大悪司

【だいあくじ】

ジャンル 地域制圧型シミュレーション
通常版

廉価版
対応機種 Windows 98~XP
ダウンロード版はVista/7/8/10にも対応
iOS / Android / MacOS / Windows(OOParts)
発売・開発元 アリスソフト
発売日 2001年11月30日
価格 8,500円(税別)
レーティング アダルトゲーム
廉価版 2006年5月26日/2,800円(税別)
配信 2009年8月21日/2,052円
判定 良作
ALICE SOFT/チャンピオンソフト作品


ストーリー

(公式サイト「プロローグ」より、一部改編)

「よし……帰ってきたぜ…」

俺の名は「山本悪司(やまもとあくじ)」
このオオサカ市を管理する地域管理組合わかめ組の幹部だ。
ウィミィとの戦いが激しくなって行く中、民華さんにいいトコ見せるつもりで行った戦地があんな修羅場だとは、思いもしなかったぜ。
おかげで帰って来るのに3年もかかっちまった。
敗戦国の捕虜っつーのになってなかったら、もーちょっと早く帰って来れたんだが…
ま、なんにしても帰ってきたんだ。身奇麗にして民華さんに会いにいくぜ!

ところがだ、組に帰ってみれば、ワケ分からんヤツが組の敷居をまたいでいるわ、蘭のヤツが組のトップにいるわ…。
なんでも、「組織のトップは女がならないといけねぇ」なんてウィミィの指導方針らしいが、組に「恩を仇で返した」事にはちげぇねぇ。
一発かましてやろうとしたんだが、帰ったばかりで本調子でない俺は逆にのされちまった。

んで、どこか別のところへ捨てられた俺は、酔っぱらいとの喧嘩が原因で「ミドリガオカ青年奉仕団」って所へ連れて行かれたんだ。
この青年奉仕団っつーのはどうやら、例のウィミィの政策のせいで、わかめ組で内部争いが起きちまって
地域管理の方が疎かになっちまったんで、新たに作られた組織らしい。

…ちょうどいい。
俺は青年奉仕団の女達をこまして、俺の根城にする事にした。
みてろよ… 元々ここは俺のシマだったんだ。好きにさせてもらうぜ。

>そうして、俺の新しい戦いが始まった…。


概要

鬼畜王ランス』の系譜に当たる地域制圧型シミュレーションゲーム。
プレイヤーは主人公である山本悪司となり、オオサカ統一を目標に、同業者・動物・新興宗教団体・政治家・進駐軍・ シャア 等々と様々な勢力と闘う。
一言で言うならば「戦後の大阪で繰り広げられるヤ○ザのシマ争いゲーム」である。


システム・特徴

  • ゲームの目的はオオサカ統一。オオサカは36ブロックに仕切られており、これら全て(ただし未制圧でもクリア扱いになる地域はある)支配下に置くことができればゲームクリア。
    • 本拠地のミドリガオカが敵に奪われるか主人公の悪司が戦闘で死ぬとゲームオーバー。この他にも特殊BADは多数存在する。
  • 部下は戦闘で捕獲するか、各種イベントで増やせる。
    • 部下は一人ひとりHP・攻撃力・回避力・運の4つのステータスとは別に、収益力・給料・忠誠度・治安力というステータスが定められている。
      • 収益力:地域に配置した場合どれぐらいの収益があげられるか。
      • 給料:収支フェイズに支払う給料の額。
      • 忠誠度:時間経過で徐々に忠誠度が下がり、最終的には離反する。忠誠度を回復する手段によって愛欲・物欲・仁義の3タイプに分けられており、仁義タイプは何もしなくても減らない。
        愛欲は悪司の愛人が該当し、他のタイプでも一度抱いて愛人にしてしまうと愛欲に変化する。
      • 治安力:地域に配置した場合の治安維持能力がどのぐらいあるか。完璧>優秀>普通>無能の順で維持力が高い。
  • 戦闘力が高いキャラは給料も高いが、攻略上必須なので取捨選択が重要になってくる。なお、部下は60人までしか雇えない。
  • ターンの流れは冒頭イベント→収支報告(1ヶ月に1度)→捕虜フェイズ→地域フェイズ→部下フェイズ→移動・戦闘→他組織フェイズ→ターン終了となる。
+ 各フェイズ詳細。長くなるので格納。

