妖怪ウォッチ

【ようかいうぉっち】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドー3DS
発売・開発元 レベルファイブ
発売日 2013年7月11日
定価 4,571円(税別)
判定 なし
ポイント 社会現象にもなったヒットタイトルの初弾
妖怪たちが自動で戦うやや独特な戦闘システム
妖怪ウォッチシリーズ

概要

  • ある夏の日、裏山で出会った妖怪ウィスパーに「妖怪ウォッチ」を渡された事をきっかけに、個性豊かな妖怪たちと冒険を繰り広げるRPG。
  • イナズマイレブン』『ダンボール戦機』に続くクロスメディアプロジェクト作品第3弾。

主な登場人物

  • ケータ(天野景太)
    • 男主人公。何をやってもごく普通の少年。
    • アニメ版ではフミちゃんに恋心を抱いている設定が追加され、『2』以降にも反映されている。
  • フミちゃん(木霊文花)
    • 女主人公。彼女を選択した場合、ケータと立場を入れ替える形でプレイ。
    • 彼女が使うウォッチは唯一の懐中時計型となっている。但し、『2』では中盤で腕時計型の零式に強制変更される。
  • マオくん(日影真生)
    • ケータとフミちゃんのクラスメート。ある重要な秘密を握る人物。
  • ウィスパー
    • 主人公が最初に出会うナビゲーター役の妖怪。『1』では物腰落ち着いたしっかり者の執事妖怪だが、『2』以降は知ったかぶりなギャグ要員に。
    • 彼が持つ「妖怪パッド」はカンニング道具としても有名だが、実は初代でも時々使用している(使用頻度は『2』以降と比べて遥かに少ない)。
  • ジバニャン
    • 交差点でトラックにはねられ、地縛霊となった赤いネコ妖怪。
    • 生前はエミちゃんに飼われていたアカマル。好物はネコらしく魚介だったが、アニメ版の設定逆輸入で『2』以降はチョコボーに変更された。
    • アニメ版および『2』と『3』では最初から使えるパートナー妖怪であるためその印象が強いが、本作では3番目の加入となる(1番目がセミまる、2番目がトホホギス)。
    • ちなみに『妖怪ウォッチ』シリーズではネコ妖怪が非常に多く、その大半はジバニャンがベースとなっている。
  • コマさん
    • 神社のお守りに飽きて家出したコマイヌ妖怪。弟にコマじろうがいる。
    • 『1』での好物は牛乳だったが、『2』以降はソフトクリームに変更。コマじろうはシリーズ通して牛乳のまま。
    • こちらも派生種が多数存在する。

