XZR 破戒の偶像
【えぐざいる はかいのぐうぞう】
ジャンル
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アクションRPG
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対応機種
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PC-8801mkIISR以降、MSX2
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発売・開発元
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日本テレネット
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発売日
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1988年8月
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定価
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8,800円
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判定
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バカゲー
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ポイント
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ヤレ。ゼッタイ。(という訳でもないが) 12世紀にコンビナート 800年後の最強最悪の敵!
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概要
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イスラム世界が舞台という異色のARPG。
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いろいろおかしいイスラム世界。
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パワーアップアイテムは麻薬!
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XZRと書いてエグザイルと読む。かなり強引だが。
ストーリー
※一応、史実を元にしているが、いろいろと違う。
7世紀に起こったイスラム教は、アラブを席巻。ついにイベリア半島からペルシャに跨るイスラム国家、サラセン帝国を誕生させる。だが、時代と共に主導権争いが勃発。正統派と異端派に分かれ、サラセンは正統派セルジュク朝のものとなる。
一方、追いやられた異端派。その中に過激な思想を持つ"ASSASSIN"という組織があった。闇に潜む暗殺集団"ASSASSIN"。その首領、シャイフのサッバーフは、セルジュク朝打倒を決意。バグダッドへカリフ殺害のため、選りすぐりの四人の暗殺者を送った。だが、四人は行方知れずとなる。
やがてサッバーフの息子、サドラーに命が下る。四人を探し出し、共に使命を果たせと。サドラーは単身、バグダッドへ向かうのだった。
特徴
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トップビュー、サイドビューの二つのパートからなるARPG。
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トップビューのパートはADV。町や山、砦などに向かうと、このパートになる。一般のRPGのように店に行ったり、人から話を聞いたりはこのパート。ただ戦闘は発生しない。
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サイドビューのパートが戦闘パート。ダンジョンに入ると、このパートになる。
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他にアジトのパートがある。このパートは地図が表示され、その中から向かう町や山、砦を選択する事になる。セーブもこのパート。
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章別のようなスタイルで進むストーリー。
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MAP単位で話が進んで行く。MAP内のストーリーが解決すると、次のMAPへというスタイル。
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ただ先に進んでしまうと元のMAPに戻れない。アイテムを取り忘れて詰まるという事はないが、支障が出る場合はある。
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サイドビューのパートでは、サドラーを操作して戦う。
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仲間がいるのだが、戦うのはサドラーだけ。仲間はストーリー上でしか絡まない。ゲームとして絡んでくるのは、魔術師のファキールが魔法を教えてくれるくらい。
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サドラーは下左右移動とジャンプができる。ジャンプは空中制御可能。また梯子があると登れる。
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攻撃は剣での突きとしゃがみ突き、それとジャンプ時の下突き。この下突きはかなり威力が大きい。
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更には全5種類の魔法も使えるようになる。選択した魔法を剣の先から撃つことができるが、MPを消費するため、ここぞという時に使いたいもの。
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敵は地上を這いずっているものから、飛び道具を撃つ者、飛んでいる者と様々。ボスももちろんいる。
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「麻薬」でパワーアップ!
