スーパーストリートファイターIIX リバイバル

【すーぱーすとりーとふぁいたーつーえっくすりばいばる】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 64MbitROMカートリッジ
発売元 カプコン
開発元 カプコン
クラインコンピューターエンタテインメント
発売日 2001年7月13日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1人(通信プレイ時1~2人)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2015年7月1日/702円
判定 なし
ポイント ようやく任天堂機に出たスパIIX
イラストはZERO風
劣悪とまではいかないが微妙な操作性
ストリートファイターシリーズリンク


概要

大ヒットしたアーケードの対戦格闘ゲーム『スーパーストリートファイターIIX』のGBA移植。
携帯機の『ストII』というと大きな前科が思い起こされるが、今回は比較的無難な出来となっている。


特徴

  • アーケードモードの基本的な仕様はオリジナル版に準拠。
    • 四天王に入るまでのステージ数は6となり、四天王と合わせて10ステージ制。
  • スーパー性能のキャラクターは使用できない。
    • そのため、AC版と異なり元のカラーがデフォルトとなっている。
  • キャラクターのカラーは全9色。
  • 一部のステージ背景が変更されている。
    • リュウやケン等は完全新規。春麗とバイソンは『ZERO』シリーズから採られている。
  • タイトルデモのBGMは『X』ではなく『スーパー』(及び『ハイパー』)のものを使用。
    キャラクター選択曲は『X』同様初代『ストII』タイトルデモ曲だが、サバイバルやタイムアタックのメニュー画面にて、他作品でおなじみのキャラクター選択曲が流れる。
  • 通常はAC版同様にラウンドをまたぐとスーパーコンボゲージはリセットされるが、ゲージを次のラウンドに持ち越せるEXTRAモードも選択できる(試合をまたいでは持ち越せない)。
  • スーパーコンボで決着を付けた場合の演出(所謂「あけぼのフィニッシュ」)が、画面奥から閃光が流れ込んでくるというものに変更されている。
  • 試合中はスコアの類は表示されず、試合終了後の勝者のセリフの画面でまとめて加算される。
    • 加えて「YOU WIN/LOSE」の表示やボイスもなくなり、勝者がポーズをとるのみでブラックアウトして次のラウンドに移行。
  • 試合結果画面では勝者のグラフィックが大きく表示されるのみとなり、負けグラフィックは廃止された。
  • ゲームスピードは、「NORMAL・TURBO1~3」の4段階から選択できる。
    • 概ねAC版の1速~4速に対応。
  • 『ストII』シリーズでは『ハイパー』に先駆けてラウンド数設定を導入。
  • 試合をこなすごとに「VSポイント」を獲得。これが溜まっていくとサバイバルやタイムアタックが解放されたり、豪鬼や真・豪鬼が使えるようになる等の特典が得られる。
  • 『X』から廃止されたボーナスステージのうち、車と樽が復活した。
  • 豪鬼の名前やイラストははっきりと表示されている。
    • またラスボスが豪鬼になった場合は「タイ・ベガ」は表示されず、いきなり「日本・豪鬼」が表示される。
      よってベガを瞬殺する演出はないが、試合開始時に「我が名は豪鬼!拳を極めし者!」と名乗り付きのカットインが表示される。
    • 存在が明らかになっている関係上、豪鬼のエンディングの文言が若干変更されている。
  • 豪鬼にもスーパーコンボ「瞬獄殺」が追加された。
  • サバイバルはボーナスステージのクリアや、「○人を倒せ」(敵のライフは低いが、こちらのライフが回復しないまま連戦することになる)といった課題がある。
  • タイムアタックは「ランダムで出現する8人を倒せ」「四天王を倒せ」などのモードがある。
  • ボタン操作の設定で押してる時間によって技の強弱が決まる「溜め押し」と2つのボタンを同時に押すことで、技の強弱を切り替える「同時押し」の2つのモード設定がある。
  • ゲーム中にセレクトボタンを押すと、簡易コマンドで必殺技が出る「カンタンコマンド」がある。

評価点

  • 何といっても任天堂ハードでようやく発売された『X』の移植であること。
    • 『スーパー』から大幅なパワーアップを遂げた『X』の移植はかねてより待ち望まれていたが、スーパーファミコンでの移植は見送られ、3DOやドリームキャストでの単体移植、プレイステーション・セガサターンではオムニバス移植作品『ストリートファイターコレクション』として発売された経緯もあってか、任天堂ファンは指を咥えて見ているしかなかった。
    • 加えて、これまで任天堂ハードで発売されてきた『ストII』シリーズでのピンチBGMは単に原曲の再生速度が上昇するだけだったり、ピンチBGM自体がカットされていたりと仕様が変更された物ばかりだったのだが、本作でオリジナル版と同様のピンチBGMが収録された事によって、ようやく任天堂ハードでもACと同様の仕様の楽曲が聴ける様になったと言える。
  • 起動が非常に早い。
    • またソフトリセットを行うとタイトル画面ではなくモード選択に戻る点も親切。
  • 豪鬼が一度解放されればコマンド入力不要で出せるため、いつでも確実に使うことができる。
    • またCPU性能の真・豪鬼も一人で気晴らしに使うには良い。
  • 従来の基本色であるSカラーがデフォルトになったので、基本色でXキャラを操作できない不満点が解消された。
  • トレーニングモードの実装で、相手をKOせずに必殺技や連続技の練習ができる。

