ポケモンバンク

【ぽけもんばんく】

ジャンル ユーティリティ
対応機種 ニンテンドー3DS(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ゲームフリーク
配信開始日 2013年12月25日(配信再開日:2014年1月22日)
定価 無料(利用券は年間500円)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント オンラインポケモンボックス
使い勝手に大きな問題は無い
ポケットモンスターシリーズ

概要

ポケットモンスター X・Y』(以下XY),『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』(以下ΩRαS)ら、ポケモン第6世代以降対応のDLソフト。3000匹のポケモンを預けられる、ゲーム本編とは関連性のないツール寄りのソフトである。
ダウンロードは無料だが、利用するには利用券(年間500円)を購入する必要がある。
また仕様上、本作の操作中は常にインターネットへ接続し続ける必要がある。

2016年11月発売の新作『ポケットモンスター サン・ムーン』(以下SM)や、バーチャルコンソール版『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』も2017年1月25日に対応された。
2017年11月20日には『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』(以下USUM)、バーチャルコンソール版『ポケットモンスター 金・銀』に、2018年1月26日からVC版『クリスタル』にも対応された。

2020年2月12日配信のクラウドサービス『Pokémon HOME』が配信された。同日に本作もアップデートされ、ひっこし機能が追加された。
『Pokémon HOME』を経由することで、本作から最新作である『ソード・シールド』へとポケモンを連れていける。


特徴

  • 利用するには料金を払う必要がある。
    • もっとも年間500円(月42円相当)と安価であり、低年齢層のお小遣いでも十分払える額だろう。
      サーバーの管理や維持に必要な経費だと考えれば、有料でも妥当、むしろ良心的との意見も多い。
    • またシナリオクリアや図鑑完成に必須ではなく、それらを楽しむだけならそもそも買う必要はない。
  • 『XY』『ΩRαS』『SM』『USUM』から3000匹のポケモンを預けることができる。
    • 収容量は、本作と同内容のゲーム『ポケモンボックス ルビー&サファイア』の2倍。
      • ただし『XY』『ΩRαS』から『SM』『USUM』に一度でも送ると戻す事は不可能なので注意。『XY』『ΩRαS』から操作する際、引き出すことができないポケモンは、ポケモンバンク側(上画面)のポケモンアイコンの背景が白くなる。
    • ちなみにボックス管理人は『ポケモンボックス』と同じくアズサ。
  • 一応ジオラマ機能があった『ポケモンボックス』と違い、本作に娯楽性は皆無。
  • ボックスはニンテンドーネットワークIDに紐づいており、一つのIDで複数のソフトから保存と引き出しができる。
    • 海外版のソフトからのポケモンの出し入れも可能。
  • 預けたポケモンの数に応じて、ポケマイル(『XY』『ΩRαS』のみ)かBPを各ソフトに送ることもできる。
  • 利用券の更新は、期限から14日以下の場合に購入できる。利用券が切れそうになると、本体に登録されているニンテンドーネットワークIDのメールアドレス宛にお知らせのメールが届く。
    • 公式サイトでは「 有効期限が切れた後に一定期間放置したままだと預けたポケモンは消えてしまう 」とアナウンスされている。ただし、数年間放置していてもデータは消えていない場合もあるため、猶予期間はかなり長い模様。
      • 猶予期間があるとはいえ、心配な場合は忘れずに利用券を更新しておく事を推奨する。
    • 利用券の期限を過ぎてしまっても、機能が制限された状態で使用することはでき、預けていたポケモンを引き出すことができる。ポケモンを引き出すだけなら再度利用券を購入する必要はない。機能をまたフルで使いたくなった時に改めて購入することも可能。
  • 2017年1月25日のアップデートで、『SM』同士での出し入れ及び『XY』『ΩRαS』から『SM』への転送も可能となった。また、第六世代以降の全バージョンの図鑑閲覧機能や各種レコードの確認機能も追加された。
    • 図鑑については、連動させた全てのソフトの完成度が合算される。
      • 捕まえたことのあるポケモンについては、図鑑テキストも各バージョンのものを閲覧できる。ただし『XY』『ΩRαS』の図鑑は無条件で読むことができるが、『SM』『USUM』の図鑑を読むには該当のソフトを一度でも連動する必要がある(連動させたことがあれば、以降閲覧だけならソフトは不要)。
      • また、海外産についてもいずれかのソフトで一度でも入手していれば、各バージョンにおいてその言語での説明を読むことができる。
    • 同年11月20日のアップデートで『USUM』にも対応した。
  • ゲーム本編と異なり、日本語ではひらがなと漢字の表示を設定した後は切り替えが出来ない。
    • どうしても変更したい場合は本体設定にてセーブデータごと削除するしかない(ポケモンはサーバーで保管されているので影響はなく、再ダウンロードも容易に可能)。

