アイドルマスター ワンフォーオール

【あいどるますたー わんふぉーおーる】

ジャンル アイドルプロデュース(育成シミュレーション)
対応機種 プレイステーション3
メディア BD-ROM 1枚/ダウンロードソフト
発売・開発元 バンダイナムコゲームス
発売日 2014年5月15日
定価 通常版/ダウンロード版:7,600円
限定版「765プロ新プロデュースBOX」:11,880円(税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
コンテンツアイコン セクシャル
廉価版 PlayStation3 the Best:2015年1月29日/2,800円(税別)
判定 良作
ポイント 13人のアイドル全員をプロデュース
期限のないエンドレスプレイ
アイドルマスターシリーズ


概要

家庭用機専用ソフトとして作られた『アイドルマスター』シリーズのオリジナル作。アイドルをプロデュース(育成)するシミュレーションゲーム。
アイドルマスター2』のグラフィックやゲームシステムの一部を継承・流用しているが、『2』の続編や完全版などではない独立した作品である。
主な特徴は以下の2点。

  • 765プロダクション所属のアイドル13人全員をプロデュースできる。
  • 周回制のゲームではなくなり、期限のないエンドレスのプレイが可能。

システム、特徴

  • プレイヤーは765プロダクションの新米プロデューサーとなり、所属するアイドル13人全員のプロデュースを任される。
    • ゲーム開始時に、プロデュース担当アイドルをまず1人選択。チュートリアル相当の「1年目の春シーズン」を終えた時点で担当アイドルは3人になる。その後はプロデューサーランクが一定値に達するたびに担当アイドルは1人ずつ増えていき、最終的には13人全員が担当となる。
  • ゲームの目的は、13人のアイドルをトップアイドルの座に導くこと。
    • アイドルそれぞれ別個に、アイドルランク(E3~A1)とファン人数が設定される。「ランクアップフェス」で勝利するとアイドルランクが上昇する。それを達成するために、各種のお仕事をこなしてアイドルのレベルやスキルを伸ばして実力を高め、ファン人数を増やしていく。
    • アイドルランクがA3以上になると「アイドルエクストリーム(IE)」という特別なフェスへの挑戦権を得る。アイドル全員にIEを制覇させることが、ひとまずの最終目標といえる。
    • ランクアップフェスおよびIE勝利時のイベントは連続しており、各人それぞれのアイドルとしての迷いや悩み、そしてそれを乗り越える姿が描かれる。
  • 1年は春夏秋冬の4シーズンに区切られ、1シーズンは12週となる。1週に1回、「リーダー」に指定したアイドルに様々な「お仕事」をさせていく。なおリーダーは毎週自由に変更可能。
    プレイヤーがゲームを通じて実行する主な選択肢(コマンド)は以下のとおり。
    • プロモ:リーダーアイドルが、営業活動や歌以外の仕事をこなす様子が描かれる。ファン数などが確実に増加する。
    • ステージ:本作のメインと呼べるモード。アイドルが実際にステージに立って歌う姿が美麗な3DCGで描かれる。プレイヤーはタイミングよくアピールボタンを押し、思い出アピールやバーストアピールなどを繰り出してポイントを高めて目標達成を目指す。リーダーアイドルの他にサポートメンバーを加えて最大3名で挑める。
      • オーディション:テレビ番組出演をかけたオーディション。ポイントが全参加者中の上位○名(ランクによる)に入ると合格。マニー(ゲーム内通貨)を稼ぎやすい。
      • ライブ:765プロ単独のライブを開催する。ハコユレ震度(ポイントの1/10000の数値)が指定値以上で成功。ファン数を稼ぎやすいが、実行にはマニーを消費する。
      • フェス:NPCライバルと戦いポイントで上回ると勝利。ライバルも思い出アピールやバーストアピールを行うため駆け引きが試される。経験値を稼ぎやすい。
      • ランクアップフェス:リーダーのアイドルランクアップを賭けたフェス。3本勝負の2本先取。実行のためには規定のファン数に達している必要がある。
      • オールスターライブ:夏と冬のシーズン終了時に行われる、765プロ13名全員が出演する大型ライブ。3曲連続でライブを行い、合計ハコユレ震度が規定値に達すると大成功(ONE FOR ALL!!)となり、全員同時に同じステージに立つアンコールムービーを鑑賞できる。そしてムービー内の曲は、以後の通常プレイで使用可能となる。
    • ふれあい:アイドルとの仕事以外の交流を描く。本作ではお仕事とは別枠扱いとなり、時間を経過させることなく全アイドルとふれあえる。会話中に選択肢やタッチコミュ(アイドルの身体の一部分を指定する)が発生する場合もある。アイドルごとの「思い出」使用回数を増やす主要な手段。
    • レッスン:本作では、レッスンはアイドルの能力値を一時的に増強するための補助的なコマンドとなった。ミニゲームをプレイして成功すると、ボーカル、ダンス、ビジュアルのうちいずれかの能力値が、一定期間のあいだ向上する。
    • スキル習得:本作では、アイドルの強さはレベルと習得スキルによって決定される。レベルアップやランクアップ時に得られるspというポイントを消費して、アイドルごとに異なるスキルボードに従ってスキルを習得していく。
      スキルは主に、アイドルの基礎能力を増加させるもの、基本的な技を習得するもの、アイドルごとに1つ設定されている固有能力「バーストスキル」を習得・強化する物の3タイプ。究極的にはボード上の全スキルを習得できるが、習得の順番でプレイヤーごとの個性が出る。
    • コーディネート:過去作品同様、アイドルの衣装やアクセサリーなどを自由にコーディネート(着せ替え)できる。マニー(ゲーム内通貨)で購入したり、DLCをリアルマネーで購入することで手に入る。また楽曲もプレイ進行やDLC購入で入手して自由に選択できる。いずれもボーカル、ダンス、ビジュアル3属性への増強効果を持つので、アイドルの能力も踏まえて組み合わせを検討することが望ましい。
  • シーズン目標。
    • 毎シーズンの冒頭には、社長より「シーズン目標」が提示される。シーズン内(12週以内)にこれを達成しなければならない。
      • 内容は「ファン人数を○○○人集めよ」「(上記各種お仕事、一定ランク以上のお仕事)を○回成功させよ」等。
      • シーズン目標を達成するとプロデューサーランクが1つ上昇しマニーが貰える。更にその上に設定されたもう一つの目標までも達成(これを超達成という)すると貰えるマニーが1.5倍になる。また特定ランク以降のランクアップやショップでの衣装、アイテム等の解禁にもこれの達成が必要となる。
      • 逆にシーズン目標を達成できなかった場合、マニーを得ることはできない。更にシーズン目標を2シーズン連続で達成できなかった場合、その時点でリーダーだったアイドルが一時的にプロデュース権取り消しとなる。こうなった場合、シーズン目標を達成した次のシーズンから再びプロデュース可能となる。
  • プロデュース期限の撤廃。
    • 従来の『アイマス』シリーズ作は周回プレイを前提としたゲーム設計であり、一定の期限内にトップアイドルを育成することが目的であった。そして育成結果により、数種類に分岐するエンディングに到達した。
    • しかし本作はプロデュース期限がなくなり、いつまでもエンドレスでプレイを続けられるようになった。IE制覇を達成すると見られるイベントシーンではアイドルたちが抱える悩みも一応の解決に至り、続いてスタッフロールが流れるので実質的にはエンディングに相当するのだが、全員にそれを達成させた後もゲームは終了せずにそのまま続いていく。
  • ステージフォーユー!
    • 『2』と同様、アイドルたちのステージシーンを鑑賞するモード「ステージフォーユー!」(通称S4U!)が、プロデュース本編とは別モードとして内蔵されている。
    • アイドルユニットの組み合わせ、楽曲、衣装、ステージ背景などを自由に選べる。カメラワークも自在に変更できる。またライバルアイドルのステージシーンもここで鑑賞できる。

