GROOVE COASTER

【ぐるーヴこーすたー】

ジャンル 音楽体感アトラクションゲーム
対応機種 アーケード
発売・開発元 タイトー
稼働開始日 2013年11月5日
判定 良作
ポイント シンプル&爽快感重視の音ゲー
ZUNTATAやタイトー名作ゲーBGM等の個性的なラインナップ
世界観にどっぷりハマれる背景演出
譜面視覚性の悪さとAD-LIBの存在が賛否両論
備考 日本国外版のタイトルはRHYTHMVADERS
スペースインベーダーシリーズリンク
グルーヴコースターシリーズ
1~EX / 2:HEAVENLY FESTIVAL / 3~3EX:LINK FEVER・DREAM PARTY
4~4EX:STARLIGHT ROAD・INFINITY HIGHWAY / PC:GROOVE COASTER for STEAM


概要

SPACE INVADERS INFINITY GENE』の系譜を次ぐ作品[INFINITY GENE PROJECT]のひとつ。
同作の一部スタッフやモチーフを引き継ぎ「ジェットコースターのような疾走感が楽しめる」というコンセプトのもとに開発された、タイトーの音楽ゲーム。
iOSアプリとして配信された『GROOVE COASTER』『GROOVE COASTER ZERO』が高く評価され、そしてスペースインベーダー35周年記念としてアーケード版が発表。
同社としては『ミュージックガンガン!』以来となるアーケードの音楽ゲームを以て、再び大舞台に登場することになった。