冒頭イベント

  • 重要なストーリーイベント等はここで処理される。何も起こらない時もある。

収支報告

  • 4ターンに一度収支報告がなされる。赤字のままだと先に進むことはできない。
    • 先に進むためには借金をするか、部下の解雇をして黒字にしなくてはならない。

捕虜フェイズ

  • 戦闘で捕獲した捕虜がいる場合、ここで捕虜の処遇を決定する。
    • こます:悪司の女にするためアレコレする。名前付き女性キャラはCGが発生するものもいる。当然、男性には実行不可。このコマンドで仲間にした場合、忠誠タイプが愛欲となる。
    • 懐柔:金銭を与えて部下に勧誘する。このコマンドで仲間にした場合、忠誠タイプが物欲となる。
    • 拷問:拷問をして情報を聞き出す。情報を聞き出したら用済みとなるのでゲームからは退場する。キャラクターによってはCGあり。
      結果にはランダム性がある他、名前付きキャラを拷問しないと仲間にできないキャラなどがいる。
    • 始末:殺害する。揉み消すためにお金がかかる。こちらも当該キャラクターは二度とゲーム上に登場しなくなる。何かを得られる訳では無いので大抵は拷問を選んだ方が得。
    • 警察行き:ブタ箱送りにする。始末とほぼ同じだがこちらは無料。ただし、進行状況によっては利用できないこともある。
    • 調教の館送り:女性の捕虜は調教の館へと送ることができる。詳しくは後述。
    • GALバーガー送り:調教の館を建築できない状況ではこれが代用となる。
    • この他、動物系のキャラのみ「秘密動物園に送る」という選択肢が出現する。一定数を動物園に送るとアイテムがゲットできる。
  • 一度こましたり懐柔しただけでは部下にならず、何度か実行する必要があることも多い。拷問も同様で吐かせるためには幾度か痛めつけなくてはならない。

地域フェイズ

  • 建造
    • 地域毎に一つだけ建造物を建てることができる。
      • たこ焼き屋・無人金貸し機:収入を+させる。たこ焼き屋の方が建築費用は安いが儲けは少ない。
      • 防犯人形・電波塔:治安悪化を防げる。防犯人形の効果は薄いが、電波塔は建造費用が高額。
      • 保養地:その地域に配置したキャラクターの忠誠心が回復する。
      • GALバーガー・売春宿:前者は女の子売って、後者は女の子売って利益を出す。後者の方が利益は大きいものの、選択肢によっては前者に頼らざるを得なくなる。
      • 原発:条件を満たせばある地域に建造可能に。莫大な利益を得られるが、破壊されるとゲームオーバーになる。
  • 治安回復
    • 各地域には無法・悪化・普通・良好の4段階の「治安」の概念がある。
      • 良好時には協力金(「みかじめ料」と同義と思ってもらって構わない)増加運動が実行できる。この場合地域から得られる協力金が一割増える。
      • 普通時には特に何もなし。
      • 悪化状態だと協力金が半減する。また、無法状態に陥ると協力金が全く入らなくなり、その地域に建てられた建造物が破壊される。
    • 100万支払うことで治安を回復できる。ただし部下が未配置の状態だと治安回復することはできない。
      • この時、無法状態から治安回復した時はその地域のお年寄りが仲間になる。お年寄りは無給で働いてくれる上に治安維持能力が高いので頼りになるが、戦闘能力は皆無な上にそのうち寿命が来てロストすることも。お年寄りは大切に。

建造と治安回復はどちらもフェイズの進行はしない。 各地域の施設を制圧したり、地域イベントを実行することで部下フェイズに移行する。

  • 制圧
    • (制圧)と書かれている地域イベントを実行することでその建物からも協力金が入るようになり、その地域の収益を増加できる。場所によっては特別なイベントが発生することも。
  • その他地域イベント
    • 千差万別様々な地域イベントが存在する。部下を増やしたり、アイテムをゲットしたり、逆にデメリットしかないイベントだったり…と中身も色々。
    • イベントの多くは制限時間と言えるものがあり、放置していると消えてしまう。