評価点

  • 3000匹ものポケモンを預けられるので、ソフトでのボックス容量不足を解決できる。
    • 『XY』『ΩRαS』では930匹、『SM』『USUM』では960匹まで。これだけあれば充分に思えるが、特定のポケモンを大量に集めたり、いわゆる「厳選」を行って大量のポケモンを孵化していくとまず足りなくなる。
    • 100個あるボックスも10種類にジャンル分けできるので、整理するのも容易。
  • 使用可能になる条件が大幅緩和された。
    • そのソフトで使用可能になる条件が「図鑑をもらう」だけなので、すぐ使用可能になる。
    • 従来のような「ポケモンセンターでレポートしていないと使用不可」という条件もなく、どこでセーブしていても使用することができる。
      • ただし詰み対策のためか、手持ちのポケモンの移動や転送は行えない。
  • 引っ越しツールとしても優秀
    • 従来の外部保存ツールでたびたびあった「おや」の違うポケモンの引き出す条件が特にない。そのため、メインロムからサブロムの輸送がゲーム開始直後から行えたり、大量のポケモンを一度に移し替えることも可能。
      この仕様により図鑑完成の引き継ぎも一瞬で終わる。『XY』『ΩRαS』では交換が1匹あたり1分なので、全国図鑑完成に必要な約700種を移動させるのに半日近く費やすが、こちらを使えばものの数分ですべて移動できるので劇的に楽になる。
  • 豊富な検索機能で預けたポケモンを探すことも可能。
    • ポケモンの名前や技、特性などでの検索は本家にも備えつけられていたが、本作では「おや」「色違い」「ポケルス」などでも検索可能。
    • その他にもレベルやステータス順での並び替えも可能。
  • 適当にポケモンを預けておくだけでポケマイル・BPを貰える。
    • 両方とも正攻法で稼ごうとすると時間がかかりがちだが、これを使えば放置するだけで溜まるので好評。
    • ただし引き出す際には貯まっている全額を一気に引き出すことになる。また1BPが10ポケマイルと換算される為、最低10ポケマイル以上溜まっていないと引き出せない。
    • ちなみに一度に貰える上限は65535ポケマイル(6553BP)となっている。年単位で放置したりしない限りはそこまで貯まらないので気にする必要はない。
  • 管理人アズサの一枚絵も好評。
  • 不定期的にポケモンシリーズ本編と連動した配信イベントが開催されている。過去に開催されたものは下記の過去の評価点を参照のこと。
+ 過去の評価点
  • 一度利用するだけで、入手困難だった幻のポケモン・セレビィが入手できた。特別な技「てかげん」も覚えている(2014年9月30日で配布終了)。
    また、隠れ特性持ちのメガニウム・バクフーン・オーダイル・レジロック・レジアイス・レジスチル(第6世代)・ジュナイパー・ガオガエン・アシレーヌ・ナゲツケサル・ヤレユータン(第7世代)が手に入る機会も。これら11匹の隠れ特性はこのイベントで解禁された。
    • これら12匹は配布入手のポケモンにしては珍しく、自身がおやになるためニックネーム変更可能。
    • このうち、第6世代で配布されたポケモンはソフトのボックスに直接送られる為、 ステータスの厳選は不可能 。第7世代では「ふしぎなおくりもの」と同様に配達員から受け取るようになり、厳選可能になった。
  • 2017年1月25日から、『SM』から一度利用するだけで、幻のポケモン・ミュウ専用のZクリスタル「ミュウZ」が入手できた(2017年10月2日で配布終了)。
  • 期間限定だが、無料で30日間利用券が配布されていた。また『Pokémon HOME』対応時にも、『HOME』配信から30日間の間は機能が無料で全開放されていた。
    • 後述のポケムーバーを利用するにはこちらを介す必要があったため、ポケモンバンクは不要だが旧作からのポケモンの輸送はしたい、というトレーナーはタダで輸送することができた。

