はじめてのWii

【はじめてのうぃー】

ジャンル Wiiリモコンの操作入門
対応機種 Wii
発売・開発元 任天堂
発売日 2006年12月2日
定価 4,800円
※Wiiリモコン同梱の「はじめてのWiiパック」のみ販売
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント Wiiお試し用ソフト
リモコンのおまけに近いが、手堅い完成度
値段相応のボリューム
Touch! Generationsシリーズ


概要

Wiiローンチタイトルの1つ。Wiiの独特な操作方法を9段階のステップに分けて体験できるという主旨のソフト。
販売価格は4,800円だがソフト単品では販売されず、Wiiリモコンが同梱された「はじめてのWiiパック」のみ出荷されていた*1。Wiiリモコンは当時3,800円だったので、ソフトの実質価格は1,000円である。

収録ミニゲーム

  • ステップ1 シューティング
    • Wiiリモコンで次々と出現する的をポイントして打ち抜いていくゲーム。全5レベルで、たくさん的を撃って高得点を目指す。2人プレイ時は得点競争になる。
      • 草むらのようなステージで、ターゲットの1つの鳥がカモであることは任天堂の往年のヒット作『ダックハント』を、缶の的は『ホーガンズアレイ』を彷彿とさせる。
  • ステップ2 あのMiiをさがせ
    • やることはシューティングとほぼ同じ。複数人のMiiが画面に表示されるので指示されたMiiをポイントしていく。
      • 制限時間+レベル制。クリアする度に制限時間が加算され、ミスすると減らされる。制限時間が尽きた時点でのクリアレベルがスコアになる。
        2人プレイではプレイ結果による時間の増減が無くなり、固定の時間内でいかに多くお題を達成できるかの勝負となる。
      • 出てくるMiiは似顔絵チャンネルで作成したものから選ばれる。独特なデザインのMiiを作っておくと、区別がしやすくなる…かも知れない。
  • ステップ3 ゆびさしピンポン
    • Wiiリモコンを左右に動かしてピンポンのラリーを繋げる。ボタン操作はサーブ以外に一切ない。
      • CPUはほぼ100%ミスをしないため、一人プレイは集中力との戦いになる。2人プレイではラリーを止めてしまった方が負け。
  • ステップ4 ポーズMii
    • Wiiリモコンをひねる操作に慣れるためのミニゲーム。画面に表示されるシルエットに合わせ、Miiの傾きを調整する。3種類のポーズがあり、適宜切り替える必要がある。
    • シルエットの納められた泡が3回合わせきれずに落下するとゲームオーバー。それまでの総合成功回数がスコアになる。2人プレイでは最後まで残った方が勝ち。
  • ステップ5 ホッケー
    • シンプルなエアホッケー。「Wiiリモコンのポイント操作」と「Wiiリモコンの傾き操作」というステップ1~3までとステップ4の複合のような内容。
    • 1人プレイ時はCPUと対戦しどの程度差をつけて勝てるかチャレンジする(当然負ければ0点扱い)。2人プレイ時は8点先取で対戦する。
  • ステップ6 ビリヤード
    • 本格的な9ボールルールのビリヤード。「リモコンを引いて突く」という操作の練習になる。ルールは普通のビリヤードとほぼ同じ。
    • 1人プレイ時はCPUは付かず一人きりでのスコアチャレンジになる。
  • ステップ7 つり
    • リモコンを釣り竿に見立てて池で釣りを行う。魚にはそれぞれ固有の行動パターンとポイントが設定されており、制限時間内でいかに高い得点を取れるかチャレンジする。2人プレイ時は得点勝負。
      • 画面上部には「ボーナス魚」が表示されており、該当する魚を釣り上げると2倍スコア。ボーナスの対象は一定時間ごとに切り替わる。
  • ステップ8 牛ダッシュ!
    • 唯一リモコンを横に持つゲーム。牛にまたがってカカシをなぎ倒しつつひたすら前進する。リモコンの前後でスピード調整、左右で方向転換。
      • 1人プレイ時は倒したカカシの数とクリアタイム(ゴールできなければリタイア扱い)の合計スコアにチャレンジする。2人プレイではゴールはなく、ひたすらカカシを倒して制限時間内のスコアを競う。
  • ステップ9 タンク!
    • 唯一ヌンチャクを使った操作が可能。ただし、ヌンチャクなしでもプレイは可能。戦車を操り、BボタンのショットとAボタンの設置式のボムを使い分けて敵戦車を全滅させると次のステージに進める。ショットが壁に反射する特性を把握するのが重要。
      • ゲームオーバーまでの倒した敵戦車の数がスコアになる。1人プレイ時は残機制で、初期値は3、5ステージごとに一機増える。2人プレイ時はスコア勝負になり、両方がやられた時点で即ゲームオーバー。

評価点

  • 誰にでもわかりやすく、段階的に理解できる操作性。
    • Wiiという全く新しい操作デバイスをわかりやすく体感的に実感できる構成はかなり練られている。始めの方のゲームはリモコンを画面に向ける操作、次はリモコンをひねる操作、その次は引く操作、その次は…と段階的にステップアップしていく構成は見事。
      • ボタンを使う操作は可能な限り廃されており、Bボタンと十字ボタンを併用するのは最後のタンク!のみ。ゆびさしピンポン、ホッケー、つり、牛ダッシュ!に至ってはリモコンを動かす以外の操作は一切必要ない。
  • 各ゲームの完成度もなかなか侮れない。
    • ビリヤードはかなり本格派の9ボールルールで遊べる。本来のルールと異なりファールの回数制限がないので、根性さえあれば(スコアはともかく)全ての球を落とすことは誰にでもできる。
      • リモコンをキューに見立てた操作性は秀逸で、数あるビリヤードゲーの中でも操作性がかなりそれっぽい。
    • タンク!はコミカルなBGMとゆるやかな射撃音でほんわかした戦争っぽいゲームになっている。2種類の攻撃方法を使い分け、迷路状のステージで敵を追い詰めるのはなかなか楽しい。敵ごとに思考パターンも異なる。また全100ステージとかなりのボリューム(ただし、大半のステージはランダム構成)。
  • 全てのミニゲームは二人プレイ可能。
    • Wii購入時にリモコンは一本付いてくるので、本作は買ったその場で二人プレイができる。簡易的なパーティーゲームとしても機能していると言えるだろう。