部下フェイズ

  • 一ターンに一度、誰か一人のみ部下を呼び出せる。
    • こます(愛情タイプのキャラの忠誠が回復)、ボーナス(物欲タイプのキャラの忠誠が回復)、軍事訓練(経験値UP)、政治訓練(収益金UP)、調教の館送りのどれかを行うことができる。
      • あるキャラクターのみ減給査定(他のキャラの給料ダウン)ができる。
    • が、実は軍事訓練以外やるメリットはほぼない。忠誠度に関しては保養地がある地域に数ターン置けば支障ない程度に回復するし、政治訓練も上昇値は低いので別に汎用内政キャラを置いておいてしまった方がいい。
      • 減給査定についても、無給まで持っていけば昇給(資金が2億を越えるとレベルアップ時に給料が10万上がる)が発生しなくるので有用なのだが、対象はランダムで決定なので極めて使いにくい。
      • 軍事訓練では経験値以外にも個別の強力なスキルの習得・パワーアップができるので、なおさら軍事訓練以外を選ぶメリットを薄くしている。
      • ただし、物欲タイプの女性キャラをこますと、愛欲タイプに変化すると共に給料が半減するため、新規加入したら真っ先にこましておいた方が良い。
    • また、キャラの個別のイベントフラグが立っているとここで特殊会話が発生する。

調教フェイズ

  • 調教の館が建造してある場合のみこのフェイズが発生する。
  • 調教段階には素人・娼婦・上級娼婦・穴奴隷が存在し、素人のままでは売春させることができない。
    • 調教することで段階をあげることができる。調教は常に一人しか行えず、ランクが高いほど調教速度は遅くなるが、売値は高くなる。
      • ある地域イベントで調教速度を上げられる。
    • 売春宿一軒につき二人まで売春できる。
    • 売春婦は20人までしか雇えない。また、売春回数が増えると売値が下がってくるので機をみて削除か払い下げ*1をして入れ換えていくのがコツ。

移動・戦闘フェイズ

  • 部下をオオサカの各地に配置する。
    • 配置できるのは現在の支配下+隣接地域のみ。
  • 地域に配置しているキャラはその間体力が一切回復しない。回復するためには未配置状態にする必要がある。
    • 未配置状態だと毎週最大体力の半分が回復する。
  • 敵対組織の支配地域に配置した場合や、自分の支配地域下に敵が侵入してきた場合、1回100万円で戦闘を仕掛けることができる。
    • 1ターンの戦闘回数には制限がないが、二回戦うと約500万、三回戦うと約1000万…と必要経費が膨大に増えていくので連続行動するのは難しい。
  • 戦闘で勝ち支配力を全て奪えば自分の支配地域となる。敗北して支配力が全て奪われるとその地域を奪われる。
    • 戦闘システム・支配力については長くなるので別途記述。
  • また、ダンジョンに挑む際は事前のターンのこのフェイズで攻略要員をダンジョンのある地域に配置し、次のターンの地域イベントで探索する必要がある。

他組織フェイズ

  • 他組織のイベント・敵の侵攻戦が発生する。
    • 敵が侵攻してきたら迎撃をするか放置するかの選択肢が出る。放置した場合不戦敗扱いになる(詳しくは後述)。
      • 他組織フェイズの迎撃戦だと何度戦っても経費が100万しかかからない所がミソ。金は無いが人は居る、という状況なら自分から仕掛けるより他組織から仕掛けて貰った方が経費の節約ができる。

エンドフェイズ

  • 経験値がたまったキャラはターン終了時にまとめてレベルアップする。
    • 次のレベルアップに必要な経験値をはみ出た分はすべて切り捨てられる。そのため戦闘や訓練はなるべく計画的に行った方がよい。
    • レベルアップ時にはHP・攻撃力・回避・運のどれか好きな能力を一つ上げられる。
  • 一部地域にはダンジョンも存在し、中にはモンスターやアイテム・資金などが隠されている。アリスソフトお馴染みの裏ボス「グナガン」もこちらで挑戦できる。
    • ダンジョンに挑むためには事前に(制圧)コマンドでそのダンジョンを支配下に置いておく必要がある。
  • 一度ゲームをクリアしてから初めから始めると「変化」をつけて遊べる。2周目以降の追加キャラ・イベントが発生する代わりに、1周目では発生しなかった害獣発生イベントなどが伴うので若干難易度が上がる。
  • また、あるルートをクリアすると「無茶苦茶モード」が解禁され、悪司以外の勢力でもプレイできるようになる。

