このページでは、PS3ソフト『フェアリーフェンサーエフ』と移植版『フェアリーフェンサーエフ ADVENT DARK FORCE』を紹介します。



フェアリーフェンサーエフ

【ふぇありーふぇんさーえふ】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション3
発売・開発元 コンパイルハート
発売日 2013年10月10日
定価 通常版:6,980円
リミテッドエディション:8,980円
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 なし
ポイント シリアス寄りの『ネプテューヌ』
快適性に特化したゲームデザイン
健在の敏樹節
あのシリーズとは関係ありません
なんて強さだ、圧倒的すぎる(味方が)
ガラパゴスRPG
フェアリーフェンサーエフ(ADVENT DARK FORCE) / オメガクインテット
Death end re;Quest(2) / 竜星のヴァルニール / アークオブアルケミスト

概要

  • コンパイルハートの新ブランド『ガラパゴスRPG』第1弾として制作された新作RPG。
    • 『ガラパゴスRPG』とはJRPGより更にニッチな「コンパイルハート製ゲームのファンのみに向けたRPG(要は冥界住人向け)」を指す。開発は『ネプテューヌシリーズ』のスタッフが担当。
      • そのため、戦闘を始めとする各システムは『ネプテューヌ』を発展したものとなっている。
    • タイトルを略すと『FFF』『フェアフェン』になることや、天野喜孝氏や植松伸夫氏の起用など某有名RPGのパロディ的内容となっている。
      • 実際のビジュアルやシステムは似ても似つかないが*1。ネプテューヌでのいじりようといい、スタッフはスクエニに思うところでもあるのだろうか?
    • シナリオライターには『鳥人戦隊ジェットマン』『ギャラクシーエンジェル』『平成仮面ライダーシリーズ』などでも知られる井上敏樹氏を起用。氏の持ち味である、一癖も二癖もある魅力的なキャラ造形は健在。
      • また、配役に氏の脚本を務めた作品において起用率が高い俳優・村上幸平氏が起用されている。
    • 作曲には植松氏率いるEARTHBOUND PAPAS、ニトロプラス作品の楽曲を手掛けるZIZZ STUDIO、アイディアファクトリーの作曲家が参加。
    • ちなみに戦闘時に味方のHPが少なくなったり、戦闘不能になったりするとBGMが変化する。

