DUEL SAVIOR

【でゅえる せいゔぁー】

DUEL SAVIOR JUSTICE

【でゅえる せいゔぁー じゃすてぃす】

DUEL SAVIOR DESTINY

【でゅえる せいゔぁー ですてぃにー】

ジャンル ファンタジーアクションアドベンチャー*1

対応機種 Windows 98~XP
プレイステーション2
発売元 Win 戯画
PS2 加賀クリエイト*2
開発元 Win 戯画
PS2 アルケミスト
発売日 Win 無印:2004年10月1日
JUSTICE:2005年7月29日
PS2 2005年12月22日
定価 Win 9,240円
PS2 7,140円
レーティング Win アダルトゲーム
PS2 CERO:18才以上対象
配信 Win FANZA:2021年9月10日
※『JUSTICE』バージョン

DL版は2023年3月31日をもって配信停止
判定 良作
戯画作品リンク


概要

アダルトゲームにロボットバトルアクションを盛り込んだ『BALDRシリーズ』でおなじみのTEAM BALDRHEADが製作した恋愛アドベンチャー+アクションゲーム。
剣と魔法のファンタジー世界を舞台にした召喚モノであり、本作においてもストーリー中に横スクロールのアクションバトルが挿入されるのが最大の特徴。
無印の発売した翌年にはトゥルーエンドとなるハーレムルートを追加した『JUSTICE』と、無印を『JUSTICE』相当にアップデート出来るコレクションディスクが発売された。
同年アルケミストより『JUSTICE』をベースにした家庭用移植版『DUEL SAVIOR DESTINY』が発売された。


ストーリー

両親を早くに亡くした主人公 当真大河と妹の未亜は、ある日道端で赤い本を拾った事で異世界「アヴァター」に召喚されてしまう。
そこは数多に存在する世界の根幹となる世界であり、千年に一度現れる世界を滅亡に導く「破滅」と戦い続け世界を安定させてきた世界だった。
「破滅」と戦うためには異世界から召喚された「召喚器」を使う救世主の力が必要で、その救世主は例外なく女性だったという。
大河は召喚器トレイターを召喚した事で初の男性救世主候補となり、同じく救世主候補として召喚された女の子たちと共に「破滅」に立ち向かっていくのだが…。


システム

  • ADV部分はオーソドックスなシステムで行き先を選択したり、途中の選択肢により個別ルートへ分岐する。
  • バトルは横スクロールアクションとなっており、『テイルズ オブ シリーズ』のリニアモーションバトルのようなものを想像してもらえると分かりやすい。
    • 操作は方向キー+3ボタンで、それぞれA、Bボタンには攻撃、Cボタンにガードが割り振られている。2段ジャンプや方向キーとボタンの組み合わせで様々な技を出す事が出来る。ゲームパッドを繋げばコントローラー操作も可能。
    • 敵の攻撃が当たる瞬間にガードする事で無効化出来る「見切りガード」というシステムがある。
    • 画面下には赤と青の宝石がはめ込まれたゲージがあり、時間経過で回復する青ゲージがある場合はガードでダメージを軽減*3、コンボを当てると溜まる赤ゲージがある場合は普段キャンセル出来ない技をキャンセルしたり、超必殺技を発動可能になる。
    • キャラクターにはレベルの概念があり、敵を倒した際に出現する経験値アイテムを取得する事でレベルアップしていく。レベルは周回プレイでも引き継がれる。
    • 大河以外のキャラは基本的にCPU操作だが、一度エンディングを見たヒロインは次周から操作可能になる。

主な登場人物

+ クリックで展開
  • 当真 大河
    • 主人公。バカでスケベでモテたがいがために救世主を目指すという分かりやすい性格をしている。一方、未亜のためにバイトをしていたり仲間想いな熱血漢としての一面も持ってはいる。
    • 戦闘スタイルは接近戦主体で主人公らしくクセがない。召喚器は剣タイプの「トレイター」。
  • 当真 未亜
    • メインヒロイン。大河の妹。控え目な性格でただ一人の兄である大河に肉親以上の感情を抱いている。兄の事になると感情剥き出しになる事も。
    • 戦闘スタイルは遠距離主体。召喚器は弓型の「ジャスティ」
  • リリィ・シアフィールド
    • 未亜と双璧を為すヒロイン。破滅に滅ぼされた世界から召喚された救世主候補で、現在は学園長の養子となっている。ツンデレ。
    • 戦闘スタイルは攻撃魔法主体。召喚器は手袋(グローブ)型の「ライテウス」
  • ベリオ・トロープ
    • BALDRシリーズおなじみの眼鏡巨乳の委員長キャラ。見た目通りの真面目な性格なのだが、それは彼女の出生と過去に由来する。
    • 戦闘スタイルは防御魔法を用いるサポート系。召喚器は杖型の「ユーフォニア」
  • ヒイラギ・カエデ
    • 昔の日本のような世界から召喚された救世主候補で忍者の一族の末裔。外見に似合わず血を見ると気絶するお惚けキャラ。
    • 戦闘スタイルは素早い体捌きを主体とした格闘タイプ。召喚器は手甲(篭手)型の「黒曜」
  • リコ・リス
    • 召喚術が得意な救世主候補。他の救世主候補も彼女が召喚している。物静かな一方、大食らいというギャップを持つ。
    • 召喚器は持たず、数々の召喚魔法を用いた戦闘スタイルを持つ。
  • ナナシ
    • 学園の地下で眠っていたアンデッド少女。記憶を失っているが、破滅に対抗出来る戦闘力を見込まれて救世主クラスの一員になる。
    • 自分の頭を投げて攻撃するトリッキーな戦闘スタイルを持つ。物語後半、記憶を取り戻すと全く異なる戦闘スタイルに変化する。

