メダロット8 カブト/クワガタ

【めだろっとえいと かぶと/くわがた】

ジャンル ロールプレイング

対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 ロケットカンパニー
開発元 デルタアーツ
発売日 2014年8月28日
価格 6,090円(税込)
判定 なし
ポイント 新たなロボトルシステム
「探偵VS怪盗」をテーマにした物語
好評だった演出面はさらに強化
本格的なDLCの導入
今一つ活かされてない新舞台
全体的に影の薄い新メダ
シリーズ最大のバグ数(いくつかは修正済み)
不満点が目立つ配信体制
メダロットシリーズリンク


概要

『メダロット』シリーズナンバリング第8作。2013年に発売された『メダロットDUAL』と違い、ナンバリング作お馴染みのRPG。
メダロットデザインはシリーズ原作者ほるまりん氏が務め、キャラクターデザインに神藤かみち氏、
シナリオに漫画『ハマトラ』・ゲーム『閃乱カグラ』シリーズの北島行徳氏を迎え入れ、「探偵」をテーマとした全く新しいメダロットの物語が幕を開ける。

過去作との接点がない舞台に変わり、登場キャラクターが一新されたものの、
参戦機体は『DUAL』までに登場した機体+本作『8』の新機体の200超で構成されている。
そして本作最大の特徴であり変更点は今までの「シャトルランロボトル」と呼ばれていた戦闘パートにある。


以前のシリーズ作品との関係

  • 舞台・世界観を一新。前作以前の過去作品を一切知らなくても違和感無く遊べる作りとなっている。
    • 今回はイマジニア・ナツメ製シリーズ、ロケットカンパニー製の『DS』『7』『DUAL』のどの物語とも繋がらない。
    • 世界観が一新されたとはいえ、メダロットの基本概念や「メダロットがいる世界観」の大元に変化はない。
    • 『7』や『DUAL』と違い、過去作の登場人物は一切登場しない。
      • そのかわりなのか、ファンサービスとしてDLCに「濃い機体」や「過去作BGM」が集結している。

前作『メダロット7』からの主な変更点・新要素

ロボトル(戦闘)ルールの大幅変更

  • ターゲットセレクトシステム
    • 本編作品のシステムとしては初めて「攻撃対象・行動対象をプレイヤーが任意で指定」できるようになった。
      • 『カードロボトル』『navi』のように行動対象を指定できる外伝・他ジャンル作品はあったが、本編作品のシステムでは間違いなく本作が初。
      • 後述するが「ねらいうち」攻撃だと、対象だけでなく攻撃する部位まで指定することができる。
    • 今までのナンバリングRPGシリーズのロボトルでは「攻撃方法」「メダルの性格」「相手の位置*1」によって対象を決定していたが、それを全て廃止しプレイヤーの選択にゆだねた。
  • サイレントリーダーシステム
    • リーダー機の頭部にダメージが入るまで、リーダー機を判別することができないシステム。
      • そのため戦闘開始直後からリーダー機だけを集中攻撃…といったプレイは基本的にできない。
      • 3体いるメダロットのどれかがリーダーだろうと推測して確率1/3の博打を仕掛けることは可能。あくまでも確率1/3の博打ではあるが。
  • ディフェンスセレクトシステム
    • 防御するパーツ部位や回避行動の指示もプレイヤーが任意で指定できるようになった。
    • 防御対応時、部位ごとの防御成功率、脚部での回避・防御成功率が%表示される。
      • 行動後のペナルティや症状(状態異常)によっては防御できず、指定したパーツで必ず受けるという形になることも。
  • がむしゃら・ねらいうち・CFのサブスキル化
    • パーツ行動としての「がむしゃら・ねらいうち」は撤廃され「かくとう・しゃげき」に完全統合された。また『メダロット7』に登場したCFミサイル・CFハンマーなどの「クロスファイア・クロスファイト」も廃止された。
    • そのかわり一部のかくとうパーツには「がむしゃら」又は「CF」、一部のしゃげきパーツには「ねらいうち」又は「CF」の「サブスキル」を備えるようになった
      • サブスキルを備えるパーツは、ロボトル中「通常かくとう・しゃげき攻撃」と「がむしゃら・ねらいうち・CF攻撃」を使い分けることが可能。
      • サブスキルを持たないパーツもあるが、特定の方法により一時的に「がむしゃら」「ねらいうち」サブスキルを持たせる事はできる。
  • 「がむしゃら」サブスキルによる攻撃は「脚部の機動値を威力に加算し全パーツにダメージ」。
    • 相手の頭部パーツにダメージが通るのでリーダーを探しやすいが、従来通り行動後は防御・回避不可のペナルティ。
  • 「ねらいうち」サブスキルによる攻撃は「ターゲットセレクト後さらにパーツを指定して防御&回避無視の射撃攻撃」になる。
    • ねらいうちパーツセレクトでは、攻撃側に各パーツへの命中率が表示される。相手にディフェンスセレクトも行わせない。
    • 反面、行動までの充填値が半分になり時間がかかる。またミスすることもあるが行動後のペナルティは無くなった。
  • 「CF」サブスキルによる攻撃は『メダロット7』の「クロスファイア」「クロスファイト」に準じた攻撃。
    • 充填が終わると前方で待機し、味方の攻撃に合わせて連携攻撃を行う。
    • クロスファイアによる追撃は、相手がディフェンスセレクトで選んだパーツに集中する。
    • CFによる連携攻撃中にパーツを破壊した場合は、自動的に頭部が次の攻撃の対象になる。
    • CF行動前後の攻撃命中による後続攻撃の必中効果は『7』同様存在。ただしがむしゃら・ねらいうちサブスキルによる攻撃ではCFを発動できない。
  • 上記のシステム変更により、『メダロット7』で抱えていた一部パーツの扱いにくさが解消され、戦闘テンポも向上した。
  • チャージゲージを溜める「チャージ行動」にかかる時間・蓄積量が三段階で調整可能になった。
  • 1枚のメダルが習得する必殺技「メダフォース」は3種類*2だが、ロボトル中に使用できるのは事前に決めた1種類のみ。
  • 変形機能「メダチェンジ」を使うのにチャージゲージを最大(100%)まで溜める必要がなくなった。
  • 『メダロット7』の「コンボ」機能も続投したが、補助行動が組み込めない調整になった。
    • コンボに組み込むと充填がアップする「連撃」特性が一部パーツに備わるようになった。
  • ロボトルフィールドに「マリン」「エア」が追加。
    • それぞれ潜水タイプ脚部メダロット、飛行タイプ脚部メダロットのみが参加可能。勿論ポケモンとは関係ない
    • プレイヤー側が特効攻撃である「アンチシー」「アンチエア」の使用は不可、頭部だけでなく脚部を破壊されても機能停止となる。
      • 回避や防御に優れた二種類の脚部に、制約を課したスリリングなロボトルが楽しめる。
    • ただし一部問題がある。賛否両論点に後述。

メダル・パーツの性質・メダル育成ルールの変更

  • 1枚のメダルが備える「スキルレベル」が全6種類になった。
    • 『DS』・『7』のように得意なスキル3種類に限らず、得意なスキル以外にもスキルレベルを上げることが可能になった。
  • メダルの合計レベルが「150」にまで拡張された。
    • ただし1つのスキルレベルの上限は99のままである。
  • メダル1枚あたりの現時点での合計レベルに応じて全スキルに1/3のスキルレベルボーナスが入るようになった。
    • スキルレベルボーナスは実際のスキルレベルとは別個に加算される。
  • ターゲットセレクトシステムにより、「メダルの性格」は特定のパーツステータスをアップさせる「ロボトルスタイル」に変更。
    • パーツを破壊するたびにチャージゲージがアップ、常時充填&冷却値が上昇する…などメダルの個性とパーツとの相性が如実に出る形になっている。
  • 脚部パーツに新たに「脚部特性」が追加された。
    • 局地戦に強い、常に特定のステータスがアップ、特定の症状を無効化、チャージゲージに応じて回復などの特徴が与えられた。
  • ディフェンスセレクトシステムの導入によりパーツ毎の「防御対応」概念が追加。
    • 頭部では基本的に防御不可能になっている。例外として、ガード・カウンターなどまもるスキルを持つパーツのみ防御可能。
    • 右腕と左腕は全て「防御可能」となっている。
    • 脚部は戦車タイプのみ「防御可能」でそのかわり回避できず、それ以外のタイプは「回避可能」だが回避に失敗すると通常のダメージになる。
  • ディフェンスセレクトシステムによって回避行動をプレイヤーの選択で行うため、前作までにあった回避値が脚部から削除された。