問題点

  • 起動時に読み込み内容が多い上に長い。
    • 使用ソフトを切り替える場合も、一旦ネットを切断して再接続することになるので時間がかかる。
  • 3DSにポケモン本編のソフトが挿入されている状態か、もしくはSDカードにDL版のソフトがないと利用できない。
    • ソフトがなくても起動はできるのだが、ソフトがない状態でスタートしようとすると「ソフトがありません」と表示され、タイトル画面に戻される。
      • そもそも本編と連動するツールのため仕方がないわけではあるのだが、利用券の更新だけしたい場合でも必要なソフトを差し替えるなどの必要があるので不便である。
      • 後述のポケムーバーに対応するソフトが入っていても、それだけでは利用できない。
  • ボックスについて
    • 通常のボックスと違い、ポケモンに道具を持たせて預けることが出来ない。持たせている道具は強制的にバッグに戻される。
    • また、ポケモンのタマゴを預けておくこともできない。
      • 道具やタマゴを別のロムとやりとりしようとすると3DSが2台以上必要となり、1対1の通信交換でチマチマやっていく必要がある。サブロムの道具を移したい場合や、不要なタマゴの処理に困る*1
      • もっともタマゴを預けられない件に関しては、プレイアビリティへの配慮とも取れる。タマゴのままでは中身が判別できないので、バンクにいくつもタマゴがたまると、何のタマゴか区別できなくなってしまう*2
    • 下画面に使用ロムのボックス・上画面にポケモンバンクのボックスが表示される都合からか、使用中はタッチ操作が不可能となる。
    • ボックスのジャンル分けは、ボックス1つずつ登録する必要がある。おまけに操作手順もややこしいため、複数のボックスを特定のジャンルへ登録しようとすると大変に手間がかかる。
  • 『ΩRαS』で初登場した技を覚えているポケモンは『XY』へ、『USUM』で初登場した技を覚えているポケモンは『SM』へ引き出せなくなる。
    • 具体的には伝説系の専用技で、これらを覚えていても預けること自体はできるが、データが無い『XY』『SM』へは転送できなくなる。
    • そのため、それらの技を覚えているポケモンを『XY』『SM』に転送するには、本編側でわざを忘れさせる必要があり、本編やこのソフトを再起動させる事になるため手間がかかる。
    • 当然ではあるが、『USUM』で初登場したポケモンや「きみにきめたキャップ」のサトシのピカチュウを『SM』へ送ることはできない。
  • 本作で預けることができないポケモンがいる。
    • 『ΩRαS』で登場した、おきがえピカチュウは預けること自体できない。そのためデータが存在していない、『XY』『SM』『USUM』へ送ることもできない。
      • 『USUM』で入手できるぬしポケモンも預けることはできるのだが、『SM』のデータ上に存在しない『USUM』で初登場したぬしポケモン*3は預けることができない。
  • 図鑑閲覧機能
    • 前述のように、2017年1月25日のアップデートで第六世代以降の全バージョンの図鑑閲覧機能も追加されたが、『SM』『USUM』には全国図鑑が存在しない為か、アローラ図鑑に登録されないポケモン(メガシンカ等も含む)のテキスト欄が空欄になっている。
      • 一応、第六世代のシリーズのテキストは(該当作品を連動させたことがなくても)読むことが出来る。
      • なおゲーム内の図鑑とは違いポケモンの姿は一枚絵しかなく、3Dモデルを回転して鑑賞したり、動きを観察することは出来ない。この点はソフトの容量の都合上でもあると考えられる。
      • 勿論この図鑑はポケバンクの機能であるので、閲覧するにはインターネットに接続できる環境が必要。
  • ポケマイルが貯まっていると、バンクを利用する起動する度に引き出すかどうかの選択肢が表示され、一度見たら表示しないように設定する事ができない。
  • ボックス内での作業を途中で中断した場合、サーバーがロックされて暫くの間操作できなくなってしまうが、通信エラーなどの不可抗力の理由でボックスを読み込めなかった場合でもロックされてしまう。
  • 利用券の期限が近い時や期限切れの状態だと、使う度に最初にニンテンドーネットワークとの長めの通信が入った後に利用券の購入を勧める画面が毎回入るため、利用券の更新をせずにポケモンを引き出したいときは時間がかかる。
  • 『XY』『ΩRαS』で預けたポケモンを『SM』『USUM』で引き出す際、前述の通り一度でも送ると戻す事ができなくなるが、そのような警告が一切無い。
    • 『XY』『ΩRαS』から操作する際は『SM』『USUM』で預けたポケモン(引き出せない)のアイコンの背景が白くなるが、逆に『SM』『USUM』から操作する際は背景等の区別が無く見分けがつかない。『XY』『ΩRαS』で使いたいポケモンがバンクにいる際は間違えて送らないように注意が必要。
    • 『Pokémon HOME』でも『ピカブイ』から預けたポケモンを他のシリーズに移動させると二度と『ピカブイ』に戻せなくなるが、こちらは操作時に警告が出る*4
+ 配信当初の問題点
  • 本作の配信日は『XY』発売前から公式サイトで宣伝されていた。
  • 配信日にはこれら2ソフトを待ち望んでいたユーザーが一斉にダウンロードしようとしたため、その日のうちにサーバーが落ちてしまった。
    • その後ニンテンドーeショップは利用制限がかかり、ポケモンバンクらは一時配信停止になった。ポケモンバンク使用に必須な任天堂ネットワークIDの登録を済ませていなかったユーザーが多かったこともある。
      • 影響を受けて、一部のゲームの期間限定DLCが後日再配信される、ということも。
    • 約1ヶ月後に事前報告なしで再配信され、それからはサーバーが落ちることもなく無事に配信再開できた。
      • この騒動は皮肉にも『XY』の悪の組織「フレア団」のボス・フラダリの言葉を体現する結果となってしまった。