戦闘システム・支配力について

  • 戦闘は6人まで参加可能。人数が多い方の勢力の人数分に準じた回数の戦闘がなされる。
    • 例えばこちらが3人、敵が4人で来れば4回戦闘することになる。
    • ダンジョン戦・一部イベント戦では戦闘回数が無制限となる。
  • ユニットには「気力」というステータスがある。1回交戦するごとに1消費し、スキルを用いた場合は2消費する。
    • 気力0の状態では攻撃できず、一方的に殴られる(回避も不可能)。一応戦闘そのものには参加できるので壁にはなる。
      • 気力は1ターンに1だけ回復する。未配置状態だと3ポイント回復する。
      • ダンジョン探索でも気力は回復しないので、踏破には気力の高いキャラを選択する必要がある。
    • 例外的に、前述の回数無制限の戦闘だけは、双方ともに気力0のキャラが選択された場合は全員の気力が1回復して戦闘続行となる。
  • ユニットは遠・中・近距離の3タイプが存在し、遠>中>近の順でどちらが先行になるか決定される。
    • 先に攻撃した場合、相手の残り気力が少ないと反撃されない場合もある。
      • 一見近距離タイプのキャラが不利だが、近距離キャラは気力が高く、遠・中とは違い内部処理の反撃判定が2回あるので反撃しやすい設定になっている。
    • 敵と味方の攻撃距離が同じだった場合同時攻撃となるが、味方の攻撃力が相手を一撃で殺せる数値であれば相手の攻撃が絶対に命中する状況でもダメージを受けずに殺せる。
    • キャラクターには全9種の属性があり、相対属性を持つものは有利になる。
    • 運のステータスが1以上残っている場合は戦闘時に25%の確率で相手が転ぶ。
      • 転ぶと相手は無防備になり、ダメージを受けずに攻撃できる。
      • 運はHPとは違い、レベルアップ時のステータスアップで最大値まで回復する。運に自信がある方はどうぞ。
  • 戦闘終了時に敵の残り体力が10以下なら捕獲できる場合がある。低いほど捕獲確率は上がる。
    • 残り体力が1なら確実に捕獲できる。(10-残HP)×10%と思えばいい。捕獲したキャラは捕虜となる。ただしキャラクターによってはイベントが進行していないと捕獲できない場合もある。
      • スキルには相手の体力を1だけ残すスキルを持つキャラが居るので、捕獲時には重宝する。
  • 戦闘結果によってその地域の支配力ゲージが増減する。ゲージが全て青色になればその地域は自勢力の勢力下となる。
    • 不戦敗で-3、圧敗すると-2、敗北したら-1、引き分けは増減なし、勝利すれば+1、圧勝なら+2、不戦勝だったら+3される。
      • この評価は、お互いの被弾数・撃破数・スキル使用回数などによって決まる。なので、単純に敵殲滅でなくても圧勝となる場合もある。
    • 地域によって支配力ケージの数値は違う。
      • 例えばサカイの支配力ゲージは「6」なので支配下に置くためには3、4回程度戦闘に勝つ必要がある。逆にヘグリのゲージは「3」なので一度でも迎撃しなかったらすぐに奪われてしまう。
  • 体力が0になったキャラは、基本的に死亡し永久退場となる。
    • 人造人間部隊などの一部の敵はいくら倒しても復活してくるが、自軍は基本的にやられればそれまでである。
    • 主人公他数人は、死んでしまうとゲームオーバー。