グラフィック・演出面の強化

  • 『メダロット7』で立体視対応になったメダロット3Dモデリングはさらにパワーアップ。
    • 登場するメダロットの多くは『7』までの機体が中心だが、ほぼ全てのメダロットモデリングが作り直された。
    • 前作『DUAL』で初登場した機体もモデリングが作り直されている。比較すると一目瞭然。
  • 人物・マップグラフィックも大幅改善。
    • 『7』『DUAL』と比較すると段階的に外見は良くなった。
  • パーツ単体、及びパーツを全て同一の型式番号で組んだ際の専用モーションが多数追加された。
    • これについては評価点の項を参照されたし。
  • 『DUAL』で好評だった「ボイスナビゲーションシステム」が本編逆輸入。
    • 今回は任意でボイスをオフにすることも可能。
    • 『DUAL』とは違い、デフォルトのボイス声優は1種類のみ。
      • 現在DLCで2種有料配信されているので、最大3種類から選択可能。

いくつかの改善部分

  • ついに通常エンカウントロボトルをアイテム消費無し・ノーペナルティで逃げることが可能になった
    • おなじみの「ロボロボメダル」も、とあるアイテムにその面影を残しついに消滅。ここまで16年を要した。
  • メダロットでは珍しく使用できる「消費アイテム」*3が登場した。
    • 一定時間エンカウント率を上げるアイテムと一定時間エンカウントを無しにするアイテム。
    • 「任意のメダルスキルレベルを上げる・下げる・リセット」するアイテムも登場。
    • 主にクリア後に入手できる「メダリア素材」「メダガチャコイン」も消費アイテム扱いに。 
  • 消費アイテムで『7』では不便だったメダルレベルの調整がどこでも可能になった。
    • メダルのスキルレベルアップ、レベルダウン、特定スキルのレベルリセットアイテムが購入可能。
    • これにより、メダル変化を任意で行えるようになり、メダルの育成も幾分楽になった。
      • ただし毎回使用する際にやや長めのエフェクトが入ること、価格が高い点は残念。
  • 下画面のメニューからいつでも公式からの配信アイテム受け取りや他プレイヤーとの通信機能を利用することが可能になった。
    • ローカル対戦・ネットワーク対戦・パーツ転送やすれちがい通信・いつの間に通信の受け取りなど。
    • ただしいつの間に通信の受信設定のみタイトル画面から行う必要がある。
  • メダルのリネームがいつでも可能になった。
  • 貫通パーツ破壊時の演出がテンポアップ。
    • 「ダメージ表示→パーツ破壊爆発→貫通ダメージ表示」ではなく「貫通含めたダメージ表示→破壊確定したパーツ破壊爆発」となった。
  • 『7』にはなかった「ロボトル演出のアニメーションカット」が復活。
    • ただし、長時間使っているとフリーズ&強制終了になる事例がある。

本作の新規要素

  • 『メダロット探偵』VS『怪盗』という世界観。
    • 旧来のメダロットではいつの間にか事件に巻き込まれていくのに対し、今回は宿敵として登場する「怪盗ジル」からの予告状をきっかけに話が進んでいく。
      • そして、各地で怪盗団によって引き起こされた事件は思いもよらない形で、人類とメダロットの脅威に発展する。
    • 訪れた町々で聞き込みをしながら、キーとなるタイミングで推理選択肢イベントが発生。
      • 失敗しても他キャラからの反応が変わったり、章クリア時の報酬が減る程度でストーリーの展開そのものに変化はない。キャラの特徴や舞台に合わせたちょっとしたアクセントとなっている。
    • また、世界観に合わせてか、シナリオの流れや集めた情報を読み返すことができる「探偵メモ」機能がメニューに追加されている。
    • 今まではメダロット事件に対処するのは「セレクト隊」と言う組織がお約束だったが、今回はローレル探偵団の一員として事件に関わり事件の解決を目指す。探偵と警察の構図のように、時々セレクト隊と協力することも。
    • 「仮面をつけた」怪盗ジル、ジルに呼ばれたメダロット犯罪者による「3人組」の怪盗団など、形を変えつつどことなく過去作を髣髴させる部分も。
    • メダロットを使った遠隔指揮による調査や尾行イベントなど、プレイヤーではなく「メダロット」を操作する場面も登場する。
  • 人物キャラクターのデザインは神藤かみち氏が手掛けている。
    • 人物デザインの刷新はいわゆる「媚びに来た」「らしくない」と言う意見、「古臭くないデザインになった」など賛否両論。
    • メイン・モブ問わず可愛い女性キャラが豊富だが、爺さんオッサンもいるので安心してほしい。
      • もちろん今回もギャルゲー臭くなったヒロイン別エンディングを収録。セーブデータが1つになってしまったのが悔やまれる。
  • シリーズでは初めてオープニングムービーにアニメーションが使われた。
    • ゲーム中にキャラクターボイスは使われていないが、OPムービーを使ったCMで本作の主人公ソルト、ヒロインアニスの声を務めた声優2名のナビゲーションボイスが追加コンテンツとして配信されている。
  • 「メダロッターレベル」の登場。
    • 主人公には「メダロッターとしてのレベル」が設定されており、このレベルを超えてメダルの合計レベルが上がることはない。一種のレベルキャップ。
      • メダロッターレベルはシナリオクリアや強敵に勝利するほかに「特定のパーツを使用してトドメを刺す」「一度に3体同時に機能停止させる」「所持金50万以上」などの条件をクリアすることでも上昇する。
      • レベル上限は150までだが、達成条件は全部で200種類存在する。「実績」的なやり込み要素と言える。
      • 因みに全ての項目を達成すると、あるキャラクターからちょっとしたご褒美を貰える。
  • DLCによる追加イベント・BGM・ボイス
    • 「追加コンテンツ」を選択することで、購入した追加イベントで遊ぶことができる。
      • 本編のセーブデータを読み込んでプレイするため追加イベント中の一時的なセーブは可能だが、「つづきから」で本編を選びセーブしてしまうと追加イベントはやり直しとなる。
    • 追加イベントでは難易度の高い強敵とのロボトルや怪盗の追跡とは関係のない探偵業務イベントが遊べる。
      • 各追加イベントごとに「新規参戦機体」が存在する。本編未登場の『DUAL』機体なども含まれているが、旧機体の選出は多くのファンを喜ばせた。
      • 一度購入した追加イベントは何度でも遊ぶことができる。メダル以外の報酬は何度でも入手可能。
    • イベントだけでなく、過去作の戦闘BGM*4や上記のロボトルナビゲーションボイスもDLCとして配信されている。
      • これらは購入後設定画面から使用するBGM・ボイスを選択することで利用可能になる。
    • ダウンロードコンテンツとして「オリジナルメダロット」も無料で配信された。
      • 公式による『BRAVE』以来の「オリメダ公募」、本作発売前に『ニコニコ静画』にて募集された2000以上の作品から選ばれた3体が登場。

なお、ナンバリング前作の『7』に存在した、

  • 「エンカウント後でもメダルやパーツの変更が可能」な要素
  • 「チームロボトル」「3体以上の機体を出しあう勝ち抜きロボトル」「巨大メダロットとのロボトル」
  • 「メダル絵柄変化に伴う性能変化」「メダリア」「メダリア素材によるメダリア生成」「ローテーション」「メダガチャ」「トーナメント大会」

および前作の『DUAL』に存在した、

  • 「エリアマップを選択して瞬時に移動できる」機能
  • 「すれちがい通信によるパーツ入手」
  • 「ショップによるメダル・メダリア購入(今作は各エリアのコンビニごとで購入可能)」

といった要素は本作でも続投している。 一方で、「カジノ」「ARカード撮影」「すれちがい通信による仮想対戦」は本作では削除された。


評価点

参戦メダロット面

  • 機体数の増加
    • 『メダロット7』が140体に対して、本作は「212体+DLC」と増加。シリーズでも屈指の登場数となった。
      その総数はDLCも含めると全部で241体。それまでに出た機体全部盛り+αの『R』、イッキ編の総決算である『4』に続き3番目に多い。
    • 『7』までの機体は全て続投し、それに加えて前作『DUAL』からの再録・本作の新規登場機体・過去作からの再登場機体で構成されている。
      • 今回の新規登場機体は、なかなかマニアックなモチーフに加え、意外な機体の後継機なども選ばれている。
  • 人気機体の再登場
    • 『8』で再登場を果たしたメダロットの中でも『navi』機体が多く再登場している。
      • 原作においてバグの被害者だった機体が復活したり、元素記号のようなネタ機体などチョイスも様々。
      • 次いで多いのは『3』初出の少々影に隠れていた機体たち。
    • 有料配信のDLCで旧作の名メダロットたちが参戦。
      • 『2』のライバル機体、『navi』『5』の主人公機、漫画『メダロッターりんたろう!』の主役機など、長らく参戦を渇望されてきたメダロットがついに登場。
      • 『8』までで登場している後継機たちに対応した『1』の旧作機体など懐かしい顔ぶれも。例を挙げると今まで主に二代目のせいで影の薄かった初代セーラーこと「セーラーメイツ」がデザインの大幅リファイン、性能差別化を経て再登場を果たした。
      • まさかの『漫画版メダロット3』から「マケット*5」、漫画のシルエットを元に後付設定を盛り込んだ「ティタンビートル*6」などの新規機体はファンを驚かせた。