ゲームシステム

  • バトルシステム
    • 本作ではアクティブターン制のバトルシステムを採用している。
      • 簡単に言えば敵味方関係無く行動順が回ってきて、行動によって行動順が遅くなる
      • 極端に言えばFF10を拡張したようなシステムである
    • 攻撃と待機はワンボタンで操作可能、メニュー選択式に比べテンポ良く入力できる。
    • 主人公や仲間には固有コマンドというアクティブ、スイッチ型の能力を持つ
      • スイッチ型はONにすることでメリットとデメリットが両方が発動する
    • テンションゲージは攻撃力と防御力に影響を与える。
      • また一定値まで貯めることでフェアライズ(変身)が可能。変身中は強力な必殺技が使用可能になる。
  • フューリーと妖聖
    • 本作の設定の中核にある存在であり、武器とそれに宿る精霊のようなもの。
    • 各キャラ固有のフューリー&妖聖は一切変更できないのだが、WPというポイントを消費して技の習得・パラメータの強化ができる。
      • パラメータ強化はレベルアップとは別なので、キャラを好きなように補正できる。
      • 各キャラのフューリーにはメインフォームと呼べる武器形態の他、5パターンの形態も使用することができる。これは事前に設定したコンボによって即座に切り替えられる。
    • 固有ではない、野良ともいえるフューリー&妖聖が存在しており、作中ではこれらを回収していくのがメインの流れである。
      • 回収した野良フューリーは武器としては使われず、妖聖だけをサポーター(というか装備品)として連れていくことができる。
      • 妖聖にはランクとレベルが設定されており、これが高いと物理/魔法、攻撃力/防御力の4つのパラメータをより多く強化できる。
    • 妖聖の役割は装備品としてだけではなく、女神や邪神に刺さっているフューリーを引き抜くのに使用できる。
      • フューリーには妖聖の効果に近いものが設定されており、引き抜いたフューリーは以後妖聖の効果を補正してくれる。一度引き抜いたフューリーと妖精の組み合わせの変更は不可能なので注意が必要。
  • ワールドインフルエンス
    • 引き抜いたフューリーは、ワールドインフルエンスと呼ばれるシステムに使用できる。
    • フューリーを地面に突き立てることで、既定範囲内に存在するダンジョンにフューリーごとに決まった効果を与えることができる。
      • 基本的にプラス効果とマイナス効果が存在しており、プラス効果だけというものはない(マイナス効果しかないものはある)。
      • ダメージや消費の倍増、基礎ステータスの変化といった効果は敵味方双方に適用される。ダメージ倍増などはマイナス効果扱いなのだが、速攻で撃破する自信があるならあえて使うのもあり。
      • ダンジョンを発見するという効果もあるのだが、ダンジョンの情報を得て解放されないと発見できないのでおまけとみて問題はない。
    • フューリーにはレベルに比例して効果範囲が拡張する。
      • ワールドインフルエンスはフューリー間の距離が近いと剣を突きさすことができないため、レベル=一つのダンジョンに付与できる効果の数となる。
    • 難点としては、ワールドインフルエンスに使用したフューリーは装備できないということ。そのため、装備用とワールドインフルエンス用は分けておいた方がいい。
      • フューリーによってはダンジョンのエネミーが変化するというものもあるので、クエストなどを考えるとどれかしらは使わざるを得ない。
    • 特定のパッシブスキルの代わりになる効果もあるが、ほとんどの場合で習得は簡単なので正直不要この上ない。
  • ダンジョンやストーリーの進行などは概ねネプテューヌシリーズに準拠する形となっている
    • 特徴的なダンジョンとしては、「シュケスーの塔」というものがある。最初は5階までしかないが、それ以上はワールドインフルエンスをしているフューリーの数と同じだけ階層が増える。
      • ストーリー進行にはほとんど関与しないのだが、フューリーを入手するのに必要なので完全クリアには必須。
      • 当然階層が増えるとどんどん敵が強くなるのだが、前述の通りワールドインフルエンスをすると装備として使えないのでこちらは弱体化しやすくなる。

評価点

  • 豪華声優陣
    • 主人公のファングを演じる逢坂良太氏とヒロインのアリンを演じる大久保瑠美氏、もう一人のヒロインといえるティアラを演じる石原夏織氏を始めとして、女性陣には能登有沙氏や東山奈央氏、下田麻美氏らが、男性陣にもてらそままさき氏や粟津貴嗣氏、小野友樹氏に江口拓也氏、中村大樹氏らといった名の知れた名前が並ぶ。同社の『ネプテューヌシリーズ』にも負けず劣らずの豪華さであり、演技も申し分ない。
  • 魅力あるキャラクター達
    • コンパイルハート作品らしく女性キャラクターはつなこ氏のデザインも相俟って皆可愛く描かれている。では男性キャラが手を抜かれているかと言うとそんな事は決してなく、ちゃんとキャラが立っている。
      • 本作は(人外を除いて)男女比率が概ね1:1になるように作られており、男性キャラの活躍がストーリーに大きな影響を及ぼしたりと、ネプテューヌシリーズを始めとする女性キャラばかりの作品が多いコンパイルハート作品では珍しい作りになっている。その為、普段のコンパイルハート作品を敬遠している人でも手を出しやすい。
      • (コンパイルハートとしては)異質である為、スタッフからは不安視する声も上がったようだが、ディレクターの伊藤謙氏の「普通のRPGに近づけたい」「家事のできる中年男性を登場させたい」と言う意見で押し通されたとの事。
    • 頭に剣が突き刺さった緑の生物やらコミュ障気味でうっかり主の秘密を暴露してしまうロボやら、愉快なキャラが目白押しである。
    • このように色々魅力的なキャラがいるのだが、残念ながらエンディングはメインヒロインの2人だけ。
  • 戦闘がヒーローものっぽくて格好いい
    • 前述の通り、仮面ライダースタッフが関与しているためなのかスキルなどの演出が仮面ライダーを意識している様子が見える。
      • 使用するにあたってスキル名をコールする際、各妖聖が電子音声っぽく喋る
      • ネプテューヌシリーズでおなじみの変身機能もあり。また、変身すると熱いBGMに切り替わる。
  • 快適でプレイが苦にならないシステム。
    • クセが無く扱いやすいUI。
    • 通常時や戦闘時などあらゆる場面でのロードがほとんど無い。
      • 必殺技や通常技などを初めとする全ての演出をスキップ可能。このためテンポの良さは数あるRPGの中でもトップクラスである。
      • 演出をスキップできるゆえか、上記の技の演出は全体的にド派手でかなり力が入ったものとなっている。見応えも十分。

