アレサ

【あれさ】

ジャンル RPG
対応機種 ゲームボーイ
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売元 やのまん
開発元 日本アートメディア
発売日 1990年11月16日
定価 3,800円
判定 なし
ポイント 『アレサ』シリーズ第1作目
当時としては珍しい女性主人公


概要

  • 『アレサ』シリーズはGB版3作、SFC版2作と出ているがこちらではGB版の方について説明。
  • 魔王ハワードにより滅ぼされたアレサ王国の王女マテリアが、ハワードを倒すため旅に出るというのが物語の大筋。
  • 当時としては珍しい、主人公が女性である作品。

キャラ紹介

  • マテリア
    • 主人公。ハロハロの町で育ての親・フロイドと一緒に生活していたが、自分が魔王ハワードに滅ぼされたアレサ王国の王女である事をフロイドから聞き、アレサ王国を復興して生き別れの双子の妹・エミリータを助け出すため旅に出る。
    • 攻撃力は低めだが防御力は高い。また特定の武器を装備すると魔法も使えるようになる。敵にやられるとゲームオーバー。
    • 今作では幼い外見に反してビキニアーマーを着用している。
  • シビル
    • サリダの村に住む戦士。マブーテの地下牢に閉じ込められていたがマテリアに助けられ、サリダの村で仲間に加わる。
    • 攻撃力・防御力ともに高い。戦闘の主軸。
  • ドール
    • サンゴの洞窟で師匠・ウルウルと共に修業を積んでいた魔法使いの少年。マテリア達が来訪した事で仲間に加わる。
    • 彼の正体は物語の後半で明かされるとともに、後のシリーズに皆勤賞を果たす伏線となっている。
    • 攻撃力・防御力ともに低いがフォース(呪文)を使いこなす。
  • エミリータ
    • マテリアの双子の妹。ハワードに囚われている。
  • 魔王ハワード
    • アレサ王・リパートンの叔父で、かつて地下世界を治めていたがリパートンに反逆、リパートン夫妻を殺害する。そしてアレサ王国を暗黒の国・アーテラ王国に変えてしまった。
    • GB版シリーズ通してのマテリア達の宿敵となる。

特徴

  • 魔法「ファイアボール」を使いモンスターを倒すとモンスターをカプセルに入れることができ、一戦闘だけだが仲間として使うことができる。
  • またイベント用アイテムは大半が店で売られている。
  • そして禁断のデバッグアイテムも存在し、使うと全員のレベルが100になるため経験値稼ぎのための戦いが無用になる…はず。
    • デバッグアイテムは後のシリーズにも隠しアイテムという形で登場し、プレイヤーの助けになる効果を秘めていた。
  • GBソフトながら、一部フォントに漢字が使用されている。

評価点

  • 今作限定だが、主人公・マテリアは特定の武器を装備する事で魔法が使える。
    • 中盤で2人旅をかなり長い間続けるため救済措置とも見て取れるが。
  • 武器を装備する事で出る「テクニカルヒット」も武器によっては5回連続攻撃になるなどの効果を持ち、決まると快感。
    • 前述の「ファイアボール」も一撃必殺呪文としての側面を持っておりボスにすら当たるため、難易度の高さの隙を縫うようなプレイヤー側の快感も高い。
  • 行き先に困ったとしても移動中にマテリアが「独り言」という形でヒントを喋るので迷う心配は少ない。
    • ある特定のアイテムはマテリアの独り言でヒントを得る事が獲得のフラグになっていたりもする。
  • GBソフトながら、同種のモンスターでも単純なグラフィックの使いまわしはせず、細かいオブジェクトを追加・変更する事で差別化している。
    • 武器を持ったり目の色が変わる(人型モンスター)、複数の大きさの違う球体の配列を変えて人魂のようなモンスターを表現する(ウィスプ系)など。
  • この時期のRPGにしては珍しく、8方向に移動可能で障害物を自動的に避けて移動する「ファジーシステム」まで搭載されている。移動スピードもかなり速く快適。