評価点

  • 『アイマス』シリーズ全体に共通する特長・魅力についてはアーケード版の記事を参照。以下では本作特有の評価点を中心に述べる。
  • アイドル13名全員をプロデュースできること。
    • 過去作『SP』や『2』では、765プロ所属アイドルの一部がプロデュース対象外のNPCライバルとなっており、大きな批判を浴びてきたが、本作では13人全員がプロデュース対象(プレイアブルキャラ)となっている。
      • 13人全員を差別せず公平に扱うというスタンスは既に『シャイニーフェスタ』で実現されているが、これはリズムアクションゲームであった。アイドル育成ゲームとしては本作が初めてである。
    • 先述の通り、最初にお気に入りアイドル1名を選ぶ。最初のうちは彼女だけを重点的に構ってやってもよいのだが、少しずつ担当アイドルが増えていき、最終的には全員の面倒を見なくてはならなくなる。これは「ファン各自が最も大切な“担当アイドル”を心に決めているが、765プロのアイドル全員が“仲間”であることも尊重している」という『アイマス』の基本的価値観をゲームシステムとして巧妙に再現しており、『アイマス』の世界観にすんなり入りこみやすいと言える。
    • 過去作品(特に無印系列)では、プレイヤーが担当していないアイドルはほぼゲームに登場せず、居るのか居ないのかわからないような状態であったが、本作では常に事務所内にたむろしており、プレイ中の背景で勝手気ままに動きまわる様子が描かれる。アイドル同士が仲良く談笑したりふざけあっていることも多く、プレイヤーは必然的に765プロ全員への関心を持つように誘導される。
    • また、「ふれあい」の方も中盤以降はプロデュースしているアイドル複数人が同時に登場するコミュが多数追加されるようになっており、アイドル同士のつながりも感じられるようになっている。
  • 慎重に練られた完成度の高いシナリオ
    • 『アイマス』では、断片的な「コミュ」の連続でシナリオが構成されるわけだが、各アイドルの魅力と個性を素直に表現した、誰にとっても受け入れやすいものとなっている。
    • 『2』の一部で見られた、突飛でファンタジックな展開や、プレイヤーに強く動揺を与えるような衝撃的展開は、本作にはほとんど見られない。
    • 大きなストーリーラインとして、各自がアイドルを続けていく上での悩みや迷いが描写されるが、これも突飛すぎず深刻すぎない内容であり、アイドルの可愛らしさを的確に表現したものとなっている。
    • シリーズのお約束として本作も、過去作品と直接のつながりのない「パラレル設定」を採用。しかし、あたかも過去作品の良い所を混ぜあわせたかのような印象がある。
      • 「真美が亜美とは別の個性を持つキャラとして描かれている」「響が明るく人懐っこい人柄である」といった、『2』で評判の良かった設定・描写は引き継がれている。一方で『2』では評判の悪かった設定・描写は引きずっていない。
      • 「765プロの仲間がNPCライバル扱いにされた」と物議をかもした、『SP』の「プロジェクトフェアリー」や『2』の「竜宮小町」といったユニットも、本作には設定上は存在しない。
        しかしプロジェクトフェアリーや竜宮小町用の楽曲および衣装*1は有料DLCとして配信されているので、プレイヤーの手でそれらを再現することはできる。
        また、事務所で美希・響・貴音や伊織・あずさ・亜美・律子が会話をしている場面があったり、Cランクのオールスターライブでは竜宮小町の4人がセンターにいたりと、所々に彷彿とさせる場面もある。
    • 過去作品では初期状態ではプロデューサーに対して辛辣な態度を取っていた一部のアイドルが、本作ではかなり性格が丸くなっており、初期段階から親しみやすくなっている。
      • 主人公であるプロデューサーの性格も、『2』で見られた無責任で非常識な部分はすっかり鳴りを潜め、誠実な常識人(アニメ版のそれに近いキャラクター)となっているので、プレイヤーの感情移入を妨げない。
      • ただし「πタッチ」は相変わらず健在。
  • シンプルで遊びやすいゲームコンセプト。
    • 多方面に渡る総合的アイドルプロデュースを扱っていた『2』とは違い、本作ではゲームの目的と方向性が「アイドルを強くしてランクを上げること」に一本化されているので、シンプルで理解し易い(無印系に先祖返りしたとも言えるが)。
    • 『アイマス』シリーズの過去作品(特に対人要素のない家庭用版)では、最高の結果を出すために綿密な計画を立ててプロデュースすることになるため、周回プレイが同じことの繰り返しになり飽きやすいという問題点があった。しかし本作ではプロデュース期限が撤廃されたおかげもあり、プレイヤーの思うまま好きなように遊んでも一向に構わないというゲーム設計になっている。
  • ストレスのない快適性の高いゲームデザイン。
    • ゲームデザインも過去作より洗練されており、遊びやすくなっている。細かい改良点も多いが、最も大きな変更は「レッスン」のあり方が根底から見なおされたことだろう。
    • 今までの『アイマス』における「レッスン」とは、アイドルの基礎能力を高める最重要コマンドであり、プレイヤーはこれを数十回(周回プレイを前提とすると数百回)も繰り返す必要があった。初回プレイならまだいいのだが、何度も周回プレイを繰り返すうちにほとんどのプレイヤーがレッスンを面倒だと感じるようになっていった。
    • 対して本作では先述した通り、アイドルはお仕事を繰り返していれば自然に経験値を得てレベルアップ(成長)するようになり、レッスンの効果は能力の一時的なブーストとなった。
      大一番を前にアイドルの能力面で不安が残るのならレッスンをしてもいい、という程度の物であり、なんら強制ではない。レッスンをせずにプレイを進めても特に問題はない。
    • レッスンの内容は相変わらず単調なミニゲーム。しかし実行頻度が低下して難易度も下がっているため、プレイヤーが感じる苦痛や面倒さは大きく軽減された。
    • プロデューサーランクがあるランクまで到達すると、使用するとレッスンを行ったのと同等のブースト効果を得られるアイテムがマニーで購入できるようになり、このアイテムの解禁以降はレッスンを行うこと自体が不要になる。
    • また、本作ではステージに立つアイドルユニットの組み合わせと歌わせる楽曲をリスクなしで自由に変えられる。このため通常プレイ中も色々な組み合わせのステージを見られるので飽きにくい。
      • 過去作では、プロデュースアイドルの組み合わせは最初に選んだものでエンディングまで固定であり、楽曲を変える機会はゲームを通じて数回だけだった。
    • 「ふれあい」の実行で時間が経過しなくなったことも、快適さの向上につながっている。無印系アイマスでは「より高みを目指してオーディションを受け続けるために、アイドルとのコミュが疎かになっていく」という矛盾(ある意味リアル?)を孕んでいたが、本作ではそのようなことはなく、アイドルとの交流を心置きなく存分に楽しめる。
    • 過去作の重要なポイントであった「アイドルのテンション」というシステムは削除。「朝の挨拶が気に入らなかった」などのつまらない理由でやる気を無くすアイドルたちに手を焼かされるような事がなくなり、まっすぐに強さだけを追求できるようになった。また「ドタキャン」も一切おこらない。
    • 「流行」のシステムも削除。不確定要素である流行に振り回されることがなくなり、計画的なプロデュースがやりやすい。
    • 『2』にあった、アイドル間の人間関係がパラメータに応じて変化するシステムも削除。アイドル同士が嫌味を言い合ったり1人が無視されたりといった悲しい光景を見せられることはなくなった。
    • 『2』では、都道府県当てやじゃんけんなど各種の強制ミニゲームがプレイ中に次々と出現して面倒に感じることがあったが、本作ではかなり整理されて減っている*2
    • 過去作ではアイドルの能力値(イメージレベル)は円グラフで表示されていたが、本作では明確な数字表示になった。また連勝補正や曲減衰などの不可視的な補正が廃止されてわかりやすくなった(レッスンの効果や記者補正などの、はっきり確認可能な補正要素のみ残っている)。
      • アクセサリーや衣装、楽曲に与えられている能力補正値もはっきりと視覚可能になっており*3、アクセサリーや衣装を買う度に毎回付けたり外して補正を調べ、前の物とどちらが優秀なのか調べる必要はなくなっている。
      • 一方で衣装やアクセサリーの補正はこれまでと比べてかなり小さくなってしまっている*4が、言い換えると衣装やアクセサリーを強力なものに固定しなくても何とかなるという事である。
  • ステージモードでの高い技巧性。
    • ステージモードでのゲーム性は、好評だった『2』の仕様を踏襲しつつ、さらに戦略性・戦術性を高めた物となっている。
    • 各アイドルは従来作同様、ボーカル、ダンス、ビジュアルの3能力が一長一短となっている。さらに本作では、固有能力「バーストスキル」が1つずつ与えられた。これにより高得点を得るためのユニット構成の幅が一気に広がり、頭をひねる余地が格段に増えた。
    • ここに更に「レート上限の大幅な上昇」「オーディションのイメージ補正ボーナス」などの前作から変更された要素が絡まる。特にレート上限はあらゆる場面で影響するため、どのようにすれば高い点数を出せるか常に考え続けられる。
    • ステージに立つアイドルユニットの組み合わせも自由に変えられるので、相性の良い構成を模索したり、複数のバーストスキルをコンボのように組み合わせるなどのテクニックも成立しうる。
    • フェス系のステージお仕事では、NPCライバルも個性豊かなバーストスキルを所持しているので、戦い方の幅は更に広がる。
    • バーストアピールの仕様変更*5も重なり、今作のフェスは「相手の妨害を行いつついかに自分のステージを盛り上げる(=スコアを増やす)か」が重要となっており、激しい点の取り合いが展開される。