評価点

  • SLGとしての面白さ
    • 難易度が簡単すぎず歯ごたえがある。かとかいって理不尽なほど難しくはない。
    • 部下選択は一部のキャラを除きほぼ自由。捕まえたキャラを懐柔して戦力にしたり、働かせたり、有無を言わさず殺したり…と如何にするかは悪司、ひいてはプレーヤーの手に委ねられている。
    • 内政要素が皆無に等しかった『鬼畜王』に対しこちらは治安維持・収支も意識する必要があり、戦略シミュレーションが好きな人ならば絶対にハマる。
  • とにかくボリュームたっぷり。
    • 6人の攻略可能ヒロインたちと2周目以降の追加要素でプレイするたび話は変化していく。細かな分岐イベントも多く、周回プレイの意欲が湧いてくる。
      • 特に、各部下のグッドEDに相当する「キャラクリ」を埋めるのは単純なCG回収作業よりも楽しい。重複分を含めて78人分ものグッドEDが用意されている。
      • 初期ヒロイン・ルート・助っ人キャラの内訳など、周回開始時に選択していく形となる。
  • 戦闘アニメはSDキャラがちょこまか動くものでかわいい。
    • スキル発動や回避モーションなどもかなり手が込んでおり、スピーディーなので見ていて飽きない。
    • 戦闘中に死亡したキャラはお墓の画像になるのだが、身分に合わせて豪華か質素かの変化があったり、そのキャラの好物がお供えしてあったりと細かいこだわりがあるのも少し笑える。
  • 主人公、山本悪司に魅力がある。
    • 同じアリスソフトの看板キャラ、ランスが「外道だが本当の鬼畜ではない」人物なのに対し、悪司は本当の鬼畜と言える人間である。逆らう者は男は皆殺し、女はこまして自分の女にするか売り払う…とまさに極道一直線な男である。
    • SEXに対する考え方だけでも、ランスが「自分が気持ち良くなるための手段」であるのに対し、悪司は「組織を運営するための手段(恋人は除く)」と割り切っている。
    • が、そんな悪司にまさしく「悪」の美学があるのも事実。「そこいらのチンケな小悪党とは違う、ダークヒーロー的な魅力」にあふれる主人公なのだ。
      • また極道らしく一度身内になれば甘い顔を見せる。悪司も昔からの仲間達や将来を誓い合った女性には温情もある。筋を通すべきところは通す、まさに組長としての素質を備えた人物と言える。
  • 頼れる男島本
    • 『鬼畜王』で分かりづらかった「現在どのイベントが進行中か、どこに行けばイベントが起こるか、何をしないと不利益を被るか」が参謀の島本に聞けばほぼ分かるようになった。
    • 島本自体のステータスもモブキャラよりは強くて収益力が高く、しかも金欠時には資金を工面してくれるのでありがたい。縛りプレイでもなければ必須のキャラである。
      • ただし地域イベントで任意加入するキャラなので、初見プレイで加入イベントに気付かずスルーしてしまうと酷いことになる。
    • 完全に余談だが、島本は不穏な言動を繰り返すのでいつ裏切るのか心配していたプレーヤーは多かったらしいが、絶対に裏切らないのでご安心を。
  • 昭和テイストあふれるBGM
    • DRAGON ATTACK!が担当した音楽は、どこか昭和の香りが漂う曲となっており作品の世界観をより深めている。
    • 一方ラストイベント&ラストバトルの曲はそれまでのムーディな雰囲気をかなぐり捨てる一曲に仕上がっており、かなり熱い。
  • メーカーの地元ならではのネタ
    • 本作の舞台はアリスソフトの在籍する大阪(+他関西圏も少々)がモチーフになっている。各地域のメジャーな特色がパロディされて配置されており、関西圏経験者にはツボにくるようなネタが多数ある。

賛否両論点

  • 敵を捕獲するのが若干難しい。攻撃力を上げ過ぎるとうっかり殺してしまうが、かと言って戦闘要員は適度に上げておかないと太刀打ちできなくなってしまう。
    • そもそも捕獲不可能なキャラも居るが初見では見分けがつかない。これは後継の大番長では戦闘開始時に明確に判る様に改善された。
    • 一応手加減攻撃(相手のライフを確実に1残す)を持ったキャラもいるのだが、選択肢によっては使えなくなる人物もいる。
    • セーブロードを繰り返すプレイに抵抗がなければ誰が出撃してくるか確認した上でロードし直し、適度にダメージを与えられるメンバーを出撃させて捕獲、という手段がある。
      • 捕虜を拷問すれば誰でも手加減攻撃ができるようになる「印籠」が入手できるのでこれを用いる手段もある。ただこれも入手に運が絡む。
    • また、ごく一部であるが娼館送りにはできるが戦闘用ユニットにできないキャラがいるのが惜しいところか。
  • 抗争モノとのことで残虐・暴力描写に期待しすぎると肩透かしを食らう。
    • 拷問シーンは専用CGがあるキャラ以外はSDキャラの一枚絵になる。戦闘でも前述の通りちびキャラになる他、イベントシーンで人体を痛めつける描写はカットされる場面が多い。
    • 相手を惨殺できないのは少々残念かも知れない*2
  • あからさまなパロディ・不謹慎ネタが結構あるので笑い飛ばせる人推奨。
    • えてしてアダルトゲームはこの手のネタが多いが…。それにしても少々際どいネタもあるので注意。
    • 人種差別や米軍基地、放射能など現実の終戦後問題をマイルドに描写している…が、たまにエグい描写も。