評価点

  • ヒロイックファンタジーであり、なおかつ学園モノの要素を加えた熱いストーリー。
    • 学園モノらしく仲間同士の絆を中心にコメディも交えて展開する前半は明るく賑やかに描かれる。
    • 一方、後半の個別ルートでは各キャラの破滅の将との因縁、救世主の真実などが絡み合うシリアスな物語が展開される。二転三転する展開や練りこまれた設定などは高評価。
    • 人死にも多く、結構容赦なく死ぬ。共に戦っていた仲間と対峙したり、仲間を助けに行ったばかりに別の仲間が…など悲劇的な展開も多く、前半と後半の落差はなかなか凄い。
    • ちなみに個別ルートの中ではリリィルートの評価が特に高く、他のキャラクターたちも個性的でキャラクター評価は良い。
  • PS2版では報われない展開が多かったクレアにルートが追加され、その内容の良さもあって高評価を受けている。
  • コンボを主体とした軽快なバトル。
    • 通常技はMPなどの縛りがないため自由に使用する事が可能。ゲージ管理もあまり意識せずとも手軽にコンボを繰り出す事が出来、アクションが苦手でも爽快感のあるバトルが楽しめる。
    • 敵を浮かせての空中コンボなども可能。敵側も浮きにくい敵、主人公たちを遥かに越える巨体やスーパーアーマー持ちなどバリエーション豊か。
    • 難易度設定も用意されており、コンフィグからいつでも切り替え可能。初期状態では上から2番目の「NORMAL」が選択されているが、もっと歯ごたえのあるバトルを楽しみたいプレイヤー向けの「HARD」やバトルが苦手なプレイヤー向けの「EASY」「VERY EASY」がある。
  • 見切り道場やサバイバルモードといったやりこみ要素の多さも良点と言えよう。
  • ADVパートのシステムも快適で、コントローラ操作にも対応しているエロゲーとしては珍しいタイトルでもある。
    • 方向キー右でセーブ選択、上でバックログ、下でスキップやコンフィグなどのメニュー表示とコントローラ操作を前提にしたUIも特徴的。メッセージウィンドウ以外を消しておく事も可能なので画面がスッキリしている。
    • オプション周りも細かく設定出来るので、自分の好みに合わせたプレイが可能。
  • 音楽面ではKOTOKOの歌う主題歌「Fatally」の人気が高い。
    • 他のBGMも主張はしないが場面に合わせた曲が多く、後半に行くにつれ盛り上がる曲が増えていく点は好評。

賛否両論点

  • PS2版の新規声優陣についてはWin版プレイヤーを中心に賛否あり。
    • 新規声優陣はいずれも人気声優なので、客引きとしての印象が強い。演技は申し分ないが、Win版とは大幅に声質の異なるキャラもいるので「合っていない」という意見も。
    • PS2版から入ったプレイヤーからは好評の意見が多い。Win版プレイヤーとの差といった所か。