      • 多くの場合にフェスで有効なのは「バーストカウンター*6」を軸とした戦い方である。ライバルがドヤ顔(?)で撃ってきた大技をカウンターで返してやるのは、決まればかなり気分がいい。しかし中にはこれが通用しない*7ライバルもいたりするので油断ならない。
        また、バーストカウンターはフェス専用の技なので、他の種類のお仕事では別の戦い方を確立する必要がある。
    • プロデュース可能アイドルが順次増えていくというシステム上、初期から担当していたアイドルと新入りとの間には大きなレベル差が生じる。これを放置すると全員参加のオールスターライブにおいて不利になるため、どうやってフォローするかという問題にも立ち向かわなくてはならない。
    • 以上、細々と書いてきたため、難しいゲームのような印象を受けるかもしれないが、技巧を凝らす余地があるというだけの話で、難易度設定は全体的にそれほど難しいわけではない(シリーズ中最も簡単に感じたという声も多い)。またプロデュース期限もバッドエンド行きのプレッシャーも存在しないので、愚直にじっくりとアイドルの基礎能力を高めるプレイスタイルでも、十分にIE制覇まで達成できる。
    • ステージで失敗・敗北した場合、ステージ最初から何度でもやり直せる。このため色々な戦法を気軽に試すことが可能であり、また「自分のテクニックが未熟なのか、それともアイドルの実力が元々足りなかったのか」を納得できるまで見極められる。
  • ゲーム的には特別なメリットがあるわけではない(むしろ思い出の数や得点力が下がるので不利になる)が、前作と異なりソロ、デュオで各ステージに自由に挑戦できるように*8なっており、いわゆる「縛り」を自分で設けることも可能。
    • このため無印やSPのように一人のアイドルだけで頂点を目指したり、二人ユニットでIEまで戦い抜くことも可能である。当然ハードルは上がるのだが、これでもクリアは可能。特殊なプレイスタイルにもちゃんと対応しているのは立派な評価点と言える。
  • グラフィックの更なる向上。
    • 3Dキャラのモデリングとモーションの細やかさは、『2』の時点で高く評価されていたが、本作ではそれを踏襲しつつ、更にモーションなどを増加して、より活き活きとした描写を実現している*9
    • ステージシーンの美しさも『2』ゆずり、いや『2』以上である。5人ステージ対応曲も更に増えている。
    • さらに、年二回のオールスターライブを大成功に導くと、『アイマス』ファンの長年の夢であった、765プロ13名全員が同じステージに立つステージシーンを鑑賞できる(ただしプリレンダリングムービーであるため、衣装チェンジやカメラ操作は不可能)。
    • 衣装の個別設定が可能。
      • これも長く待ち望まれていた機能。従来作は全員おそろいの衣装しか着せられなかったが、本作では一人ずつ個別に設定可能になった。5種類の学校制服をそれぞれ個別に着せたり、悪魔と天使の組み合わせや1人だけ水着を着せるなど、色んな組み合わせが楽しめるようになった。
      • この機能は最初のうちは設定不可。誰か1人がIEを制覇すると設定出来るようになる。
  • 『2』では有料DLCだった曲やエクステンド衣装の多くが、ゲーム進行で自動的に手に入ったり、マニー(ゲーム内通貨)で購入できる。DLC無課金でも、かなりバラエティに富んだステージが楽しめる。
  • ライバルの扱いにも、細心の配慮が感じられる。
    • 本作オリジナルの新規ライバルキャラクターとして、玲音(レオン)*10という女性アイドルが新登場。765プロよりも高ランクにある人気アイドルでプライドの高い性格だが、特に嫌味なキャラではなくプレイヤーが不快に感じる要素はない。
      • ただし「キャラ描写が淡泊すぎる、ストーリー上でもっと強い存在感があっても良かったのに」という声もある。本編以外で玲音がもっと強く存在感を放つのは、後述するDLCの個別シナリオくらい。
        良くも悪くも無難にまとめられたキャラであり、『2』のジュピターが巻き起こした騒動への反省が活かされているとも言える。
      • ゲーム内では「アクセルレーション」という専用曲を与えられており、S4U!モードでステージシーンを鑑賞できる。声を演じる茅原実里氏の演技力・歌唱力のおかげもあり、そのキャラクター性や楽曲、ステージシーンは総じて好評である。
    • ディアリースターズ』の主人公であるディアリースターズの3人(日高愛、水谷絵理、秋月涼)と、『2』のライバルキャラであるジュピターの3人(天ヶ瀬冬馬、伊集院北斗、御手洗翔太)が、ランクアップのために打倒しなければならないNPCライバルとして登場する。それぞれ個性的なバーストスキルを持っており、発動時の演出として3Dモデルのアクションも見られる。
      • しかしながら、彼/彼女たちにはセリフが一切なく、ストーリーには絡まない。純粋に倒すべきライバルとしての登場である。
      • ディアリースターズの3人については、DLC購入でステージシーンの鑑賞が可能となる。
    • 名前と能力だけでグラフィックのないNPCも、『DS』のサブキャラクターであるサイネリアや、テレビアニメ版のゲストキャラクターである新幹少女など、ファンには嬉しい顔ぶれとなっている。そして玲音をも上回る本編最強のNPCとして、シリーズおなじみの魔王エンジェルが君臨している。
    • ソーシャルゲーム出身のDLC追加キャラ(詳細は後述)を購入すると、フェス形式で対戦できるようになる。
      • しかしこれもゲーム本編の進行には関係のない純粋な腕試しとなっており、上記の通り765プロとは顔なじみとなる876プロやジュピター(後者は玲音と同じ事務所に入っている)、立場的には765ASの後輩となっているシアター組も765プロとは実質的に無関係なキャラとなっている。
    • こうしたライバルたちの扱いは、誰にとっても不快や不満を感じさせにくいように綿密に考え抜かれていることが窺える。全ての『アイマス』ファンが、必ずしも『アイマス』と名のつく全タイトル、全キャラクターを全面的に歓迎しているわけではないのが実情なのだが、上記ライバルたちの扱いは、それに対しても十分に配慮したものとなっている。
  • スコアランキングの改善。
    • 本作には対人対戦の機能はない。しかし楽曲単位でスコアランキングをオンライン集計しており、これの上位を目指すことが主なやりこみ要素となっている。
    • ランキング上位を狙うためには、まずはメンバーアイドルを最強に鍛え、最高の衣装とアクセを揃えること、そしてプレイヤー自身が凡ミスをしないことが前提条件。その上で、メンバーの組み合わせや技の使い方などの戦術を練りあげる必要もある。長期間のやりこみプレイに耐えられるゲーム設計になっている。
    • 『2』では集計スコアが5桁だったので、上位が99999点で埋まってしまいランキングが早々に無意味なものと化してしまったが、本作では6桁になっており、最大スコアを狙うやり込みは前作以上にやりがいがある。
+ やりこんでいくとわかる更に細かい評価・改良点
  • ステージ関係の調整
    • 特に変更されたのがオーディション。初期レートが違うだけ(それもよりによってライブの初期レート以下からスタートするものまである)だった前作と異なり、オーディション毎に特定のタイミングで「イメージボーナス」が付き(付かないものもある)、そのイメージボーナスの倍率が異なっている。中にはこのイメージボーナスの倍率が非常に高い物が混ざっており、スコアアタックでは非常に重要なものとなってくる。
    • ライブはハコユレ(クリア目標)震度の計算が変わっただけだが、今作のハコユレ深度は一律でスコアの1/10000を基準としている*11ため、自分のユニットの能力と技術でクリアできるかどうかが非常に分かりやすくなっている。
    • フェスは前作で最も厄介だった「こちらのアピール開始前から敵が一方的にアピールしてくる」仕様が無くなり、こちらのアピールが始まるまで相手の点やボルテージが増えなくなった。アピール開始までの時間が長い曲を使用しても安心して戦える。
      • また、前作では思い出を使う度にキャラを切り替える必要があった「思い出ドライブ」は対応するスキルさえ持っておけば思い出を連続して使う*12だけで使えるようになり、思い出によるボルテージ増加量は判定問わず固定になった*13など、使いやすくなっている。
  • 楽曲の状態変化の調整
    • 前作では楽曲の状態変化は「条件を満たした時に運が良ければ発生する」という物だったが、今作では条件を満たせば絶対に発生する。更に、徹底的に使い込んで楽曲の状態を「GOLD」へと変化させれば以後補正が下がることは絶対に無いため、運要素に狂わされることは無くなった。
    • 状態変化の効果も変更されており、楽曲の能力が上昇する。GOLDの補正は楽曲のイメージ補正が2倍*14というかなり強力なものであるため、お気に入りの曲を使いこめばより強力になって使えるという事である。
  • 楽曲のバランス調整
    • 前作はフルチェインの回数命であり、低速曲は使い物になっていなかったが、今作では大きく変更された。フルチェインの点数が下方修正されたことで打数の多さ=絶対的な強さではなくなり、バーストアピールの性能調整によって低速曲の方がスコアが出るように調整されたため、今作では逆に低速曲の方が強い。
    • 一方で、フェスではバーストカウンターを行いやすく、早く終了するため自分のバーストアピールを潰されにくい高速曲の方が比較的戦いやすくなっている。
  • 記者周りの調整
    • こちらも前作では出てきても取材をしてくれるかが完全な運ゲーであったが、今作では出現は運が絡むが、指定されたステージを成功させれば確実に取材してくれるようになった。
    • また、前作のように「オーディションやフェスで強化される」タイプの補正が存在しないため、必須と言うわけでもなくなっている。あくまで「記者の補正が欲しければ指示されたステージに参加すればいい」程度の扱いである。