総評

ゲーム性は皆無だがツールとして大きな問題点はない。
やり込み派のポケモントレーナーならダウンロードしておくと良いだろう。

その後の展開

  • 2023年3月28日にニンテンドー3DSのニンテンドーeショップが終了して配信停止した
    • それに伴いサービスは無償化となった。(詳細
  • 2024年4月9日にニンテンドー3DSソフトのオンラインサービスが終了するが、本作は例外でサービスが継続する。(任天堂サポート

ポケムーバー

【ぽけむーばー】

判定 なし
ポイント BW・BW2・VC初代・VC金銀クリスタルからポケモンを連れてくるツール
これまでの引き継ぎツールとは違いミニゲームは皆無
正規産を弾いたり、一部の改造産を弾けない問題がある

ポケモンバンクと共通項目は省略


概要(ポケムーバー)

  • ポケモンバンクのメニュー上からDL可能なソフト。ポケモンバンクとは別のソフトとして扱われるが単独でのDLは不可。
    • ポケモンバンクの利用権が有効な状態であれば無料でDL可能。
  • BW』『BW2』(以下第5世代)、及びバーチャルコンソール版『ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ』(以下初代VC版)『ポケットモンスター 金・銀・クリスタル』(以下金銀クVC版)からポケモンを連れてくるツール。ポケモンバンクのメニュー画面からDLすることができる。
  • 対応ソフトのボックス1に預けられたポケモンのみをまとめてポケモンバンクの「てんそうボックス」に転送できる。
    • これにより、第3世代のポケモンを「第4世代のパルパーク→第5世代のポケシフター→ポケムーバー」と経由することで、手間こそかかるが連れて行けるようになった。
  • 当初は第5世代専用だったが、後にVC版からの転送も可能となった*5。VC版から転送したポケモンは『SM』『USUM』でのみ引き出すことができる。
    • パラメーターの仕様(個体値など)が現行作と異なるため、転送した際に元のきそポイントや個体値は無視され*6、個体値のいずれか3ヵ所が最大(いわゆる3V)となる*7。それ以外の部分はランダムなので、4V以上になる可能性もある。特性は隠れ特性で固定(第7世代で隠れ特性が存在しないポケモンは通常特性のまま)。性格は獲得経験値を25で割った余りで決定される。
    • ステータス画面にはVCで入手したことを示すゲームボーイ風のマークが付けられ、入っているボールはモンスターボールで固定される。トレーナーメモでも「懐かしのカントー(ジョウト)地方からやってきた」と言う表記になる。
      • なお『金銀クリスタル』から転送したポケモンは、カントー地方で捕まえたポケモンでも「ジョウト地方」表記になる。
    • VC版ではニックネームの「ヘ」と「リ」に平仮名とカタカナの区別が無いが、ポケムーバーでは前の文字でどちらかを判断する。
      • 原則カタカナと扱われるが、前に「ヘ」「リ」以外の平仮名(「っ」を含む)がある場合は平仮名になる。
  • 後のバージョンアップで他国語や漢字に対応した。『ポケモンバンク』と異なり、タイトル画面でLボタンを押すことでひらがなと漢字の切り替えが可能だが、言語設定は記録されず終了するたびに元に戻ってしまう。

