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タッチバトル戦車3D

【たっちばとるせんしゃすりーでぃー】

ジャンル 戦車アクションシューティング
対応機種 ニンテンドー3DS(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)
発売・開発元 シルバースタージャパン
配信開始日 2011年10月26日
価格 500円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 戦車だらけのアクションシューティング
明らかにおかしいゲームバランス
タッチバトル戦車3Dシリーズ
3D / 3D-2 / SP / 3D-3 / 3D-4 / SP


概要

携帯機のダウンロード専用ソフト中心のメーカーであるシルバースタージャパンからリリースされたソフト。
ジャンルとしてはトップビューによる面クリア式アクションシューティングゲームに該当する。フルポリゴンによる描写がされているが、全編通して2Dのゲーム性となる。
オートセーブ方式。メイン操作は十字ボタン(アナログパッド)とタッチを同時に行う。

主なルール

  • ゲームの流れ。
    • ステージ開始前に「2種類の自機戦車」(以下:自機)から好きな方を選択できる。
      • 各自機の性能差は下記を参照にして頂きたい。使い勝手に相違はあるものの、どの自機を選択してもステージ内容に一切の変化は起きない。
    • 自機を操作して、画面内にいる敵戦車すべてを全滅させればステージクリアとなる。
      • 自機側・敵側全員が戦車というゲームの関係上、一部の通路に通行制限がかかる場面が多い。その為、おのずと通行の移動範囲が限られてくる。
      • 各ステージには制限時間が全く設けられておらず、長期戦になっても何かの不都合が起きる心配はない。
    • 本作はステージセレクト制を採用しており、ステージクリアをする度に選択可能なステージが増えていく。全50ステージ + 20のエクストラステージ構成(総計70ステージ)
      • ステージクリア後は該当ステージに「クリアマーク」が付く。クリアマークは使用した自機別で付けられる。
  • 各自機の性能差について。
    • 自機には「パワータイプ(青い機体)」と「スピードタイプ(赤い機体)の2種類があり、それぞれの性能差が異なる。
+ 自機性能一覧
  • パワータイプの性能。
    • スピードタイプに比べると移動速度が鈍いが、通常ショットの威力が2倍ある。
    • 通常ショットは直進2連射。ショットで大方の敵弾をかき消せる。
    • 「チャージショット」(溜め撃ち)が可能。溜め中は「チャージゲージ」が蓄積され、ゲージMAX状態でタッチを離すとチャージショットが撃てる。
      チャージショットは"通常ショットの2倍増し威力 + 小型敵・敵弾・ブロックを貫通する"性能。
    • 最大(初期)ライフは5つ。
  • スピードタイプの性能。
    • パワータイプに比べると移動速度が速いが、通常ショットの威力が半分しかない。
    • 通常ショットは直進5連射。ショットが壁に当たると、反射する形で跳ね返る。
    • 「ジャンプ動作」が可能。ジャンプ中は一時的な無敵状態となる。ジャンプしながら移動やショット発射を行う事もできる。
    • 最大(初期)ライフは1つのみ。すなわち、何かのダメージで即ミスとなる。
  • 操作系統。
    • 各自機の操作は以下の通り。
      • 十字キー(アナログレバー)で八方向操作。
      • 下画面のどこかをタッチすると、タッチ箇所に応じた360度方向の通常ショットが撃てる。照準モードによって射程方向の感覚が変わる(後述)。