システム・特徴

  • 筐体は55インチの縦に長い大画面と、台の上にある2つの「ブースター」のみとかなりシンプル。
    • ブースターは大型のレバーにボタンを取り付けたような仕様の専用コントローラー。2つ用意されており、両手を置いてプレイする。
    • 台にはNESiCAカードの読み取り機とイヤホンジャックがついている。
  • ジェットコースターのレールのように張り巡らされた一本のコースをアバターが移動する。 コース上に置かれたターゲットとアバターが重なった時に、ブースターをタイミングよく操作していく。
    • 長押し系統でないターゲットはコースに置かれているだけでなく、コース外から飛んでくるものもある。
    • 操作したタイミングに応じて、良い順に「GREAT」「COOL」「GOOD」「MISS」と評価される。見逃しやタイミングの大ハズレによってMISS評価となった場合チェインが途切れ、GROOVEゲージが減る。
      • CHAINコンボは10カウントするとFEVER状態になり、ターゲット1個の回収につき2CHAINずつ増えるようになる(同時押し系ターゲットは4つになる)。さらにAC版では100CHAINに達するとTRANCE状態になり、更に倍の4CHAINずつ増えるようになる。
  • ターゲットは以下の10種類。基本的に「両方のブースターで操作する」という指示が無いものは、左右どちらのブースターで操作しても構わない。
    • HIT :小さい丸のターゲット。どちらかのブースターについているボタンを押す。
      • 外部から飛んで来るターゲットは丸枠の星形になる。
    • CRITICAL :大きくてとげとげしているターゲット。両方のブースターのボタンを同時に押す。
    • HOLD :HITと同様の丸いターゲットから、コースに沿った太いラインが伸びているもの。アバターが重なっている間、どちらかのボタンを長押しする。
      • ターゲットの終点でボタンを離す必要はなく、更にターゲットの始点でタイミングを合わせる必要も(他ターゲットと比べると)少ない。
    • SLIDE :矢印のついた菱型のターゲット。矢印の方向にどちらかのブースターを動かす。ボタンは使わない。
    • BEAT :菱型が連なっているターゲット。アバターが重なっている間ボタンを連打する。
      • 連打数ではなく、切れ目なく連打している時間が一定であればよい。むやみに連打すると直後の(AD-LIB含む)ターゲットを回収し損ねてしまうこともある。
    • SCRATCH :らせん状のターゲット。重なっている間ブースターをどれかの方向に動かし続ける。
      • ゲーム中では「左右に」とあるが、実際は上下や円を書くように中速で動かしてもOK。BEAT同様にターゲットが始まる前から動かしていても問題ないが、やはり直後のターゲット、特にSLIDEには注意。
    • DUAL HOLD :CRITICALと同様の形状のターゲットから、コースに沿って2重の太いラインが伸びている。アバターが重なっている間、両方のブースターボタンを押しっぱなしにする。
    • SLIDE HOLD :SLIDEと同様の矢印ターゲットから、コースに沿った太いラインが伸びている。アバターが重なっている間、どちらかのブースターをその方向に入れっぱなしにする。
    • DUAL SLIDE :矢印が2つついているターゲットで、両方のブースターを同時に操作する。角度が小さいものの場合、同じ方向にブースターを入れる。
      • これが外部から飛んでくる場合、必ず2個の矢印が合体するように飛んでくる。
    • AD-LIB :見えないヒット。曲の特定音やリズムに合わせて隠されているが、コースが不自然に折れ曲がっていたり、背景演出に変化が起きたりなど、隠された場所についてのヒントが存在する曲もある。
      • 回収に成功した場合、画面上にAD-LIBと表示され鈴のようなSEが鳴る。またこのAD-LIBについては回収しそびれた、若しくはタイミングを大きく外してしまった場合でも、それ自体でMISS判定としてはカウントされない。
  • クリア後には最大チェイン率に応じて最高10万点のボーナス、曲終了時のGROOVEゲージが一定量あれば「CLEAR」で5万点のボーナスが入り、結果画面で合計得点に応じたS~Eの6段階の評価がつく。
    • またミスせずに見えるターゲットを全て取れば「NO MISS」、AD-LIBも含めた全てのターゲットを取れば「FULL CHAIN」という評価が足される。
    • AC版では「FULL CHAIN」かつ全て「GREAT」評価で、長押し系のチェインを逃さず*1取れば、理論値となる100万点になるようになっている。
  • 難易度はSIMPLE・NORMAL・HARDの三段階で、曲選択後に選べる。基本的には難易度が上がるにつれて、ターゲット数とターゲットの種類が増えていく。
    • SIMPLEの譜面は原則としてHIT・CRITICAL・HOLD・AD-LIBの4種類、ブースターボタンを叩くタイプのターゲットのみで構成されている。
  • 昨今の音楽ゲームでは珍しくキー音(開発内では「ショット音」と呼ばれる)が設定されている。さすがにターゲット毎の音という仕様ではないものの、BEMANIの一部作品以外で「完璧に操作することで初めて曲が完成する」タイプになっている数少ないアーケード音ゲーである。
    • 仕様としては収録されている曲全てに例外なくショット音のレイヤー、いわゆる一本WAVを重ねているというもの。原曲をバックで流すだけという楽曲は実質存在しない。
    • キー音を切り分けられない版権などの一部曲については、収録に際し独自にアレンジされたキー音を重ねる形になっている。メロディ合わせの譜面のある版権曲だとカラオケ風のショット音と言った具合。
  • 1クレジット毎に2~3曲のプレイ保証があり、クリア失敗しても必ず複数楽曲を遊べる親切仕様。なおクリアボーナスはそのままスコア記録として残る。
  • NESiCAカードに対応しており、登録しておけば各楽曲・難易度毎の成績を保存する他に、以下の特典を享受できる。
    • 全譜面の合計点数を競う全国ランキングに参加できる。
    • プレイする度に経験値を入手でき、規定値まで溜めればレベルアップ。特典としてアバター・称号・スキン・アイテムを手に入れられる。
      • アバターにはタイトーおなじみの「CRAB」などインベーダー系を始めとして様々な種類が用意されている。iOS版とは違い、どのアバターを使っても基本的な仕様は変わらないので、好きなモノを気兼ねなく使える。
      • 称号を設定しておけば、ランキング等で登録したプレイヤーネームの隣に表示される。
      • スキンはターゲットを回収した時に表示されるヒットエフェクト。曲ごとにデフォルトで決められている*2が、レベルアップで手に入れたものに差し替えることが可能。AC版では変更を曲毎に保存できる。
      • アイテムは曲選択後に一つだけ選択して使用する。10回までMISSがGOODになる「SAFE」・SLIDEなどをHITまたはCRITICALに変える「EASY TARGET」といったお助けアイテムから、
        全てのターゲットが見えなくなる「STEALTH」・COOLとGOODがMISSになる「JUST」といった縛りプレイ専用アイテムまである。
        これらのアイテムは基本的にはストック消費制であり、レベルアップの他、プレイの度にランダムで手に入る事がある。
    • ゲーム終了の直前には、曲解禁に使う「ミュージックプレート」をソロプレイなら1枚、対戦プレイなら2枚手に入れられる。不定期で開催される増量キャンペーン中は1枚多くもらえる事もある。
      • 楽曲によって必要な枚数は異なるが、難易度が高い曲ほど解禁に多くの枚数を消費する傾向にある。
  • 店内で最大4人までの対戦プレイが可能。ただしリリース当初はオンライン対戦機能は実装されていない*3
    • プレイ中は全員のアバターが表示され、順位や点差をその位置関係で示している。このモードに限り、MISSしたプレイヤーのアバターがスピンするといった演出も。
    • 基本的に対戦の勝敗においては、一人プレイ用のスコアは評価の一要素にすぎない。他にもAD-LIBにならない空打ち数や、左右のブースターそれぞれの使用頻度、特定アイテムを使用した状態でのクリア、その譜面を始めてプレイした等の様々な項目が評価の対象となる。
      最終的には、これらの評価項目を達成した際に与えられる★の数を、1曲毎に競う事になる。
    • NESiCAカードを使用して対戦モードを遊ぶと、このモードでしか手に入らない称号を貰える事もある。