評価点(ポケムーバー)

  • 1ボックス(最大30匹)ずつまとめて送れる。
    • かつての転送ソフトは6匹単位でしか送れなかったため、大きな進歩となっている。
  • シンプルな設計。
    • ポケモンを送る以外の機能がついていないため、使いやすい。かつてのパルパークやポケシフターのように時間がかかりやすいミニゲーム*8がないのが嬉しい。
  • 一部の不正なポケモンを弾く。
    • バグや改造によってステータスが異常になったポケモンなどは送れない仕様になっている。
    • VC版も例外ではなく、バグで内部データがおかしいポケモンや、本来そのポケモンが覚えない技を覚えている場合は除外される。また、現在のレベルがおかしいポケモン(レベル70未満のミュウツーなど)も送ることはできない。
    • だが、対策が不十分なところも存在する(後述)。
  • 特性の概念が無かったVC版ポケモンから転送した場合、転送されたポケモンの特性は隠れ特性となる。隠れ特性が入手しにくいポケモン*9が欲しかった人には非常にありがたい仕様である。
    • またこの仕様により、アップデート前に一部で危惧されていた「ノーガードじわれカイリキー*10」は実現不可能になっている。
    • 当時の仕様であるVCからの転送であるため、初代や金銀のわざマシンやタマゴ技でしか覚えない技*11を覚えたポケモンを送って、第七世代で使うこともできる。

賛否両論点(ポケムーバー)

  • 道具を送ることができないため、第5世代で集めたアイテムは全て第6世代以降で集め直しとなる。
    • 半減実などの道具は、第6世代以降で通常入手するよりも過去作から送った方が早いものが多いため、やりこんだプレイヤーからすれば面倒なところ。
      • ただし、第6世代以降はノーマル以外のジュエルが入手不可アイテムになっており、不正な改造で量産したレアな道具が送られるなど、そう簡単に道具を送られては困ると言う事情もある。
    • VC版からの場合もボックスに預けているポケモンが持っている道具は送れないのだが、初代と金銀では挙動が異なる。金銀の場合は道具を持ったポケモンは転送対象から外されるが、初代の場合はマスクパラメータ*12ということもあってか持たせた道具は転送時に消えてしまう。うっかり転送元側のレアな道具を消してしまう可能性もある。
  • NGワードがニックネームになっているポケモンは自動的にデフォルトネームに変更される。
    • このNGワードと言うものは日本語のみならず、外国語にも準じた世界的な観点によるもののため、思いもよらないものが強制的に変更されることもある。
    • また、出身ソフトと異なる言語のソフトで進化させて、名前が進化させたソフトの言語のものになっていたポケモンも、出身元の言語のデフォルトネームに変更される。
      • ただし、第8世代以降では進化させたソフトの言語にかかわらず出身元の言語名になるように変更された*13為、Pokémon HOMEへ送る場合は影響は無い。
    • ポケモンの場合、相手から送られたポケモンの名前は原則として変更出来ない為、この仕様の影響は大きい。
  • 従来の世代間通信では秘伝技を覚えたポケモンは連れてこれなかったが、本作では問題なく転送可能。
    • わざわざ忘れさせたりする余計な手間は省けるのだが、VC版からの場合は送り元で進行不可能に陥る可能性がある。
      • 初代の場合は秘伝技を忘れさせる手段がないため、仕方がない部分はある。
  • VC版からの転送時における性格の決定
    • VC版から送る際の、「『現在の経験値を25で割った余り』に応じて性格が決定される」という仕様について公式な説明が一切無い
      • これを知らないと、例えば同じレベルのポケモンを複数捕獲した場合、そのまま転送すると全て同じ性格になってしまう。わざマシンで覚えさせたポケモンを転送したのに狙いの性格ではなかった、ということも起こる。
    • 特に現在の経験値が25で割り切れ、余りが出ない場合は性格が「がんばりや」になる。つまりレベル100のポケモンを転送した場合は一部を除いて「がんばりや」固定になってしまう。
      • 「がんばりや」だと性格毎の能力補正(1.1倍/0.9倍)がどの能力にもかからず、長所を伸ばしたり短所を補ったりできないため、第七世代以前の環境においてはバトルでの使い勝手が極めて悪い。
      • 特に捕獲直後のサンダーやミュウツーをそのまま送った場合は「がんばりや」になってしまう。第七世代以前の環境で戦闘向きの性格を狙うのならば、戦闘や育て屋での経験値調節が必須となる。
        しかし金銀では育て屋から引き出した際の仕様が違う*14ため、細かい調整が戦闘のみになってしまっている。
      • 既にLv100になっている場合は経験値がカンストしているため調整が不可能となる。VC版で愛着を持って育てたプレイヤーにとっては残念な仕様。
    • 一方で性格決定にランダム要素はないため、仕組みさえ理解していれば性格を自由にコントロールできると評価する意見もある。
      使用ルールは制限されるものの、第二世代までしか覚えられない技や高個体値を生かして即戦力にしたり、孵化の親にする場合には大変重宝するだろう。
    • また第八世代以降では、性格毎の能力補正を変更する「ミント」が登場したことで、「がんばりや」等のきのみによって混乱しない性格が最もバトルでの使い勝手が良くなったため、相対的にこの仕様の評価も上がった。