グラフィック・表現面

  • モデリングが作り直されたメダロット達は一種の「3Dメダロット図鑑」。
    • パーツの内側・裏側まで丁寧にテクスチャが作り込まれ心くすぐられる。
    • 単純に過去作になかったディティールも追加された。
  • 専用モーション・わざエフェクトも大幅追加。
    • パーツ毎の可動ギミックは原作(特に漫画版)の物を再現したもの、アレンジしたものなどが使われロボトルを盛り上げる。
      • 「漫画版の巻末で公開されていた小さな設定画ラフ」や「玩具独自のギミック」など出典もマニアック。
      • 変形機構「メダチェンジ」の変形シークエンス・専用行動モーションは今回も登場。変形シークエンスは前よりテンポアップし、演出としての側面も強くなった。

カスタマイズ面

  • 「脚部特性」の登場
    • 地形相性や機動値、格闘・射撃適正値とは違う形で、パーツ選びに重要なアクセントを与えている。
    • 脚部特性を加味した他の部位とのシナジー・コンボもあるため、脚部パーツの重要性が一層増した。
      • 純正の時点でもある程度マッチするようになっているので、一機体としてのメダロットを特徴づける要素にもなっている。
  • 「サブスキル」による汎用性の向上
    • 単純に「通常攻撃」と「メリット・デメリットのある攻撃」を使い分けられるようになったのは大きい。
    • 前作のCF系行動は「攻撃をする場合味方の攻撃を待つ必要がある」性質故に敬遠されていた部分があったが、本作では取り回しが良くなった。
    • 「ねらいうち」「がむしゃら」「CF」それぞれの長所・短所がはっきりしている。
      • 同系統の技を持つパーツの相互互換バリエーションが増えた。
  • メダル関連の仕様変更
    • 合計レベル上限が上昇したことで極振りだけでなくバランスよくステータスを振ることが可能になった。
      • また得意なスキルと一致しないパーツであっても、スキルレベルボーナスでそれなりに運用することが可能になった。
    • スキルレベル配分における調整も追加された。
      • スキルレベルが高くなるほど上昇における恩恵の幅が小さい、攻撃系スキル(かくとう・しゃげき)だけに振るよりも補助系4系統のスキルレベルを振ることでより回避・防御に優れたメダルに育つなど、『DS』『7』で主流であった極振りに対する選択肢が増えた。

ロボトル(戦闘システム)面

  • リーダー機を探り、見つけたら総攻撃を仕掛けることも可能なゲーム性
    • 本作のプロデューサー曰く「潜水艦ゲーム的な要素」と言っていた通り、本作のロボトルは大きく様変わりしている。
    • 旧作に存在した「うまく相手を狙えなくてもどかしい」と言う部分が消滅。ガードなど援護行動をとる機体への対策を忘れていなければ、だが。
    • もちろん「任意の相手を選択して攻撃・任意の部位で防御」可能なシステムは相手も同じなので、読みあいが生まれる。
      • リーダーをどうやって隠し通すか、いち早く相手のリーダーを見つけるには、などの要素もメダロットのカスタマイズに直結する。
  • さらに先鋭化したダメージ配分ルールに伴う一戦あたりのテンポアップ
    • ディフェンスセレクトに伴い、今回は「貫通による余剰ダメージは全て頭部に入る」仕様である。
      • リーダーを相手に悟られないようにするにはディフェンスセレクトなどによるダメージコントロールが必要。
      • 一部位の装甲を弱らせて、ねらいうちを使った貫通攻撃で一気に頭部にダメージを与える、などの戦術も取れる。
    • 「がむしゃらは全パーツダメージ」「ねらいうちで成功値は低いがヘッドショットが可能」などの要素で、リーダー特定からの機能停止までの時間はかなり早い部類になっている。
    • 今回もロボトルアニメーションはスピーディ。
      • ただし、3DS自体の本体更新に伴い(本来想定していたスピードを超えて)更に高速化された『7』ほど早くはない。
  • メダチェンジが相応に利用可能な環境になった
    • 特定パーツ一式による変形機能「メダチェンジ」の利用条件が緩和された。
      • チャージゲージが20%以上溜まっていれば変形可能。特定のメダリアを併用すればメダリア側のペナルティこそあれど旧作と同じ感覚で変形できる。
    • 今回も行動するたびにチャージゲージを消費するが、メダルのロボトルスタイルによっては変形時間をさらに維持することが可能。
      • 装甲一体化によって全身の装甲が使えるメリット、変形後の基本性能や行動が強力なものが揃っているため、チームセッティング次第でただのロマン行動だった『7』よりは実戦に組み込むことができる。
      • 相手のねらいうちが必中になる、一部メダフォースを受けると即機能停止に陥るといったデメリットをどう補うかがカギとなる。

シナリオ・キャラクター面

  • 一癖あるパートナーメダロットの性格
    • 今回の主要パートナーメダロットは今までにないタイプの目覚めたばかりから癖のある性格。
      • 旧来のマスターによく反発する性格でもなく、『5』のように従順なタイプでもない。
      • 命令にはキチンと従う一方、人のなすことに「理解不能」と疑問を投げる。物語の中で数々の人物と出逢っていく中で他者の気持ちを理解することを知り、最終的には主人公と心を一つにしていくほど成長していく。

