パンパカ パンやさん
【ぱんぱか ぱんやさん】
ジャンル
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キッズソフト
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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スターフィッシュ・エスディ
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開発元
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MBAインターナショナル
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発売日
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2008年7月3日
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定価
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3,990円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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低年齢層向けのパン作りゲーム ボリューム・ゲーム共に極薄 誇張抜きに1時間前後でオールクリア可能 雰囲気ゲーとしてだけは非常に優秀
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みんなが大好きパンやさん!
そんなパンやさんゴッコが楽しめるゲームソフトが、ニンテンドーDSで登場。
おなじみの“食パン”“あんパン”から、なんと“ナン”や“ピロシキ”まで、世界のあらゆるパンを、20種類以上焼くことができます。
またゲーム中は、パンの姿をした可愛いキャラクターたちがプレイヤーをサポート。
つくり方が分からなくても、1つ1つ丁寧に教えてくれるので、安心して楽しむことができます。
いろいろなパンを焼いて、お店をドンドン大きくしていきましょう!
見ているだけでも心が優しくなれるような、可愛らしいキャラクターが多数登場。
ゲーム中はすべてタッチペン操作、難しい操作も一切無く、小さなお子さまでも安心して楽しめるソフトになっています。
(任天堂公式のゲーム紹介ページより引用)
概要
かつては低年齢層向けゲームに力を注いでいた時期のあったスターフィッシュ・エスディからリリースされたニンテンドーDSソフト。本作もまた、その内の1作にあたる。
オートセーブ方式。操作はすべてタッチで行う。
ストーリー
森の中に小さな可愛い赤い部屋の"パンやさん"がありました。お店の名前は「パンパカパンやさん」。
お店でパンを作っているのは、パンが大好きで、髪の毛もコッペパンのように"ふわふわ"している可愛い女の子、ルー。
お店を1人で切り盛りするのが大変になってきたので、お手伝いをしてくれる人を捜す事にしました。
「パンが好きな子が来てくれないかな~」
今日もお店のカウンターで、"ほおずえ"(原文ママ)しながら待ってます。
そして、パンパカぱんやさんに待望のお手伝いさん(プレイヤー)が訪れるのでした…。
主なルール
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名前入力について。
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ゲームを始める前にプレイヤーの名前登録を求められる。登録決定をすると、名前の入力し直しは行えない。
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ゲームの流れ。
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ゲームクリアの目的は「20種類のパンを作り、すべてを店頭に並べる」事にある。
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パン作成の手順としては、「パンの国で住民(擬人化したパン)を見つけてレシピを貰う ⇒ レシピに従ってミニゲーム感覚でパンを作成する ⇒ パン完成」という工程を20回(種類)繰り返す事にある。
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一度作成したパンを再度作り直す事は可能だが、ゲームの進行に全く影響はない。クリアに必要な各パンの作成回数は1回のみである。
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本作にはゲームオーバーになる条件は定められておらず、パンの作成順番の相違はあるもののエンディング分岐するなどの変化ない。
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20種類のパンをすべて作成すればエンディングとなる。
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エンディングを迎えても特に"これ"といった"おまけ要素"はなく、以前のデータを引き継いだ状態での再開となる。
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メインメニューについて。
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ゲーム中では以下のメインメニューがあり、これらを利用する事で様々な行動ができる。
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「お客さんを見る」…パンパカパンやさんの店頭前に並んでいる客を見る。作成したパンの数が多い程、客の行列も長くなっていく。
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「パンの国に行く」…全6箇所あるパンの国に移動し、住民をタッチすると上記のパン作成が行える。ゲーム進行とは関係ないが、タッチで花などのオブジェを動かす事もできる。
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「お店に行く」…作成したパンの一覧・及びパンの紹介が鑑賞できる。
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「パンを作る」…一度作成したパンを作り直す。
問題点
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あまりにもボリュームが極薄。
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本来の対象である低年齢層のプレイを想定しても、1時間前後でオールクリアできてしまう。
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パン一回の作成時間は約1分で済まされるので、必然的にオールクリアへの道が短くなっている。
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キャラのやり取り描写も少なく、パン作成後はルーの軽い会話だけで次のステップに進む。しかも、会話の内容も似た様なものばかりで、確実に会話に飽きてくる。
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100%RTAの最短記録がアクションゲームでもないのに30分を切ることからも色々と察することができよう。
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「低年齢層向けである事を考慮して、手短にゲームを進められる」と解釈するにしても、定価約4,000円のソフトとしては擁護できないボリュームのなさである。
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ゲーム性も極薄。
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一見では「パンを作成してパン屋を経営する」的なゲーム性を期待する方も多いと思われるが、その様な要素は一切ない。
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パンを20回作れば即エンディングとなる。経営どころか、ゲーム的な要因すらも"ほとんど"見当たらない。せめてエンドレスに設定できなかったのだろうか?
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ジャケット裏には"いかにも経営系ゲームであるかの様な"スクリーンショットが写され、「お店を大きくしよう」という紹介までされている。ある意味、ジャケット詐欺である。
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あくまでも「パン作成ごっこ」を体感するゲームなので、他のDSソフトにありがちな"レシピ集的な情報"を期待するのはお門違いといえる。
評価点
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雰囲気ゲーとしてのクオリティは非常に高い。
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ほんわかとしたタッチで描かれたグラフィックの中で、様々なパンを作成していく様が和む。
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「絵本の中でパンを作る」というべき優しい雰囲気となっており、「次はどんなパンが作れるのだろうか?」という楽しみがある。
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「"フランスパン"は長く伸ばして切れ目を入れる」「"カレーパン"はパン生地にカレールゥを入れて油で揚げる」など、パン作りの過程が非常にそれっぽい。
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登場キャラの魅力も高い。
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キャラクターデザインも可愛らしく、ルーを筆頭としたキャラ達に独特の魅力を感じる。
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もこもこしたツインテールとコック服姿の"ルー"が、とてもキュートで癒される。ルーのお供である某ぬ~ぼ~似の妖精"ドゥドゥ"も同様に可愛い。
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20人(?)の住民達に個性付けがされているのも嬉しい。「真面目な性格の"食パン"」「怪しいオーラを漂わせる"ナン"」など色々。
総評
"ゲーム"としてリリースした事自体が最大の問題といえる作品。
この内容で定価が4,000円近くするのも大きな問題である。
いくら低年齢層向けとはいえ、「20回パン作成して終わり」というのは安直すぎるといわざるを得ない。あまりにもボリュームがなさすぎて、たとえ中古で安く手に入れたとしても損したと感じる人が大半と思われる内容。メインターゲットの低年齢層の子供ですら「つまらない」と感じる可能性が高い。このボリュームで低年齢層の子供が本当に満足できると思って作っているとしたら、さすがに子供を舐めすぎていると言わざるを得ない。せめて1000円未満だったら損したと感じる事はなかったかもしれないが…
そのボリュームの薄さから食パン1枚未満のボリュームと揶揄されることまである。
ただし、登場するキャラクター達はどれも可愛らしく、ゲーム全体の雰囲気も良好で、お子様向けの「和める絵本」としては"むしろ"上質といっていい程の内容ではあると言える。
最終更新:2022年12月18日 16:24