問題点(ポケムーバー)

  • 改造産への対策が不十分で、正規に存在しない色違い*15や、覚えない技や両立できない技を覚えたポケモンなどが送れてしまう場合がある。
    • 例えばver.1.4現在、VC版から色違いのミュウを送れてしまう。VC版で公式配布されたミュウの個体値は全て15(最大値)で固定なので、本来なら色違いにはなりえない。
    • 現在は対策済みだが、第6世代のレーティングバトルで大量発生した、「性格:おくびょうでぜったいれいどを覚えたスイクン」は大きな問題となった。
      ぜったいれいどを覚えたスイクンは当時は映画での配布限定で、その際性格はのんき固定であったため、これらを両立させたスイクンは存在しえなかったのである*16
  • 逆に、イベント配布など正規のポケモンが弾かれてしまうことも。ユーザーからは「『みんなのポケモン牧場』産のフィオネ」や「マクドナルド配布のミュウ」などが挙げられた。
    • 宣伝文句ではポケモンとの思い出について語られていたため、その思い出があるようなポケモンが送れないのは大問題である。
    • 初代VCからは「ネコにこばんを覚えたミュウツー」が弾かれていた(修正済み)。ピカ版以外は普通に技マシンで覚えられるのだが、初期の攻略本では覚えないことになっていた技なので、スタッフが古い情報を鵜吞みにしていた可能性がある。
  • 転送時の仕様。
    • 一度に送れるのはボックス1のポケモンすべて。他のボックスにいるポケモンは送れないし、逆にボックス1の中から選ぶこともできない。
      • ムーバー上のUIでボックス内のポケモンを移動することもできない。ゲーム側で事前に移動しておく必要がある。
    • 『BW2』と違って『BW』はポケモンをまとめて移動することができず*17、VC版はボックス操作が後発作と大幅に違う仕様なので、この弊害が大きい。
    • 転送待機用ボックスは1つしかない。一度ポケムーバーで移動させた後は、ポケバンクを起動させて転送待機用ボックスからバンクの任意のボックスか本編ソフトに移すまでムーバーが利用できない。
      • 転送したいポケモンが1ボックス(30匹)に収まらない場合「ムーバーでBW・BW2から移動→バンク起動して転送を完了させる→BW・BW2を起動してゲーム内で転送したいポケモンをボックス1に移動する→再度ムーバーで移動~」という手順が必要なため、転送したいポケモンが多いプレイヤーは非常に時間がかかる。
        バンクは対応ソフトが本体に認識されていないと起動しないため、該当ソフトがDL版でない場合ROMの抜き差しも必要なのも面倒。
    • そのまま続けてポケバンクを起動する機能もないので、HOMEメニューに戻っていちいち起動しなくてはならない。

総評(ポケムーバー)