問題点

  • 時間制限が厳しい。
    • 特に「ある程度侵攻すると別の勢力が動き出す」という仕様を知らないと別勢力対処のために抗争中の勢力を早く潰してしまおうと行動し、さらに難易度が上がってしまい……という悪循環に陥る。
    • 逆に特定ターンまでにある勢力を潰しておかないと強制ゲームオーバーになってしまうので、ゆっくりプレイすることも不可能。
      • さらに、だらだらプレイしていると遅刻ペンギンという敵が出現するようになり、対処に苦慮する。もっとも、通常プレイではまず遭遇しないように設定されてはいるが。
  • イベントが膨大なのはよいが、条件が分かりづらい・不利益しかないものも結構ある。
    • キャラクリは基本的には「そのキャラにとってグッドEDになるであろう」選択肢を取っていけばよいが、特定の行動をした上でHPがギリギリになるなど意識しないと満たせない物も多い。
    • 全要素を埋めようとすると7周はプレイする必要があるので、多いにこしたことはないのだが。
    • 一部のイベントは対処を誤るとゲームオーバーになる上、何故ゲームオーバーになったかが分かりにくいものがある。
      • 有名なのが、ゲーム中盤に起こる「市長選挙」イベント。立候補できるキャラが2人いるのだが、そのうち片方は、どんなに選挙運動をしても絶対に当選できず、ゲームオーバーになってしまう(=選んでしまった時点でゲームオーバーが確定)。しかもこのキャラ、言動的には極めて真面目であり、主人公である悪司とも関係が深いため、初見ではついこちらを選んでしまいがち。
      • 一説には「実はバグなのではないか?」と噂されているが、公式はこの件に対し何もコメントしていないので真偽は不明。
      • 尤も、真面目と言っても価値観が一般人と掛け離れていることは散々描写されているキャラなので当選出来ないのは不自然では無い。街頭演説などのイベントでも市民に受け入れられない様子がハッキリと描かれている。
  • 昔のゲームなので仕方ないが、今プレイすると気にかかる部分も。
    • バックログがないのが一番痛い。重要会話をうっかり飛ばした時は困る。
    • ダウンロード版はVista/7にも正式に対応しているが、廉価版は正式には対応していないので注意。一応ディスク版でもVistaや7なら大きな支障はなく動くが、正式には動作保証されていないので購入時にはよく検討すること。

総評

大国同士の戦乱が舞台となった『鬼畜王ランス』より話のスケールこそ小さくなっているものの、面白さは負けてはいない一作。
独特のシステムと濃いキャラたちの織りなすストーリーにより、今なお十分に遊べるゲームとなっている。
時間制限や攻略順の自由度など問題点も確かに存在するが、それに目を瞑れるほどの魅力を持った作品である。


その後の展開

  • 後に本作の系譜にあたる作品が2作出ている。

大番長

  • 2003年12月19日に発売。日本の秩序を取り戻すため闘う番長モノゲーム。
  • 物語は「学園編→県内編→全国編」と進む。『大悪司』より明るい作風が特徴。そしてカレー。
    • 難易度も大悪司より優しくなっているので、SLG初心者にはこちらの方がとっつきやすいと思われる。また、部分的にだがボイスありになった。
  • こちらも良作なので、ゲーム性のあるアダルトゲームをやりたいという人にはオススメ。