賛否両論点

  • メダリア生成に関して
    • 『7』同様「メダリア生成」はクリア後からの解禁要素。野良メダロットからのメダリア素材入手もクリア後イベントから解禁。またメダリアコンプリートすることで手に入るメダル等の報酬はないので、必要なものだけ入手すればよくなっている。
      • ただしセンサーアプリで見えないところを探したり、複数あるレシピを探すなどの要素は削除され、幾分楽になった。
      • しかしメダリア素材の中に通常プレイで手に入れることができない配信限定のものが存在している。配信されたものの個数が少ないため、それを素材とするメダリアはほぼ量産不可になっている。野良メダロットが落とすメダリア素材の中に一切使い道がないものが存在するので、それと入手法が入れ替わっていればと囁かれる。
      • レシピは各メダリア毎に『7』からそのまま流用1種のみとなっており、各メダリアごとに必要となる素材の需要と入手難易度に極端な偏りが生じてしまっている。例を上げると、野良メダロットからドロップだが一切の使い道が存在しないもの、ガチャから入手だが唯一の使い道がショップ入手可能なリーダー効果持ちである等の理由で腐りやすいものから、大量に必要だが前座もいて少なからず手間のかかる巨大メダロットや野良メダロットから低確率ドロップだったり、複数入手の意義のあるスタイル効果やパートナー効果のメダリアの作成に必要だが配信のみ等の理由で不足しやすいものがあるといった具合となっている。
  • 一部のパーツ、わざ、スキルの扱いに関して
    • 一部たすけるスキルは効果時間中に重ね掛けすることで、効果時間延長だけでなく、効果自体の強化を行えるようになった。
    • しかけるスキルによるトラップは、永続効果ではなく仕掛けた回数分機能する仕様に変更された。
      • 一方自分からの上書きでのみしか解除方法が存在しないプラントは今回も無尽蔵に重ね掛けが可能。公式大会後リペアプラントの株が急上昇した。
    • 今回もなおすスキルは威力による細分化は無く、わざの種類による回復量の区別のみ。
    • 同じカテゴリの物に比べ、効力とステータスが見合っていないわざが複数存在する。
      • 例としては「チャージブレード」「ゴースト」。現在は更新データ適用によってこれらと競合していたわざが弱体化したため、ギリギリ相互互換のレベルに落ち着いている。
    • サブスキルや脚部特性の導入でパーツ毎の差別化は図られているが、それでも極一部には純粋な下位互換が存在する。
    • 射撃アンチシー・アンチエアに「絶対ヒット」特性が追加されたため、利便性が上がった一方で同じく絶対ヒットを持つ火薬射撃の立場を脅かした。
  • 主人公機続投に伴う新鮮味のなさ、新機体の影の薄さ
    • 『DS(序盤)』『7』『DUAL』同様今回も初期機体は「メタビー」「ロクショウ」。
      • 本作で久しぶりに新型カブトムシ・クワガタムシメダロットが登場したが、脇役ポジションかつチュートリアルに登場するのみであったため「新型機を出すのであれば、そちらを主人公機をにすればよかったのでは?」と言う声も上がった。
      • ちなみにこの新型2機は格闘カブト・射撃クワガタという、従来からすれば異質なタイプでシャープなデザインとドイツ語の機体名・パーツ名が特徴的なのだが、全パーツが基本攻撃であるソード・ライフルのみで性能面では完全な没個性機体になってしまっている。
      • ただし、メタビーとロクショウはある種「メダロットの顔」とも言える存在なので「ヘタに変えてもそれはそれで違う」という声が無いわけではない。
    • メタビーとロクショウのみに限らず、パートナーとして行動してくれるキャラは基本的に旧作からのメダロットを使用するため新規機体の影が薄い。
      • クリア前に登場する新規機体は、その大半が敵方主要キャラの使用するメダロット。目立つのはヤタガラスモチーフの「ヤタクロウ」とラスボス機位のものか。
      • 野良メダロットやモブNPCとの対戦で入手可能な新規機体も無い訳ではないが、どれも戦力として機能する性能とは言い難い。
      • 「アーマーチャリオ」「リリカルナース」等は旧来から登場する機体の後期型・マイナーチェンジといった趣で新鮮味は薄い。
      • 恒例(?)の女学生シリーズはスクール水着と非常にインパクトが強いのだが登場がクリア後と非常に遅い。
  • 一部攻撃モーションに関して
    • 二脚タイプによる格闘攻撃時、ガチャガチャと高速すり足で接近するモーションは「なんかカッコ悪い」という評価を受けている。
    • カウンター成功時に防御側が攻撃側をすれ違いざまに攻撃した演出が入るが、切り付けられたまま静止した状態→通常立ち状態に戻ってダメージ演出に入るという何とも奇妙なモーションになっている。
  • 一部BGMに関して
    • 推理選択肢時正解の物を選んだ時のBGMが明るすぎて、事件の現状に対して浮いている印象もある。
      • 推理選択肢中のBGMが物静かなBGMであることが多いのでそれとの差が激しい。
    • DLCで収録されているBGM・アレンジに関して、GB音源から音の高さを変更されているなどの理由で違和感を感じるファンも多い。
      • 特に賛否が大きいのは原曲破壊された『メダロット5』通常戦闘BGMアレンジ。2015年1月時点で未配信だが、バグを厭わなければ視聴可能。
      • 同じ3DS作品である『7』『DUAL』のBGMはそのままなのは兎も角、なぜか『DS』の戦闘BGMだけ、DSの音源のままアレンジ無しで収録・配信されている。
    • ゲーム単体の問題ではないが、ゲームプレイ前にクワガタ版初回特典サウンドトラックの曲名を見るとある種のネタバレになってしまう。
  • セーブデータ数に関して
    • 『DS』以降3セーブデータ制だったが、本作は1カードにつき1セーブに戻った
      • ヒロイン別エンドが充実しているだけに今回の仕様変更を惜しむユーザーはいる。
  • エアー・マリンロボトルなどの特殊ロボトルルールに関して
    • 「たいちせいぎょ」「チェンジ」などでレギュレーションと異なる脚部タイプになった場合、強制的に機能停止してしまう。
      • 一部の追加イベントで相手が対応していない脚部パーツでエアー・マリンロボトルを挑んできて、開幕出落ちする事例もあった。現在は修正済み。
    • インターネット対戦でもフィールドとして選択可能なため、手持ちの構成によっては不利な頭数でロボトルを挑まれることも。
    • 新ルール・フィールドによるロボトルなのに挑んでくる相手が少ない。
      • シナリオ中どころか、クリア後を含めてもエアーロボトルを挑んでくる敵がモブ1人、マリンロボトルを挑むのが怪盗団の1人だけという有様。
        一応どちらも再戦可能だが、怪盗団の一人は再戦できるようになるのがクリア後なのに加え一度戦うと再度ロボトルするのに手間がかかる。
      • それにも拘らずメダロッターレベルにおける実績解除に「エアーロボトル10勝・30勝」「マリンロボトル10勝・30勝」という項目が存在する。
        モブと30回戦えば済むエアーはともかく、マリンロボトルのほうは手間隙かけて怪盗団の一人と戦い続けるか、攻略過程で3回マリンロボトルを行うDLC「追加イベント2」をマラソンするかのどちらかしかない。DLCを購入しないのであれば怪盗団一択である。
    • 巨大メダロットとのロボトルは「ターゲットセレクトシステム」の恩恵もあり『7』に比べて若干難易度が下がった。
  • 色違い・コンパチメダロットの扱い
    • 『7』では入手不能機体だったメダロットが本作では通常入手可能になっているのだが…
      • まさか「コンパチが5体も増えた」とは誰も予想できなかっただろう。
        オリジナルに加えてレッド・グリーン・ブラック・ピンクのカラーバリエーションが並んだ様は正にスーパー戦隊もの。ご丁寧に6人目枠のシルバーまで用意されている。
      • ロマン性能且つネタ的な意味でも愛され、それぞれの性能も異なるものになってはいるが、ここまで増やすのは…。
    • 今回も金色のGメタビー・白金(銀)のPロクショウも登場するのだが…。
      • どういうわけかGメタビーとPロクショウのパーツは他バージョンへのパーツ転送ができない。ロボトルで勝ち取っても通常のメタビー・ロクショウになってしまう。
      • 性能も通常のメタビー・ロクショウと完全に同一なので無駄に登場メダロット枠を埋めているだけである。事実上トロフィーとしての意味合いしかない。
    • とある事件の当事者として登場するメダロットもオリジナルの色違い機体となっている。
      • 機体名とは別に固有のニックネームが付けられているものもあり、登場人物としての存在感を際立たせるのに一役買っている。
      • 性能面での扱いとしては、ブリキシリーズのようにオリジナルと異なる性能となっているものからGメタビーやPロクショウのようなオリジナルと全く同性能でただの色違いとなっているものまでまちまち。
    • 先述の参戦メダロット総数から色違い機体を除くと190体強+DLCであり、前作と比べて登場数は大幅に増えている。色違いでボリュームの薄さを嵩増ししているというわけではないため誤解のなきよう。
  • 人物キャラクターのデザインに関して
    • 元から『癖の多いキャラクターデザイン』を採用し続けているメダロットシリーズ*7であるが、今回もまたキャラクターデザインの刷新という大きな変化によって評価が分かれてしまった。
      • メインキャラクターにおいても女性キャラが押し出され、4コマ漫画*8やライトノベルなどでありそうな可愛いデザインになっており、新たに興味を持った層・戻ってくる人もいたが、いわゆる「萌え」を毛嫌いする層からは敬遠された。
    • また一部のグラフィック、特にカットシーンやキャラクターグラフィックにおいて画力の未熟さが出ているものもある。
      • 作画ミスで主要登場人物の指が6本になってしまっている、一部モブの胸の位置がおかしいといった事例が確認されている。
      • 所謂ハンコ絵、老人キャラや喜怒哀楽の描き分けが稚拙という指摘もなされている。
  • ヒロイン別エンディングに関して
    • お目当てのヒロインが居る場合、従来の作品と同様に一定のイベントをこなしフラグを回収することでヒロインの好感度を上げればよいのだが「フラグを回収した筈なのに別ヒロインのエンディングになってしまった」というメダロッター達の嘆きが複数報告されている。
      • それとは逆に「フラグを幾つか回収しそびれたが、無事お目当てのヒロインとのエンディングにたどり着けた」という報告もある。
+ ネタバレを含みます。
  • メインヒロインのアニス以外のエンディングを狙う場合、念入りにアニスの好感度を下げる選択肢を選んでフラグを折っておかないと、どれだけ他ヒロインの好感度を上げても彼女のエンディングに直行してしまうという不具合?が存在する。
    • この為、一時期アニスには"吸引力の変わらないただ一人のヒロイン"という意味合いで「ダイソン」というあだ名が付けられていたという…。
    • 共闘する機会はヒロイン中で最も多く*9、また悪役に攫われる等見せ場もあるため「他の候補よりしっかりヒロインをやっている」という評価があるのは救いか。

