデビュー。
  • 前作までは移植曲やREMIX等間接的に関与していたSSDこと飯吉新も門下生達を引き連れて「パッショネイトサンバ」でポップンデビュー。但し本作以降は楽曲提供が無い上に後に事務所が倒産した事で最初で最後の楽曲提供になった。
  • 前作の「下克上ドラムンベース」で楽曲提供デビューしたkors kは今回はwacとのユニット「ZERO+ZIBA」によるボス曲「ルイナススピリチュアル」で存在感を発揮。
  • ボス曲は物語仕立てになっていてEDとも繋がっている。ボス曲のうち「スパイラルステアーズ」は元パーキッツの片割れのブタパンチこと片岡嗣満が美しいメロディーを奏で、「スケールアウト」はPONがデビュー3作目にしてまさかのインストラスボスデビュー。
  • AC17以降で削除されていた「BeForU」関連の4曲が全て復活。
    • クリアメダルやハイスコアの記録もそのまま復活した。
  • 過去作の楽曲4曲にH・EX譜面がデフォルトで追加された*7

好評なキャラクター群

  • 新キャラでは「アリシア」「しおん」「ニット」が特に人気のキャラとなった。
    • それ以外ではTЁЯRA曲初の男性キャラ「エージェント」、マジカル4から先陣きってのソロデビューとなった「クアトロ」が話題に。
    • イロモノ系としては銭湯と戦車が一体化したような「銭湯ロボ カポーン」なんていう非常に濃いキャラも。
    • 旧作キャラでは「つらら」「メル」「ロキ」「ジュン&シンゴ」などが再登場。
    • 他機種からのゲストキャラクターは『beatmania IIDX 16 EMPRESS』からの移植曲「smooooch・∀・」では移植元の特徴的なキャラクターがムービーそのままに「スムーチ」として登場し、ギタドラXGとの連動イベントで登場した「夢について」では同機種を代表する一曲「三毛猫ロック」のムービーで登場した「トルテ&パフェ」が登場。

楽曲解禁イベント「タウンモード」

  • まず最大の魅力が、設定曲数を必ずプレーできる、いわゆる全曲保証があるということ。
    • 通常のチャレンジモードのような2曲目以降の途中終了を気にすることなく特攻やRANDOMオプションを使ったノックを行えるため、初心者・上級者問わず非常に便利なモードだった。*8
    • 街の景観を好みに変えていく楽しさや、それに合わせて色々なキャラが町を訪れる楽しみなどちょっとした箱庭ゲーとしても良い出来。
      • ポップン勝負をできないキャラも多いが、全てのキャラにセリフが設定されているという点はキャラ好きなユーザーにとって非常に嬉しい要素。
    • 隠し曲を持っているキャラクターとそのキャラを出現させやすくする施設の組み合わせを事前に調べておけば、最後のボス曲以外は自分の好きな順番で楽曲の解禁を進めることが可能だった。
    • スキンやBGM、SEを変更することが可能になるのも嬉しいポイント。
      • BGMは過去作(AC8、AC10、AC14)の選曲BGMで、SEにはSanaやすわひでおが担当しているものもあり評価は高かった。
    • 他のプレーヤーとの交流という面でも楽しいイベント。
      • ただ誰と繋がるかは指定できないため、隣接しているプレーヤーがプレー頻度の低い発展していない町ばかりだと、少々さびしく、曲解禁の面でも少し不便になることも。
      • 一応、「電車」による別タウンへの移動が可能(ただし行き先はランダム)な為、寂れた隣接タウンばかりでも全然交流できないという事はない。

その他の評価点

  • 「ポップンミュージックカード」の導入
    • 膨大な数のキャラクター資産を活かすという点で、キャラクターファンから好評を得た。
      • 次回作以降も継続して新カードが作られており、新弾が出る度に店舗によってはカードの引き合いが始まるほど。
  • PASELIの導入
    • 両替の手間や筐体によってはコインが入りにくいといった地味に面倒な事態を回避できる。