改造産と非改造産の成否判定が不十分である等の問題もあるが、転送ツールとしては十分及第点の出来。
過去作の思い入れのあるポケモンを輸送したいトレーナーや、『XY』『ΩRαS』『SM』『USUM』では習得不可能な技を覚えたポケモンを入手したいトレーナーはダウンロードしておくべきだろう。

余談(ポケムーバー)

  • 『ΩRαS』以降のレーティングバトルや公式大会では、一部を除き、過去作のポケモンを送ってきてもそのまま使えない。
    • ここで使用できるのは第6世代で入手された証の『カロスマーク』(及び『SM』以降は第7世代で入手した証の『アローラマーク』)を持つポケモンのみのため、どうしても使いたいなら送ったポケモンを親にしてタマゴから育て直す必要がある。
  • 現在では『XY』『ΩRαS』だけで図鑑完成に必要なすべてのポケモンを入手できるため、ポケムーバーなしで第六世代の全国図鑑完成も可能である。
    • ただし一部幻ポケモンにおいて、日本では第6世代での配布が無く*18、幻ポケモンを含めて図鑑を埋めるには、ポケムーバーが必要となっている。
    • なお、ゲーム内では幻ポケモンは登録しなくても図鑑完成とみなされる(デオキシスが通常プレイで捕獲可能な『ΩRαS』は例外)。
  • VC版『クリスタル』まで対応したことで、GB~3DSまでの全てのポケモン本編シリーズ29作品が(ほとんどが一方通行だが)繋がったことになる。

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最終更新:2024年01月25日 08:46

*1 道具に限れば同世代間であればGTSを利用すれば一台でも輸送できるが、時間がかかる上に条件次第で交換されてしまう事がある。また、他人からすれば検索妨害になる可能性もある。

*2 本編中でも区別はできなくなるわけだが、多くのポケモンを預けられるかわり引き出すのに一手間かかるポケモンバンクでは、この問題がより深刻化する。

*3 具体的にはオニシズクモ・ガラガラ・トゲデマル・アブリボンの4匹。

*4 ボックスに置いた際にポケモンのアイコンや預けられているボックスに「?」のマークが付く

*5 2017年1月25日のアップデートで初代VC版、同年11月20日のアップデートでVC版『金銀』、2018年1月26日からVC版『クリスタル』に対応した。

*6 個体値のみは色違い・性別・アンノーンの姿の判定には使われる。これらの情報は転送後も転送元と同じになる。

*7 幻のポケモンであるミュウとセレビィのみ5V。

*8 パルパークの場合は引き継いだポケモンを草むらや波乗りで歩いて遭遇し、パークボールで捕まえる。ポケシフターの場合は水色のモンスターボールをパチンコのように発射してポケモンに当てて捕まえる。

*9 特にオムスター・カブトプス・プテラ・フリーザー・サンダー・ファイヤー・ミュウツー・メガニウム・バクフーン・オーダイル・オオタチ・ハリーセンの隠れ特性の入手方法は、第5世代のPDWや過去の配信(いずれも現在は終了)を除くとこの方法のみ。ライコウ・エンテイ・スイクンはこの方法で初めて隠れ特性が解禁された。

*10 命中率は30%と低いが当たれば一撃で戦闘不能にする「じわれ」を、お互いの攻撃が必ず当たるようになる特性「ノーガード」と組み合わせ確実に当てるコンボ。改造なしでもダブル・トリプルバトルで味方の技を駆使すれば再現可能だが、非常に手間がかかる上に難易度が高い。

*11 タマゴ技に関しては、ゼニガメのねんりきなど通信対戦では実用的でないものがほとんどであるが。

*12 初代にはポケモンに道具を持たせるというシステムが存在しないが内部データとしては存在する。金銀で道具を持たせたまま初代に送ればそれが維持される。

*13 名前が進化させたソフトの言語のものになっている場合は転送時に自動で修正される。

*14 現在の経験値が、そのレベルに必要な数値にリセットされる。

*15 正規の色違いが解禁されていない伝説・幻のポケモンなど。

*16 第七世代ではスイクンのレベル技に変更があったため両立可能になっている。

*17 HGSSのポケモンいどうに当たるモードで移動させたいポケモンをボックス1に入れることはできる。

*18 海外では配信が行われたので純粋に第6世代産がないわけではない。