くまのプーさん 100エーカーの森のクッキングBOOK

【くまのぷーさん 100えーかーのもりのくっきんぐぶっく】

ジャンル クッキング・シミュレーション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 ディズニー・インタラクティブ・スタジオ
開発元 グッド・フィール
発売日 2011年9月15日
価格 5,040円(税込)
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント くまのプーさんのデジタル絵本 & 料理レシピ集
雰囲気ゲー・レシピ集としては及第点
ボリュームが少ないのが難点
ディズニーシリーズリンク


概要

  • ディズニーが誇る人気キャラクター『くまのプーさん』を題材としたニンテンドーDSソフト。
  • ジャンルとしてはデジタル絵本鑑賞・及び料理レシピ集がメインとなる。レシピ製作は料理研究家である田中しょうこ先生が勤める。
  • オートセーブ方式(一部任意あり)。DS本体は常時縦持ちであり、操作はすべてタッチで行う。一部ボイス付き。

主なモード・ルール

ゲーム初期時ではネームエントリーが求められる。登録したネームは、ゲーム内におけるプーさんがプレイヤーに対して呼んでくれる形となる。

  • プーさんとパーティのお話
    • 「デジタル絵本」と「料理作り」が楽しめる、本作におけるメインモード。全15エピソード構成で、ゲーム初期時から好きなエピソードの選択が可能。
  • エピソード選択後、まずはアニメーション・ボイス入りのデジタル絵本によるプチエピソードを読んでいく。
    • 特にこれといったストーリー分岐やミニゲーム的なものはなく、完全一本道でページが進む。ページをすべて進み終えればエピソード終了。
    • 絵本表示中には「隠れプーさん」という絵柄が、エピソード毎に4つ隠されている。隠れプーさんをすべてタッチした状態でエピソードを終えると、ご褒美アイテムが1個入手できる。
  • 各エピソード終了後は、3~4種類の「料理作り」イベントをプレイしていく。
    • イベントは実物の料理レシピ紹介を交えながら、ミニゲーム感覚で一部の調理過程をゲーム内で行う。各料理のレシピ紹介・及び調理すべてを終えるとイベント終了。
    • 調理には成功・失敗の判定があり、それらの総数によって「金」「銀」「銅」のスタンプが押してもらえる。スタンプによっては何かのご褒美アイテムが1個入手できる。
  • 見て試して楽しくお料理
    • "プーさんとパーティのお話"で行った料理作りイベントを、料理単体で行っていくモード。全50レシピ。
      • 「簡単さで選ぶ」「ジャンルで選ぶ」「材料で選ぶ」「パーティーで選ぶ」の4カテゴリーがあり、そこからプレイしたい料理作りを選択できる。
      • デジタル絵本が省略されている事以外は、"プーさんとパーティのお話"と大方同じ内容。各料理を終えると、その都度に何かのご褒美アイテムが1個入手できる。
  • レシピ集
    • 料理作りイベントを省き、レシピのみを鑑賞できるモード。レシピやカテゴリーなどの内容は"見て試して楽しくお料理"と全く同じ。
  • お菓子のおうち
    • 様々な素材を組み合わせ、鑑賞用お菓子のデコレーションを行っていくモード。保存できるお菓子のセーブデータは5箇所。
      • まずは土台となるお菓子(3種類)を選び、そこから色々なアイテムを飾り付けしていく。一部のアイテムは配置制限あり。
      • ゲーム初期時では土台も含め、ほとんどの素材は選択できない。上記モードで入手したご褒美アイテムが増えるにつれ、素材の数も増加していく。
      • 完成したお菓子は絵本風の表示がされる。お菓子の作り方によっては背景に専用アニメーションも発生する。

