高2→将軍
【こうに しょうぐん】
ジャンル
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チャレンジノベル(恋愛シミュレーション+サウンドノベル)
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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アスク
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開発元
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リズミックス
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発売日
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2000年10月26日
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定価
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4,800円(税抜)
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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配信
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ゲームアーカイブス:2010年12月8日/628円(税込)
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判定
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バカゲー
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ポイント
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無茶なジャンルカップリング サウンドノベル部分だけは良い
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概要
当時流行の恋愛シミュレーションとサウンドノベル(タイムスリップ戦国物)を合わせたアドベンチャーゲーム。
学園編のテストの成績とヒロインが戦国編に影響する。
ストーリー
ある日は女の子と喋り、ある日はテストに追われる。
そんなどこにでもある高校生活を送っていた主人公。
だが、高校2年のある日、突然気を失う。目が覚めると彼は戦国時代にいた…。
バカゲーとしての特徴
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恋愛シミュレーションと戦国ノベルという異色のカップリング。
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学園編でのテストの成績が戦国時代に反映され、選択肢やシナリオが増える。
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戦国時代は木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)の部下となり信長を支える「王道編」、秀吉の立場となり織田家を足掛かりに天下統一を目指す「覇道編」の他、学園編での成績とヒロインの好感度により派生シナリオが増える。
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派生シナリオもまた切り口が異色。
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一子相伝の殺人拳継承者となる「拳聖編」
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宣教師と一緒にキリスト教を布教する「宗教編」
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鉄砲商として戦国時代を裏から牛耳る商人となる「商人編」
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海賊に拾われ水軍の参謀として宝探しをする「海賊編」
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現代美術を持ち込み画家として生きる「芸術編」
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1560年代の墨俣一夜城から1582年(場合によってはそれより少し後)の本能寺の変まで20年ほど戦国時代にいることになるが、主人公は一切年を取らない。
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TIPS(用語情報)に適当なものが多数存在し、ネタが放り込まれている。
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「わざわざ解説する必要はない」「これを現代でやったら犯罪である」「この場合、文字通りの意味である」などなど。
評価点
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タイムスリップ戦国ノベルとしては戦国時代の所説を上手く取り入れまとまっており、どんどん先を読みたい気持ちにさせられる。
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登場人物は主人公を含め半透明なモデル、背景は細かく書かれたCGと、サウンドノベルとして定着したスタイルを踏襲している。
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木下藤吉郎はかなり好意的に描かれ、上司にしても部下の意見を重んじるコミカルな武将、部下であっても他者を尊重し場を和ませる好人物となっている。また他の人物についても現代的な要素が加えられ感情移入しやすい。
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歴史上の出来事について全般的に軽く描かれ、人物との交流が重視されている。しかも武将たちは窮地に大慌てしたり、主人公の見当外れの発言でもフォローしてくれるなどコメディ要素が強い。
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「光秀の謎」について『高2→将軍』ならではの解釈があり、明智光秀も好感の持てる人物にまとまっている。
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光秀の秘密についてネタバレ
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明智光秀は本人ではなかった。江戸時代からタイムスリップしてきた徳川吉宗の家臣で、タイムスリップしたときに本物の明智光秀を事故死させてしまった。光秀が死んでしまったら徳川幕府が出来ないと危惧し、光秀に成り代わり史実通りに物事を進め、織田信長の暗殺を企てた。
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学園編で成績を上げることで戦国編の選択肢が増える。この選択肢がタイムスリップ物の醍醐味である現代知識の過去への持ち込みとなる。
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理科を上げていれば墨俣の一夜城を築く際、映画スクリーンを応用した影絵のアイディアを提案できる。
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国語や社会を上げていれば信長を説得し、大方の戦で無駄な争いを起こさず終わらせられる。
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戦国編は進行状況がフローチャートで開示されていき、たどったルートならどこからでも再選択可能。
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一部のエンディングでは、信長の生涯に大きく関与した事により人生の目標を大きく持って生きようと人生観を改める。まさかの恋愛シミュレーション部分否定。
賛否両論点
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「王道編」「覇道編」が長く読みごたえがあるが、派生シナリオはあっさりと終わり、学園編で派生シナリオを出すためにやった苦心が報われるとは言い難い。
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ただ、派生シナリオはヒロインとの関係が密なので学園編のヒロインに対して思い入れが出る。
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エンディングが135種類あるがそのほとんどがバッドエンドないし中途終了。
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「戦が起こったが行動を間違えて死亡するバッドエンド」というのは良い方で、ひどいものだと「町で物乞いをしてお金をもらおうと演歌を歌ってみたら、歌唱力を見込まれ歌の道に入ってしまう」「バカなことを言い過ぎて信長を怒らせ斬られる」「現実逃避」など、突拍子もない終わり方もある。
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これらのエンディングがリスト化されコレクション要素になっている。
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学園編でのテスト問題(クイズ)の内容の難易度が科目ごとに違う。
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小学校の教育を受けていれば答えが分かるものから、少し専門的な知識がないと全く分からないもの、制限時間内に答えるのが難しいものまで様々。
問題点
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キャラクターは男を含め、完全にハンコ絵。違うのは髪形のみ。絵もはっきり言って下手。
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主人公との会話の内容が薄く、戦国時代を挟んでヒロインとのエンディングを迎えても全く感情移入できない。
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むしろ、戦国時代に出てくる現代ヒロインとよく似た娘との関係の方が濃く描かれている。
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ところが、ほとんどのストーリーでヒロインと対比させた娘とは結ばれないためガッカリする。
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高校1年から2年2学期までの期間、毎月三択の選択肢を選びヒロインの好感度を上げるが、どの選択をしてもその後の会話が同じで、好感度が上がった場合のみ翌月に登場する。
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一回選択を間違えると男キャラになり、フラグが消滅する。
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会話が成立しない、冗談としか思えないセリフで好感度が上がる場合がある。
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ひと月ごとにセーブができるので、セーブ&リセット必須。
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主人公がヒロインと接する態度がぞんざいかつ変態的。
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メインヒロインの幼馴染キャラに対して顕著で、彼女は主人公に対して昔からの友達と思っているのだが、主人公は腐れ縁と思っており内心毒づく。
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乗馬部に入ったメインヒロインに対して主人公は「じゃじゃ馬が馬に乗ってどうするんだ」
ボーイッシュヒロインの部活勧誘に対しての選択肢に「もしかして、ナンパ同好会とか?」
猫好きのロリ系ヒロインに対しての選択肢に「猫を抱くより僕が抱きしめる方が温かいよ」
お嬢様ヒロインに対しての選択肢に「君が美しすぎるから…」
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学園編は無駄にボイス付き。戦国編ではボイスは一切ない。
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高校2年に上がり、成績が一定数を超えるとヒロインとのストーリーを無視してタイムスリップが起こる。
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成績と好感度上げの単調な学園編を基礎として戦国編が存在しているため、学園編と戦国編のバランスが非常に悪い。
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エンディングコンプリートのためには、学園編の最初から成績と好感度を意識して進めなければならない。
総評
タイムスリップ物のサウンドノベルとしては非常に面白いのだが、無理に挿入したとしか思えないギャルゲー要素が足を引っ張り、一部のもの好きしか手に取らなかった作品。
しかし、現在ゲームアーカイブスで安価に購入できる点を考慮すれば値段以上の価値はあり、惜しい名作…かもしれない。
最終更新:2023年04月21日 21:13