問題点

  • BALDR FORCE』同様のルート固定制のため特定のキャラを攻略したくても、そのキャラの順番が回ってくるまで攻略出来ない。
    • 特に救世主の真実が明かされるリリィルート、未亜ルートは終盤。ハーレムルートは全キャラクリア後となる。
  • 基本的に評価の高いシナリオだが、未亜ルートは否定的な意見が多い。
    • 理由としては後半でのヤンデレ化や 「あの女のにおいがする…」 などの一部の台詞に引いたという意見もあり、直前にプレイする事になるリリィルートが高評価な事もあってその落差から評価が低くなってしまっている。
      プレイヤーから 「キモウト」 と呼ばれている*4事からもお察しいただきたい。
    • 無印ではこの未亜ルートが最終エンディングだったため、ややスッキリしない終わり方になっていた。
    • PS2版では一部中途半端に残っているエロシーンなどが問題として挙げられている。前作『BALDR FORCE EXE』でも同様の問題があった。
  • 主人公が変態で行動もDQN寄り。
    • 上記のとおり仲間思いでアツいところこそある一方で、友人の弁当を勝手に食べてしまおうとするなど、プレイヤーに「おいおい…」と思わせる行動が序盤から多い。
    • バカでスケベでモテたいがために救世主を目指すという我欲にまみれた人間の為、人によっては激しく不快感を覚えるタイプである事は否めない。漫画作品で例えるなら「そらのおとしもの」の主人公が近いか*5
      • ちなみに、パッケージにも「救世主への道は甘くてオイシイ?」と記載されているので、「そういうゲーム」だと考えれば納得できなくもないが…。
    • 前作『BALDR FORCE EXE』の相馬透が(一部ルートを除いて)真面目で正義感の強い主人公だった為、前作プレイヤーからすれば「こんな変態が主人公かよ…」と思うのもむべなるかな。
  • やはりというか、シナリオを楽しみたいためバトルパートがいらないという意見も一部ある。
    • キャラごとのアクションは固定されているため似たようなコンボを繰り返すだけになりやすかったり、レベルアップしてもゲージが伸びるだけといった点は不評。
    • 終盤になるにつれバトル回数が増えていくため水増しという意見もある。
  • 前述のやりこみ要素クリアで貰えるご褒美CGを入手するのがやや面倒。
    • 見切り道場完全クリア、サバイバルモードで200戦以上というのが条件。サバイバルモードの戦闘数も大変だが、見切り道場はアクションが苦手なプレイヤーには苦痛でしかない。
    • また、このご褒美CGの仕様のため本編で未回収のシーンがあっても気づかない場合もある。特に未亜ルート、ハーレムルートは特定条件により分岐するトゥルーエンドや追加シーンがあるため見逃すプレイヤーもいた。
  • ウィンドウモードがフルカラー非対応なので、ウィンドウモードでプレイしたい場合は画面設定をハイカラーに設定する必要があり面倒くさい。
  • PS2版はローディングやセーブの長さが不満に挙げられている。

総評

練りこまれた熱いシナリオや一般ゲームに劣らぬアクションパートの出来の良さから高い評価を得た良作である。
『BALDR』シリーズに比べるとやや知名度は劣るものの、その後もいくつかの外伝作が発表されている人気タイトルと言えよう。


移植版

『JUSTICE』の追加点

  • 最終章となるハーレムルートが追加。
    • これに伴い、プレイヤーキャラに「真の救世主 大河」と真ラスボスが追加。
  • 自由な設定で練習が出来るプラクティスモードが追加。
  • 見切りガードに重点を置いたやりこみモード「見切り道場」が追加。
  • 連続して敵と戦い続ける「サバイバルモード」が追加。一度ゲームをクリアする事で解禁される。
    • このモードのみ本編では使用出来ないキャラや戯画の他作品、ねこねこソフトの『みずいろ』からのゲストキャラが使用出来る。
  • 2021年9月10日にFANZAでダウンロード販売された。

『DESTINY』の追加点

  • 大河にボイスが追加。他のキャラの声優も総入れ替えされたが、オリジナル版のボイスと切り替える事も可能。
  • Win版ではサブキャラだったクレアルートが追加。
  • Win版『ショコラ ~maid cafe "curio"~』DVD-ROM版の予約特典だったミニゲーム『chocolat SAVIOR』が追加収録。
  • OPに新主題歌「NO WAY OUT!」を収録。

関連作品

『angel breath』

  • 2006年2月24日発売。本作と共通の世界観を持つ外伝的作品。おまけとして本作のバトルシステムを流用した「angel savior」が収録されている。

『Xross Scramble』

  • 2007年4月27日発売。本作と『BALDR FORCE』のファンディスク。PS2版とは異なるクレアを主役にしたストーリーやIFストーリーが収録されている。

『オトメクライシス』

  • 2008年3月28日発売。本作の世界を舞台にした外伝作品。本作のバトルシステムを強化したものを搭載。

マテリアルブレイブ

  • 2012年3月23日発売。本作のバトルシステムを発展させたものを搭載している。ただし肝心の出来は…。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 戯画
  • アダルトゲーム

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最終更新:2023年04月03日 00:01

*1 PS2版のジャンル名より。

*2 アルケミスト製品の多くで発売元に据えられている同社は、「発売元」という立場にあってもメーカー扱いはされていない(逆にアルケが「販売元」でありながらメーカー扱い)。どちらかと言うと「販売委託先」に当てはまる。

*3 青ゲージがない場合はガードしてもダメージをそのまま受けてしまう。

*4 正確に言うと、キモウトの語源となったのは『永遠のアセリア』(Xuse【本醸造】)の高嶺佳織。こちらは主に外見からきている

*5 此方の主人公も思春期真っ只中のド変態スケベである。一応、他人思いであったりアツイところもあったりと、欠点だけの人間ではないが