問題点

  • こちらのレベルが上がるとレベルが下のモンスターは(アイテムを使わない限り)出てこないので経験値・金稼ぎがし辛い。
    • 特徴で挙げたデバッグアイテムもそういう観点からするとザコと戦いにくくなるので不便。
    • もっともそこまでレベルが上がったらもう次に進んでいいという推奨レベルに達したということなので、エンカウントもなくなる親切設計と捉えることもできる。金稼ぎに関してももともと敵から入手できる金額はしれているので大きな問題にはならない。
    • 一応固定ザコとは何度も戦うことが可能である。また、敵を呼び寄せるアイテム使用することで一応経験値・金稼ぎはできる。
    • ラストフロアに出てくる最高レベルの最後のザコ敵はこちらが最高レベルになっても出てくる上、得られる金額もなかなか高額なのだが当然そこまで行ってしまえば無意味である。むしろ他の場所でもモンスターが出現するようになり邪魔である。
  • イベント用アイテムは店で売られているという都合上、武器防具を買うことを優先するとイベント用アイテムが買えず詰まる危険性もある。
    • またアイテムを売れる店自体も限られた場所にしかないため不用品を売って金稼ぎはしにくい。上述の通り敵から稼ぐことも難しい。
    • 本作の資金は基本的にダンジョンの宝箱から入手することになるが、物価が高いので武器防具をきちんと揃えていくと足りなくなってしまう。むしろ使うとHPが全快する高額の「キャンプセット」を買うために必要なもの以外極力買わないようにしなければならない。
      • 武器はせっかく買っても最低ダメージ(LVと同じ数値)しか与えられないことも多く、「テクニカルヒット」で5回連続攻撃できる武器(実質マテリアとシビル用に1つずつ)さえ買えば十分で、あとはマテリアの最初の武器と「魔法が使える剣」ぐらいしか役に立たない。
      • 防具に関しても装備していなくても敵は最低ダメージしか与えられないことが多く、防御数値自体にあまり意味がない。それどころか装備すれば素早さが下がってしまうためむしろないほうがよい。最強装備に関しては素早さが下がらないためこれだけで十分である。
  • 物語の途中でドール(唯一デフォルトで魔法が使える仲間)が離脱し、長いことマテリアとシビル(仲間の1人。根っからの戦士系)だけで戦わなければならず苦戦を強いられる。
    • 本作は宿の値段が高額な上に満室で泊まれないこともあるというリアル仕様のため、回復魔法が使えるドールの離脱はかなりの痛手となる。
    • これを早々に解決するにはエンカウントがなくなるアイテムを使用して最後の町まで行き、「魔法が使える剣」をマテリアに装備させるという少々強引な方法がある。さらにイベントを飛ばしてドール再加入イベントを先にやってしまうという方法もある。
      • 「関所」的ポイントが、ドールが一時離脱する「ハワードの門」以降はほとんどなく、「マピスの光」(効果中は敵とのエンカウント率を0にする)や前述のファイアボールと組み合わせるとドール加入イベントを先に起こせてしまうため。
    • 全体的にフラグ管理が甘く、複数のダンジョンに同時期に入れてしまうため、攻略順を変えるとイベント的におかしなことが多々起こってしまう。そもそも長期離脱自体ゲームバランス的に問題である。
  • 主人公のマテリアは攻撃力もシビルほど高くなく、魔法は特定武器装備でしか使えないためいまいちな強さなのに、やられたらゲームオーバー。
    • 特に序盤、サリダの村でシビルが仲間になるまでは1人旅を強いられ、バスコ地方(サリダの村がある)前の橋に立ちふさがるボス・トクマン相手に何度も倒される事もしばしば。戦闘中に回復アイテムが使えない仕様も辛いため、レベル上げで対処するしかできないゲーム最大の難所でもある。
    • シビルが仲間になるまでは最初の町でフロイドに無料で回復させてもらえるためそれを利用して「敵が出なくなるまで最初の街入り口付近でレベル上げ」を繰り返すことになりがち(新しく出てきたザコ敵は世界のどこでも出てくる仕様になっている)。敵から受けるダメージは多めなのでこの往復を何度も繰り返すことになる単純作業を強いられる。
  • 上述の「テクニカルヒット」の5回連続攻撃は一部のザコ敵も使用することができ、発動したとたんに死人が出ることになりかねない。復活のための値段も高額なため(主役なら即ゲームオーバー)、このような敵に出会ってしまったら即逃げ、レベルが一段上のダンジョンに駆け込み、新しい敵と戦うようにした方が安全である。
    • 敵味方共に5回連続攻撃はさすがにやりすぎである。変化に乏しい単調な戦闘とあわせて戦闘バランスにも問題がある。
  • 状態異常が複数あるにもかかわらずそのほとんどが実質「一定時間行動不能」と同じでありあまり複数ある意味がない。
    • 唯一違いがあるのが「混乱」なのだがこれも「ひたすら自分を攻撃する」という単調なもの。
    • このようなこともあり敵の行動パターンは限られている上に、ひたすら通常攻撃で最低ダメージばかり繰り出す敵も多く、戦闘は非常に単調である。
  • 結局今作でハワードと直接対決することはなかった。最終戦も大量のモンスターと連続戦闘を行うというダルいものである。
    • 上述の「テクニカルヒット」の超攻撃力などを考えるとハワード一人を出してもすぐ終わってしまうので(本作の最大敵HPは味方と同じ1000である)このような仕様にしたのであろうが、あまりに安直な解決方法である。
    • 連続戦闘の最後にハワードとの対決を持ってくるということもできたはずだが既に続編製作をにらんであえて対決させなかった可能性もある。次作では敵最大HPも大幅に増えよりボス戦らしさを演出できている。
  • 「マテリアの独り言」でマテリアは「○○のトリデに行ってみようっと!」などとゲーム中で聞いたこともないはずのダンジョンの名前を毎回突然口にする。
    • そしてプレイヤーは毎回その言われたダンジョンをひたすら攻略していくことになる。
    • イベントアイテムが普通に町で売られていることと考え合わせてもシナリオ的にかなりのやっつけ仕事と言わざるを得ない。当然ストーリー性も薄い。
  • ダンジョン構造が後半になるほど複雑になっていき迷いやすい。洞窟では急に床からトゲが出てくるトラップが複数あり、ビクビクしながら歩かされるハメになる。
  • お金がない上に物価も高いのに敵を倒しただけでは、お金はもらえない。ダンジョンか敵の落とす宝箱から取らなければならない。
    • なのでゲーム開始後まずキャッシュディスペンサーでお金を借りなければならない。中世ヨーロッパ風の世界観の中でキャッシュディスペンサーで借金って・・