特徴

  • 主人公の住む「さくらニュータウン」を舞台に、さまざまな妖怪達と友達になっていく。
    • 主人公は男の子(ケータ)と女の子(フミちゃん)から選択可能。シナリオに差はほとんどないが、アニメーションやイベントでの差分は存在する。
      • 妖怪ウォッチの形状も、男の子の場合は青色の腕時計型、女の子の場合はピンク色の懐中時計型という違いがある。
    • 他にもいくつか町があり、車の下や電柱、木の上などにいる妖怪たちを「妖怪レンズ」で見つけ、友達を増やしていく。
      • 敵の強さ(ランク)はエリアごとに決まってるのではなく、妖怪ウォッチのランクを上げる事で発見できる妖怪が増える。
  • バトルシステムは、妖怪を最大6体のパーティを組み、状況に応じて目まぐるしく使用キャラを切り替えていくテンポ重視のもの。
    • 妖怪によって攻撃重視、妖術重視、憑りつき重視など、バリエーションには幅がある。種族*1によって得意とする能力が異なり、それらを状況に応じ素早く入れ替えを行いながら戦う。
    • 前衛3匹・後衛3匹で円陣を組み、L/Rボタンで回転する事でメンバーチェンジを行う。同じ種族の妖怪を前衛に置くと陣形が発動し、種族に応じてステータスに補正がかかる。
  • 妖怪を見つける他、虫取りや魚釣りも可能。
    • 手に入れた虫や魚は、売ってお金にしたり有用なアイテムと交換することで攻略の手助けになる。
  • フィールドを歩いていると、ランダムで「鬼時間」という空間に迷いこむことがある。
    • いわゆる「スニーキングミッション」で、フィールド内を徘徊する小鬼・大型鬼に見つからないように出口を目指すというもの。
    • 小鬼に見つかると大型鬼がまっしぐらに追いかけて来て、捕まるとバトルになる。大型鬼は非常に手強く、相応の実力に加えて専用対策(有用な装備・スキル等々)を立てなければ全滅は避けられない。
    • 鬼時間中は「鬼宝箱」というレアアイテムの入った宝箱が出現。出口まで到達すれば持ち帰れるが、大型鬼とのバトルに負けると没収される。
    • 大型鬼を倒せばその鬼時間内では出てこなくなるので、安全に探索できる。その代わり、以降は上位版の大型鬼が登場するようになる。(赤鬼<青鬼<黒鬼)
      • 3DS本体の時間(日付)を変更してゲームを起動すると、上記の大型鬼(赤鬼)が現れて叱られるという小ネタがある。それ以外に特にペナルティはない。『2』以降では1日1回イベントの一定期間停止の重ペナルティが課せられるようになった。
    • BGMやフィールドの雰囲気も相俟って、ホラー要素の強いシステムである。実際、地響きを立てて追ってくる大型鬼の迫力は、大人ですら焦ってしまうほど。
      「子供が怖がってしまうので、ここだけバトンタッチされる」という親御さんからの微笑ましい報告も少なくない。
  • シナリオは妖怪の力で困った人を助けたり、逆に妖怪のしわざで困っている人を助けてあげたりする事が多く、わかりやすい内容となっている。
    • 言ってしまえば安心の日野クオリティである。
    • サブクエストも豊富に用意されている。クリアすればお金やアイテムだけでなく経験値が入るものもあるため、レベル上げの手助けにもなる。
      • クリアすると「ボーナスチャンス」としてアニメーションムービーが挿入され、そのオチによって追加報酬が決まる。
  • ふしぎなレンズによる妖怪の撮影
    • 3DS内蔵カメラで顔写真を撮影することで、妖怪を撮影できる。沢山の妖怪を撮影したり「今日のお題」をこなすことでご褒美が貰えるシステム。
    • ゲーム中の妖怪大辞典で、撮影したことがあるかを確認可能。やりこみ要素の一つとなっている。
    • 写真や動画からでも撮影は可能(顔の向きや解像度にもよっては撮れないことも)。動物や二次元の人間は被写体として認識されない。
  • シリーズ一作目だが、非常に纏まった出来なのが特徴といえば特徴。改良の余地も多いが、『2』で洗練されていく。