賛否両論点

  • テキストから溢れ出る井上敏樹テイスト。
    • 氏の作品を知っている人はピンと来たかもしれないが、その予想は概ね当たっている。
    • 主人公ファングからして飯の事ばかり考える享楽主義者の上イケメンを自称するナルシシスト。 ストーリー開幕時点で食い逃げで逮捕・投獄されており、「タダ飯が食えるから出たくない、一生ここで暮らす」とか言い出し、刑罰で食事がままならなくなる可能性を聞いて脱獄を決意 という流れからもういろいろおかしい。『仮面ライダー555』の主人公・乾巧と『超光戦士シャンゼリオン』の主人公・涼村暁*2を足したようなキャラと言えば井上ファンにはわかりやすいだろう。
      • そんな彼と言葉のドッジボール的な夫婦漫才を繰り広げるアリン、そして二人を下僕として使おうとするティアラとメインキャラからしてこれである。
    • 敵も秘密の企業で苦労の多い中間管理職のキャラクターが登場するなど、設定面も井上節満載。
    • そんな濃いキャラとは裏腹に、ストーリーそのものはかなり王道的。「エキセントリックなキャラが超展開で暴れながらも、ストーリー自体は王道志向」というのもまた井上作品の常道ではある。
      • ピンチからのパワーアップ、ヒロインの危機とその救出など、抑えるところはしっかり押さえている。たまにボケが入るがそれもまた井上氏故…。
      • とはいうものの、「出会った時からずっと幼稚な煽り合いをしていたキャラが唐突に真面目に団結する」「シリアスになったと思ったらまた急に空気無視のギャグを挟む」ようなことが多いので、好みは分かれると言える。

問題点

  • 快適性の追求やロード時間の短縮のためか、そのほかの部分で犠牲になっている部分が目立つ。
    • PS3にしてはグラフィックがやや粗く、テクスチャのギザギザが目立つ。キャラクターのグラフィックは『ネプテューヌ』譲りのクオリティなのだが、マップのグラフィックはPS2初期レベルにも満たない。
    • 全体的なフレームレートがかなり低い。特に戦闘シーンでは常時10~15fps程度で、慣れるまでにかなりの時間がかかる。
  • ボスキャラの戦闘時の強さとストーリー上の強さが一致しておらず、一方的にボスをフルボッコにしているのに戦闘中或いは戦闘後に主人公が「なんて強さだ」などと言い出してストーリー上負けになっている事が多い。そういう展開自体は日本のRPGでは珍しくないのだが、本作ではネタにしか思えない程多い。
    • 特に顕著なのがバーナード(ちなみに彼を演じたのが前述した村上氏)というボスの初戦時。単体攻撃しかしてこない上に攻撃力も低く負ける要素が皆無なのに、敵の最初の行動後に主人公が「こいつ、これまでの敵と全然違うぞ」と言い敵のHPが減ると「圧倒的すぎる」「これまでか」という流れで戦闘が強制終了する。
    • 一応本作の難易度自体は低めではあるものの決して低すぎるわけではなく、手強いボスもいるにはいるのだが、そういうボスに限ってストーリー上は強敵扱いされていない。
  • 妖聖、レゾナンスエフェクト(妖聖装備)の項目が見辛い。
    • 全40体(+DLC)もいるにもかかわらず横一列の表示であり、目的の妖聖を探すのに時間がかかる。ソート機能は搭載されているが、現在装備中のものやワールドインフルエンス中のものを絞りこむことができず、何らかにソートしても一度画面を切り替えるとデフォルトの表示に戻るなど不十分な出来である。
    • □ボタンで妖聖ごとの所持スキルを確認することができるが、これも一ページ内に収まっておらず、御世辞にも見やすいレイアウトとは言えない。
  • エネミー情報が役に立たない。ステータスやドロップは見る事ができるが、肝心の出現マップ情報がなく、しかも複数のエリアに同じ名前でステータスが異なる使い回しモンスターも存在するため探すのが非常に面倒。こちらにはソート機能さえ無い。
  • マップの広さに対して移動速度が遅い。
  • シナリオに関して
    + ネタバレ注意
  • 作中で問題となったのが、ヒロインの一人・アリンがさも体を売っていたような発言をしたことと、シャルマンがメガテンでいうところのロウライトだったのにいきなりカオスダークになって登場したこと。
    • 前者は過敏な人が反応してしまい、後者は理由が描写されなかったので最後のシーンがちぐはぐに感じる人がいた模様。
  • シナリオの終盤にファングとアリンは一体化し、それ以降アリンはファングとしか会話がなく、ファング以外からすれば事実上の死亡といえる展開になるのだが、このイベントを経由した後にしか発生しないサブイベントでアリンが普通に登場し会話に交じっている。