賛否両論点

  • 新筐体への移行
    • デジタル画面の導入によって表示が綺麗になる、ワイド画面になって情報が増えた、等の便利になった面もあるが、一方でアナログとデジタルの表示の差により「ポップ君がぶれて見づらくなった」という、音ゲーとしては致命的な問題を指摘する声も多い。
      • やってる内に慣れたという声も多いが、プレーのしやすさから旧筐体を好んでいる古参ユーザーも多く、旧筐体から新筺体への移行はあまり進んでいないのが現状。3作後の『ラピストリア』稼働時ですら、公式の登録台数は今までのアナログ画面筐体の方が多いという状態のため、行きつけの店舗と別の店でやろうとすると難儀するプレーヤーも多い。
      • ディスプレイに加えてスピーカーも大きくグレードアップしたため、新品筐体の値段も前のものより上がっている。プレーヤー達からの微妙な反響を鑑みると、導入に乗り出せない店舗も多かったと考えられる。
    • 新筐体が登場したばかりの本作では、ボタンのバネやスイッチが工場出荷状態のままの筐体が多く、その結果ボタンが重い筐体が多かった。こういった筐体では高難度譜面をプレーする際の「指押し」や「スライド押し」を行う際に、手や指にかかる負担が大きく、嫌われる原因となった。
  • 隠し要素の演奏スキン変更について
    • スキン変更の実装自体はAC15以来、二度目となったのだが、AC15での演奏スキンはゲームプレーに支障がない範囲で枠や演出を変えるなど実用性が高かったのに対し、AC19での演奏スキンは譜面部分の装飾やポップくんの形状を変えるものが多く、オジャマの「ラブリー」等に近い仕様となっていた。
      • 上記の要因により、AC19デフォルトのスキンよりもプレー上の視認性が劣るものが多く、AC15のものとは異なり実用性が低いため、それと同様のスキンを期待していたプレーヤーからは残念がられた。
    • もっとも演奏スキンそのものはクオリティが低いわけではなく凝った物が多い。その他にも、今作からの追加として背景スキン(曲中のプレー画面ではなく、選曲画面やリザルト画面などの背景を差し替えるもの)、SEスキン(リザルトなどのシステムボイスや効果音変更)、BGMスキン(システムBGMを過去作のものに変更)などが取り揃えられており、これらは概ね好評だった。
  • タウンモード対戦時の担当キャラとリザルト
    • タウンモードで楽曲をプレーする場合、その楽曲本来の担当キャラではなく対戦を申し込んだキャラが対戦相手になる。このため楽曲の雰囲気とミスマッチな担当キャラになったりすることもある。ただし、これ自体は演出の一環に過ぎないため特に問題は無かった。
    • しかし、楽曲プレー後のリザルト画面でも勿論対戦相手のキャラが表示され、楽曲バナーの表示もされないため、当時は各自リザルト画面をケータイ等で撮影しているプレーヤーが多かったのだが、リザルト画面を見ただけでは一見どの曲をプレーしたのか分かりづらいという問題が発生してしまった。

問題点

  • 全解禁が行われないまま終了
    • これまでのシリーズではイベントが終了すると最終的には全ての楽曲が解禁される「全解禁」が行われていた。
    • しかし、本作では最後まで全解禁が行われず、オフライン筐体ではタウンモードと連動イベントの楽曲を遊べない。
      • たとえ筐体がPHASE MAX状態でも隠し曲は初期に登場した6曲しか遊べない
      • そのためか、過去のAC作品を稼働させている店舗で今作が稼働していることはほとんどない。
        なお、本作で登場したタウン隠し曲はオフライン稼働では次作fantasiaで遊べる(Sunny Park以降は原則オフライン不可)。
  • 「タウンモード」の難点
    • タウンモード自体は「必ず設定曲数をプレーできる上に、マップ上でキャラを探す移動時間も含むため、一人あたりのプレー時間が長くなり回転率が低下する」という特徴があるため、プレーヤー側からは概ね歓迎された反面、店側の評判は芳しくなかった模様。
      • PASELIプレー時限定だが、設定曲数をプレーし終えた後も1曲ずつ随時追加でプレーできる「コンティニュー」*9の存在もこの問題を後押しした感がある。
    • 一部のなかなか出てこないキャラが新曲をもっている場合があり、登場条件を満たしても基本的に運任せとなるため、いくら金をかけても該当キャラが出現せず新曲が解禁できないという事態がたびたび見られた(特に、初期は「鉄男」の出現率が低く、苦労したプレーヤーは多かった)。
      • 但し、解禁イベントが進む毎にそれまでの解禁に必要なキャラの登場頻度が上がる等、緩和はされていたが。
    • 多数のポップンキャラが登場するモードであったが、「洋次郎(AC15)」と「ニット(AC19)」は最後まで未登場のまま終わった*10
      • ニットは連動イベントで急遽制作されたキャラであり、アイコン数も余っていなかった為、元から登場予定は無かったと思われる。
      • 一方、洋次郎の場合は彼の分のアイコン欄が空いており、最後まで登場しなかったのはスタッフのミスによるものとされている*11。セリフ自体は設定されており、AC18&19キャラブックのセリフ集にはちゃんと収録されている。
      • なお、お詫びなのかどうかは不明だが、次回作であるAC20の「ポップンミュージックパスポート」では洋次郎とニットのシールが用意された。
    • 細かな点であるが、一部、過去の設定と食い違っている台詞もある(ドナ(AC4)」の一人称が「僕」ではなく「私」となっている等)。
  • 難易度詐称・逆詐称が多い
    • 特に詐称曲が多い。例としては「プログレタンゴEX(Lv41)」「ハイパードラマティックEX(Lv40)」「モダンパンクEX(Lv41)」「ルイナススピリチュアルEX(Lv42)」「トワイライトチャイムEX(Lv28)」など。
  • カードについての問題点
    • 新たな収集要素としてファンからは歓迎されたが、同時にカード目当てのプレーヤーが連コインや回しプレーを行う、店側がレア抜きを行うなどの問題も起きた。
    • 加えてポップンでは効率の良い捨てゲーの手段がないためカード掘りの効率が非常に悪い。カードを収集するユーザーはハイエナの存在もあったため、早く回してレアを引くために短い曲*12をひたすら選び続けたり、開幕から完全放置でリタイアを待つといった作業を強いられたため、「カードだけ買う機能が欲しい」「捨てゲー機能(またはそれに準ずるオプション)が欲しい」「ファングッズ扱いで通常販売してほしい」という意見が挙がっていた。
      • 23作目のエクラルからは追加料金を出すことで一度に2枚引けるようになったが、それでもカード掘りの効率は良くないまま。
    • また、レアカードに関してもいわゆる「不人気レア」や「ハズレ枠」とされるものも。絵柄が残念だったり、キャラの人選が微妙であったりするとそういった扱いをされやすい。
      • 描かれるキャラクターに関してもメインで使われるキャラはシリーズでも人気とされるキャラが多く、そういったキャラのファンからすれば度々レアで登場するのは嬉しい限りなのだが、一方で不人気キャラの扱いはかなり酷く、12弾まで出た現在でも未だに一度も使われていないキャラも多数いる。
      • もっとも、長くシリーズを重ね続けて既に400体以上もの大量のキャラが存在するため、全キャラを平等に扱うのは不可能であり、需要面からいっても人気の高いキャラに集中するのは仕方ないだろう。
  • ミミニャミの衣装カテゴリの変更による弊害
    • 今作のみ、キャラクターセレクトで版権担当衣装のミミ・ニャミが通常のミミ・ニャミの色変えで選択できるよう全てまとめられているが、大量に存在する彼女たちの衣装を通常枠へ強引にまとめてしまった結果、却って目当ての衣装を選びにくくなってしまうという弊害が生じている。
      • さらにDJミミニャミはミミの色変えでしか選べない、「ホンコンユーロ」のニャミは2Pカラーが選べなくなる等の不具合や、コンビのポッパーズや「スペシャルクッキング」のミミニャミは対象外など一部統一しきれていない箇所もあったため、次回作以降は再び版権衣装が個別枠に分離されることになった。