評価点

  • 育成型RPGとしての基幹がしっかりしており、バランスの良い出来になっている。
    • レベル、もしくは合成での進化、装備品や消費アイテムなど、RPGの基本はしっかり押さえられている。
    • ガチャなどで若干攻略難度は下がっているが、それらの運要素を考慮しなければそこそこの難度になるよう調整されている。
  • 戦闘システムが少し特殊で、難度がちょうど良い。
    • 妖怪達は基本的に勝手に戦っていく(妖怪ごとに「性格」があり、それを変えてあげることで行動はある程度制御可能)。
    • 「まじめ度」が存在し、まじめ度によってサボる(一回休み)などの行動を取ったりもする。
      • サボりにくさは超まじめ>まじめ>気まま>ぐうたら>ダメダメの5段階で表示。
      • デビビルはまじめ度が唯一の「ダメダメ」且つ、まじめ度が上昇しないデメリットを抱えている唯一の妖怪で、寧ろ個性とも言える。尚、デビビランに合成進化させればこのデメリットを解消出来る。
      • アイテム「まじめに生きる」で1回だけ1段階上げる事が出来る。
      • 進化させた時もまじめ度が下がる為、超まじめを維持したい場合は低レベルのうちに進化させ、まじめに生きるを使うタイミングを進化後にする必要がある。
      • ランクの高い妖怪ほどまじめ度が上がりにくく、個体によってはレベルアップでまじめ度が一切上がらない場合もある。
    • 妖怪=友達という観点でも、使役というよりは協力といった形なのでコンセプトとマッチしているとも考えられる。
    • 「狙う」コマンドにより攻撃対象を一匹に集中させられるため、ある程度は思い通りに戦わせることが可能。
      • 戦闘中、ランダムで「さすらいだま」という魂が出てくることがあり、これを「狙う」事で様々なボーナス効果が発生する。
      • 大型妖怪が相手の場合は「特定の部位」を狙って攻撃させることも可能で、攻略の鍵となることも。
  • 妖怪の戦闘バランスの良さ。
    • 全ての妖怪で得意・不得意がはっきりしており、極端に強い妖怪もいなければ、極端に弱い妖怪もいない。
    • ランクが低ければ弱いかと言えばそうでもなく、パーティーの組み方や装備・性格次第で高ランクと同等の戦力とも成り得る。
      • 低ランク妖怪のみ装備できる強力なアイテムがあるため、低ランク妖怪のみに与えられたメリットもある。
      • 極端な例だと低ランク妖怪だけで隠しラスボスどんどろ、本作最強のボス黒鬼も撃破可能。
    • 妖怪の耐性と弱点の設定が細かく、持っている耐性・弱点の数、ダメージ軽減率・倍率の違いで同じ種族や外見が似た色違いの妖怪の個性付けにもなっている。
    • 必殺技の演出はレベルファイブの流れを受け継いでいる。
      • 秘伝書的なものは存在せず、妖怪ごとに一つの必殺技となっている。
    • 強力な装備アイテムもいくつか存在する。これらの大半は『2』以降では廃止又は弱体化された。
+ 特に強力な装備
  • 目だし帽:敵から狙われなくなる。前衛3体ともこれを装備していると無効化されるので、残り1体に攻撃を集中させる必要がある。
    • 後続作では同じ効果を持つ魂へんげ「おんみつ魂」で代用可能。
  • ガードの秘石:常時ガード状態になる。HPと守りに優れた妖怪に装備するのが基本だが、物理ダメージを1.5倍で反射するスキル「とげガード」を持つ妖怪との相性が良い。先述の目だし帽装備の妖怪2体との組み合わせが最も有効。
    • 『2』では魂へんげ「ガード魂」で代用可能。『3』ではどちらも廃止された。
  • 吸血の牙:物理攻撃にHP吸収を付加し、与えたダメージの半分HP回復。ダメージ反射系スキルはHP吸収に対しては発動しない仕様なので、それを封じる副次的な効果も持つ。
    • 後続作では特定の妖怪を魂へんげすると物理攻撃にHP吸収を付加する魂が登場したが、HP回復量が4分の1になり、ダメージ反射系スキルを無効化出来なくなる弱体化が施された。
  • 天女の羽衣:自分のHPを微量だが毎ターン回復し続ける。長期戦になりがちなボス戦で重宝する。
  • 太古のウロコ:守りが約2割低下するが、敵の悪いとりつきを受けなくなる。但し、ヤミまろが唯一持つ、とりつき必中のスキル「究極のヤミ」には貫通される。
  • 金持ちイヤリング:戦闘勝利時に得られる金額が1.5倍になる。その分金目当てでの戦闘回数も最小限で済むので、ゲームテンポを良くしている。
