ガイアブレイカー

【がいあぶれいかー】

ジャンル シューティング(自称・高速シューティング)
対応機種 Wii U
メディア ダウンロード専売
発売・開発元 ユビキタスエンターテインメント
配信開始日 2013年12月25日
定価 1,890円(税込) ※配信開始当時のもの
レーティング CERO:A(全年齢対象)
備考 2019年6月28日配信終了
判定 クソゲー
ポイント 2013年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
超劣化インベーダーレイフォース?
10年以上前のiアプリSTGにすらほぼ全てで劣る
常時カクカクコマ落ち
ベタ移植にバグを加えて価格は3倍+税
ユーザーとの意識のズレがある開発者、社長の発言
自社製ゲームエンジンのデモンストレーション?
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

  • 2009年に配信開始したスマホアプリ縦STG『グランダリウス ウィング ストライク(Glandarius Wing Strike)』(以下グランダリウス)の移植で、基本ベタ移植にMiiverse対応要素が追加されている。
    • 発売/開発のユビキタスエンターテインメント(以下、UEI)はスマホ向けアプリを開発してきたメーカーで、これが初の家庭用ゲーム機向け作品だった。
  • ダウンロード専売。ちなみに価格はスマホ版(600円)の3倍+税(1,890円)。
    • なお、価格3倍だからボリューム3倍という事は「無い」。Miiverse以外の追加要素は本当に「無い」
    • 価格3倍もだが、DL専売で1,890円(税込)という微妙に10円余る価格設定によくツッコミが入る。
      • 消費税率引き上げ直前の時期なので仕方なかったのかもしれないが、基本的に国内発のオンラインストアは税込みで100円単位になるような調整が可能であり、このような端数が出る価格設定は当時どこもやっていなかった。
    • そして、当時この価格は『ポケモンスクランブルU』(1,800円)を上回る、ダウンロード専売ソフト最高価格であった。
  • このゲームは任天堂が提供している「Nintendo Web Framework」に、UEI開発のHTML5/JavaScriptベースのゲームエンジン「enchant.js」を対応させた「enchant.js for Nintendo Web Framework」で製作されている。
    • UEIの説明には「enchant.jsをWii U上で高いパフォーマンスで最適に動作するようにカスタマイズしたものです。」との事。
  • 自機デザインを始め、名作『レイフォース』(及びその続編)の影響を感じさせる雰囲気だったのだが……。

ゲームシステム

  • 縦スクロールSTGではあるが、自機は『スペースインベーダー』のように左右にしか移動できない。
    • ただし、元となったグランダリウス配信当時の携帯電話/スマホ向けSTGでは左右移動しかできない縦スクロールSTGも多く、本作だけの仕様とは言い切れない面もある。
    • 武器は直進ショットとロックオン追尾ミサイル(レーザーにしか見えないが、公式の紹介によると「ミサイル」らしい)。
    • ロックオンは一度に4体まで可能で、4体を同時にロックオン攻撃すると「チェイン」が発生し得点倍率が上がるようになっている。
    • 「4体までロックオンして追尾レーザーを放つ」「左右移動のみ」「直進ショット」「縦スクロールSTG」という特徴は2001年にドワンゴが開発したiアプリ「STAR EXCEED」と全く同じでありコチラは本作には無いコンテニューが有り、そして本作と違いロックオンとショットもきちんとボタンが分けられているため快適である。もちろん当然ラグやコマ送りは一切ない
  • 全6ステージ、一周エンドでコンティニューは無い。
  • Miiverse連動で、他のプレイヤーのスコア表示や、他のプレイヤーがゲームオーバーになった地点を通過すると1UPする要素がある。
    • ゲーム画面の脇に縦の直線が描かれ、その上に現在位置と他プレイヤーが到達した(ゲームオーバーになった)地点がリアルタイムで表示される。
    • なお2017年11月8日にMiiverseはサービス終了した。