総評

冥界住人向けというコンセプトである「ガラパゴスRPG」の第一弾ではあるが、その実は快適なUI、(大筋は)王道志向のストーリー、バランスの良い男女比率と、意外と万人向けに作られている作品である。
「買うな。俺は買うが。」の普段の方がよほどガラパゴスである
ただ繰り返しになるがこれはあくまで「コンパイルハート製のRPGとしては万人向け」というだけであるため、一般的なRPGと比べてしまうとどうしてもアクが強かったり粗の目立つ出来。
システムとして破綻している所はないので、安心して遊べる出来ではある。
王道的なRPGに飽きた、ちょっと風変わりなRPGをやってみたいというプレイヤーなら十分に楽しめるだろう。

その後

  • 限定版5万本がメーカー完売するなど売上は好調であり、PS4にてガラパゴスRPG第2弾『オメガクインテット』とPS4のリメイク作品『フェアリーフェンサーエフ ADVENT DARK FORCE(アドヴェントダークフォース)』が発売された。
  • 2014年には桜ノ杜ぶんこよりノベライズ『フェアリーフェンサーエフ ~砂塵のマントを纏う者たち~』が出版された。
    • 作者は鐘弘亜樹氏*3。他には『小説 仮面ライダーディケイド』(監修は井上氏)を執筆している。
  • 海外ではPS3版の他にSteam版も販売された…が、国内購入不可。
    • 検索はできるが、何故か購入ボタンが押せない仕様である。また代理店などから有効化キーを買っても日韓のIPから接続中は登録を拒否される(IP偽装などの非合法対応が必要)など、PCユーザーから大いに問題となった
    • 現在でも改善されてはいないが、同社のその他タイトルは「あなたの国では購入出来ません」とエラーメッセージが表示されるため販売元の設定ミスの可能性が高い。いずれにせよ日本ユーザーが買えない事実は返す返す惜しまれてしかるべきだが…。
    • 下記のADFがsteamで販売されたためこちらを買う理由は最早ないものの、こちらは未だにおま国のままである。
  • スマホアプリ「メガミラクルフォース」に、本作のティアラが登場する。

フェアリーフェンサーエフ ADVENT DARK FORCE

【ふぇありーふぇんさーえふ あどう"ぇんと だーくふぉーす】

ジャンル RPG

対応機種 プレイステーション4
Windows7/10
Nintendo Switch
メディア BD-ROM 1枚
発売元 【PS4】
 パッケージ版:コンパイルハート
 ダウンロード版:アイディアファクトリー
【Switch】アイディアファクトリー
【Win】Idea Factory International
開発元 コンパイルハート
発売日 【PS4】2015年11月5日
【Win】2017年2月14日
【Switch】2019年6月27日
定価 【PS4】
 通常パッケージ版:6,980円(税別)
 ダウンロード版:6,600円(税込)
 リミテッドエディション:8,980円(税別)
【Steam】2,050円(税込)
【GOG】$19.99
【Switch】4,620円(税込)
備考 公式サイト
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 良作
その他 シナリオ、エンディングの追加
コンパイルハートでは珍しいオープニングアニメ
ガラパゴスRPG
フェアリーフェンサーエフ(ADVENT DARK FORCE) / オメガクインテット
Death end re;Quest(2) / 竜星のヴァルニール / アークオブアルケミスト

概要(ADD)