    • 後続作は特定の妖怪を魂へんげすると入手金額を最大10%アップさせる魂が登場。1個あたりの金額増加量が小さくなった代わりに複数の妖怪に装備させての重ね掛けも可能。
  • 上記の強力な装備に対する抑止力として、装備効果を全て無効にするスキル「そうび禁止!」をまむし行司が唯一持っている。
    • ところが『2』以降では廃止され、別のスキルに変更。その為、通信対戦で『2』のミツマタノヅチに対する抑止力が一切無く、『3』の魂装備への対抗手段に乏しい等々、装備無効化スキルが廃止された悪影響は甚大極まりない。
  • 妖怪のデザインがどれもキャッチー。
    • オリジナルの妖怪が大多数で、デザインもあまり不気味だったりせず馴染みやすい。若干ギャグっぽいネーミングや見た目の妖怪が多い。
    • 中でも、特に人気の高い妖怪の一例を下記に挙げる。
      • パッケージにもなっており、妖怪ウォッチシリーズのマスコットとしての地位を確立した『ジバニャン』は、大人から子供まで幅広い層に好かれている。
      • ジバニャンに次ぐマスコット的存在である、狛犬妖怪『コマさん』、UMAがモチーフの『ツチノコ』、有名妖怪モチーフの『ノガッパ』。
      • ストーリーに関わりがあり、スタイリッシュで格好良い見た目と高い実力を誇る『オロチ』『キュウビ』。
      • Sランクと最強クラスの実力ながら、愛らしい少女の姿をした『ふぶき姫』『百鬼姫』。
      • 「可愛い小型犬の体」に「おっさんの顔」というコミカルな見た目の『じんめん犬』。
      • アニメでの活躍で人気を増した、ジバニャンの未来の姿『ロボニャン』。
      • 某巨乳グラビアアイドルのニックネームが名前の由来となっている、セクシーな妖怪『フゥミン』。
      • 圧倒的な強さで、多くのプレイヤー達にトラウマを植えつけた、妖怪ウォッチの裏ボス的存在『赤鬼』『青鬼』『黒鬼』。
    • 上記のジバニャンのように、厳密には「妖怪」より「幽霊」という方が近い妖怪も多少いる。
    • 勝利ポーズが追加できる施設もある。自分の尻尾を追いかけるジバニャンや、ウマウマダンスを踊るふぶき姫・百鬼姫など個性的で可愛いアクションが多い。
  • 個性的な登場人物
    • 妖怪だけではなく、人間のキャラクターも個性的で魅力ある人物が多い。
      • 妖怪ウォッチを渡し、主人公のサポートや解説をしてくれる、渋いボイスの妖怪執事「ウィスパー」。
      • 主人公のケータやフミちゃんはもちろん、ガキ大将だが涙脆い「クマ」や、インテリで現実主義の「カンチ」と、どこか懐かしさを感じさせる*2
      • クラスメイトもそれぞれ個性が確立されており、アニメでも全員が登場している(半ばモブ化しているのが残念だが)。
      • 各ショップの店員も、一目で「○○屋の店員だな」と分かるような立ち絵になっている*3
      • ちなみに、女性のモブキャラは多くが(子供向けらしさを逸脱しないレベルで)可愛く描かれている。アニメではそれが顕著で「モブキャラのレベルが高いアニメ」と言われている。
  • 3Dグラフィックが綺麗。
    • このあたりは流石レベルファイブと言いたくなるほど、キャラや妖怪のグラはちゃんとしている。
    • アニメのEDなどにもゲームのグラフィックが使用されている。
    • 街のグラもよく作りこまれている。建物の影になっているが通ることの出来る小路や、隠れた妖怪や宝箱も設置されており、探索するのが楽しい。
      • 3DSの下画面にはマップが表示され、人・妖怪の位置やイベント発生箇所、目的地も示してくれるので迷うこともない。
      • 後述のスタミナの問題により、移動が面倒という欠点をはらんでしまうのが残念である。
  • 良質なBGM
    • オープニングテーマを筆頭に、どれも良好。ちなみに、アニメでもゲーム内のBGMが使用されている。
  • 「信号を守る」事や「家の中に入ると靴を脱ぐ」など、ルールやマナーの描写がある。
    • 信号を守らないと妖怪に襲われたりする。逆に、信号をちゃんと守っていればご褒美にアイテムが貰える。この手のゲームでもなかなか珍しい。
      • ただし信号のない所なら渡り放題。車にぶつかりそうになると急ブレーキで止まる。良い子は絶対試しちゃダメです。