      • タッチ後にしばらくホールドして離すと、チャージショットの発射(パワータイプのみ)。
      • Lボタンでジャンプ動作(スピードタイプのみ)。
      • Aボタンを押す度に、照準モードを「全体サイト」「自機中心サイト」へと切り替える。
        前者は「下画面をゲーム画面全体に見立てたサイト表示」となり、後者は「下画面中央に自機が示され、その自機を中心としたサイト表示」となる。
  • 敵・障害物について。
    • 本作には後述の敵や障害物が多数配置されている。アイテムの類は登場しない。
      • 敵すべては全員、行動パターンが共通している。大まかなパターンとしては「基本ランダム移動」「自機を積極的に襲ってくる」「自機攻撃を避けてくる」というもの(執筆者調べ)。
      • 各敵にはで「耐久度」が設けられている。耐久度は「スピードタイプ自機の通常ショットを1回当てると1ずつ減る」基準での設定となる。
        パワータイプ自機の場合、「通常ショット1回だと2の耐久度」「チャージショット1回だと4の耐久度」を減らせる。
      • 敵の攻撃には攻撃力の差異がある。「追撃弾・ボスタイプの攻撃力は3」「他の敵車は1」となる。
        パワータイプ自機が敵ダメージを受けると、その分のライフが失われる。スピードタイプ自機は元からライフが1つしかない為、いかなる敵攻撃でも即ミスとなってしまう。
      • 小型敵に自機が触れてもダメージはないが、ボスタイプの敵に触れてしまうと各機体共に即ミスとなってしまう。
      • 敵を倒すと爆風が起き、その爆風で周囲の敵を巻き込む事ができる。自機が爆風に触れてもダメージは受けない。
+ 敵・障害物一覧
  • 敵系。
    • 「通常タイプ」…緑の小型敵戦車。直進1方向の弾を放ってくる。耐久度は1(自機ショット一撃で必ず破壊できる)。
    • 「跳弾タイプ」…赤の小型敵戦車。壁に触れると跳ね返る性質の直進1方向弾を放ってくる。耐久度は2。
    • 「3方向タイプ」…白の小型敵戦車。直進3方向の弾を放ってくる。耐久度は4。
    • 「連射タイプ」…青の小型敵戦車。直進1方向の弾を3連射で放ってくる。耐久度は3。
    • 「誘導弾タイプ」…オレンジの小型敵戦車。ホーミング弾を放ってくる。耐久度は2。
    • 「追撃弾タイプ」…黒の小型敵戦車。地形を完全無視した追撃弾を自機目がけて放ってくる。耐久度は5。追撃弾着地後には爆風が発生し、これに自機が触れるとライフが1つ失われる。
    • 「ボスタイプ」…大型敵戦車。先述6種類敵の巨大バリエーションがあり、攻撃方法も共通している。耐久度は各種類共に20。
  • 障害物系。
    • 「壁」…通行を阻止する壁。一切の破壊は行えない。全ステージにおいて必ず配置されている。
    • 「穴場」…通行を阻止する穴場。自機側・敵側のすべてのショットが素通りする。
    • 「緑ブロック」…通行を阻止するブロックの一種。自機のショット一発で破壊でき、敵側もブロックの破壊が行える。
    • 「赤ブロック」…通行を阻止するブロックのもう一種。パワータイプ自機のチャージショットのみで破壊可能。スピードタイプ自機や敵側が破壊できる手段はない。
    • 「地雷」…普段は隠されており、自機が通過すると1秒後に爆発する。自機が爆風に触れるとライフ1つのダメージだが、敵側も爆風ダメージで破壊できる。
  • ミス条件について。
    • 本作には残機の概念はなく、ミスすればステージセレクトに戻される(もしくは再トライができる)。
      • ミス条件は「パワータイプ自機はライフがすべて尽きる」「スピードタイプ自機は何かのダメージで即ミス」となる。
  • メダルについて。
    • 特定条件を満たした上でステージクリアを続けると、「メダル」という階級的な印が獲得できる。メダルは全部で5種類。