賛否両論点

  • 失敗が損失につながらないゲームデザイン。
    • 上で述べたように、本作にはエンディングが存在しない。未熟なプレイの結果としてバッドエンドを見せられるということがないのである。
      この仕様は多くのプレイヤーに歓迎されたが、一方で手応えや緊張感に欠けるという声も上がっている。
    • ステージ系のお仕事では、力及ばず敗北・失敗することもあるのだが、それに対するペナルティは皆無と言っていい*15。テンションというシステム自体が存在しないのでテンション低下も起こらない。そしてプロデュース期限は無限にありバッドエンドの脅威もないのだから、鍛え直して実力を高めて、後日また挑戦すればいいのである。
    • 例外的にプレイヤーに緊張感をもたらしているのが、先述した社長からの「シーズン目標」なのだが、アイドル担当取り消しはこれを2シーズン連続で失敗しなければ発生しないため大抵は回避できる。仮に失敗して担当取り消しの憂き目にあっても、次のシーズンで目標を達成すればすぐに取り返せる。
    • 結果として、過去作のような限られた活動期間内での計画的なプロデュースといったものは、ほとんど必要とされなくなった。
      場合によっては「シーズン目標」達成のために多少はスケジュール編成を工夫する必要も生じるが、「シーズン目標」の難易度もそれほど高いわけではないので、よほど偏ったプレイング*16をしていなければ普通にクリアできてしまう。
    • このような、失敗が損失やダメージにつながらずいくらでも再挑戦が許されているヌルいゲームデザインは、従来の『アイマス』にあった厳しさとは思想の根本から異なっていると言っても過言ではなく、プレイヤーの間で大きく好き嫌いがわかれている。
      • もっとも「やり直し可能であることの是非」は、アーケード版から据え置き機に移植されてセーブ&リセットが可能になった箱マスの頃から言われていた話ではある。