問題点

バグ・誤植について

※現在こちらに記載しているバグの多くは配信中「更新データ」を導入すること、「最新の追加コンテンツ」を適用することで改善されている。

  • ゲーム進行・ロボトルに影響を及ぼす多くの設定ミスやバグ
    • バグゲーとも言われた『BRAVE』以上のバグ・不具合が存在した。その総数は歴代シリーズの中でも群を抜いて多い。何もこんな所でも記録更新しなくても…。
      以下、その中でも問題視されたものを掲載する。
  • 特定箇所でのイベント進行不能バグ
    • 「時計塔ダンジョン」でのイベント時にエリアマップ移動が行えてしまうことによる進行不能バグ。
      • 本来とは違う空間に移動してしまい、一度セーブしてしまうと元の地点に戻ってきてもその後のイベントが正常に進行しなくなってしまう。
      • 時計塔ダンジョンがそれなりに手間のかかる所だったこともあり、イベント終了後にエリア移動しようとした矢先にこのバグにハマる人が続出した。
    • 「海底通路ダンジョン」の倉庫番パズルでブロックを特定位置に配置すると脱出不能になる。セーブすると詰む。
    • 階層状になっている「遺跡ダンジョン」のリフトが上に上がっていないのに、上から乗れてしまいハマる。セーブすると詰む。
  • 有料DLC「追加イベント」に存在していた重度のバグ
    • 追加イベントを遊んだ後にマップアプリがなぜか使えなくなりエリアマップ移動が突然できなくなる不具合。
      • 直前のセーブデータがエリア移動不可能のマップにいた場合、そのエリアの中に閉じ込められてしまう。
  • パーツやメダルにおけるバグ
    • 一部のロボトルスタイルの補正値が反映されていなかった。
    • 一部のパーツを特定状況下で使うとフリーズ&強制終了、本来設定された通りの挙動をしないなどの問題。
    • 一部パーツの組み合わせでモーションがおかしくなる、一部パーツの効果音演出ミスも存在した。
  • DLCに依存したバグ
    • DLC限定機体をセッティング後特定の操作をするとメダロットグラフィックが変になることがあった。
    • 追加イベントによって手に入る報酬のメダルが手に入らなかったり、手に入ってもレベルを上げ絵柄変化させると消失してしまったり。
    • DLC追加イベントで登場する対戦メダロットの編成が全く異なるものに変化することもあった。
      どうやら、本編クリア後に解禁される大会イベントのデータがバグで出てきてしまっていたのが原因の様子。
  • 前作『7』にもあったバグ・不具合
    • メダルアルバム登録バグは今回も健在だった。
    • マップ上でのオブジェクトすり抜けやイベントフラグミスによるイベントリセットやフリーズ&強制終了、アイテムの消失。
    • いくつかのパーツ性能と効果表記の不一致、誤植、未表記、能力値の設定ミス。
    • 通信後やロボトル中でのメッセージ表示ミスなど。
  • 「サウンドアプリ」ロックすり抜けミス
    • タッチ操作で曲を選ぶと、本来ならDLCやパスワードで解禁させる過去作の戦闘BGMが聞けてしまう。
  • 上記の物以外にも、
    ・主人公名がいつの間にかデフォルト名の「ソルト」に変更されていた*10
    ・通信対戦時コマンドの初手先行入力側が「がむしゃら」「ねらいうち」行動を行うことが後手側に筒抜けになっていた
    ・ガレキを破壊するシーンで、肝心のガレキのポリゴンが表示されない
    などの大小問わずバグ・設定ミスが存在した。

設定ミスによるバージョン格差

  • 上記のバグに依存した問題点だが、野良メダロットやロボトル大会で登場する機体に格差が存在している。
    • カブトバージョンのみに出てくる機体数がクワガタバージョンのそれに比べて少ない。
      ……というより、クワガタバージョンで、本来カブトバージョンのみに登場するはずだったパーツ・メダロットが出てきてしまうのである。
      • このミスによりソフト単独におけるパーツ集めにおいて、露骨にクワガタバージョンが有利になってしまった。
    • 更新データによって「カブト版は本来カブトバージョンで登場する予定だった機体が正式に登場する」「クワガタ版でカブト版に出る予定だった敵編成の削除」などの修正が行われた。
      • ……のだが、本体設定で更新データを消せばクワガタ版は更新前同様にパーツを収集できてしまうため、結局根本的な解決には至らなかった。

シナリオ・キャラクターに関する問題点

  • キャラクターのバックボーン、設定の描写が薄い
    • 父親の死をきっかけにメダロット探偵を志す主人公ソルトだが、その父親の死について語られるのは終盤。
      • 父の死からどうして「メダロット探偵」なることを選んだのかという背景が希薄。
    • 主人公の師であり雇い主のローレルは事件の概要を聞いただけで真相を見抜くほどの推理力を持っているが、主人公たちにその推理を披露することなく単独で行動してしまう。その理由は主人公たちの探偵としての成長を促すためであるのだが、そのせいで本人の探偵としての能力が見えてこないという事態になってしまった。
    • 同じ探偵事務所にいるアニス・セージといった先輩メダロット探偵の出自も特に設定されていない。
      • アニスはソルトと同年代かつ探偵としては先輩ということであるが、彼女が活躍するシーンは殆ど無い。序盤でこそ先輩らしく推理でソルトにヒントを与える等の活躍が見られるものの、中盤以降からは完全についていくだけの存在になる。
      • セージは高校生の癖に探偵としての活動や解決方法は完全に脳筋で、重いレバーを引いたり、岩を押したりするパワー担当。…探偵なのか?
      • 主人公のパートナーは積極的に話に関わってくるが、二人のパートナーは一切話に絡んでこない。アニスに至ってはストーリーの進行でパートナーの頭パーツが変わってよくわからないことになる。
    • 本作で怪盗団として怪盗ジルに雇われ敵対するメダロット犯罪者たちも掘り下げは薄く、どれほどの人物なのかが十分に理解できないまま敵対することとなる。
  • 旧来のメダロット設定と比較した際の矛盾点・説明不足の描写
    • 主人の死を悲しみ泣き続けた最古のメダロットを「泣き続けるから役に立たない」とスクラップにしようとした当時の研究者達の存在。
      • メダロット開発黎明期でありながら、研究者たちがそのような不可解な評価を下した理由は一切説明されない。
    • とある施設の機能が停止した際に、自分の身を犠牲にして再度起動させるメダロットの描写。
      • クリア後のフリーロボトル時、このメダロットのマスターにあたる人物が同一パーツの機体を使用する。このメダロットの行動は街の存続にかかわる問題と直結しており、復活したということはその問題が解決したと考えられるのだが特にこれといった説明はない。ストーリー的にも丸投げといっていい状態になっている。
    • スラフシステムと言うパーツ修復機能が存在するのに、ラスボスの攻撃を受けて徐々に石化し始めるパートナー。
      • 一枚絵で徐々に石化していくパートナーの画像が出てくるのだが「パーツを自由に変えられ、戦闘終了後には破損したパーツも元通りになる」というメダロットの設定と照らし合わせると、なぜパートナーだけ石化するのか・(ゲーム上の都合だが)パーツが石化し始めているのに実際の戦闘では他のパーツに換装できたのかという疑問が湧きあがる。これについての説明は、本編どころかDLCの追加シナリオでも一切なされない。
    • 本作は世界観が一新されたとはいえ、シリーズの核である「メダロット」の大元の設定は変わってはいないため、これらの描写から設定の理解不足と指摘される。
    • ゴッドエンペラーの説明文から本作には登場しない「ヘベレケ博士が作ったメダロット」という記述が削除された一方、DLCで入手できるメダロット達には漫画版の設定や『navi』に登場した企業名が出てくるなど、ファンサービスにやや中途半端印象を受ける。
  • 一部あんまりな登場人物の動かし方
    • エンディング候補を増やすためだけに用意されたかのようなヒロインたちの挙動。
      • 特に意味もなく主人公に押しかけ女房的に惚れはじめるチコリ。
      • 主人公達に助けられた恩があるとはいえその描写はわずか終盤の一章、外の世界への憧れと主人公から水を頂いたフラグだけでデートを申し込んでくるミント。
      • 多くは書かないがフラグを立てれば、エンディング候補になってしまうパセリ。
    • 怪盗ジルの正体。
      • ネタバレになるので多くは書かないが、ジルが怪盗として暗躍していた真意は多くのプレイヤーを呆れさせた。
    • モブではあるが「クロックタウンの身勝手な老人たち」も前述した自ら犠牲になったメダロットの存在と相まって胸糞悪い展開として語られている。
    • 本作のラスボスが「自分が優勝した場合は世界を滅亡させる」と宣言して開催を決める、俗に言うセルゲームによく似た「ロボトルウォーズ」を始める点に関しては、「シリーズお約束の大会イベントを何とか本編に入れたかっただけではないか?」と揶揄される。
      • 大会を開く理由としては「自分に何度も敗北しながらも立ち向かって来る主人公を大きな舞台で叩き潰したい」と言ったラスボスの意志によるものであると説明されている。
    • 世界の存亡を賭けた世界大会と言うシチュエーションはかつてのシリーズにないスケールの大舞台ではあるのだが、今までの登場人物達や世界チャンピオンといった猛者たちが集まっておきながら、律儀にお互いにつぶしあうというのはいささか滑稽に見える。協力してラスボスを倒すべきなのでは?