問題点

難易度面の問題点

  • 自機の微妙な機体性能。
    • 2機用意されている自機のどちらもが、あまり使い勝手がよろしくない
  • パワータイプの場合。
    • 移動速度が鈍く、高速の敵弾を避けるのに一苦労する。追撃弾や誘導弾などの"誘導性のある敵弾"は特に避け辛い程で、開始直後から崖っぷち状態というステージも珍しくない
    • 2連射しか通常ショットが撃てない為、多数の敵を対処するのが厳しい。もちろん、敵側はそんな事お構いなしに襲い掛かってくる
    • ライフが5つあるが、本作におけるダメージ後の無敵時間は"ほぼ"皆無。たとえライフ値MAX状態でも、デス様ばりのダメージ連鎖で瞬殺ミスとなる場面も多い。
    • とはいえ、「大方の敵弾をショットでかき消せる」「チャージショットで敵集団に貫通大ダメージをあたえられる」「赤ブロック破壊で行動範囲を広げられる」という本機体ならではの利点もある。
      後述のスピードタイプの悲惨性能に比べれば、若干の勢い任せの攻略が可能。そういう意味では、まだ救い様のある性能の機体である。
  • スピードタイプの場合。
    • 通常ショットの威力がパワータイプの半分しかない上に、チャージショットも行えない為、かなりの割合で長期戦に陥ってしまう
    • 通常ショットが5連射ができるとはいえ、小大を問わず大量の敵が遠慮なく登場する本作においては、ほとんど焼け石に水の性能でしかない
    • ライフが1つしかない為、どんな攻撃を受けようが即ミスとなってしまう。長期戦になりやすい機体なのに、装甲が紙レベルという…。
    • ジャンプで無敵時間を確保できるという利点があるが、ジャンプするにはLボタンを押さなければならない
      片手が十字キー(アナログレバー)・もう片手がタッチで塞がれている最中にLボタンを押すのは困難すぎる。無理やりにボタン押していくと、短時間で指が攣る可能性大*1
    • 赤ブロックを破壊する手段がなく、ステージによっては行動範囲が狭すぎて大苦戦となる。同じステージでもパワータイプと難易度の差が違いすぎる局面も…。
    • 利点としては「先述の通り、ジャンプ中に無敵時間を確保できる」「移動速度が速い」「反射性能のある通常ショットを利用すれば、ある程度敵を攻撃しやすくなる」といった点がある。
      しかし、利点よりも難点の方が上回っており、確実に苦行の連続となるのは避けられない
  • 反則レベルで攻めてくる敵戦車達。
    • 特に群を抜いて反則なのが追撃弾タイプの敵。こいつだけが別ジャンルの存在といっていい程
      • 地形効果完全無視で自機目がけて追撃弾を定期投下してくる。ステージ内のほぼ全域が攻撃範囲となっている為、敵そのものを破壊しない限りは延々と自機周辺に弾が投下され続けられる
      • しかも、稀に自機の動きを先読みする形で投下してくる為、ちゃんと回避したつもりでも直撃する事態が当たり前の如く起こる
      • "追撃弾がどの位置に投下されるのか"という影などの目安は全くされない。弾を回避するには、直感で弾の位置を把握しなければならない。
      • さらに最悪な事に、ステージ開始時の自機から離れている場所に配置されている事が通例となる。その間に他の敵と追撃弾の板挟みに襲われるのは必至である。
      • 例えるならば、アクションシューティングのプレイ中に追撃弾敵だけが『ボンバーマンシリーズ』でいうところの"みそボン*2"を仕掛けてくる様なもの
      • 実際、本作におけるミス原因として最も多いのが、この「フリーダムな追撃弾の直撃・もしくは追撃弾を避けた先の流れ弾直撃」といっていい。
    • 他にも跳弾・誘導弾タイプの敵攻撃も厄介どころである。
      • 前者は壁の配置によって『アルカノイド』ばりの反射弾をばら撒いてくる。後者は粘着的に誘導弾を放ち、立ち止まれば確実に弾の餌食となってしまう。
      • 他の敵に関しても、明確に弱いといえる程の者はおらず、いつでも危険に遭遇してもおかしくない。
  • 流れ弾の恐怖。
    • 本作のステージすべては自機の移動によって画面がスクロールするが、先の視野がどうなっているのかが全く示されない
      • 自機や敵などの位置を知らせるレーダー的な表示がされないので、見えない視野を知る術が全くない。まさに一寸先は闇状態である。
      • にもかかわらず、敵側は画面外であろうと全力疾走で自機に襲い掛かり、確認のし様のない弾を自機目がけて放ってくる
        自機からすれば常時、スクロールの外から発せられる見えない流れ弾の危険にさらされる環境となる。
      • 追撃弾タイプの敵攻撃に次いで多いミス原因が、「いつの間にか見えない流れ弾のダメージを受けていた」というものである。
  • 避け様のない弾幕攻撃。
    • 上記でも述べた通り、(主に後半ステージ以降において)大量の敵が自機に襲い掛かってくる。
      • 自機のショットは原則直進しか撃てず、四方八方の敵に囲まれると対処するのが極めて難しい。それだけでも十分に問題だが、それ以上の脅威が待ち構える。
    • 敵が執拗に弾幕を放ってくる場面が多く、画面内が敵弾まみれになるステージが数多い
      • 状況によっては『ケイブ弾幕シューティング』ばりに、"直進・跳弾・誘導・追撃弾"が一斉に降ってくるステージがある。本当、全く自重する気配がない程に…。
      • それなのに自機のやられ判定は非常に大きく、まともに弾幕を避けるのはまず不可能という有様。本作においては弾幕を正面から避けるのは自殺行為である。
      • 敵が弾幕を放ってくる環境そのものを否定するつもりはないが、だったら自機も弾幕基準のやられ判定にするのが常識なはずどういうバランス調整をしているのだろうか…?
      • 追撃弾・流れ弾に次ぐミス原因が、「避けられない弾幕が自機目がけて降ってくる」という無茶苦茶さである。
        とはいえ、弾幕を降ってくる前に、先手必勝で元の敵を破壊すれば比較的容易な回避が可能なのが救いだが…。
  • 気まぐれな敵戦車の動き。
    • 敵の行動パターンにランダム性があり、同じステージでも遭遇する敵の位置が変わってくる
      • すなわち、パターンを覚えて敵を倒すという攻略方が通用しにくい。ただでさえ、反則レベルの敵の猛攻に悪戦苦闘しているのに、より攻略が不安定になっていくという…。
    • 攻めは容赦しないのに、自機が近づいてショットを撃つと絶妙な移動で避けてくるチキンな敵達
      • 勢いだけのショット乱発を行うと、敵に上手い事避けられてステージ攻略がより長引く。できるだけ正確にショットを撃たないと、後々やばい事になってしまう。
      • ショットの避け様がない程に敵に近づくと、例外なくゼロ距離で敵弾を発射してくる。よって、あまり近づいての攻撃は非常に危険である。
      • ミス原因の一つとして、「自機に近づいてのゼロ距離攻撃」も挙げられる。砲台のついた戦車なのに、積極的にゼロ距離を狙ってくるとはどうなのか…。