問題点

  • アイドルとの出会いと別れが描かれない。エンディングの感動も味わえない。
    • 従来の『アイマス』シリーズ作は周回プレイを前提としたゲームであり、プロデュース期限を迎えるとそこでエンディングとなる。時間の限られた関係という基本設定はゲーム全体に独特の情緒をもたらしていた。そしてエンディングではアイドルとの別れが描かれて、プレイヤーの心を強烈に揺さぶった。
      • 特に成績不振時のエンディングでは、絶望と悲嘆の中で去っていくアイドルの姿が容赦なく描かれ、プレイヤーにとって忘れられない強烈な体験となった。
        逆にトゥルーエンドやそれに近い好成績エンディングでは、アイドルとプロデューサーの「二人のその後の人生」を暗示する物もあり、プレイヤーへの嬉しいご褒美となっていた。
    • しかし、本作にはそのような要素はない。アイドルとの別れはいつまでも訪れず、アイドルとプロデューサーの関係が劇的に変化することもない*17。従来の『アイマス』では、最も感動した場面として「お別れコンサート」と「エンディング」を挙げるプレイヤーも多かったのだが、その大きな感動が本作には欠けている。
      • なお、今作以降のアイマスシリーズ作品(『スターリットシーズン』や、初代への回帰を志向した『シャイニーカラーズ』を除く)では、こういったサザエさん時空のような世界観を取り入れており、アイドルとの別れが描かれないようになっている。
    • 「別れ」に比べるとあまり気にならないが、本作ではゲーム開始時点でプロデューサーとアイドルたちは旧知の間柄であり、アイドルとの「初めての出会い」も描かれていない。
      • また、周回システムの消滅に伴い前作まで存在した「事務所の移転」要素も消滅してしまった。そのため、たとえアイドル全員がAランクやSランクに到達していても事務所は変わらず貧乏事務所のままである。社長と小鳥さんは何やってるんですかねえ…。
  • 「プロモ」の内容の薄さ
    • 一度実行すれば分かるが、今作のプロモは過去作の「営業」と異なり、選択肢の類は一切出ない上に内容自体もかなり薄い。放っておいたら勝手に終わっている程度の内容であり、過去作の営業のような物を期待すると肩透かしを食らう事に。
    • また、社長の「仕事を一定回数行え」ではプロモ○回以上は一切出てこない。プロモは極端な話、週送りをするための存在である。
  • エンドレスプレイ故に付きまとう「マンネリ化」
    • 従来と異なり、一つのデータでどこまでも遊び続けられる。…のだが、アイマスもゲームなので見られるふれあいの数には限度があり、IEを制覇し(人によってはソロシナリオや全体シナリオも完全にクリアし)、限界までアイドルを育て、全てのふれあいを見てしまうと次の目的が無くなってしまうことになる。
    • そうなると、淡々とステージをこなすだけのプレイスタイルとなってしまい、変化のないプレイを続けることとなる。要するに同じことの繰り返しとなり、次第に飽きてしまう。
    • この傾向は特にゲーム中盤以降顕著となり、新規アイドルのランクアップフェスは既にプロデュースしている強力なアイドルを放り込めば楽勝で勝てるため、どんどん単調になってしまいがち。
    • なら最初からやればいいじゃないかと思うが、実際に別データで最初から始めるとデータ同士の互換が無いため、衣装や楽曲も集めなおしになってしまう。
  • 後半になるにつれて煩わしくなる「社長目標」
    • 最序盤こそ「資金の提供」「アイドルの解禁」「楽曲のプレゼント」「アイドルのランクにかかわらず高ランクの仕事を出来るようになる*18」と社長の目標をクリアする意義がある。
    • しかし、やり込みが続くと「オーディションを6回」「ライブを6回」「フェスを6回」とシーズンの半分を捨てる目標が用意される*19上、得られる資金もそのうち使い道が無くなってきて余り出す。
    • おまけに、後半に社長の目標をクリアしても楽曲やアイドルが新しく増えないため、どんどん社長の目標をクリアする意義が失われていくのである。
      • しかしご褒美が無くなっても社長の目標は永久に出続けるため、多くのプレイヤーがこの目標を鬱陶しく感じることとなった。
    • 『プラチナスターズ』以降ではそういった仕様は廃止されていたが、『スターリットシーズン』では「プロデューサータスク」という形で復活している。
  • システム面でのシンプル化について。
    • 「評価点」でも述べたが、本作では数々の新システムが取り入れられ進化を見せている一方で、過去作の重要なシステムがいくつか削除されている。最も重大なものは「プロデュース期限」と「分岐式エンディング」だが、それ以外にも随所でシステム面でのシンプル化が見られる。これを惜しみ、「あのシステムは残して欲しかった」という声をあげているプレイヤーもいる。
    • 『2』が備えていた「CD売り上げランキングで上位を目指す」「全国地域ごとにファン数を管理する」といったSLG的な戦略性を気に入っていたプレイヤーからは、それらを欠いた本作はシンプルに過ぎるという意見もある。
  • CGモデルが基本的には『2』の流用のため、『2』の欠点(体型の共通化など)を引き継いでいる。
    • バスト72の千早に谷間が確認できるのは、まことに残念な限りである。
    • なお、キャラクターの髪型も『2』と同じになっているが、これに対する批判はほとんどない。
      • 『2』での髪型変更への批判は、「プロデュース不可」の象徴のように思えて見るに堪えないというニュアンスが強かったのだが、それが解消された本作ではほとんど問題視されていない。またアニメ版で見慣れてしまったせいもあるだろうか。
  • 見逃してしまうと、二度と取り返しの付かないイベントがある。
    • 「プロモ」の内容は、リーダーアイドルのアイドルランクに応じて差し替えられていく。ランクEのうちはCDショップで手売りをするような状態だが、ランクが上がるとどんどん大きな仕事が舞い込んでくる。
    • 問題なのは、ランクが上がると前のランクのプロモは見られなくなるという仕様である。周回制の従来作では、一旦クリアした後に同じキャラでやり直せばまた見る機会もあるのだが、エンドレスプレイである本作では、別データで最初からやり直さないかぎり、本当にもう二度と見られなくなってしまう。
    • また「ふれあい」も似たような仕様となっている。新しい内容の「ふれあい」がどんどん追加されていく一方で、古いものはそれに押し出されて、二度と出てこなくなってしまう*20
      • そのため、「思い出」を効率良く貯めるには敢えて低ランクのまま好感度を上げる必要がある*21。特に、思い出数を特に上げづらい4から5に上げるにはかなり手間がかかる。
    • ゲームプレイ上は特にデメリットはなく、(そもそも存在しないので)回想モードに抜けが生じてしまうようなこともない*22。しかし「一度見逃したら取り返しの付かない要素がある」という事実それ自体がプレイヤーにとってストレスとなっており、たいへん不評である。