評価点

画面演出の豪華さとセンス

  • 特筆すべきは、他の音楽ゲームではそれぞれ独立した存在だった「譜面」と「演出」を完全に融合させたゲームとしての構造そのもの。
    • 55インチのワイド画面を縦横無尽に動くアバター・コースと、それに合わせて変化していく背景・エフェクトを組み合わせ「PV動画に頼ることなく」「画面全体で魅せる」事を徹底している。そのため「汎用背景」や「動画ファイル」などといったものは本作には一切存在しない。3DCGにこだわる音ゲーとしては随一と評しても良いだろう。
    • 個々の演出自体はシンプルなものが多いが、それぞれの曲が持つ雰囲気・世界観・原作やPVのシーンを表現しており、曲によって多種多様なテーマの演出を楽しむことが出来る。曲そのものが有するコンセプトを元に解釈できるものもあれば、明確に原作のシーンを盛り込んだものもある*4
      • 「メカクシコード」には『題材にしたキャラが「目を隠す(周囲からの認識を極限まで薄くする)」能力を持っている』ことからか、この譜面の途中でレールが一時的に見えなくなる箇所が存在する。とはいえターゲットとアバターは普段通り見えるのでそこは安心して欲しい。
      • 「アウターサイエンス」や「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」「ウサテイ2013」など、PV再現を可能な限り試みた曲もいくつかある。さすがに当初はキャラまでは厳しかったが、アバター追加と連動してキャラのシルエットなどが出る曲も増えていった。
      • 「Geometic City」のイントロでは原作『レイストーム』冒頭の出撃シーンにおける背景とカメラアングルを忠実に再現。期間限定イベントでアバター「R-GRAY0」「R-GRAY1」も配信されており、手に入れていればさらに再現度向上。
      • ネット小説『ニンジャスレイヤー』より「Naraku within(通称ニンジャスレイヤー=サンがニンジャを殺すときのBGM)」含む関連楽曲を3曲も収録。原作が小説という媒体ではあるが、背景演出ではネオサイタマの街や忍殺の世界観を完全再現している。後に放送されたアニメイシヨン版よりも動いている*5ため、原作ファンからの評価は非常に高い。製作陣のワザマエは実際スゴイ。
      • またアプリ版からの伝統芸として、「Invader Disco」「Shadow」などは特定の俯瞰視点から見るとコースそのものが特定の形状を描いている…といったケースもある。Shadowは原作『SIIG』のPSN/XBLA版からの収録となっており、同作を遊びこんでいるとニヤリとしてしまうような演出が用意されている。
    • 公式Twitterにおいて演出面のこだわりが紹介される事があるので、興味があるならフォローしておくと良いかもしれない。