問題点

  • ゲームとしては非常に薄味。
    • 各ステップは、別にそのゲームで規定のスコアを出さずともプレイするだけで次のステップに進める。ハッキリ言えば全てのゲームを一通り遊ぶだけなら30分程度で遊べてしまえる。隠しミニゲームなどは一切ない。
      • もちろん、ゲームに不慣れな層が購入することも考えれば面倒な条件を満たさないと全てのゲームを遊べない仕様の方が問題だとも言えるが…。
    • やりこみ要素は4種類のメダルのみ。各ゲームで規定のスコアに達すると下から銅、銀、金、プラチナのメダルをもらえるが、メダル獲得時にお祝いのメッセージが読める程度で、集めても特に特典は無い。
    • ビリヤードのルールは1種類こっきり、牛ダッシュのコースも1つしか無いため、何度もプレイしていると流石に飽きやすい。実質1,000円のゲームなのであまり要求するのも酷ではあるが。
    • 難易度調整は一切ない。難しすぎ、簡単すぎと思っても救済措置は無い。
  • 一部のゲームは非常に長丁場になる。
    • 特にあのMiiをさがせとタンク!は途中のステージから始める手段がなく、ハイスコアを目指す場合はステージ1から延々と遊ぶ羽目になる。タンクでプラチナを取るなら30ステージでいいのは救いだが、逆に言えば100ステージクリアする意味が少ない。
    • その分、本作のミニゲームの中ではもっともやりごたえのあるゲームとなっている。他はともかくこのゲームだけやたらやりこんだ人も多いだろう。

総評

基本的には「リモコンのオマケ」であり、ゲーム性やボリュームに関してはそう高い評価は下せない。
とはいえ、ゲーム初心者に配慮された構成、簡易的とは言え十分楽しめる対戦プレイなどWii初心者にとってはリモコン+1,000円払うだけの価値は十分ある一本だろう。
そういう意味では間違いなく『はじめてのWii』というタイトルに偽りはない。

その後の展開

  • 2011年7月に、同趣旨のソフトとして『Wiiリモコンプラス バラエティ』が任天堂より発売されている。
    • リモコン同梱版のほか、ソフト単品でも発売されている点が本作と異なる。また、タイトル通り同梱のWiiリモコンは赤色のWiiリモコンプラスになっている。
    • ゲーム内容に直接繋がりはないが、本作の続編として開発されたソフトである(出典)。特に海外では本作タイトル『Wii Play』に対して『バラエティ』のタイトルが『Wii Play: Motion』となっており、明確に続編として扱われている。

余談

  • Wiiは本体設定で画面の縦横比を4:3と16:9の両方から選べるのだが、本作はどちらの解像度にも対応している。
    • その中でも「タンク」では特殊な処理が組み込まれており、なんと画面比率によって若干オブジェクトの配置が変わるようになっている。
    • タイムアタッカーの中にはタイム短縮のためにわざと4:3に設定している人もいるそうだ。
  • Wikipediaに「世界一売れたゲームソフト」と書かれていたころがあった作品が本作である。「いやちょっと待て『スーパーマリオブラザーズ』じゃないのか」とお思いの方も多いだろうが、この辺りには結構ややこしい事情が関わってくるのである。
    • Wii Sports』の記事に書かれているが、『Wii Sports』が世界で一番売れたゲームソフトという表現も存在する。しかし『Wii Sports』は欧米ではWiiと同梱販売されており、実質「欧米でのWiiの売り上げ=『Wii Sports』の売り上げ」なので正確な値は出しにくい。
      • 「なんだ、やっぱり『スーパーマリオブラザーズ』じゃないのか」と思われるだろうが、実は『スーパーマリオブラザーズ』も欧米版NESと同梱販売されていたことがあるため、これも正確な売り上げが出せない事情がある。
    • 同様に世界で一番売れたゲームソフトとして語られる『ポケットモンスター 赤・緑』はバージョン違い含めての本数なので、これも「最も売れたソフト」とは断言しにくいのである。
    • 本作の場合、本体同梱やバージョン違いと言った特殊な事情がないので「単純な売り上げでのトップはやはり本作ではないか」、という見方は一面では正しかったりするのである。とはいえ、本作にはWiiリモコン同梱というオマケがあるので「リモコンが欲しい層がオマケとして買った割合が高いんじゃないの」という意見もあるため非常にややこしいのだが。
  • 上の話は結構前の話なので、今は記録も変わっていて、Wikipediaの記述もとっくの昔に消されている。
    • 現在『Minecraft』が世界一になっているが、こちらはPC、モバイル、各種ゲームハードなどで対応していて、MODが使いたいけど友達とも遊びたいとしてJava版と統合版の両方を買っている人もいるので、違うのではという声もある。
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  • 任天堂
  • ミニゲーム集

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最終更新:2023年11月01日 12:15

*1 ただし箱の中にさらにソフトパッケージが入った形態であるため、中古市場では単品で販売されていることもある。