  • 『フェアリーフェンサーエフ』をPS3版より遊びやすく、新規シナリオまで追加したPS4版。
  • 邪神編や魔神編の新規シナリオを追加し、新要素が多く追加され、ブラッシュアップした。
  • PS3版でも人気があった「マリアノ」、完全新規キャラの「ノイエ」が仲間になるようになった。
  • 参加キャラが増えたのに加え、前線メンバーが6人に増え、色々なキャラが使用可能となっている。
  • さらにエフォール、マリアノ、ロロ、ハーラーなどのエンディングが多数増加された。

評価点(ADD)

  • 後半部分がほぼ同じボリュームのものが2つ追加され、かなりボリュームアップしている。
    • 分岐条件は、特定の段階までに邪神に刺さった剣を何本抜いているか。女神は何本抜こうと影響しない。
    • 女神編は原作のシナリオそのまま。しかし後述するように、そっくりコピーしたわけではなくちゃんと手が入っている。
    • 邪神編は「中盤に邪神が復活してしまったら」という前提のストーリー。このストーリではシャルマンが主人公となる。ファングもいるが、ストーリーの関係上若干加入が遅い。とはいえ彼の復帰後はダブル主人公状態となるため、どちらかが空気になるといった事はないので安心。
      • 余談だがこのシャルマンは意外と好色なので、当分一緒に行動するヒロインに手を出されないか心配するプレイヤーもいるが、各ヒロインのエンディングはファングとしかないため安心してほしい。
      • 邪神の影響で、ティアラの口調が悪くなる、ファングが社長になるなど色々なキャラの性格や立場が変化しているというカオスな展開となっている。
    • 魔神編は「中盤に邪神が消滅してしまったら」という前提のストーリー。2周目にしか突入できない、ある意味トゥルールート。実質隠しルートなので、敵が強い。
    • ルートによってエンディングを迎えられるキャラが異なっている。また複数エンディングがあるアリン、ティアラはルートによって別の内容となっている。
    • 最後の仲間キャラ「ノイエ」はPS3版にはいなかった完全新規キャラだが、演じる萩野崇氏の熱演もあり他のキャラに負けず劣らずの濃さを披露してくれる。
    • 中盤以降に手に入るフューリーは、それぞれ入手方法が変化しているが入手自体は可能である。
  • 強制敗北戦闘の敵が大幅に強化されており、周回プレイでも勝てない敵ばかりとなっているため、説得力が増している。たまに倒せないが倒されない程度の強さの敵もいるが…。
  • 原作の問題点であったグラフィックの粗さ、フレームレートの低さがPS4になったことで大幅に改善されている。
  • ダッシュ機能が搭載されたことで移動の遅さも改善された。
    • この関係か敵の移動速度もやや速くなり、敵に追いかけられた時はダッシュ移動でないと逃げ切ることが難しくなった。また、ダッシュ中に敵にぶつかった場合は敵に先行されてしまうのでややアクションが難しくなった部分もある。
  • 原作で説明不足だった点について説明が追加されている。
    • 目立ったところだと、上記の無印版の記事でも問題点に挙げている「ヒロインが体を売ったのでは?」「何でシャルマンは暴走したのか?」といった点。もちろん前者は誤解であった。
  • 難易度が追加されてやりこみ要素が増えた。
    • 更にアップデートで最高難易度「HELL」と最低難易度「AMATEUR」が追加された。
  • 人数が増えたのに合わせて、戦闘バランスもしっかり調整されている。
  • 一度でも参戦した仲間は周回後にパーティに加入したままにする事ができる。
    • その為、ルートによって誰が最後までいるかなどは変化するが、2周目限定ルートのキャラ以外はWPなどに致命的な差は出づらくなっている。
    • この関係上、前線メンバーがイベントでパーティを抜ける場合は後衛に移る事になる。
  • コンパイルハートのゲームではリメイク作品でもレベルキャップ解放が有料DLCなのがお約束だったが、本作では無料アップデート。
    • それ以外の原作の有料DLCも大半がゲーム内で手に入るようになっている。

問題点(ADD)

追加シナリオの難易度が高め

  • 2周目限定である魔神編はともかく、邪神編は普通にプレイしていてもプレイヤーの選択次第で突入してしまうが、最初は仲間が少なめと厳しい条件で始まる。
  • 一方、女神編は邪神編に比べると難易度は低めだが、慣れているプレイヤーにとっては条件が面倒(内容自体は無印と同じ)
    • ただ、これは初プレイであったり、邪神編の条件が満たせないような不慣れなプレイヤーは女神編へ、無印をクリアして慣れているであろうプレイヤーは邪神編へ選り分けたものだとすれば納得はいく。
  • 前述の条件もあって基本的に「取り返しが付かない」。ルートの分岐は意識してプレイすれば調整できるが直前に選択が出来るわけではない。よって準備が整っていない状態で難易度の高いルートに突入するとかなり苦労する。