問題点

  • メインシナリオの内容が薄く、RPGとしては少々物足りない。
    • メインシナリオ進行中にサブクエストをこなしたりする事も多く、実際にはそこそこ時間はかかる。
    • 次の目的地を下画面に矢印と文字で表示してくれる親切設計のため、迷い難いのも原因の一つ。設定で表示させなくすることも可能。
    • クリア後のダンジョンやサブクエストは多く、やり込み要素は多い為、レベルファイブ作品に多く触れている人からすればそこまで違和感はない。
  • 妖怪大百科のコンプリートが難しい
    • 1.妖怪を友達にするのが難しい。
      • 仲間にしやすくする方法:①スキル「モテモテ」持ちを手持ちに入れる。②妖怪ごとにある「好物」をあげる。③さすらい玉でハートを出す*4
      • 仲間になるかどうかは、戦闘が終わった時に判定される。(①~③の全ての条件を満たせても仲間になるとは限らない)
      • 敵妖怪にあげることのできるアイテムは、1体につき1回まで。効果は低いが大量に手に入れ易いアイテムを複数回あげる…という手段は不可能。
      • 狙った妖怪ではなく、その横の妖怪が友達になる事も多い。なかなかシビアなシステムである。特に、高ランクレア妖怪のお供として登場する妖怪は
        低ランクで仲間になり易い妖怪が多いため、糠喜びすることが多い。
      • 同じ種類の妖怪を6体以上持っているとその妖怪を戦闘で友達に出来ない。逆に言えば、先述のレア妖怪入手を邪魔してくるお供の妖怪を予め6体以上友達にした状態で挑めばそうした事故が発生しなくなる。
      • 分かりやすく言えば、初期の『ドラゴンクエストモンスターズ』に近い。
    • 2.妖怪ガシャに回数制限がある。
      • 1日につき3回までしかガシャが出来ず、ガシャ限定のSランク妖怪の出辛さも相まってなかなかキツいものがある。3回回した後、3DS本体の日付を1日進めれば再度ガシャを回せる。これを繰り返せばコインがある限り回し放題となる。この裏技は本作でのみ可能だが、後続作は不可能なだけでなく先述の重ペナルティがあり、初代と後続作を同じ本体でプレイしていた場合、後続作の重ペナルティも同時に喰らう。
      • リセットしても出る妖怪やアイテムは変わらない。どうしても変えたい場合は新規にゲームを始める以外に方法はない。
      • 妖怪ガシャは序盤から最強クラスのA・Sランク妖怪と友達になれる可能性があるため、俗に言うリセットマラソンが不可能なのは妥当な仕様ではある。
    • ただ、レアな妖怪は出現頻度、捕獲難度からして本当にレアなので、ある意味「レアリティ」というものをしっかり守っているとも言える。
  • 妖怪の戦闘AIがアットランダム
    • 「仲間が瀕死なのに回復してくれない」「妖術が得意で敵も妖術に弱いのに、通常攻撃する」等。だが「友達なので気ままに戦う」システム上仕方ないと言える。
  • ダッシュするのにスタミナが必要。しかもすぐなくなる。舞台となる街が非常に広いため、移動するだけでも結構時間がかかる。
    • これは「鬼時間」という状態の時に必要な要素になってくるので、仕方ないといえば仕方ない。ちなみに本作では鬼時間でも「スタミナム(スタミナムアルファ)」を使える。(『2』以降は使えなくなった)
    • 自転車も手に入るが、階段やダンジョンでは基本ダッシュでの行動になるため、不満を抱えるユーザーも多い。
    • ストーリーを進めていくと「うんがい鏡」という妖怪がワープポイントとして使用可能になるので、移動の手間がある程度は緩和される。
  • 妖怪とのエンカウント関連がやや不親切
    • 街中でウォッチしてエンカウントする妖怪の中にはレンズを当て続けるのが難しいものがいるのだが、これに対しての救済措置がない。
      • UFO並みのジグザグ移動を行うものが多く、レンズを当てる面積が小さい妖怪ほど当てづらさが比例する。画面が暗くなる夜は更に難しい。
      • Aランクのレア妖怪になるとレンズを当てた瞬間から素早く逃げ回るため、レア妖怪自体の出辛さも相まってストレスが溜まりやすい。
      • 虫取りや魚釣りのように、アイテム等で補助できる要素があっても良かったのではないか。
    • ダンジョン内ではシンボルエンカウント方式となるのだが、ツチノコ系(今作でのメタルスライム的存在)以外の妖怪は、必ずプレイヤーを追いかけてくる。
      • 距離を離せば追跡を止める、戦闘終了後は一定範囲内の妖怪は消える等の措置はあるが、「一定時間姿が見えなくなるアイテム」等が欲しかったところ。
      • 上記のツチノコ系シンボルは非常に素早く、壁に背を向けた状態で動かないため「死角から接近する」という方法がとれず、非常に嫌らしい。
      • また、今作は戦闘終了後にダンジョン内に残されたシンボルがリセットされる仕様であり、ツチノコ系妖怪を追いかけている途中で他の妖怪とエンカウント、戦闘終了後には別妖怪のシンボルに変化している…と言う場合も多い。特に通常タイプのツチノコが登場するダンジョンは狭く入り組んだ地形に複数の妖怪が配置されており、他の妖怪を避けながらツチノコのシンボルに触れる事は困難を極める。
  • 友達になれない妖怪が存在する。
    • 大型ボス妖怪やラストダンジョンで登場する白い妖怪、指名手配イベントで登場する指名手配妖怪がそれである。
      • 大型ボス妖怪や白い妖怪は友達になれないが、妖怪大辞典に情報は載る。また、指名手配妖怪は単なる色と名前が違うだけなので、あまり気にはならない。