シナリオ進行に関する問題点

  • システム解禁の遅さに伴うシナリオ描写との乖離
    • 前作『7』でもライセンス取得によるシステム解禁だったが、今回もシナリオ進行に合わせて「がむしゃら・ねらいうち」「CF」「メダフォース」「メダチェンジ」「コンボ」と言った機能が解放されていく…のだが、シナリオの流れを見るとこの成長演出が効果的に機能してるとは言い難い。
  • ライバルポジションのキャラクターが主人公達とのロボトルで「メダフォース」を使い、その実力差を見せつける→ローレルの元で修行しメダフォース習得。
    • システム上本作では、最初からメダルのロボトルスタイルに応じたメダフォースを習得しているはずである。それどころか、メダフォースで敗北した先輩のメダロット探偵も共に戦う際普通にメダフォースを使っている。
    • そのライバルポジションのキャラだが、普通に対戦する分には…はっきり言って弱い。本編中やDLC「追加イベント」内で共闘する場面が幾つかあるが、描写されているような活躍を期待すると間違いなく痛い目に遭う。
  • 強敵に立ち向かう前に「メダチェンジ」を習得しましょう。これで太刀打ちできるはずです。→ローレルの元で修行しメダチェンジ習得。
    • メダチェンジ解禁までに本編中で入手可能な変形機体は店売りの2体+野良メダロットとして出る1体。本編とは関係ない配信やDLC、一式揃うかどうかの保証ができないメダガチャの景品を含めてもいいのであればもう少し選択肢は増えるが。しかも主人公が変形可能な機体を取得するイベントなど気の利いたものは無い。
    • 一応可変カブト「サイカチス」、可変クワガタ「ドークス」は無料配信で入手可能なのだが、何故それを本編でやらないのか
    • チュートリアルで使用する機体「ノエル」もクリアするまではアニスのパートナー機…つまり味方NPCとして登場するのみで、自分で使用できるのはアニスとの対戦が解禁されるクリア後となる。更には味方NPCのAIが微妙すぎて、変形はおろかパーツ単体の機能もあまり使いこなせていない始末。名誉のために言うと、「ノエル」自身は変形抜きにしてもかなり優秀なメダロットである。
    • さらに言えば、その強敵というのが普通に対戦する分にはメダチェンジがなくても勝てる相手である。
    • そもそもメダチェンジ自体、その大半が玄人向けに調整された性能となっており、初心者が無理をして使うものではない。
  • ローレルの元で修行しコンボ習得。
    • よりにもよってシナリオ終盤で解禁される。敵や味方のメダロット探偵はずっと当たり前のように使っていたのに、である。
    • これはトルネード+アンチエアコンボ*11などをストーリーで早々に使わせないようにする措置だとも思われる。それを考慮しても尚遅すぎるのだが。
  • マップとイベント配分の問題点
    • 一つの事件において一つのエリアマップが使われるが、その際の寄り道やサブイベントの類はない。
      • 今回も街中マップがほぼ一本道で探索する要素が無い。
        そのかわり調べられるオブジェクトが豊富…かと思いきや、シナリオの中盤~終盤からは街を調べられる要素が減っていく。
      • 序盤でも、人一人いないジャンク屋など扱いがぞんざいなマップも存在している。
    • クリア後のイベントが少ないどころか、ほぼ無い。
      • シリーズお馴染みの主要人物のとフリーロボトル、前作同様のトーナメント制の大会はあるものの、それ以外のイベントが一切ない。
        まるでDLCを買わせるために追加イベントだけ切り出されたかのような印象を与える。
  • ゲーム全体でのパーツ配分
    • シナリオを普通に最後まで遊ぶ分には気にならないが、クリア後初めて入手可能な機体が多く存在する。
      • そのクリア後入手の機体の多くが『特定の曜日に開催される大会*12』に集中している。
      • 中位大会や最上位大会は、その下位の大会を制覇しなければ参加することすらできない。さらに最上位の大会の景品は4回目までパートナー機の色違いパーツ1つで固定されており、律儀に時間設定を変えずにいると景品がパーツ一式に移行するのに少なくとも5週間かかる。
    • 大会やネット対戦で手に入るメダガチャコインで引ける「メダガチャ」もお世辞にも良い内容とは言えない。
      • どういうわけか、通常エンカウントや店売りで大量に手に入るパーツが「大当たり」扱いに設定されている。
      • メダガチャコインの入手機会が少ないことも相まって、欲しいパーツが出ないのは中々のストレスになる。もっとも、メダガチャコインやパーツが簡単に手に入りすぎてもそれはそれで問題なのだが
    • メダロッターレベルにおける実績解除に「ゴーストショットを使用して勝利」という項目があるが…。
      • そのゴーストショットはよりにもよって1周のプレイにつき2回しかパーツ入手機会の無いラスボス機体腕部パーツ専用技なのである。
        現時点で配信等による救済措置もないので、うっかり腕部を取り損ねた場合通信機能などで他のプレイヤー・ロムからパーツ転送してもらわないと、この項目を埋めるのが困難になってしまう。

インターフェースに関する問題点

  • オートロボトル設定の仕様
    • ゲーム本編の中で個々のメダロットのオート指示・マニュアル指示の切り替え方を提示していない。一応電子説明書には記載されているのだが、果たして何人のプレイヤーが目を通したのか…。
    • タッチ操作で全機オート操作に切り替えていた場合、その後はリーダー機を除きその位置の指示操作設定のデフォルトが「オート」になる。
      • このため、『DS』または『7』を知らない多くのプレイヤーが「自分が2体3体とメダロットを出しても、指示できるメダロットは1体のみ」と勘違いし、過去作から劣化・クソゲーと早々に評価を下す事例も相次いだ。
      • ロボトルメニュー内の「メダチェック」でボタン操作でオートとマニュアルを切り替えられるが、こちらで変更しても、ロボトル終了後、元の設定に戻ってしまう。
      • オートとマニュアルを確実に切り替えて設定を保存するには、下画面の自分のメダロットの顔アイコンをタッチする必要がある。
    • 個別にオート・マニュアルを切り替えるのとは別個に、最初の1ターン目のコマンド入力時にスタートボタンを押すことで「全自動オートロボトル」が可能だが…
      • こちらの方法で全機オートロボトルにした場合、ロボトル終了までオートを解除できない。
        一応コマンド選択の演出も全てカットされる為、個別のオート切り替えを3体分やるよりも早くなるという利点は存在する。
      • なお、メダロッターレベルの「オートロボトルで○○勝」の実績はこの全自動オートロボトルでないと取得できない。
  • 煩雑なメダリア設定画面
    • 本作ではメダルリスト画面から確認できるメダル設定で、使用メダフォース・チャージ量の設定、メダリアの装着を行うのだが十字キー左右でしか各項目を変更できないため、項目の多いメダリアの変更・脱着が不便。
      • 『7』のメダリア設定画面ではカテゴリごとにメダリアがアイコン表示されその中から選択する、『DUAL』はセッティング画面にメダル・パーツと同枠でリスト表示されていたが、それよりも使いづらい仕様になってしまった。