総評

従来同様のゲーム性に加え、新筐体、PASELI対応、ポップンミュージックカードと後のシリーズに続く要素を加えた作品。
そして、作りこまれた解禁イベント「タウンモード」により高い評価を得た。

ネットワーク対応の終了した現在においてはタウンモードおよびその解禁楽曲を遊べないため、あくまでも現役稼働中における評価であるが、今でも「シリーズ最高のイベント」と評されることもあり、イベントにおいて言えばこれまでのシリーズ中、特に評価が高かった作品と言えるだろう。

余談

  • 本作で「ヴェルヴェットバレットヒット」の担当キャラとして登場した「ジャミロ熊井」というキャラクターは、次回作で名前が「熊井さん」に変更された。
    • 名前変更の理由については公式に明言されていないが、元ネタと思われる「ジャミロクワイ」に配慮してのものと思われる。

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最終更新:2024年03月18日 06:40

*1 ただし、ランキングに自身が解禁していない楽曲が存在していた場合は、バナーとジャンル名が「???」と伏せて表示される

*2 キャラを選ばなかった場合、1~8ではモード別に設定されたデフォルトキャラクター、9~11ではミミが選ばれ、12 いろは~18 せんごく列伝までは新キャラからランダムで選ばれていた。

*3 AC8での初登場時、バス停でバスを待っている際にししゃもと出会っている

*4 CS12にて「館の謎を探る探偵(を演じる俳優)」として登場していたことから。ちなみにセリフでは探偵扱いされていることに不満を漏らしている

*5 アクションで常に携帯電話を所持している。本作のセリフでは携帯が充電切れのため公衆電話を使おうとしている

*6 ただし、ハジメ先生はメロンパン好き→コンビニで購入、アメトリは空に住んでいる→飛行機に関連のある飛行場など、多少推察することは可能。

*7 「マサラ/すてきなタブーラ(AC2) H/EX」「ケルト/水中家族のテーマ(AC3) H/EX」「ハート/Pink Rose(CS5) EX」「キャンディポップ/CANDY♥(AC8) EX」。うち、「キャンディポップ」は今作での復活曲。

*8 ただしエクストラステージは出ないため、設定曲数より多くは遊べない

*9 初期設定ではAC12以来の復活だが、必要な消費PASELIポイントが過去作のように1プレー分丸々でなく、「1プレー分のポイント÷設定曲数」で済み、過去作に比べて非常に割安でプレーが継続できてしまう

*10 この他、色違いキャラ扱いになっている「ロッテ(CS13)」や「シモン・ベルモンド(AC15)」なども登場しない。一方で2Pキャラでも「ミカエラ(AC13)」や「マタン(AC16)」は登場している。

*11 基本的にキャラは対応した施設1種類のみで出現するはずなのだが、「タロー」のみ船orビーチの2種類が設定されており、本来はどちらかが洋次郎のものだったと思われる。

*12 「レイヴ」が特に有名。