  • いわゆる「色違い」デザインの妖怪が多いため、新しい妖怪を発見しても感動が薄い
    • なんと、 全245種類中104種類が色違い 。もはや「色違いが存在しないデザインの妖怪の方が少ない」と言っても過言ではない。
    • 「双子の妖怪」という設定の『コマさん』『コマじろう』はともかく、隠し妖怪扱いの「宝石系ジバニャン」に至っては、色違いが5種類もいる。
    • 一応、色だけでなく意匠が異なる妖怪も存在する(『ジバニャン』から合成進化する『トゲニャン』『ワルニャン』など)。
    • しかし、デザインは色違いだが、「スキル」「攻撃技」「妖術」「必殺技」「憑りつく」等は全て異なるので「色が違うだけで能力が同じ」ということはない。
      • ちなみに、ジバニャンに派生型が多いのは漫画版にて「外見の評判が良かったからデザインを使い回している」とネタにされたことがある。
  • 鬼時間について
    • 街フィールド内にいる時に時間経過で発生するため、ちょっと目を放した間に大型鬼との戦闘になっていることもある。
    • 鬼時間は唐突に始まり、その間はセーブ不可能。抜け出すには出口に辿り着くか、鬼との戦闘に勝つか負けるかしなければならないため、ちょっと煩わしい。
    • いきなり始まるが小型鬼の初期配置はほぼ固定であるため、タイミングが悪いと開始早々に見つかってしまうことがある。
      • 逆に言えば、初期配置を覚えておくことで楽な位置から開始できるということになるが。
    • ごく稀に大型鬼のスタート位置(開始1~2秒後にスタート位置に降下)と主人公のスタート位置が一緒になる場合がある。大型鬼が降下するまでの間にダッシュで離れないと即ボス戦に突入してしまう。
    • 鬼時間中は、一定時間が過ぎる度に鬼が増えていく。そのため、小型鬼をやり過ごしている間に増えた鬼に見つかる、ということも多々ある。
      • ゲーム内で「鬼時間中は隠れていても、いつかは捕まる」と明言されているため、妥当ではある。
  • サブクエストは数が多いが、ほとんどのクエストが「アイテムを持ってくる」「妖怪を連れてくる」「妖怪を退治する」という、所謂「お使い」ばかり。
    • 妖怪を連れてくるクエストに関しては、前述の「妖怪が友達になり難い」という問題も相まって時間がかかりやすい。
      • 一応、別のクエストやシナリオで加入してくれるものもいる。また、友達になっていれば、パーティーに組み込んで連れてくる必要がないのは便利。
    • 上記の3種類だけでなく、中には「暗号を解く」「鬼ごっこ」といった変わり種のクエストもある。
    • クエストの中にはサブキャラの描写を掘り下げたものが多いため、クリアする楽しみ自体はある。また、依頼主やウィスパーのコメントも面白い。
  • Wi-Fiを使った通信対戦/交換モードがない。
    • これが非常に残念。交換もあっていいと思うが、すれちがい通信である程度需要は満たせている模様。
    • 一部妖怪は友達にできない(Sランク妖怪など)。プレイヤーとしては入手難度の高い妖怪=Sランク妖怪なので、非常に歯痒い仕様となっている。
    • 山吹鬼などの入手が不可能に近い難度の妖怪(開放条件が8体ともガシャでしか入手出来ないレア妖怪に依存)や、後述のツチノコパンダの件を考慮すれば実装すべき機能だったと思う。
    • すれちがいでしか入手出来ない妖怪の存在。
      • ツチノコパンダが該当。大辞典コンプリートを目指すにあたって、すれちがいの環境に乏しい人にとっては最難関と言える。
      • この点に関しては本作に限らず、レベルファイブ製携帯機作品の多くが同様にWi-Fi通信による対戦等に対応していない場合が多く、本作以外での同社の作品では、イナズマイレブンシリーズでもシリーズ初期からの不満点として改善されないでいる。
  • ゲーム中のムービーを再度観ることが出来ない。
    • 前述の通り、3Dグラフィックが綺麗であるため、これまた非常に残念である。
  • 主人公を女の子にした場合、不自然な箇所が多い
    • 例えば、銭湯にて男の子主人公では男湯には入れるが女湯には入れないのだが、 女の子主人公でも女湯には入れず男湯にしか入れない。
    • また、ゲーム起動時のアニメーションムービーが、男の子のパターンしか存在しない。
    • これは、発売直前に急遽ヒロイン役の女の子キャラを女の子主人公にしたためらしい。
      • コロコロコミックとのタイアップ漫画やTVアニメの主人公が男の子であるのも、このためであると思われる。
      • 体験版でも男の子主人公しか選べない。
  • ウォッチランクを上げるクエストや隠しボス「つづらチュン太夫」を出現させる為のクエストで進行不能になるバグが存在する。
    • どちらも指定された妖怪を倒す(後者は話しかける)順番を間違えると残りの指定妖怪が消滅する。その状態でセーブしてしまうと詰みとなってしまい、ゲーム自体を最初からやり直すしかない。
      • 回避する方法はどちらも指定された妖怪撃破(話しかける)を表示された順番通りにこなせば良い。クエスト開始直前から完了まで途中で一切セーブしない事。
    • 特に前者はストーリー進行中に複数回実行するので遭遇しやすい。このバグは最終更新後(Ver1.2)でも残っている。
  • 上記のように列挙された問題点は多いが、普通に楽しむ分にはほとんど気にならない要素である。これらは「ここさえ改良されていれば良作だった」という
    改善して欲しい要望に近いということを明記しておく。
  • また、続編では上記の幾つかが改善されることとなった。