DLCに関する問題点

  • ゲーム中におけるロード時間の増加
    • 仕様とはいえゲームを起動するたびに追加コンテンツの読み込みが行われ煩わしい。
      • DLC更新によって読み込み時間が短縮したとはいえ、購入した追加コンテンツの数だけすべて読み込まれるため、全てのDLCを購入済みである場合ゲーム開始まで30秒近くの時間がかかる。
      • プレイ中でもパーツセッティング時にDLCパーツを読み込む際、若干のロードを挟む。
  • DLC限定機体を手に入れるまでの過程がロボトルばかりであり、単調且つ不便なものが多い
    • 無料の「追加イベント1」は道中を歩いた後、6体の勝ち抜きロボトル。
      • 「欲しいパーツの機体を最後の3体まで残さないと入手対象にならない」「一周に付き入手できるパーツが1つ」という仕様が、勝ち抜き戦ゆえに強制参加となる仲間の無能さと相まって相当なストレスになる。
      • DLC限定機体狙いで、且つ有料DLCに抵抗が無いなら下記「追加イベント7」を周回した方が精神的には楽。
      • 本編の進行に合わせて敵機体の内の2体が装甲の高い後継機に変更され難易度が上昇するが、クリア前に登場する「シサク」と名前の付いた機体に関しては本編中ではストーリー中で数回、クリア後は大会で特定の対戦相手からしか入手機会がないという結構なレア物。その為クリア前限定ではあるが、機体が変更される度にここで粘っておくとそれらをかなり楽に揃えられるという利点がある*13
  • 「追加イベント2」は20階建てのロボトルタワーを踏破する。
    • 本当にロボトルしか存在しない上、律儀にクリア報酬でDLC限定機体をそろえる場合、最低4周計80戦しなければならない。5階にDLC限定機体一式のみ3体構成の相手がいるのでクリア報酬でそれ以外を貰っておけば、3.25周計65戦にまで軽減可能。
    • 階1つを登る度に地形が変更されているのだがその中に「エアー」や「マリン」も存在しているため、場合によってはその階だけパーツの組み換えを強いられる。
    • 前述の通りマリンロボトルの回数をついでで稼げる他、本編中では大会での対戦相手からしか入手できないパーツを装備した相手も多いという利点はある。
  • 「追加イベント3」は館に隠された謎の解明。
    • 探偵物らしい推理する要素等、内容的には評価されている。
    • DLC限定機体以外にも『DS』の主役機体が登場するが、あろうことか現時点ではこのDLCが唯一の入手機会となっている。他の限定機体とは異なり通信による受け渡しは可能なので、入手したプレイヤーからパーツを譲ってもらうという抜け道は存在している。
  • 「追加イベント4」はエンディング後に解禁される大会ほぼそのまま。
    • ただし出場者の構成と報酬が一部変更されており、その変更された構成が(こちらも通信を除き)唯一の入手機会となっているパーツが存在している。
    • 最下位大会を制覇後に登場するキャラクターがランダムでDLC限定機体のいずれか一式を持ってくるため、コンプできるかどうかは運頼み。
    • 上位の大会に参加するにはその下位の大会を制覇するのは同じだが、こちらは一日一回や曜日等の制限は一切ない。そのため本編の大会よりも早く景品を揃えることができる。
    • 一つの大会を制覇する毎にセーブして一旦終了になるという仕様のため、最上位大会に進むためには最下位大会制覇→セーブ&ロード→中位大会制覇→セーブ&ロード→最上位大会と間に2度のセーブ&ロードが強制的に挟み込まれる。
    • 最下位大会はセーブ&ロードを挟むことになるものの連続して参加できるが、中位大会と最上位を繰り返すためにはその都度最下位大会→中位大会→最上位大会と順番に制覇し直さなければならない。
  • 「追加イベント5」は選んだパートナーとコンビを組んで浮気調査を行う。
    • クリア時に貰える機体はパートナーによって変わり、パートナーを任意に選択できるため最低限の周回数でコンプリートが可能。
    • パートナーごとに異なるテキストが用意されているため、このDLCに限っては「変化のないシナリオを目当てのパーツが手に入るまで何週もプレイさせられる」という問題点が存在しない。話の展開自体も、サイドストーリーとしてはなかなか面白い内容。
  • 「追加イベント6」は移動する敵を避けながらダンジョンを踏破するというもの。
    • 敵に当たってしまうとロボトルになりその回数が10回に達した時点で失格、ヒビ入り床の上で障害物を破壊してしまうと床が崩れ落下して失格、移動床の行き先の障害物に当たるとこれまた落下して失格等、所謂初見殺しと呼ばれるギミックが多い。
    • とあるテクニックによって移動する敵をやり過ごすことも可能だが、6面分を突破しなければならない上に後半からは移動床のギミックも加わるため周回に時間がかかる。さらに移動床を乗り降りする際にはそのテクニックを使えない為、タイミングが悪いと移動床から降りた直後に敵と鉢合わせしそのまま失格…という事態も起こり得る。
  • 「追加イベント7」はまさかの大会イベント再来。
    • こちらは「追加イベント4」とは逆に構成の変更はされておらず、制覇報酬が変更されている。中位大会制覇で貰える一式の中に(これも通信を除き)それが唯一の入手機会となっているパーツが存在している。
    • ただこちらは最上位大会制覇でDL済みの「追加イベント1~7」のDLC機体の中からいずれかの一式が貰え、さらにその後に公式大会の上位入賞者の構成を再現したチームと戦え、それに勝利すると「追加イベント7」のDLC限定機体を纏めて手に入れられるなど配慮はされている。
    • 上位の大会に参加するにはその下位の大会を制覇するのは同じだが、こちらは一日一回や曜日等の制限は一切ない。そのため本編の大会よりも早く出場者のパーツを回収することができる。
    • 「追加イベント4」と同様に大会制覇する毎にセーブして一旦終了になる仕様で、上位大会の周回に時間が掛かる。
    • このDLCの舞台には『DS』から本作までに登場したほぼ全てのメダロットのイラスト・立ち絵が閲覧可能な端末が設置されている。一部メダロットのイラストは製作されておらず*14「NO DATA」となっている為、利点として挙げられるかどうかは微妙な所。ただ『7』のアルバムで一枚絵閲覧機能が削除され、攻略本も出ない今、貴重な資料として喜ぶユーザーもいる。
  • 先述したが、更新されるまで一部DLCには特典が手に入らないなどの不備があった。
    • しかし、DLCデータ更新の告知は一切されなかったため気づかれにくい。
  • DLC限定機体のパーツはDLC購入済みの本体同士でも通信転送不可。
    • なお、『メダロットDUAL』と同じく「バージョン別でのDLC追加イベント・BGM・ナビボイス管理」となっている。

配信における問題点

  • 配信による追加要素の解禁ペースの遅さ
    • 『7』と同じく本作もパーツ一式やメダルなどがいつの間に通信を活用して配信されるのだが、その配信ペースが不定期*15になっている。
      • 発売から1年以上経過した今も『DS』の主役機であった2体のメダロットが配信されておらず、先述の通りDLC「追加イベント3」以外の入手手段が(通信を除いて)存在しない。それとは別に仕様上、転送による入手が不可能なVer差分のメダル及び機体が存在しているので、DLC購入者であってもアルバムをコンプリートすることができない。
      • また配信対戦ルールの更新も2016年3月現在行われていない。既にオープンルールも過疎状態である。
    • 一部のメダリア素材に関しても、いつの間に通信による配信が無ければ入手不可能だった。
      • 個数限定で配信後、現在は更新データの適用によって通常のプレイでも入手不可3種の内の2種が入手可能。
    • 2015年12月24日にシリーズ続編が発売された為、本作に対するこれ以上のフォローはほぼ絶望的な状態となってしまっている。
  • DLC追加メダル・機体以外を除く配信前提のメダル・パーツの多さ
    • メダル入手に関しては『7』と大差ないのだが、パーツの方はDLC限定機体以外にも「両Ver.共に配信・通信を利用する以外の入手手段が存在しない」ものが大幅に増えてしまっている。
      • 先述した『DS』主役機2体分のパーツ一式に加え、いつの間に通信で配信されたメダロット3体分のパーツ一式、DLC「追加イベント」以外の入手機会が存在しないパーツ3個の計23個がそれに該当する。
      • 参考までに『7』では、両Ver.共通で入手に配信や通信が必須であったパーツはメダロット2体分のパーツ一式、更新データを適用するまで入手機会が存在しないパーツ1個の計9個のみであった。

対戦における問題点

  • 「速攻陣形」ありきの更新データ適用前までの対戦界隈
    • 「速攻陣形」とはメダルに装着できるメダリアの1つで、装着しているメダロットがリーダーに指名されている場合「リーダーが特定されてしまうが味方チーム全員の初回充填時間が半分」という効果をもたらす。
      • 1パーツ分の充填時間で複数パーツを同時使用する装備、充填時間の遅いパーツを補佐するメダリアと併用する等このメダリアと相性の良い組み合わせが多く、対戦環境では開幕高火力による名実ともに「速攻」戦法が横行した。
      • この速攻陣形に対抗するために、こちらも速攻陣形を使って先制を取って攻撃する、または速攻陣形で補助系行動・防御系行動を使い阻止するなど、速攻陣形ありきの構成が多くみられた。世はまさに世紀末速攻の時代。
    • 注意してほしいこととして、速攻陣形だけが飛びぬけて強いわけではない。かつてのMF-MAXメダリアのようにどうしようもないわけでもなく、パーツ構成やメダリアの選択でいくらでも勝つチャンスはある。
      • ただ、様々な構成との汎用性が高いことには変わらず、このメダリアの存在を理解することが必要な面はある。現在、更新データの適用によって猛威を振るっていた一部パーツやメダフォースが下方修正されたものの、それでも速攻陣形自体が持つアドバンテージは変わってはいない。
  • チャージ分のダメージと引き換えに一瞬でチャージゲージを最大まで溜める「フルチャージ」の続投
    • 僚機にフルチャージを使わせ、リーダーを守りつつチャージゲージを安全に溜める「リーダーチャージ」メダリアとの併用、脚部特性を効果的に発動するのに用いられるだけでなく、前作のような速攻メダフォース戦法、チャージゲージに依存して威力が跳ね上がるビームソード・チャージバスターとの採用率が多かった。
      • 現在は更新データにより、一部メダフォースやビームソード・チャージバスターパーツの多くが下方修正を受けている。
      • もっとも、フルチャージは更新データ配布以前からフルアタ構成や超耐久の回復に対して非常に弱いことが判明しており、性能に関しては妥当と考えられる。
  • 今回もネット対戦でロボトル中のギブアップは不可能。切断対策もブラックリストなどの類もない。
    • この結果、対戦相手側がパーツ構成相性で不利だと判断した際に切断される事例が相次いだ。
    • 対戦終了まで行かなければパーツやメダガチャコインを手に入れられない為、切断された側には一切の得が存在しない。
      • 最終的にはプレイヤーのモラルの問題なのだが、せめてマナーの悪いデスメダロッターを能動的に避ける手段が欲しい所。
  • 対応したDLC追加コンテンツをSDカードに入れていない状態でDLCパーツ持ちの相手と対峙した場合、表示が黒いパーツに差し替わってしまう。
    • 何のパーツを装備しているか視認できないという意味では、対戦において不利になる。
      • ネット対戦ではDLC所持・非所持に関わらず同一条件でマッチングしてしまうため地味に厄介。
    • とはいえ、これや前述のロード時間の長さが結果的に「DLCパーツは批判の多いアンロック方式ではなく、1からデータを作った上で配信している」ことの証明となっているのだが。
  • ネット対戦時のロボトルフィールド選択でエアーロボトル・マリンロボトルを選択できてしまう。
    • 手持ちに飛行・潜水メダロットを入れなければ、そもそも選択できないようになってはいるのだが…。
    • これを「意図的に」選んで、相手が十分な数飛行・潜水型メダロットを組み立てていないのにロボトルに持ち込むデスメダロッターが確認されている。
    • 因みに通信対戦のエアー・マリンロボトルでは前述したメダロッターレベルの実績を埋めることはできない。無念。
  • 本作に限った話ではないが、ネット対戦でまともに戦うために必要なメダリアの大半がクリア後解禁要素で手に入れられる物であり、レベリングと合わせてオンライン対戦までのハードルが高くなった。
    • 現在メダリア使用禁止などのレギュレーション「配信ルール」は存在しておらず、一見さんお断り状態。