音ゲー初心者にやさしい操作方法・システム

  • 2つのブースターに両手を置いて、それを叩くか動かすだけ。アプリ版と同様、音ゲーに全く触れたことのない人でも非常にとっつきやすい操作方法である。
    • モードセレクト画面からいつでもチュートリアルをプレイでき、基本的な動作を実際の操作込みで学習できる。一番簡単なSIMPLE譜面ならボタンを押して回収するターゲットしか出ない(スライド動作を一切行わない)ので初心者もクリアしやすい。
  • その一方で高難度の楽曲はコースやターゲットのパターン、はたまた曲のリズム自体が難解なものも多く、決してヌルゲーとは言い切れない。音ゲーの方向性としては『リズム天国』辺りが最も近いか。
    • HARDモード・難易度8を超える辺りからは高難度のターゲット配置が多くなり、それに応じた運手研究が要求される。その中の1曲である「Got more raves?」は稼働初期において全難易度において最高数値を有しており、本作最初のラスボス曲として広く認知された。
      • 後続シリーズが4作目を重ねた2019年時点においても、同曲は上級者への登竜門として存在感を発揮し続けている。

豊富な楽曲ジャンルと豪華作曲陣

  • J-POP、アニソン、VOCALOID、ゲーム音楽といった具合に多数のジャンルを揃えている。
    • 特にVOCALOID楽曲は他社の音ゲーにも引けをとらない曲数を収録。中でもじん(自然の敵P)の『カゲロウプロジェクト』関連楽曲や、M.S.S.Projectによる楽曲の提供数は他機種を大幅に上回っており、アバターやタイトル追加といった特集キャンペーンも実施されていた。
    • 『ミュージックガンガン!』に続くタイトー音ゲーらしく、東方アレンジ楽曲のラインナップも充実している。当時の他機種に先んじて未採用の原曲を元にしたアレンジや書き下ろし楽曲の収録がなされており、それらの演出にも熱意を感じることが出来る。
  • ゲーム楽曲に関しては、間違いなく現役の音ゲーでは最強格と評しても差し支えないラインナップを揃えている。
    • 『スペースインベーダーシリーズ』『ダライアスシリーズ』を始めとするタイトーの代表作は勿論、『パズル&ドラゴンズ』『ガンスリンガーストラトス』『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』等のNESiCA関連ゲームともジャンルを問わないコラボが行われており、音ゲーと縁遠いゲーマーへのアプローチを積極的に図っている。
    • 非常にマニアックな出典としては『てくてくビート』経由で『テトリス・ザ・グランドマスター』や『ストリートファイターEX』等、アリカゲーム作品の楽曲まで収録。
  • 数あるコラボの中でも、他社のアーケード音楽ゲーム『太鼓の達人』『maimai』と手を組んでゲームアレンジとマッシュアップリミックスを書き下ろした3社3機種連合コラボ「GMT2014」は特に大きな話題を呼んだ。
    • グルコス側は『電車でGO!』おなじみのCMソングをCOSIO氏の手でリミックスした楽曲を用意した。また『ファンタジーゾーン』『リッジレーサー』の楽曲と組み合わせたマッシュアップアレンジ楽曲も収録している。電車の存在感が大きすぎるとか言わないであげてください。
  • オリジナル楽曲は当時のZUNTATA現役陣であった小塩広和(COSIO)氏や土屋昇平氏を中心に制作。外部からもSampling Masters MEGAこと細江慎治氏や、音ゲー界隈で有名なTatsh/世阿弥こと清水達也氏など多数の作曲家が書き下ろし曲を提供している。
    • 同人CD出典だが、MEGAvsTatshという夢のコラボバトル楽曲「Weave Detonator」も収録されている。

シンプルながら秀逸な筐体デザイン

  • スピーカー配置は指向性を重視した設計で、筐体前に立てば周囲からは想像できない程に音を聞き取りやすい。
  • イヤホンジャックが標準装備されている。地味ではあるがこれも立派な評価点。筐体周辺の雑音を気にする事無くプレイできる。
    • 音量調節も筐体の方で細かく調整可能。どのようなイヤホン・ヘッドホンでも(プラグさえ入れば)問題なく使用できる。