総評

  • 改良の余地は多く、手放しで褒められない部分も多い。だがバグはほとんど無く、総合的な完成度も高いため、大人から子供まで幅広い層に薦められる一本である。
  • 最初は知名度も低く売り上げ本数も少なかったが、口コミやタイアップ漫画の連載・アニメ化等によりジワ売れが進み、2014年5月28日に累計販売本数が100万本を突破した。
    • 発売から46週目での100万本達成ということで、ニュースサイトなどでは異例の大ブレイクとして取り上げられている。
      続編『2』の発売後も、尚売り上げ本数をじわじわと伸ばしていた。

余談

  • 2019年10月10日にHD版『妖怪ウォッチ1 for Nintendo Switch』が発売された。
    • 高解像度化だけでなくポリゴンの付け足しによるクオリティアップ*5や3DSのリマスターによくある1画面の総合によるZLボタンとZRボタンの追加、タッチ操作がRスティックに代用、ロードの短縮、ボイスの追加、さすらい荘の設定変更、妖怪アークの対応、セーブ速度の超高速化、ハード都合上ふしぎなレンズの廃止になった。
  • 関連グッズの人気が凄まじく、3月14日に東京駅一番街でオープンした期間限定ショップが、1日目で多数の商品が完売したことと来場者が殺到したために、わずか2日間で営業を休止したことがニュースとして報道された。
    • 現在は抽選を行い、当選者のみ時間限定で入場できるようになっている。だが、その抽選も競争率は高い。
  • 少年漫画誌「コロコロコミック」で小西紀行氏によるタイアップ漫画が連載されており、ゲーム内でも同作者による4コマ漫画が読めるというオマケ要素がある。
    • 少女漫画誌の「ちゃお」でも、もりちかこ氏によるタイアップ漫画の連載が始まった。こちらは主人公が女の子になっている。
  • 2014年1月から放送開始したアニメも非常に人気がある。基本的にギャグ中心だが、時には全力で泣かせに来る話*6もあり、子供は勿論大人も楽しめる内容となっている。
    • パロディネタが非常に多いのも特徴。有名どころ*7は勿論、ちょっと昔のネタ*8や最近のネタ*9、更には今時の子供どころか大人でも知らない人が多そうなネタ*10まで、かなり充実している。
  • 関連グッズ「妖怪メダル」にはQRコードが付いており、これを読み込ませることで妖怪ガチャコインや特殊な妖怪が出現するようになる。
    • 詳細は省くが、この妖怪メダルが各地で品切れを起こしており、オークションやネット販売等で高額で転売される事が問題になっていた。
      いつかの仮面ライダーといい、騒動が起こるのはメダル系トイの宿命なのだろうか。
+ 英語版発売直前に公開された英語版トレーラー