その他の問題点

  • スタンダードなアクションシューティング。
    • ゲームバランス的には問題の多い本作だが、ゲームとしては「360度方向にショットを撃ち分け、ステージ内にいる敵を全滅させればクリア」というオーソドックスな内容である。
      • 操作に関しても、(Lボタンの押し辛さの件はともかく)直感的に操作しやすい系統となっており、ちょっとプレイすれば短時間で操作に慣れると思われる。
        しかし、いつミスしてもおかしくない凶悪難易度のせいで"いざという時"にショット方向の狙いが定まらずのミスに遭遇しがちではあるが…。
      • 前半ステージは敵数が少なく、さほど攻略に詰まる事なくクリアできるだろう。上記の問題点のほとんどは、ステージ40代 + エクストラステージ全般からのものである。
      • ステージ内の制限時間が一切ない為、「少しずつ敵を破壊し、確実にステージを楽な方向へと進めていく」という攻略ができるのは救い。流石に「絶対的な無理ゲー」という領域には達していない。
      • やり込み要素が「2機体別のステージクリアマーク付け」と「メダル獲得」しかなく、最短クリアを競う的な記録が全く用意されていないのは物足りないところか…。

賛否両論点

  • 良くいえばシンプル・悪くいえば地味な外見。
    • これといったストーリー・キャラクター性や派手演出はなく、全編通しても非常にストイックな雰囲気を持っている。
      • 戦車の数々は"無難にかっこいいサイバーデザイン的"なものであり、格別イカしている訳でも、ダサい訳でもない平凡なもので収まっている。
      • BGM周りはサイバー色の強い楽曲が流されるが、良くも悪くも環境音楽色の強い曲調となっている。メインBGMが"通常曲とエクストラ曲"の2曲しかないのが残念なところ。
      • 正直、あまりにも普通すぎて特色が思いつかない外見だが、ある意味DLソフトらしいカジュアルらしさが堪能できるともいえなくもない?

総評

ゲームとしてはスタンダードで分かりやすいシステムだが、恐ろしい難易度でプレイヤーを"いらつかせる"であろう容赦ない作品。少なくとも、短気な人には向かないゲームなのは間違いないと思われる。
そこそこの人気があったのかシリーズ化した。

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最終更新:2022年03月13日 23:15

*1 執筆者自身、数ステージプレイしただけで指が攣り、しばらくの間3DS本体が持てなくなった。

*2 「みそっかすボンバー」の略。バトル敗者が片隅で、ステージ内において自由に爆弾を投下できるシステムの事。