そこそこ頻繁に行われるアップデート

  • 2014年に入って暫くは約2週間毎、以降も約2ヶ月毎に曲の追加がされるスケジュールが組まれていた。
    • 同時にアバター、タイトルの追加、それらを解禁するためのキャンペーンも実施していた。

賛否両論点

収録曲の偏り

  • 2016年2月の時点でボーカロイド・東方アレンジ・ゲームについては80曲以上収録されているのに対し、オリジナル・ポップス・アニメ楽曲はそれぞれ15~20曲程度しか収録されていなかった。
    • 選曲ランキングを見る限りではこの3ジャンルに人気が集中しており、収録数が偏るのも致し方ない面が無い訳ではない。またポップス・アニメ楽曲については「版権の問題」を避けて通る事はできない為、大幅な曲数増加は難しいだろう。

「AD-LIB」の存在

  • いわゆる隠しノーツだが、これをすべて取ったか否かでフルコンボ表示が「FULL CHAIN」>「NO MISS」に分岐する
    • 謎解き要素として好意的に見る向きもあるにはあるが、ゲームに慣れないプレイヤーにとっては若干の煩わしさが否めない。
      • アプリ版と比較すると、視覚的なヒントが少なめになっている傾向が見られる。後述する救済アイテムの削除も向かい風となっている。
    • AD-LIBの配点は素点(HITの50%分)のみならずCHAINボーナスにも影響するため、よほど素の物量が多いHARD譜面でもなければ、NO MISSでは最高ランクのS++には届かない。
    • 一応チュートリアルやロード画面のTIPSでもAD-LIBについての解説がなされているが、残念ながらこれらは見ようとしなければ一切見ない程度の表示でしかない。

キー音(ショット音)の音量に差がある

  • 正しい操作をした時に、楽曲の上に覆い被さるようにキー音(ショット音)が再生されるのは上述した通りだが、楽曲によってはキー音の音量に無視できない差が存在している。
    • 一番顕著なのは「紅蓮の弓矢」。楽曲選択画面でのプレビューで分かる通り、金管楽器らしきキー音が大きすぎるあまり元の楽曲が聴こえ辛くなっている。
  • 版権曲のキー音に対しても賛否が分かれており、シリーズが進む毎に評価の二極化が目立っている。

問題点

譜面の視認性

  • ある意味本作最大の問題点であり、演出性の高さと表裏一体の問題でもある。
    • 進行に応じて背景の演出、色やカメラアングルがめまぐるしく変わっていく楽曲は「ターゲットがどの位置にあるのか」「どのタイミングで操作すればいいのか」が非常に分かり辛い。比較的低難度の楽曲において、視認性の悪さのみによって難度詐称級の初見殺しが発生しているというのは流石に問題であろう。
    • 曲によってはターゲットの色まで変化するのだが、背景色と完全に同化してしまうケースも散見される。当然ながら視認難要素としては強烈なものになってしまう。
    • カメラの寄り具合等によっては操作タイミングの直前までターゲットが画面に出て来ない事もあり、これらも初見ではかなり対応しにくい。この傾向は高難度・高BPMの曲に顕著となっている。
  • 上述の性質に加えて、完全な隠しターゲットであるAD-LIBの存在もあり、FULL CHAINや高評価の獲得には否が応でも楽曲や譜面の暗記・研究を迫られる破目になってしまう。
    • とはいえ元が1レーン・1~2デバイスの譜面なので、暗記に頼らない地力偏重にするとどうしても譜面の見た目が単調になりがちという事情も無い訳ではない。
  • リリース当時の他音ゲーではまず見られない「3Dをこれでもかと活かした」プレイ画面故に、人によっては遊んでて酔ってしまう可能性がある。