  • 本作では架空のアイドルユニット「ももいろレディー」が名前のみ出てくる他、それに関連するサブクエストも存在する。元ネタはおそらくピンクレディーだが、ももいろクローバーZ*12にも引っ掛けている。
    • 本作の3DS版発売から約6年後、Switch版発売から程なく上映された映画『妖怪学園Y 猫はヒーローになれるか』では主題歌をピンクレディーが歌っており、奇しくも「妖怪ウォッチの主題歌をピンクレディーが歌う」という冗談めいた出来事が起こった。この映画は過去作とは世界観こそ異なるが、オマージュ要素が幾つか出てくる。
    • アニメ版及び『2』以降は「ニャーKB48」*13に取って代わられたので、ファンの中でも「ももいろレディー」を知る人は少ない。
  • 妖怪ウォッチ8周年記念として無印の妖怪ウォッチがiOS/Android版でも遊べるようになった。2021年7月10日に配信が決まった。
    • 当初は3DS版準拠の移植で2016年配信予定だったが、開発が長引き最終的にSwitch版準拠の移植となった。
    • 完全に一人用プレイ特化の内容となっており通信対戦機能は撤廃されている。
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最終更新:2023年07月23日 13:41

*1 可愛い妖怪は「プリチー族」など、タイプ先行であるポケモンとは異なり大方見た目で区別されている。またレア度の高いもので、かつ友達になるのに一定条件が必要になるものは「レジェンド妖怪」という括りに入る。

*2 日野氏によると、妖怪ウォッチは現代版「ドラえもん」を目指したとのこと。そして実際、この4人はのび太・しずか・ジャイアン・スネ夫を参考にしたらしい。なお、現代っ子が感情移入しやすいように、ケータはのび太のような「何をやってもダメ」なキャラではなく「何をやっても普通」のキャラにしたと話している

*3 例えば、お肉屋さんの「安藤さん」はライオンのような髪型をしており、ラーメン屋(なぜかラーメン以外の中華料理を扱っていない)の店主は藤子・F・不二雄の書く漫画に出てくる、ラーメン好きのキャラ「小池さん」、中華料理屋(なぜかラーメンを扱っていない)の店主が石ノ森章太郎の『サイボーグ009』の006を思わせる姿をしている

*4 さすらい玉は1回の戦闘で1回しか出ず、しかも得られる効果はハート以外にも複数(戦闘後に得られる経験値・お金が増える、追加でアイテムが手に入る等)存在するため、結局は運次第となる。

*5 信号機に押ボタンの追加、ケータの耳と袖、ズボンのディティールアップ

*6 特に、日野社長自ら脚本を担当した第25話「ジバニャンの秘密」は感動的で評価が高く、同時に日野社長自身のシナリオライターとしての評価も上げる事となった

*7 「サザエさん」「名探偵コナン」「ダチョウ倶楽部の上島竜平」等

*8 「北斗の拳」「ガラスの仮面」「101回目のプロポーズ」等

*9 「AKB48」「イナズマイレブン」「孤独のグルメ」等

*10 「木こりの与作」「摩天楼はバラ色に」「なぜか笑介」等

*11 「大人の目線で「君たちが見たことのないものを見せてあげるよ」と奇をてらったようなものではダメですね。子どもたちは新しいものを見たがっているわけではないんです。なぜなら、経験の少ない彼らにとっては、見るものすべてが新しいものなのだから。」

*12 後に『3』で登場するうたメダルユニットの名称の元ネタになった。

*13 AKB48を元ネタとするアイドルユニット。