光と闇の姫君と世界征服の塔 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル
【ひかりとやみのひめぎみとせかいせいふくのとう ふぁいなるだんたじー・くりすたるくろにくる】
ジャンル
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世界征服RPG
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対応機種
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Wii(Wiiウェア)
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発売・開発元
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スクウェア・エニックス
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配信開始日
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2009年6月30日
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定価
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1,000Wiiポイント
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判定
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なし
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備考
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現在はWiiウェアのサービス終了に伴い購入不可
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ポイント
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小さな王様と約束の国の姉妹作品 魔王視点のタワーディフェンスゲーム シンプルかつ爽快感のあるゲームデザイン スクエニらしくDLCは高額
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ファイナルファンタジーシリーズ
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クリスタルクロニクルシリーズ FFCC / RoF / LK / EoT /
LD
/ TCB
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概要
FFシリーズの派生作品であるファイナルファンタジー・クリスタルクロニクルシリーズの5作目。
主な略称は『FFCCLD』(My Life as a Darklord)。
本作は、いわゆるタワーディフェンスと呼ばれるジャンルのゲーム。
塔に登ってくる冒険者達を追い返すため、プレイヤーは魔王となって塔の階層を設置していき、様々なタイプのモンスターを配置していく。
やがてやってきた冒険者と戦わせ、モンスターを強化したり随時階層を追加したりして、塔の最上部に登らせないようにするのが目的。
3作目の『小さな王様と約束の国』と世界観を共有するゲームであり、同作品のキャラが敵としてゲスト出演する。
また『小さな~』との連動要素もあり、そちらのデータがあると、最後に出てくる王様の名前が、自分が同ゲームでプレイした時につけた名前になる。
特徴
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魔王の娘・ミラとなったプレイヤーは、ネガティブポイント(以下NP)を消費して塔に階層を追加し、魔王の塔を構築していく。冒険者達が塔に登ってくるため、それを阻止するためにそれぞれの階層にモンスター召喚して防衛体制を整える。モンスターはレベルを5まで強化することが出来る(ただしカルマで各モンスターの上限をあげる必要あり)。
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初期NPは一部ステージの報酬として増えていくものである。戦闘中に任意でNPを回復させることは基本的に出来ないが、冒険者を撃破することでボーナスとして回復していく。
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カルマという値があり、このカルマによって塔の階層を作れる上限を増やしたり、モンスターのレベルアップ上限をあげることが出来る。これも戦闘後の報酬として手に入るもので、クリア済みのステージを再度攻略しても手に入る。
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冒険者達は一定間隔で塔の攻略を目指してやってくる。1階層ごとにモンスターは0~3まで配置することが可能だが、冒険者は1人のみが留まって戦闘をする。
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冒険者はモンスターを全員倒すか、冒険者ごとに設定されている滞在時間が経過するまで戦闘を続ける。
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2人、3人と同時に攻めてきた場合、その人数以上の階層を作らないと最上階のすぐに登られてしまい、即座にゲームオーバーとなる。
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戦闘は本家FFと同様にATBを採用しており、ゲージが溜まったキャラが1回ずつ攻撃を加えていく。滞在時間の間、これを延々と続け、滞在時間が切れると戦闘が終了する。
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各階層にはHPが設定されており、モンスターがいなくなるか、特殊なスキルを持っている冒険者はこの階層の本体に直接攻撃を仕掛けることができる。階層が破壊されると1段だけ塔が低くなる。
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モンスターがいない場合、冒険者はその階層の特殊効果を1回受け、そのうえで自分も1回攻撃してから上に登る(階層に冒険者に対し効果を与えるものがない場合は冒険者だけが攻撃して登る)。
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戦闘キャラクターにはそれぞれ属性があり、格闘、射撃、魔法、回復、汎用の5種類が存在する。格闘、射撃、魔法は3すくみの関係にある。この属性は階層のアーティファクト(防衛・支援効果)にも適用される。DLCを抜きにすればモンスター側は各2種類、含めれば各5種類(回復のみ3種類)存在する。以下はデフォルトのキャラだけ記載する。
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格闘系は射撃系に対し強いが、魔法系に弱い。
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ゴブリン:平均的な性能を持ち、足はやや早め。
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ベヒーモス:足は遅めだが、火力は高い。