    • DLCの「アイドルのメール」を購入している場合、これによってメールが送られてくるふれあい*23がすっ飛ばされてしまうとメールのコンプリートが出来なくなってしまう。
      • ただし、アイドルたちのストーリーの本筋といえる重要エピソードは、見逃すおそれのないランクアップイベントに配置されている。そしてプロデュース開始時のイベントやランクアップイベント、および追加エピソードの内容は「アルバム」から見られる。また後日のアップデートにより過去のふれあいがランダムで見られるようになった。
  • 「メール」自体のコンプリートには一切影響はない*24のだが、アイドル取り消しの解除イベントまでアイドルのランクによって内容が変わる。
    • 社長の目標の一部は自動達成させられる、もしくはほぼ必然的に達成する*25ものも混ざっているため、もしこれまで網羅しようとすれば恐ろしいほどの労力がかかることになる。
  • 誤字が過去作と比べて多め。
    • 中には読み方を間違えて発言している物もある。
  • オプションの音量調整の存在意義。
    • BGM、SE、ボーカル、ボイスをそれぞれ1~100の値で調整出来るが、殆ど差が無いためあまり意味が無い(テレビの種類によって多少異なるが、1と100の差はテレビの音量を1か2変えた位しか無い)。
  • UIが微妙に不自然で不便。
    • 「現在の状態を抜けて次に進むためのボタン」が、通常時は○、ファンレター閲覧時は×、デスクワークを終えてお仕事に向かう際は□であり、まるで統一されていない。
      そのおかげで方向キーを押す回数が1回だけ節約されているのだが、それよりもボタンの統一を優先すべきだろう。
    • ミニゲームの一部で○ボタンを濃いピンク色で表現している箇所があるが、PS3というハードにおいてはピンク色は□ボタンに割り当てられているので紛らわしい。しかも他のミニゲームでは○が赤色の場合もあり統一がとれていない。
    • ステージで高得点を取るためには、アイドルの組み合わせ、衣装、楽曲を状況に応じて変更することが望ましいのだが、それを実行するための操作手順が、アイドルの組み合わせは「お仕事」から、衣装は「アイドル」から、楽曲は「Pデスク」からとバラバラであり一元化されていない。頻繁に行う操作だけに不自然さと面倒さを感じる。
    • S4U!やオーディション合格時のライブシーンでの歌詞字幕の消去方法が、何故か肝心のライブシーンの操作画面に載っていない。説明書に記載されている通りR3スティックを押せばちゃんと消せるのだが。
  • スコアランキングのチート疑惑
    • スコアランキングの上位に、信じられないほど別次元の高得点を叩き出しているプレイヤーが何人も君臨している。
    • 普通なら、他人を遥かに上回るスコアを出すことに成功したプレイヤーは、Twitterや2ちゃんねる、あるいはYouTubeやニコニコ動画の解説動画などでそのテクニックを解説(と同時に自分のテクニックを見せつけて自慢)したくなるものである。それが人情というものだろう。
      しかし本作の高スコアプレイングについては、そのようなテクニック解説が行われることが不自然なまでに少ない(全くないわけではない)。
    • このため、本作のランキング上位プレイヤーの中にかなりの数のチーターが混じっているのではないかという疑惑の声が上がっている。これについて制作側はノーコメントを貫いており、今なお疑惑は晴れないままである。
+ やりこんでいくと気になってくる更なる問題点
  • 150打の曲の調整
    • 150打の楽曲一強であった前作からかなり調整が入ったのだが、今作の仕様上フェスでは「BPMが速く、かつアピール数が少ない」曲の方が明らかに強いため、目に見えて使いづらくなってしまった。
    • というのも、相手のアピール可能な時間がこちらの曲のアピール可能な時間に比例しており、「中程度の速度でアピール数が多い」楽曲まで持っている150打の曲は「点が増えにくい」「相手のスコアが伸びやすい」の二重苦(場合によっては「速くて打ちにくい」が加わり、三重苦)となっている。
      • 最序盤であれば相手も弱いので意識しなくても行けるのだが、後半になると「隣に…*26」などの「フェスで強い曲」を使った場合との点差はどんどん広がり、アイドルを育てきった状態でのS1ランクのフェスなどでは場合によっては曲だけで30000点以上の差が開く*27
      • これに加えて「150打の曲は点が増えにくい」仕様が追い打ちをかけてくるため、アイドルと楽曲、相手によってはどれだけやり直してもクリアできないこともあり得る。
      • 無論、高難易度を求める場合は敢えて150打の中速曲を使うのも有効。また、上記の仕様はあくまでフェスだけの話であり、敵が居ないライブとオーディションでは意味が無い。尤も、そっちはそっちで得点力が一番高い103打の曲の独壇場なのだが…。
  • 88打の楽曲が全て有料
    • 前作と異なり、アピール数が88回(最も少ない)の楽曲はDLCを買わないと手に入らない。そのため、通常プレイでは103打の曲までしか使用できなくなっている。
    • 尤も、選曲を考えると仕方ない事ではあるが。今作で最初から入っているのは各アイドルの過去作での持ち歌(及びイメージソング)13曲+5人用楽曲7曲のため、誰の持ち歌でもない88打の楽曲が入るスペースが無いのである。
      • なお、有料DLC*28で手に入れたところで88打の曲が飛びぬけて強いわけではなく、通常アピール数どころかバーストアピールの回数まで減らされる*29、遅すぎて思い出を使わないと絶対にバーストカウンターが間にあわない*30など、むしろ103打の楽曲より使い勝手は悪い。
  • 伊織とあずさのバーストスキル
    • この二人のみスキルが低確率発動の運ゲースキルとなっており、都合よく最大効果で発動すれば効果が非常に大きいが、発動しなければ何の役にも立たない、完全なギャンブルと化している。
    • そのため通常プレイでは「確率が低すぎて戦略に組み込めず、使い物にならない」という致命的すぎる欠点を抱えており、やり込みプレイでは「発動してくれないとハイスコアが出せない」と、使い勝手は最悪である。
  • ダンスのスコアアタックが他と比べ異常に厳しい
    • ダンスのオーディションでボーナス倍率が高い物は冬に登場するたった一つのオーディションだけである。
    • そのため、冬の11週目(12周目はオールスターライブ)が終わると、次のチャンスまでひたすら流しプレイを行わなければいけない。
      • 言うまでも無く、ランキングではそのオーディションのステージだけが載ることとなり、ダンス型のアイドルの上位ランキングは全部同じステージである。