評価点

  • 雰囲気ゲーとしては上々な部類。
    • 所々にプーさん達によるボイス入り会話があり、プレイヤーを"ほっこり"とさせてくれる。
      • プーさん以外にも、ピグレット、ラビット、ティガーといったキャラも登場し、彼らもボイス付きで喋ってくれる。
    • "プーさんとパーティのお話"の各エピソードが非常に癒される。原作をそのままゲームに当てはめたといっても過言ではない程に…。
      • 派手さや盛り上がり感がある訳ではないが、ひたすらに和みを重視したエピソードの数々は一見の価値あり。
      • 流石にディズニゲーの一角だけあって、キャラ達のアニメーションは非常に滑らかに動く。まさに「喋る・動く・和む」の三拍子が揃ったデジタル絵本である。
      • 優しいBGMの数々も各エピソードの雰囲気にマッチしており、さらなる癒し空間を演出している。
  • レシピ集としても"なかなか"の出来だが…。
    • 著名な料理研究家が関わっているレシピ集だけあって、レシピの解説は丁寧で分かりやすい。
      • ただ事務的な調理過程が記載されてるだけではなく、「この過程は○○○がポイント」「他の材料で代用してもOK」的な補助説明がされている心配りが嬉しい。
      • "プーさんとパーティのお話"や"見て試して楽しくお料理"では、ミニゲーム感覚での一部調理過程がプレイできるので、実際の料理においてイメージが描きやすくなっている。
  • "お菓子のおうち"で素敵にデコレーション。
    • デジタル絵本とレシピ集に触れた後は、"お菓子のおうち"でデコレーションするお楽しみが待っている。
      • グラフィックデザインは非常に優秀で、色々な素材を好きに飾っていくのが楽しい。完成後のお菓子はアニメーションが発生し、お菓子を"ぼんやり"と眺めるのも一興。
      • しかし、飾り付けできる箇所に結構な制限がある故に、ある程度飾り付けをし尽してしまうと似た様なデコレーションに偏ってしまいがちなのが難点。

問題点

  • アメリカンパーティ的な料理情報がメインな為、一般的な料理のレシピ集はあまり期待できない。
    • 海外版はなく日本でしか発売されていないソフトにもかかわらず日本独自の王道料理がほぼ収録されておらず、あくまでもパーティ向き特化のレシピ集である。王道料理を作りたければ、他のDSレシピ集ソフトの方が適任だと思われる。
    • 調理のハードルはやや高く、数分で作れる即席料理は皆無。大半の料理は要オーブンなので、キッチン環境によってはまともに作れない可能性もある。
  • 総合的にボリュームが少ない。
    • デジタル絵本としても、レシピ集としても、そこそこのクオリティを持っている本作だが、ボリュームという意味では決して優れているとはいえない
      • 15エピソードで構成された"プーさんとパーティのお話"でプレイできる各エピソードは、デジタル絵本だけだと3分前後・料理作りイベントを含めても15~20分位で終わってしまう。
      • 料理の総レシピ数は全50種類と、この手のレシピ集ソフトとしては大分少ない。上記で述べた敷居の高さの件もあり、バリエーションに富んだ料理を作るのに適した内容とはいい難い。
        ゲームタイトルの「100エーカー」という表記を見て、100種類のレシピが収録されていると勘違いする方も多そうだが、残念ながら50種類ぽっきりである。
      • 後は「プーさん達とのボイス付き会話を楽しむ」「"お菓子のおうち"のデコレーション」位しか楽しめる部分がないので、早々とゲーム全般をプレイし尽せてしまう。
  • システム周りが少し不親切。
    • 演出重視な影響なのか、他のゲームではあって当たり前な機能が搭載されていない。
      • ゲームを起動すると必ず、20秒程度のプーさんからの挨拶イベントが発生するが、これがスキップできない。即座にゲームを始めたいプレイヤーにとっては、地味に不便に感じるかもしれない。
      • "プーさんとパーティのお話"の各エピソードを始めてしまうと、後戻りやページ前送りができない。エピソードを間違って選んだ・もしくは隠れプーさんを見逃した場合においては非常に面倒。
    • 料理レシピ集としてみても、色々と不親切な面が目立つ。
      • 音声認識によるページめくりができない為、実際に料理を作るには"あらかじめ"レシピを覚える(メモする)か、料理を作りながらタッチ操作をする必要がある。
      • "見て試して楽しくお料理"でのレシピ紹介はミニゲーム感覚の調理過程が入るので、すぐにでも料理を作りたい場合においては過程が邪魔になってくる。
        しかし、レシピ集におけるレシピ紹介は先述モードでは表示されていた"絵柄による料理説明"が省かれており、調理感覚のイメージがし辛くなってしまう。
    • その反面、エピソードを終えると、すぐに他のエピソードや"お菓子のおうち"へと進める親切機能もあり、決して何から何まで不親切という訳でもない。

総評

  • ボリュームという面では残念ながら褒められるものではないが、プーさんの雰囲気ゲーとしては非常にレベルが高い一作。デジタル絵本やレシピ集としての出来も及第点だと思われる。
  • プーさんファンならばコレクターズアイテムとして入手するのもアリかもしれない。

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最終更新:2020年10月25日 22:43