総評

ナンバリングでありながら、システム・世界観・キャラクター全てにおいて冒険した一作。
特に本作のロボトルシステムは、旧来の雰囲気を残しつつテンポの改善と戦略性のアップを両立しており、「ロケットカンパニーの『メダロット』」と言えるものに仕上がっている。 モデリングの刷新をはじめメダロットの戦闘描写も強化され、DLC含め数々の人気機体の投入、パーツやメダルのステータスシステムの変更など、カスタマイズとロボトルの楽しみを広げる取り組みは快く受け入れられた。

一方メダロット探偵という新たな世界観の切り口を提示していながら、各登場人物たちの背景が薄いことやシナリオ後半になるほど尻すぼみになる町々の描写など、せっかくの新舞台を活かせていたとは言い切れないシナリオ。
数々の名メダロットが手に入る魅力的なDLCもどことなく不便な部分も多くイベント内容も練り込まれていない。
そしてシナリオ・ロボトル・メダロットのカスタマイズを楽しむうえで障害となる数々のバグは、現在こそ概ね改善されたとはいえ、多くのプレイヤーの顰蹙を買った。
「戦闘システムは素晴らしいが、シナリオがいまひとつ」という、『グランディア エクストリーム』のような評価である。

『7』『DUAL』での売れ残りを反省しためか出荷量は抑え気味でキャラクターデザインの変化や前作までの荒削り・不評部分の評判から見限った層も数多く、 売上は『メダロットDUAL』と同等の振るわない結果となっている。

まだ改善の余地は多いが、戦闘面でのバランスにおいてはナンバリング中でも屈指の良好さを誇る一作。
戦略とセンスにものを言わせ、知恵と勇気で勝ち残る「歯ごたえのあるロボトル」を求めるならば購入しても損は無いだろう。

ただし、対戦に臨む際は更新データ適用をお忘れなく


余談

  • 今回シナリオを手がけた北島行徳氏だが冒頭で挙げた作品の他に、良作ながらも一部エピソードに賛否が分かれ、また題材でもある『3年B組金八先生』を使う必要性が無かったといわれる『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』、前作での大惨事から無事建て直しに成功したものの、ミステリー物としてのロジック面に致命的な欠陥が見られる『逆転裁判5』、そしてファンから満場一致で黒歴史認定された上前作ディレクターに「もう続編を作らない」とまで言わせた『大神伝 ~小さき太陽~』等のシナリオも手がけている。
    • 評価の高い作品もちゃんとある。ゲームでしか味わえない物語を楽しめる『428 ~封鎖された渋谷で~』が名作であることに異論を挟むユーザーはまず居ないだろう。「1から物語を作るのは得意だが、既にある設定を生かしてシナリオを組み上げるのは苦手なのではないか?」と見られている。
  • PVではソルトとアニスにボイスがついていたが、声のイメージはさておき両者セリフが本編の設定とかみ合っていない。
    • 妙に熱血でコミカルなソルトだけでもおかしいのに、アニスの「もうソルトってばいつもドジってばっかりなんだから、本当世話がかかる」はよくツッコミが入る。アニスは本編でソルトを一度も呼び捨てしないし、ソルトも上記の通り妙に達観していてドジもしないし世話もかからない。フラグ管理の手間や悪役に攫われるストーリー上の展開など、世話がかかるのはむしろアニスの方である
    • セリフ収録の時点では、旧来のような「(ヒカルやアニメ版イッキのような)ちょっとドジだけど熱血な主人公」と「(キララやアリカのような)世話焼きな幼馴染」という設定だったのかもしれない。
  • 本作発表直後に『ニコニコ静画』にて「キミが考える オリメダデザインコンテスト」が開催された。
    • 現在無料ダウンロード可能な3体のメダロット「ハイカラメイツ」「キメンガー」「タイムフォーラー」はこの公募から選出された。
  • ゲーム大会・体験会や講談社主催のイベントを除けば、公式による初のメダロットイベント「メダロット ファンミーティング2014」が開催された。
    • 過去作~本作に至るまでの各種設定画やプロデューサーと原作者による対談で、『8』の開発経緯などが公の場で明らかにされた。
  • 先述の通り、2015年12月24日に続編『メダロット9』が発売された。
    • 本作で確立したシステムから更に大幅且つ大胆な変化がなされており、特に「人間キャラクター1人につきメダル1枚の紐付け*16」と「本編クリア後の世界を楽しむ事ができない代わりとして実装された周回プレイ」については賛否が分かれている模様。

+ タグ編集
  • タグ:
  • 2014年
  • 3DS
  • RPG
  • ロケットカンパニー
  • デルタアーツ
  • メダロット

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年09月26日 14:38

*1 過去作の「なぐる」「がむしゃら」攻撃では「一番近い相手」を攻撃していた

*2 メダル固有の3種類に加え、汎用メダフォース「たいあたり」の4種類から選択可能

*3 過去にも『カードロボトル』のホワイトカードなどの例はある

*4 『DS』『7』『DUAL』のBGMは原曲、それ以外の過去作BGMはアレンジ曲となっている

*5 劇中での描写のまま、試作の「マイクロ波兵器」を引っ提げて登場。

*6 人気機体「アークビートル」の対となるオオクワガタ型メダロットの試作版という設定

*7 アニメ準拠の『弐CORE』やドット絵によって元イラストのデザインが緩和されている旧作ゲーム版での描写はさほど問題視されていない

*8 神藤かみち氏は実際四コマ漫画の連載を持っている。

*9 実はこれが原因。共闘するたびに好感度が上がる仕様の為、結果的に最も好感度の上がる機会が多いヒロインとなっているのである。

*10 この不具合は現在でも修正されていない

*11 トルネードで相手を飛行タイプと同じ扱いにし、そこに飛行タイプに特効のアンチエアを当てる大ダメージコンボ

*12 大会ごとに対戦相手は決まっているが、トーナメント制で誰と当たるかはランダム

*13 クリア後にも変更されるが、最終形とでも言うべきその機体はクリア後に出現する固定シンボルから入手可能。再戦までに若干の手間はかかるが、それを差し引いても固定シンボルで粘った方が楽である。

*14 前述したコンパチのブリキシリーズや金メタビー・銀ロクショウ、立ち絵の存在しないオランピア-T2等

*15 2014年12月末までは概ね2週間に1回、2015年1月以降は2015年3月13日の一度だけである

*16 これによってシナリオ中で人間とメダロットの関係をより深く描けるようになった。代償としてメダルが主人公+仲間になるキャラクター4人分の計5枚しか手に入らなくなったが、メダリアの仕様変更によりカスタマイズ性の高さはシリーズのそれと比較しても全く劣ってはいない。…但し、仲間のパートナーメダロットを好き勝手にカスタマイズできる仕様を受け入れられないと洩らすメダロッターも少なからず存在してはいる。