問題点

  • 敵や弾が少し出ただけで、処理落ちどころか「コマ落ち」しカクカクした動きになる。酷い時にはフリーズしたように一瞬固まる。高速シューティングを名乗っているがこれでは「コマ送りシューティング」である。
    • これについては、Miiverseの処理が影響しているとの見方もあり、Miiverseを切れば少しは軽減される。追い越し1UPは貰えなくなるが。
    • なお、コマ落ち発生中はロックオンが機能しない
    • 内容の単調さに比してあまりにも動作が不安定すぎる。「高いパフォーマンスで最適に動作」とは何だったのか?
  • 元がタッチ操作前提だったものを、パッド操作向けにまったく調整していない。
    • 自機操作については慣性があり、さらに画面端に行くと遅延が酷くなる。チョン避けのような操作が非常に難しい。
    • ショット発射とロックオンはボタンが共通で扱いづらい。撃ち分け不可能ではないものの無駄に煩わしい。
  • アイテム自体が存在しない
    • ショットやロックオン攻撃の性能が上がるアイテムも無いせいで、必然的に火力不足に悩まされることとなる。
      • アイテムが無い故のバランス調整は行われておらず、これが後述の問題点に大きく拍車を掛けている。
  • ウリであるロックオン攻撃はがザコ敵の動きや物量と噛み合っていない。
    • ロックオンは一度に4か所までなのに、ロックして発射が追いつかない程に敵が出てはすぐ逃げるので、結果見逃がしまくる事に。前述のコマ落ちもあり、一掃する爽快感よりも逃げられる苛立ちばかり募る。
    • 『レイ』シリーズのように、敵一体に多重ロックオンをかけることが出来ない。破壊するまで一発撃つごとにロックと発射を繰り返さなければならない。
      • これらはロックオンシステムの面白さを理解せずに取り入れた結果といえる。
    • このゲームには得点アイテムや編隊全滅ボーナスが無いのでチェインを伸ばすほうが稼げるのだが、ロックオンの仕様上スコアの為に敵をかなり逃がすことになる
  • 演出面も酷く、現代の水準に届いていない。
    • ロックオン攻撃は動きに緩急が無く、着弾時にエフェクトが無い上に軌跡が突然消えるので、格好悪くヒットしているかが判り辛い。
    • ショット発射音も撃ち込み音も無いのに、中型敵の破壊音は音割れするほど大きいとちぐはぐ。
    • STGの肝の一つとされるボスの演出も古臭く、醍醐味的な要素が皆無。
      • 1~3、5面のロボ型のボスは多関節の駆使・変形アニメーションなどが無く、一枚絵同然の状態で画面内を動いているだけ。
        3面のボスだけ地上を歩いているアニメーションはある。何故、他のロボ型ボスにそれ位のアニメーションを施さなかったのかには疑問が残る。
      • 4面のボスの巨大戦艦に至ってもただ攻撃を凌ぎ切ればいいだけで、「砲台を破壊しつつ最終的に主艦橋を破壊する」といったこの系統のボスならではの捻り要素が無い。
      • 最終ボスに関しては、ここまでのロボや戦艦型のボスと路線が違う「分身する謎の物体」
        何も無い所に急に現れるという適当な登場に加えて、デザインも手抜き。
    • BGMは聴くに堪えない程ではないが、とにかく単調で数分で聴き飽きる出来。クソゲーは「BGMだけは良い」と言われやすいが、それすら満たしていなかった。
  • 難易度も、先に進むにつれ自機狙い弾と追尾レーザーを増やすのみで、自機が左右にしか動けない点を無視した適当な調整。
    • 全体的に、編隊ザコが出てきては弾出して逃げる流ればかりで淡々としているわりに、前述の煩わしい操作性と貧弱な武装のせいで難しい。
      • 地上物一つ一つがやたらに堅く、先手を打っての破壊が出来ないことが多い。配置によっては武装をフルに駆使しても全部は処理仕切れない場合すらある。
    • 追尾レーザーは、自機が左右にしか動けないのに横殴り気味で飛んでくる事もある。
    • 最終面ではこれに加えて、破壊不能でショットを遮るミサイル弾も飛んでくるため、もはや理不尽さしか感じないレベルになっている。
    • 最終ボスはこれらの集大成で、後述の見えにくい青レーザー乱射に加えて、次々に横殴り追尾レーザーを放ってくる。
      • 最終面については、残機を最大の9機を持ち込んでもクリアはできるかは「運」とされた。
    • ボムのような窮地から脱する手段は全く無い。これも難易度を大きく上げている要因といえる。
    • 同じく異常な鬼畜難易度でクソゲーオブザイヤーにノミネートされた作品として「鬼帝」が存在したが、KOTYスレでは「 『鬼帝』がプレイヤーを殺すという殺意があったゲームなのに対し、『ガイア』はモルモットに与える負荷をただ淡々と強めているだけのゲーム 」と質の違いを例えられている。
  • 青いレーザーのような背景と同化して見づらいものもあり、これも手抜きとしか思えない。
    • レーザー自体の食らい判定の境界指定が適当で、先端からどこまでが触れてはいけない範囲なのか一目見ただけでは全く分からない。何故「色の明暗を付ける」など他の方法を思いつかなかったのだろうか?
    • このレーザーは「重なるように撃たれることが多く、判定のある先端部を見分けにくい」といった点も厄介である。
  • おまけに自機の食らい判定まで適当かつ変な形状になっている。判定部分はキャノピーから後尾にかけて台形状。
    • 自機の先端部分とウィングの先端部分に判定が無いことが検証によって明らかとなった。
  • その場復活だが、復帰時の無敵時間は短い。
  • 致命的なバグも多い。長時間連続して遊ぶと、何らかの不具合が発生する。
    • 報告されているのはブラックアウト、BGMが雑音になる、フリーズするなど。
  • 内容のわりにロード時間が長く、だいたい20秒前後だが、なぜか100%と表示されてから5~10秒ほど待たされる
  • 普通に全ステージクリアしてもエンディングが無い。ストーリーはあってないようなもの。
    • 検証により、500万点以上取ってクリアでスタッフロールが流れることは確認されている。これを達成するには、ノーミスクリアか後述の永久パターンを使うかしかない。
  • ステージクリア時にプレイ評価があり、階級と勲章が貰えるのだが、スコアランキング等にもMiiverseにも何にも反映されない。
    • せっかくMiiverseとの連動が好評だったのだから、こちらも反映された方が良かっただろう。
  • オプションはMiiverseのオンオフ設定のみという、今更デス様も顔負けの「充実」ぶり。