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射撃系は魔法系に対し強いが、格闘系に弱い。
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スコーピオン:足は遅いが火力はなかなか。
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オチュー:足はかなり遅いが火力があり、なおかつ状態異常・毒を相手に与えることが出来る。
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魔法系は格闘系に対し強いが、射撃系に弱い。
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ボム:足は早いが火力は低め。しかし格闘タイプにはその連射が脅威となる。
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つかいま:足は遅いが火力が高く、ダイレクト攻撃を阻止するガード効果を持つ。しかしダイレクト攻撃が可能な射撃属性のシーフや狩人との相性が悪く、活用しづらい。
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汎用系は特に特殊な攻防の効果を受けないが、火力もなく防御力もない。
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ムー:デフォルトでは最速で攻撃出来るモンスター。しかし火力に乏しくHPも少ない。素早い連続攻撃による時間稼ぎに有効。
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シェード:火力や足は並だが、ダイレクト攻撃を阻止するガード効果を持つ。タフさはそこそこ。
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回復系はタフだが、味方モンスターを回復させることしか出来ず、攻撃は出来ない。ただし攻撃しなくとも階層に残っていれば冒険者はモンスターを倒すために居残る。
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サボテンダー:足が早く、こまめに回復してくれるモンスター。ただしサボテンダー自体はやや脆い。
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スフィア:仲間の攻撃力をあげる魔法、ブレイブを使用することが出来る。回復役としてはサボテンダーに一歩劣る。
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これに加えて冒険者側にはダイレクトに階層に攻撃を加えることが出来たり、滞在時間が極端に短いキャラがいる。
評価点
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ゲームテンポが非常に良い。
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攻撃はそれぞれモーションが異なるが、モーション時間は双方どれも同じくらいであるため、戦闘を見ているだけながらスムーズに進んでいく戦いは見ていて爽快感がある。
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特に格闘系キャラの打撃音は良い意味で痛々しく、眺めるゲームでありながら爽快感はある。
それとSっ気のある人はその欲も満たされることだろう。
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シナリオは単純化され、控えめながらもそこそこ各キャラに感情移入出来る程度になっている。
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ムービーゲーなどと言われるFFシリーズとしては比較的珍しく、会話もそこまで引っ張らない。戦闘中に会話イベントは発生しないのでゲームの流れを阻害することもない。
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運ゲー要素が一切なく、クリアのための戦術がある程度は決まっているので、プレイヤーの頭次第で攻略出来る点。
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塔の建築、モンスターの召喚に使うNPの初期値や、撃破によって入手出来るNPはそのステージを攻略するための最低限の分しか入らないため、ゴリ押しプレイがしづらく、各ステージやりごたえがある。
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DLCが用意されているが、追加ステージ以外はこのゲームを楽しむためには一切必要がないものであり、趣味レベルに収まっている点。
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ただしモンスターやアイテムなど、購入すれば戦略の幅は広がり、攻略は楽になる。
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例えばステージ1の時点はモンスターを手に入れてないため部屋の罠だけで冒険者を倒すことになるが、DLCを買うと最初からモンスターを召喚できるため高速クリアも可能。
問題点
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1,000円ということを加味しても全体的にボリューム不足。
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特にステージ数は不足気味で、頑張れば1日で即クリア出来てしまうレベルである。物足りない人からするともはや拡張ステージの購入は必須レベルになっている。
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パズルゲームに似た性質なので、1度クリアすればもう同じステージをやる気になる可能性は少なく、この少なさはかなり深刻。
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DLCを入れないと、モンスターは各カテゴリー2種類ずつしかおらず、戦略の幅がやや狭い感が否めない。これだけでもクリア自体は出来るのだが、若干マンネリ感が生まれてしまう。
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DLCの値段が内容に反してややお高め。
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こんなにするくらいならもう少し本体の値段をつり上げて欲しかったというくらいである。とはいえ、なくても良いものなのである意味バランスはとれているか。
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ミラ達のセリフパターンが貧相。感嘆の声しかないうえにあまりにもパターンが少ない。
総評
ゲームとしては比較的良作であるが、その面白いゲームシステムに反してボリューム不足なのは痛い難点。
しかし魔王になって冒険者をいたぶるというゲーム性はやはり小気味良く、プレイしていて楽しいゲームであることは疑いようがない。
現在はWiiウェアのサービス終了に伴い新規に購入することができないのが惜しい。
最終更新:2023年10月05日 19:53