牧場物語

【ぼくじょうものがたり】

ジャンル ほのぼの生活シミュレーション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売・開発元 パック・イン・ビデオ
発売日 1996年8月6日
定価 7,800円
判定 良作
ポイント 箱庭系ゲームの傑作
牧場物語はここから始まった
牧場物語シリーズリンク


概要

  • 2017年現在、20作以上発売されている人気牧場シミュレーションゲーム『牧場物語』シリーズの第一作。
  • 荒れ果てた牧場を開墾し、発展させることが目的。
  • 『「荒地を開拓し作物を育て動物達と触れ合う」「自然と親しみ街で人々との交流を楽しむ」「牧場を中心とした箱庭世界でほのぼのとした生活を送る」という3つの要素を軸にした新感覚のアクション+シミュレーションゲーム』(メーカー公式ページより引用)

システム

  • ゲーム期間
    • 春・夏・秋・冬それぞれ30日ずつある4つの月からなる、1年目の春から3年目の夏までの2年半。
    • 牧場の状況がどうなっていようと、3年目夏の月30日になった時点で終了となり、それまでの行動によりエンディングの内容が変化する。
    • エンディングの最後にはスコアが表示されるが、何点以上でベストエンド、というような性質のものでもなく、「クリアを目指すのではなく牧場生活を楽しむ」というこのゲームのコンセプトが如実に反映されている部分でもある。
  • ゲームの流れ
    • 朝6:00に起床し、農作業や植物採取、町での買い物などを時間が流れる中でこなし、夜6:00にベッドに入って就寝することで一日が終わる。
    • セーブ(ゲーム中では「日記」と表現される)は就寝時にしか行えない。なおロードすると翌朝目覚めた時点から始まる。
    • 基本的には種を植えて作物を育て、得た収入でまた作物を作ったり、農具を強化したり、牧場を改築して大きくしていく。
    • 上記は一般的な流れであり、別に畑を作らずに進めたり、一切仕事をしなくても問題ない。エンディングは非常に寂しい物になるが。
    • 収穫祭などの季節のイベントがあったり、季節によりできる行動が変化(作物の種類が変わるなど)することもあるが、基本の一日の流れは最初から最後まで同じである。

特徴&評価点

  • 「荒地を開拓し作物を育て動物達と触れ合う」要素
    • 牧場を耕して作物を育て、毎日決まった時間(夕方)までに出荷することで収入を得る。
  • 「オノ」や「カマ」などの農具を使用する際には1回ごとに体力を消費し、体力を使い切ると使えなくなる
    (寝て翌日を迎えるか、温泉にある程度の回数入ることで回復する。また、入手数は限定されているが体力を増やせるアイテムが存在する)。
  • 育てられる作物は季節により異なり、次の月になると前の月の作物は枯れてしまう。
  • また秋冬は出荷できる作物がないため、代わりに鶏や牛を育て、卵や牛乳を出荷することになる。
  • 牛には名前をつけられ、ブラッシングなどで愛情度を深めるとランクの高い牛乳を収穫できるようになる。
  • 家畜のほかに、ペット兼番犬としての犬、ペット兼乗り物としての馬も登場する。
  • 動物はどれも可愛らしくデフォルメされており、うっかり病気や野犬の犠牲になったりして本気で落ち込むプレイヤーも多い。
  • 「自然と親しみ街で人々との交流を楽しむ」要素
    • 牧場の隣に街があり、種や農具などのアイテムは全て町で購入することで手に入れる。家畜も同様。
    • さらに街には5人の嫁候補の女の子がおり、恋愛イベントをこなしてアイテムを使ってプロポーズすることで結婚できる。
    • 結婚後は牧場に移住し、一定の条件をクリアすれば子どもも産まれる(最大2人まで)。
    • 裏山の木こりや街の人々、怪しげな行商人など、ヒロイン以外にも個性的なキャラクターが登場し、より魅力的な世界観を演出している。
  • 「牧場を中心とした箱庭世界でほのぼのとした生活を送る」要素
    • 画面はドット絵で描かれた俯瞰視点で表現され、操作も方向キーで移動、各種ボタンでジャンプやアイテムの使用とアクションRPG的な要素がある。
      • 自らの手で動かすことで、実際にその世界に住んでいる感覚を得られる。
    • 台風で作物が荒らされる、家畜が野犬に襲われる、などポジティブな面ばかりでない牧場らしさも表現されている。
    • まつやまいぐさ氏によるキャラクターデザイン、温かみのあるドット絵が世界観と非常によくマッチしている。

問題点

  • シリーズ第一作目ということもあり、ここで挙げた問題点は後のシリーズで改善された点がほとんどである。
  • 一日の時間の流れが完全に決まっている
    • 前述したとおり、必ず朝6:00に起床し、夜6:00を過ぎるとベッドに入って寝るまで全く時間が流れない。
    • 早くに開墾を終わらせて他の作業に集中できる反面、それができるせいでただの作業ゲーになってしまうおそれがある。
    • なお後のシリーズ作では、6:00以降も時間が流れるようになり、逆に寝坊して起床時間が遅れる現象も起こるようになった。
  • 収穫物などの手に持つアイテムが一度にひとつしか持てない
    • 収穫の際に何度も往復するのが非常に手間である。
    • また、操作に慣れるまではうっかり地面に投げてしまう、というミスも起こりやすい。
    • 農作業の道具も持てる数が限られているので、その都度納屋に取りに行く必要がある。
    • 後のシリーズ作ではリュックが採用され、一度にいくつも持てるようになった。
  • 嫁候補たちの結婚してからのビジュアルがほとんど同じ  
    • 個性的な容姿のヒロインたちも、結婚してしまうとエプロン姿に髪を後ろでひとつ結びにする、というほぼ同じ姿になってしまう。

総評

タイトル通り、のどかな自然に囲まれた「牧場」を舞台に、人々や動物とのふれあいの中で生まれる「物語」を表現した箱庭系シミュレーションゲームの傑作。
ボタンと十字ボタンで操作するアクションRPGに近いシステムを採用しており、作業の繰り返しで単調になりがちな経営シミュレーション部分も苦にならずに進められる。
恋愛要素もあり、結婚、さらに子どもの誕生まで描写されるため本当に牧場で暮らしている感覚を味わえる。
可愛らしいキャラクターデザインをそのまま活かした温かみのあるグラフィックも手伝い、老若男女問わず幅広い層のファンを獲得し、後に20作以上続く一大シリーズとしての地位を獲得していった。
ハード的なスペックもあって(ゲーム内の)期間は短く、できることも後発の作品に比べて非常に少ないが、そのシンプルさゆえに、発売から10年以上経過した今プレイしても十分に楽しめる。
劇的なイベントや派手なアクションは存在しないが、気がつけば何時間もプレイしてしまう、独特の魅力のある作品である。


余談

「ほのぼのとした牧場ライフを味わう」コンセプトにもかかわらず、やりこんだ重度のファンほど、効率を重視して初日に全てを開拓、序盤は村人との交流などそっちのけでひたすら薪を割り続けるなど、ひとかけらもほのぼのとしていないプレイスタイルになってしまうという本末転倒な現象も見受けられる。