評価点

  • Miiverseとの連動要素は好評。目に見える形で最高到達点とスコアの競争ができる点が唯一の長所と言われていた。
    • しかし3面ボス戦で画面のスクロールに応じて無限に出現する砲台を延々と破壊して稼げる永久パターンが発見され、競争する意義は失われてしまった。
      発想は最高だった」とは言えるのだが……。
      • とは言えDSiで「ああ無情刹那」の時点で、スコアを競うことに重点を置いたシューティングが出てしまっている。
    • しかも現在ではMiiverseのサービスも終了してしまったため、この評価点は完全になくなってしまっている。尤もこれに関してはゲーム自体の問題点ではないが。

総評

テストプレイすれば気付きそうな不具合、既存のSTGを劣化させたかのような要素、苦痛しか感じない難易度設定、とどめに永久パターンと、クソSTGの要素をほぼ全て備えている。
BGMや演出などゲーム本編以外でも評価できる部分が無に等しいため、数あるクソゲーの中でも「評価できる点がまるで無い」というものの一つである。
新世代ハードの先陣を切ったKOTY2013では大賞にこそ選ばれなかったものの、ただただ無駄に難しくつまらない内容であり「タチの悪いクソゲー」としては圧倒的といえるだろう。
12月に発売された事から 年末の魔物 の一つでもあり、往年の「年末の魔物」に引けを取らない杜撰ぶりが一時は物議を醸しだした(勿論、悪い意味で)。

WiiUバーチャルコンソールや別ハードの作品等、本作より高品質な縦STGは価格や新旧を問わず星の数ほど出回っている。
そちらを見つけてプレイする方が有意義に楽しめるのはまず間違いない。


余談

  • これほど低クオリティな作品が任天堂ハードから出た事は衝撃的であり謎でもあるが、その謎を解くカギが2013年春のGDC(ゲームデベロッパーズカンファレンス)にあった。
    • 任天堂は2013年のGDCにて「Nintendo Web Framework」を発表している。これは「UnityまたはHTML5+JavaScriptでWiiUソフト開発を行える」簡易的な開発環境であり、アプリ開発者に対しての参入の呼び掛けではあった。
    • これを手放しで絶賛していたのが他ならぬUEI社長だった。レポートでも持ち上げ、新規参入者から個性的なゲームが出てくることに多大な期待を寄せていたわけであり、そしてご覧の有様である。
  • オリジナル版のタイトル『グランダリウス ウィング ストライク(Glandarius Wing Strike)』から変更した事については「英語圏で語感が悪い」とのことだったが、
    そもそも「Glandarius」→「Glan darius」になりうるので、ある意味妥当ではある。
    • 恐らく、「grand(雄大な、壮大な)ダライアス」のような造語にしたかったと思われるが、間違えたのだろう
    • 変更後のタイトルも、過去に似たようなタイトルのクソゲーが存在していたため、そちらと関連して皮肉られることも。
  • ボッタクリ気味の価格に加えて「劣化なんとかと呼ぶのも生ぬるい出来」なので当然の結果ではあるが、WiiU版ニンテンドーeShopで「23人連続★1評価」という、前代未聞の記録を打ち立てた。
    • なお、eShopは商品を購入して1時間プレイしないと評価を付けられないので、荒らしレビューやネガキャンを行うのは極めて難しい。
  • なんと2014年08月14日に北米版が登場。価格は$14.99(日本円にして約1,811円)である。
  • なお、発売・開発をしたユビキタスエンターテインメントは2020年9月30日付けに「諸般の事情」で解散した模様。→参考リンク
+ タグ編集
  • タグ:
  • STG
  • 2013年
  • KOTY次点
  • WiiU
  • 縦シューティング

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年11月30日 15:57