イベント関連

  • 女神編でスタッフロールをスキップすると最後の後日談までスキップされてしまう。一度目はいいとして2回目以降にキャラエンドを見ようと思うと毎回スタッフロールを見るハメになる、邪神編、魔神編はスキップしても後日談を見る事ができる。
  • エンディングを見た際に全てのイベントCGが埋まってしまうバグがある。複数のエンディングでこの現象が起きた報告があるため、発生条件は不明。
  • 邪神編、魔神編では何故かストーリーが進んだ時に以前見たものと同じサブイベントが、新規イベント扱いで登場する事が多い。
  • 上記の通りシャルマンなどの説明不足は解消されているが、アリンのサブイベントに関しては発生時期も含めて未修正。
  • キャラクターの扱い・問題点
    + ネタバレ注意
  • 女神編正規メンバーであったガルドは、本作では良いとも悪いとも言えない微妙な扱いを受けている。
    邪神編では敵として出てきた後一度も加入する事なく途中で死亡、魔神編では序盤にファングを庇って自爆しそのまま永久離脱*4してしまい、彼の妖聖であるマリサだけNPCとしてパーティに同行する。その後再登場するが、敵に拷問を受けており、とある敵幹部が秘密裏に治療していたため延命できていたという悲惨な状態で発見される*5
    特定のルートで加入しない、死亡するキャラは他にシャルマンとアポローネスがいるものの、前者は上記の通り邪神編主人公、後者は邪神編正規加入かつ女神編隠しキャラのため、ここまで酷い扱いをされているのは彼一人である。魔神編でマリサだけ同行するなど明らかにわざと離脱させられている感すらあるが理由は不明。
    もっとも、邪神編・魔神編共にシナリオ面では大きく目立っており、その点では女神編よりも遥かに優遇されていると言える。女神編では加入イベント以降は大きな活躍・出番もなく、マリサに至ってはボイスイベントにほとんど絡まない空気のような扱いであった。

装備・衣装関連

  • キャラ再加入時に装備が初期化される。戦闘1回分の離脱でも装備が初期化されるため、いちいち再装備しなければならない。
    2周目以降のキャラ永続加入状態でも再加入する度に装備が初期化されてしまう。にもかかわらず何故か衣装は変化しない。
  • アクセサリが一種類につき10個までしか所持できない。
    • マリアノ、ノイエの追加でパーティメンバーが11人になったにもかかわらず、所持数限界に変化が無い。レベリングの際に取得経験値の増える「成長促進のお札」が一人だけ装備できないなど不便。
  • 装備・アイテムの入手時期の設定が極めて雑。
    • 一例を挙げると、魔神編中盤のダンジョンで「プラチナの胸当て:104/45」を入手できるとする。
      しかし、このダンジョンに出入りできるようになる頃には、「プラチナの胸当て」よりも遥かに高性能な「アテナの聖服:190/250」が既にショップに並んでしまっている。属性耐性の上下等の特性もないため、完全下位互換のこれを今更入手する必要性がほとんどない。
      合成も同様で、とある防具の合成が解禁させる頃にはより高性能な防具が既に販売されている等、雑な調整が目立つ。
    • アクセサリーに至ってはショップの品揃え・合成レシピが女神編終盤で止まってしまい、魔神編の最終盤まで更新されない。
      同社のねぷねぷシリーズやアガレスト戦記等と比較すると、本作は合成システムが全く練り込まれていない印象である。
  • 邪神編、魔神編ではファング、ティアラ、ハーラーの衣装が立ち絵含め別カラーになるが、何故か初期衣装まで色が変わる。例えばティアラは衣装が「スカイフリル」になるが、何故か初期衣装の「フリルドレス」までスカイフリルと同じカラーになり、フリルドレスは周回するまで実質的に消滅する。

その他

  • エネミー情報が役に立たないという点は修正なし。それどころかルートが増えた結果同じ名前でステータスやドロップ品だけが異なるモンスターがルートを跨いで出現するようになり、一層ややこしさが増してしまった。
  • steamの日本語版では、一部妖聖の台詞字幕が日本語訳されていない(音声は日本語)。