総評

何をおいてもまず、13人のアイドル全員がプロデュースできることは極めて重要である。この一点をもって、本作はファンたちから大きな喝采をもって迎えられた。当たり前の事のようにも思えるが、ファンは本当に長い間、これを待ち望んできたのである。
「終わり」がなく「失敗」もないゲームデザインにはさまざまな意見が飛び交っているが、少なくとも新規プレイヤーの呼び込みには功を奏しているように見受けられる。
『アイマス』シリーズ全作品の中で、最も無難で嫌われにくい作品であると同時に、最も多くの人に心から歓迎された作品であると言えるだろう。
アーケード版とその移植作を別格とするなら、それ以外の家庭用機版『アイマス』の中では最高傑作であると評価する声も多い。


余談

  • 今作にもゲーム開始直後にチュートリアルステージが存在し「オーディション」「ライブ」「フェス」が1回ずつ存在する*31のだが、前作と異なり、わざと失敗しても「もう一度挑戦します」と表示されて自動的に再挑戦するように。裏口合格は出来ません。あしからず。
  • 前作と同じ曲が今作でも登場するが、いずれもアピール数とBPMはそのままに前作より円の広がる速度が速くなっている。BPM192の曲は本当に速いため、判定の難易度が下がっていると言っても決して集中せずに打てるものではない。
  • 響は前作では全アイドルで唯一「バーストアピール中、ダンスで6回アピールできる」特徴があり、真美や千早(箱では響と同列だったがPS3で弱体化)、美希を抑えて最強のキャラだった。が、今作で響にも調整が入り、響のバーストのダンスアピールは5回に減っている。
    • 尤も、他のアイドルも同じアピールは最大5回調整のために響が他より弱くなったわけではない上、響は「響、千早、美希の三人の中で唯一、88打の曲で得意分野のアピールを5回可能」なので変わらず強い。