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シャブ、アヘン、マリファナ、コカイン…。聞いた事くらいあるだろう。本作に出てくる薬の名前である。
間違っても本作の真似をしてはいけません。
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麻薬によって一時的にパワーアップ(ものによってはパワーダウン)ができるのだ。効果は様々。また組み合わせて使う事もできる。
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ただし、忘れてはいけないのが副作用。所詮麻薬である。効果が切れると副作用が必ず出る。ほとんどのものはしばらくすれば元に戻るが、ものによっては即死する事も。こんな危険なものなので、副作用対策の薬を忘れないこと。
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もっとも現実の麻薬とは違い、常習性がついて止められなくなったりはしない。
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ちなみになぜ麻薬なのかというと、「ASSASSINの暗殺者は麻薬によって恐怖を麻痺させ、勇猛果敢な戦士となった」という伝説が元になっているため。
素晴らしきXZRの世界。
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麻薬でパワーアップ。
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確かにASSASSINとしては関連がない訳ではない。しかしイスラムの知識がほぼ無かったであろう多くのプレイヤーにとっては、「ぶっ飛んだシステム」にしか見えなかった。
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イスラム世界を舞台とした異色作。その世界観も斬新! ……を通り越しておかしい。
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12世紀に紙巻たばこがある。(19世紀の発明)
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イスラム教徒なのに、露出度の高いヒロイン。
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トルコ帽をかぶっている仲間。(19世紀の採用)
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情報集めのためとはいえ、ユダヤ教の洗礼をあっさり受ける主人公。
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上記のようなおかしな点は、当時のゲームとしては目くじらを立てる程のものでもないだろう。この程度のいい加減さは、他にもある事はある。だがこれで終わらないのが本作。
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20世紀の合成麻薬が12世紀にある。
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流通している貨幣は何故か「ドル」。
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12世紀のアラブにサーカス。
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ナチスが12世紀にいる。パレスチナゲリラもいる。
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石油コンビナートが12世紀にある。しかも河川汚染により奇形魚が発生している。
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さらに最後に待ち受ける強大な2体のサタン。(ネタバレ有り)
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とうとう使命を果たし、セルジュク朝のカリフを倒すサドラー。だがカリフは2つの懸念を最後に残す。一つは迫るモンゴル帝国軍へどう立ち向かうか。そしてもう一つは800年後に現れるイスラムの強大な敵の事だった。
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やがてサドラーは、イスラム、いや世界の敵、サタンを倒すため、アラーの力によって800年後に飛ばされてしまう。
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そこにいたサタンとは…「ソビエト社会主義共和国連邦の書記長」と「アメリカ合衆国の大統領」だった。サドラーは二人を暗殺。サタンを見事討ち倒し世界を救ったのであった。
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評価点
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全体的にスムーズに進む。稼ぎをする必要もほとんどない。
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アクションゲームとしてそこそこ遊べる。対象機種がアクションに不向きにしては悪くない出来。
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難易度もそう高くない。苦戦するようなら、回復アイテムをたくさん持ってごり押し的な突破もできる。
問題点
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せっかくの麻薬システムがあまり意味がない。
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ARPGなので、パワーアップしている間だけ戦闘するという都合のいい戦いができる訳もない。
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さらに本作は魔法がかなり強力で、ボス相手でもこれで十分。副作用のある面倒な麻薬を使う必要がない。
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所持アイテム数が少ない。
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アイテム保持数は最大20個まで。しかも捨てられないキーアイテムも数に含まれるため、話が進めば進むほど、アイテムを持つ余裕がなくなっていく。これも麻薬を使わなくなる理由の一つ。
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上に攻撃できないので、状況によっては身動き不能になる事も。
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梯子を上っている時、敵が頭の上に来ると先に進めない。上に攻撃できないので倒す事もできない。さらに敵も上下には攻撃できないので、膠着状態になってしまう。段差のある所や梯子の出口などで、敵に上から被さると、リセットするしか手段がなくなる事がある。
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トップビューパートで、分りにくい通路がある。
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普通の通路なのに、ぱっと見では隠し通路にしか見えない状態。もう少し配慮が欲しかった。
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魔法が強すぎるため、後半はボス戦は結構あっさり。
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むしろパートが進むとザコ敵の方が厄介になる。敵は攻撃のバリエーションが増えていく一方、こちらは魔法を無駄遣いする訳にもいかないため。
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大味を通り越して行き当たりばったりなストーリー。
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お使いが結構多い。しかもカリフ暗殺のために選りすぐられた4人は、勝手な事をしてばかり。人選ミスなのではという気にすらなる。
総評
イスラムが舞台という珍しいARPG。ただし世界観はツッコミ所満載。またゲームとしても少々雑。せっかくの麻薬システムはほぼ無意味。ストーリーも支離滅裂な所があり、苦笑いさせられる。
一方、プレイテンポはかなりよく、バランスもほどほど。アクション性も対応機種の性能にしては、それなりに頑張っている。
プロローグこそシリアスな雰囲気があったが、勢いだけでやってしまったかのような作りが全体にバカゲーテイストを持たせてしまっている。もっとも、日本テレネットらしいとも言える作品。
余談
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PCエンジン版・メガドライブ版も出ているが、中身はまるで違う。実は、PCエンジン版・メガドライブ版は本作の続編である『XZRII』をベースにしている。やはりラストの2体の怪物が問題だったのだろうか。
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また、PCエンジンではさらにオリジナルの続編として『XZRII 邪念の事象』という作品も発売された。
最終更新:2021年06月25日 21:18