賛否両論点

  • ZERO風のイラスト。
    • ゲームには影響はないが、「『X』の移植なのでアーケード版のままにしてほしかった」という声は多い。
  • 一部のステージの背景の差し替え。
    • リュウステージ等の本来の雰囲気を残しているのならともかく、ケンステージ等は完全に別物になっており、持ち味が損なわれているだけでなくBGMもミスマッチになっている。
    • ベガステージも完全に別物になっているが、こちらは阿修羅のような像が置かれるなど、むしろ豪鬼をイメージしたものといえる。
    • リュウステージは『ストIII 3rd STRIKE』の物をベースにしたもの、ザンギエフステージは『II』と『ZERO3』の物を融合させたものになっている為、これらは元々のキャラクターのステージであるので違和感は無い。
    • 春麗ステージとバイソンステージは『ZERO』シリーズのものに差し替えただけ。本来のステージを出すか、完全な別物にするべきであった。
    • ステージが差し変わらなかったのは本田、ブランカ、ダルシム、バルログ、サガット、『スーパー』の追加4人。この9人に合わせる新ステージが思いつかなかったのだろう。
  • 豪鬼のボイスが変更。
    • 豪鬼のボイスはザンギエフやベガなどの使い回しで作られていたが、本作では『ストリートファイターZERO』での豪鬼のボイスが流用されている。
    • 『IIX』稼働当時と違い、豪鬼というキャラクターがしっかりと確立したため他キャラボイスの流用から専用ボイスへと変更になったと思われるが、『IIX』での豪鬼として見た場合は違和感を覚えるという声もないわけではない。
      • また殆ど気にならないレベルだが実はリュウのボイスは『スパII』ではなく『ストII』のボイスになっている。

問題点

  • 技が出しにくい。
    • もちろんGB版『ストII』のように酷すぎるわけではないが、AC版のような戦いを追い求めると、色々な技が出ずに苦労することになる。
    • GBAになったことでLRボタンが追加されたとはいえ、AC版の6ボタンに対して4ボタンと足りないため、弱・中・強のうちどれか一つ(デフォルトでは弱・中)はボタンを押す強弱で使い分けるという仕様はGBと同じ。
      • 中昇龍拳を出したつもりが弱昇龍拳になってしまい、相手に届かず迎撃されるというのはお約束。
      • ちなみにオプションでボタンの強弱ではなく同時押しで出せるようにすることもできるが、これも違和感がある、混戦時には無理といった理由で不評。
    • コマンド系の反応が若干厳しい*1
    • ハードの性質上十字ボタンからスティックに変更することはできないため、斜め入力や一回転がやりにくい。
    • 何故かタメ系が妙に出しにくい。かなり溜めなければならないようである。
      ガイル等もそうだが、『X』から多くの技がタメ系に変更された春麗も辛い。
      • 回転系コマンドは「カンタンコマンド」を使用した方がいいかもしれない。
  • 『IIX』を名乗っているが、キャラクターグラフィックは豪鬼を除き基本的にSFC版『スパII』からの流用。
    • そのため一部技モーションのアニメパターンがAC版より足りなかったり、逆に豪鬼のみAC版そのままなのでアニメパターンが他キャラと比べて多かったりする。
  • BGMの8ビット感。
    • PCM音源はコーラスやパーカションなどで多くても1~2音を使うのみで、メインパートはほぼGB音源(3チャンネル*1ノイズ)で作られている。
      • それでも曲自体は極端な採譜間違いもなく丁寧に作られており、効果音やボイスはふんだんにPCM音源が使われているため、PCM合成時のCPU負荷による処理落ち等を避けるためこうなったと思われる。
    • せっかくグラフィックはそのままなのに、BGMがひと世代前のため違和感を感じやすい。
  • サバイバルとタイムアタックの違いが少ない。
    • サバイバルでもクリアタイムを競うタイムアタックになりがち。タイムアタックでも連戦モードの場合は、ライフが若干回復するとはいえサバイバルとあまり変わらない。
  • 演出類の仕様変更。
    • 当然ながらCPU戦で条件を満たすと豪鬼と戦えるのだが、彼の象徴とも言える乱入演出自体がカットされてしまい、戦闘開始前の会話程度に演出が簡略化されてしまった。
    • クリアすると使用キャラクターの個別EDが流れるが、ムービーが流れず使用キャラクターの書き下ろし一枚絵をバックにテキストがスクロールするのみ。
      • テキストはAC版そのままではなく、若干変更が加えられている。
    • また、ED後にはスタッフロールへ移行するが、スタッフロールBGMもカットされ個別EDのBGMが続けて流れる演出に変更されてしまって非常に味気ない。
  • タイセンとトレーニングモードでステージ選択がない。
    • 1P側が選んだキャラのステージになるため、1P側がキャラを変えない限りずっと同じ背景とBGMになる。

総評

基本的な移植度は高く相変わらず操作が困難な点はあるが、システム周りの変更点が多いことを考えると、完全移植というよりはリメイクと言えるかも知れない。


余談

  • 同じくCPS2基準の仕様で同じく任天堂製の携帯機移植のGB版『ストII』でも容量の関係でスタッフロールBGMがカットされてしまっている。結局任天堂ハードでCPS2仕様のスタッフロールBGMを聞けるタイトルはNintendo Switchにて『ウルトラ』が発売されるまではSFC版『スーパー』のみであった。
  • 本作は長らくの間任天堂ハードにおける唯一のXベースのストIIシリーズ作品としてプレーしている者も多かった模様。
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最終更新:2022年07月27日 10:02

*1 特に強はコマンド許容時間が…