DLCについて

  • これまでと同様1ヶ月ごとに「カタログ第○号」という形で配信されている。
  • シリーズ初の試みとして「追加シナリオ」が配信されている。全員用と個別シナリオがある。
    • 全員用の追加シナリオには、新たなオールスターライブとその楽曲、衣装が含まれており、クリアすると通常プレイでも使用できるようになる。
    • 個別シナリオには個人専用曲と専用衣装が含まれる。IE制覇のその先を描いた内容であり、プレイするためには該当アイドルがIEを制覇していることが条件となる。
  • PS3版『2』で見られた「ライバルアイドル」も配信されている。携帯電話用ソーシャルゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』と『アイドルマスター ミリオンライブ!』のキャラと楽曲が新規モデリングで作成され、配信されている。また『アイマスDS』の3人も配信されている。
    • これら追加ライバルは、S4U!でそのステージシーンを存分に鑑賞できる。またプロデュース本編では、先述したようにシナリオに影響しない腕試しとして戦える。
  • 従来同様、通常プレイで使用できる新曲や新衣装も毎月配信されている。また『2』などに収録されていた旧曲や衣装も、若干安めの価格で配信されている。
  • シリーズの例にもれず、DLCはとても数が多く、個々の価格設定も高めである。1つの号(1ヶ月分)のDLCを全て購入すると2万円前後になることもある。そして相変わらずメールも有料である。
    • 『アイマス』とはそういうものだという認識(諦念?)が一般に広まったのか、『アイマス』以外のゲームでもDLCの多量化・高額化が進んでいるせいか、本作では声高に批判されることは少ないのだが、実態は従来に比べてまるでペースダウンしていないどころか、いっそうエスカレートの様子を見せている。
    • ただし、追加シナリオ以外は単なるフレーバーであり、購入してもしなくてもゲーム内容・ゲームバランスに影響はない。そして追加シナリオは、高めの価格に見合う充実した内容で満足できるという声が多い。また、DLCを全て購入することで入手できた「コンプリートボーナス」は今作では廃止されている。
    • また、一部のアイテムは期間限定で無料配信も行われている。
    • 9号以降からは徐々に落ち着いて数が少なくなっており14号を最後に終了している。
  • これもシリーズ初の措置として、無料アップデートによって高ランクのお仕事が新規に追加されており、一旦ゲームから離れたプレイヤーを呼び戻すきっかけとなった。
    • 特にS2ランク以上のお仕事は成功させることが極めて難しく、高ランクプレイヤーにも挑みがいのあるやりこみ要素となっている。

参考動画

+ 公式トレーラー

+ タグ編集
  • タグ:
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  • シミュレーション
  • アイドルマスター

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最終更新:2023年12月04日 21:48

*1 竜宮小町の衣装は「パレスオブドラゴン」と「プリンセスメロディ♪」の2着が存在しているが、配信されたのは後者のみ。

*2 今作ではミニゲームと言えるのはやらなくてもいいレッスンとオールスターライブ前の掛け声(タイミングよくボタンを押す)くらいである

*3 一律で「星が10、半分の星が5」となっている。能力補正はイメージの色とも対応しており、見ただけで補正が把握可能

*4 衣装は合計30、頭は全て10、それ以外のアクセサリーは各イメージのどれか二つが10が最高の補正となる

*5 前作のバーストアピールは発動すれば発動された側はその間何も出来なかったが、今作はバーストアピール中も対戦相手がアピールできるようになっている

*6 対戦相手のバーストアピールを吹き飛ばしてスキルの発動を中断、阻止しつつ、自分のバーストアピールを行える行動。ただし、バーストチャージ(バーストスキルの重ねがけ)が出来ないため、必ずソロでのバーストとなる

*7 ボルテージを削られ続けてそもそもカウンター出来なかったり、バーストした瞬間に発動してくるのでカウンターが意味をなさない場合がある

*8 ただし、クインテットライブは5人固定、オールスターライブは各セット1人の最低3人のため不可能

*9 発売当時の評価であり「PS3のアニメ調3DCGとしては史上最高クラス」ということ。後にPS4や高性能スマホで発表されたシリーズ作はさらなる進化を遂げている。

*10 ゲーム本編では明かされないが、実はジュピターやプロジェクトフェアリーと同じ961プロ出身であり、限定版のドラマCDや『マストソングス 青盤』以降の作品で明かされる。

*11 ハコユレ0.3が目標の場合、3000点出せばクリアとなる

*12 思い出使用後、硬直が解けた時のアピールでもう一度思い出を使う

*13 ただし点数は変わる

*14 たとえばViが30上がる曲の場合、GOLD状態であれば60上がる

*15 アイマスおなじみの「悪徳記者」の条件も「ステージでわざとアピールを打たず、思いっきり手抜きをする事」なので、普通に挑んで失敗したとしても悪徳記者が出てくることは無い。また、仮に悪徳記者が出たとしても次のステージを成功させるとすぐに消える

*16 ステージに一切行かずにプロモばかりやる、アイドルをいつまでもランクアップさせない、意図的に社長の目標を無視するようにプレイするなど

*17 後述する個人用追加シナリオの中では、アイドルとプロデューサーが事実上の恋人関係になる事もある。ただしこれは有料DLCである。

*18 Pランクが低いとアイドルのランクを基準に仕事が決まるため、決して低いランクの仕事しかできないわけではない。しかしS3以上の仕事はPランクが低いとまず出ない

*19 超達成の場合は8回もこなす必要がある

*20 内部データの親愛度と現在のランク(E~D、C~B、A~S)で見ることのできるふれあいが決まっている

*21 条件の都合で一応Dランク、Bランクの最後のふれあいは「アイドルからのマイクチョコプレゼント」「アイドルにプレゼントを渡す3択コミュ」と決まっているので、それさえ見れば大丈夫ではある

*22 本作までの『アイマス』シリーズには回想モードが搭載されていなかった。スタッフの弁によると、プレイが回想を埋めるための作業になってしまうことを嫌って意図的に搭載していないということであったが、コンシューマ次作『プラチナスターズ』からは搭載されている。

*23 選択肢の無いふれあいとプレゼント。特に高めの親愛度が必要になる後者

*24 担当アイドルの取り消し自体はメールのコンプリートに必須

*25 アイドルがかなり強い状態で「スコア○点」「ファン○人」「マニー○○以上」が出ると、最初の一つは普通に打つだけで達成してしまい、残り二つは控えアイドルの合計だけで達成することすらある

*26 120打の曲だが、BPM88が「100以下のBPMを倍にする」仕様でBPM176になっており、異様な高性能を誇る

*27 相手のスコアがそれだけ落ちる。これに加えてアピール数の少ない曲はこちらのスコアが比例して上がるため、単純計算で60000点以上変動することになる

*28 3人曲がDLCに1つあり、ソロシナリオを購入すると専用楽曲ではあるが新しい曲が2曲手に入る

*29 減らされるのはバーストアピールの10回目のアピールなのだが、そのせいで大部分のキャラが「得意な場所のアピール」を削られており、相対的にかなり弱体化している

*30 他の楽曲であれば簡単にカウンターできる場面でもカウンター出来ないことが多発する

*31 ここで「ガミP」という名のNPCライバルが相手となるのだが、この名はアイマスシリーズ総合ディレクター坂上陽三氏の愛称でもある