賛否両論点(ADD)

  • 戦闘システムは特に進化していない。
    • メンバーが6人に増えた以外はあまり新しい要素がなく、良くも悪くもFFFのブラッシュアップである。
      • 元が相応に完成されているので、下手にいじらないでもいいとも言える。コンパの新システムは微妙なことが多いので…。

総評(ADD)

元が良作のものを、特に下げずに真っ当にパワーアップさせた品。ストーリーの量も実質2倍に。なので、破綻している点はない。 一方で、いくらか追加された要素はあるものの、大筋は無印と大差ないシステムであるため、目新しさに欠けると言える。 いずれにせよ、しっかりと作りこまれてボリュームも十分、と「フェアリーフェンサーエフの完成型」と言える作品となっている。
その為、本作の評価は、新規プレイヤーにとっては良作、前作をプレイしたプレイヤーにとってはそうでもない可能性がある、といった所だろうか。本作単品で見るなら、良作と言えるだろう。

その後(ADD)

  • 2017年2月14日にてWin(Steam/GOG)版が日本を含めて同時に発売開始された。おま国ばかりだったコンパイルハートのゲームとしては快挙である。
    • その一方サンプルとして紹介されているCGでエンディングのネタバレをするという問題が起きている。
  • 2019年1月には海外のアイディアファクトリーより、Nintendo Switch版がリリースされた。
    • その約半年後となる2019年6月27日には、『フェアリーフェンサーエフ ADVENT DARK FORCE for Nintendo Switch』として国内版もリリースされた。
    • 既にフリープレイで配信されたPS4版や頻繁に特価セールが行われているSteam版と比較すると割高感もあるが、Switch版には有料DLCが全て入っている、携帯機でお手軽に遊べるなど、他機種版にはない利点もある。
  • 2022年9月15日には、続編である『フェアリーフェンサー エフ Refrain Chord』が発売された。対応機種はSwitch/PS4/PS5。
    • 2023年5月24日にはWin(Steam)版も発売された。

余談(ADD)

  • 通してみると、「シャルマンは邪神が優勢な世界ほど幸せになっている」という何とも可哀想な結論に落ち着いた。
  • 本作発売から1年後の7月21日に新IP『IDEA FACTORY INTERNATIONAL』第1弾『クロバラノワルキューレ』がプレイステーション4で発売され、さらに2年後の3月1日に『ガラパゴスRPG』第3弾『Death end re;Quest』がプレイステーション4で発売される事も発表された。

移植版(ADD)

  • Windows(Steam/GOG.com)版
    • 2017年2月14日配信開始。販売元はIdea Factory International
      • 現在購入可能なバージョンの中では最も安価。
      • 固定60フレーム対応が売りだが。全編60フレームにこだわらなければSwitchと同等程度なIntel内蔵GPUでもプレイ可能な軽量タイトル。
      • 英語版の逆ローカライズな仕様の為か、極一部のアイテム説明が英語字幕のまま。
      • 飛翔石の効果消失バグが残ったバージョンの移植で、修正も無いのが難点。
  • Nintendo Switch版
    • 2019年6月27日配信開始。販売元はアイディアファクトリー。
      • 正式名称は「フェアリーフェンサー エフ ADVENT DARK FORCE for Nintendo Switch」
      • 他機種では有料だったものを含む、追加DLCを全て収録。
      • 最適化不足による処理落ちが多い為、TVモードでのプレイが推奨される。

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  • PS3
  • PS4
  • RPG
  • ACT
  • 2013年

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最終更新:2022年10月10日 11:20

*1 ただ邪神と女神のデザインイラストは完全にFF風

*2 ちなみに涼村暁を演じた萩野崇氏が『~Advent Dark Force』の新キャラ、ノイエ役のCVとして起用されている。

*3 井上敏樹氏の実の娘であり、本名(井上亜樹子)でも「HUGっと!プリキュア」や「ゲゲゲの鬼太郎(第6作)」などの脚本に参加している。

*4 魔神編の仕様上、2周目のメンバー引継ぎをしておけば戦闘メンバーとしては残る

*5 この際ガルドの部分だけ影になって見えないイベントCGが挿入される、つまり相当痛々しい外見になっている事が窺える