大帝国

  • 2011年4月28日発売。第二次世界大戦を基にしたスペースオペラ風ゲーム。大筋は似ているものの、他2作とは趣が異なるシステムとなっている。
  • 日本帝国の一員として宇宙の覇権を狙うのが目的、と話のスケール自体は大幅に大きくなっているのだが、ゲームの自由度が前二作に比べ劣っているため評価は分かれがち。
    • 明るくなった大番長に対し、陵辱色が復活したのも意見が分かれる一因に。ストーリー自体も前二作に比べて……と指摘されることが多い。
      • 特に番外編であるコア編は陰惨としか言いようがない。
    • ただ、一応進歩点もないわけではないのだが。また現在は大規模な修正パッチが存在し、導入すると状況はある程度改善される。

また、同社発売の『戦国ランス』も『鬼畜王』~『大番長』の経験をフィードバックした地域制圧型シミュレーションといえる。 なお、「地域制圧型シミュレーション」というジャンル名は他社が使用しても構わないらしく、2012年3月30日に天狐より発売された『英雄*戦姫』も使用している*3


余談

  • 本作のOVA版があるのだが(もちろん18禁・性的描写あり)、2006年、何故かスペインの地上波で放映されて大問題になった。
    • 本作に関係ない日本のアニメに対する心無い批判も噴出したが、そもそもテレビ局は一体何を考えて放映しようと思ったのか…。
      • なおテレビ局側は、「刑法に引っかかる」「少女が未成年」などといった非難に対しては、「作中で運転免許証などが示されているように未成年ではない*4」「深夜帯の放送であり18禁の明示もなされており合法」と反論している。
      • テレビ局側は自主的に休止することにしたが、様々な立場からこれに反対する意見も多くあり大論争に発展した。なお視聴率は8.5%だった。
  • 公式通販の予約特典として、発売から約2ヶ月後くらいに発送予定のLCDゲーム『殺ちゃん滅殺ウィミィ兵』が生産された。
    • 2002年2月中に発送する予定が3月に遅れたお詫びとしてCDも付属していた。CDには大悪司のシューティングゲーム、壁紙などのアクセサリ類が収録されていた。
  • 2015年1月29日、アリスソフト公式サイトにて「地獄のアリス広報室」なる企画が始まった。
    これはアリスソフト作品のうち作中死亡ルートが存在するキャラ達が、地獄(という建前の和室)でアリスソフトのグッズや新作ゲームの広報するというもの。
    • これだけ聞くと普通の企画だが、なんと第一回の登場キャラが『戦国ランス』の「鈴女」と本作の「長崎旗男」。鈴女は知名度があるキャラなので分からなくもないが、数多の死亡キャラの中で何故旗男が選出されたのかは全くの謎。大悪司の、しかもどマイナーなキャラが14年の時を経て突然公式に推され始めたことに多くのファンが驚き、困惑した。
      • フォローすると、旗男は若干面倒な制限はつくものの序盤で仲間にできるキャラクターでは強い部類に入り、前述の手加減スキルを有するためにお世話になったプレイヤーは多いと思われる。
        また、アリスソフトのオールスター的な作品『ままにょにょ』でも大悪司から選出された16名の内に居たぐらいのポジションではあった。
    • その後第二回から観世那古真燈教の教祖にして本作のヒロインの一人、由女も登場。本編からは想像も出来ないが、会話の中では常識人枠である。
    • そして第八回、鈴女と旗男の二人がキャラ入れ替えの為に退場、そのまま成仏。二人とも生前は過酷な運命を背負っていたが、地獄のアリス広報局ではお気楽に会話をしており、最後には明るくフェードアウトした。両キャラを知っているプレイヤーにとっては感慨深いものである。
  • 定額で30日間ゲームを遊び放題の「GAMES 遊び放題」に本作が提供されている。
  • 2020年4月23日に定額ゲームプラットフォーム「OOParts」がサービス開始。本作は初期から収録されたタイトルの一つである。
    • PCだけでなくスマートフォンにも対応している。

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最終更新:2021年06月27日 08:35

*1 娼婦の調教段階に応じて金が貰える。

*2 人によって趣向が分かれるところだろうが。

*3 公式ブログによるとアリスソフト側にちゃんと許可はとったとのこと。

*4 当該キャラクターの殺(廉価版パッケージイラストのキャラクター)は外見的には少女であり、実際に通常ルートにおいては未成年という設定だが、Hシーンが存在するルートにおいてのみ、外見や性格はそのままに18歳という年齢設定に改変される。当然ではあるがOVA版においては18歳設定が採用されている。