総評

第1作目という事もあり、荒削りな部分は多く見られるが、凝ったグラフィックやデザイン、モンスターごとの細かいオブジェクトによる差別化、8×8ドット内での漢字表記、8方向移動に障害物自動避けといった当時他社がやらなかったことを先駆けてやった意欲作である。
一方で不親切なゲームシステムや単調なバトルシステム、シナリオ面でのやっつけ仕事など欠点も多くある。
システムの不親切さから起こる初見殺しの要素が、高難易度を招いているが、知っていればなんなくクリア可能であり、進めやすさは大きな長所である。
このように長所と短所が混在する尖った作品であり決して名作とはいえないが、他のゲームでやらないことをやった先進性は高く評価されるべきことであり、だからこそ後のシリーズ化に繋がっているといえる。
GBで3作以上続編の出た数少ないシリーズであり、その後舞台を一新したSFC版シリーズに至る「アレサ」シリーズの系譜はここから始まったのである。

その後の展開

  • その後はGBで続編が2作作られ、全てでマテリアは主人公として続投し続けた。
    • ただし次作以降では魔法も使えなくなり、「主人公なのに防御力以外イマイチの強さ」から抜けられなかった。また続編が出るたびにマテリアの服装の露出度が下がっていったので、それに不満を抱いたプレイヤーもいたとか。
    • ドールはSFC版アレサに至るまで「皆勤賞の仲間」として出演し続け、シビルはマテリアの妹・エミリータと結婚してアレサ王となり、続編では最終局面に現れおいしいところを持っていく(3作目では妻のエミリータと一緒に)とんでもない奴として名を残した。
  • 次作では本作の弱点だった戦闘とイベントに関する問題点は改善されているが、基本システムは本作とほとんど同じである。
    • 制作スタッフはさまざまな試みを盛り込んだ本シリーズに自信を持っていたのか1でハワードとの直接対決を避け、2で倒した後にさらにエンディングに続編への伏線を張るなど当初からシリーズ化への構想を盛り込んでいる。
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