SIMPLE譜面特有の難しさ

  • 初心者でも分かりやすい操作方法の少なさがウリのSIMPLE譜面だが、NORMAL譜面やHARD譜面から単純にターゲットを抜いていっただけの、所謂歯抜け譜面であるケースも少なくない。
    • ただの歯抜け譜面ならいいのだが、演出などによりコース自体の視認性が悪い場合、本来ならより難しい筈のNORMAL譜面よりもリズムが取りにくい・ターゲットの位置と回収タイミングが分かり辛いという事態も少なくない。
  • ターゲットが少なくなるという事は、コース上の空白部分が増える…即ち、画面上には見えないAD-LIBがあるかもしれない場所がそれだけ増え、高得点への余裕がそれだけ減るという事でもある。難易度によってAD-LIBの数や場所が変わる楽曲もある為「HARDよりもSIMPLEの方がFULL CHAIN・S評価取得するまでに回数がかかった」という事態まで発生しうる。
    • SIMPLEはNORMAL~HARDと異なり、全体的に判定が総じて広い傾向にある。これが原因でAD-LIBを探していると「直後のターゲットの早打ち」と見做されてしまいMISSになる事も多い。これでFULL CHAINを逃してしまっては泣くに泣けない。

アイテム「VISIBLE」の削除

  • VISIBLEとはiOS版に存在していた救済アイテムで、その効果は「AD-LIBを可視化する」というもの。FULL CHAINに直結する程の強力な効果を持つ為か、AC版では削除されている。このためAC初出曲のAD-LIBはターゲットのない部分を地道に叩いて調べるしかない*6
    • アプリ版にAC初出の曲も続々と移植されてきており、それにより共通収録となった曲は、ターゲットの種類こそ変わっているもののAD-LIB配置といった基本のリズムパターンに変更はない*7。アプリ側ではログインボーナスを主に、VISIBLEを含めたアイテムを無料で入手する手段があるので、救済措置としては十分であろう。
      • …勿論この救済措置は「アプリ版をプレイしている事」が大前提ではあるが。

コントローラーを傷めやすいゲームシステムと譜面

  • ゲームのシステム上、プレイヤーがブースターを強く操作してしまいがちな傾向がある。その為にブースター内部のボタンや、スライドレバーのバネを高頻度で交換しなければならないケースも多い。ゲーセン店員泣かせの設計である…。
    • 難度が上がると高速且つ複雑なSLIDE操作を要求される譜面(動画例)が出てくる。慣れない内は強い力でブースターをぐるぐる動かしてしまいがち。
    • SCRATCHは途中で一瞬でも動きが止まると入力判定が途切れたと見做され、ブースターの両方で判定が切れるとMISSとなる。ゲーム中の説明文通りの「左右に動かし続ける」回収方法しか知らないプレイヤーが、MISSにならないよう強く往復させてしまうという事態が非常に多い。
      • 中にはスライド時にボタンを押す必要が無いことすら知らないケースもあったりする。
    • ボタンもブースタースライドも、バネが弱まると正しい判定が出にくくなる。そうなるとプレイヤーは正確に回収するべく強めの操作をするようになり、結果更にバネが弱くなってしまい…という悪循環を生みやすい。そうでなくとも、後発バージョンにおいて譜面難度が激化していくにつれて、ブースターの耐久力自体が不安材料となってしまっている点は否めない。
      • 非純正(耐久性が高め)のバネを入れてまで、ブースターの消耗を抑えようとする店舗が現れる程である。
    • ちなみにブースターの操作に関する注意表示は存在していない。そこはキチンと表記すべきではなかったのだろうか?

判定のゆらぎ

  • AC版稼働から暫くして、AC音ゲーとしては音と判定のズレが目立つ傾向にあるという問題点が指摘された。
    • アップデートを経て徐々に是正されていっているのだが、完全な根絶には至っていない。
    • 高評価の判定を狙う時に露呈してくる問題であり、ただクリアを目指すだけなら然程実害は無いのが救いか。
  • アプリ版からの仕様として、楽曲・譜面によって判定幅の広さが異なるというものがある。しかしこの判定幅の変化は楽曲速度に依存する部分も大きく、基本的には速い曲ほどGREATが出にくいというケースが目立った。
    • 「判定幅が一定以下まで狭まらないようにする」仕様変更は、稼働から約2年後のVer2.05を待つことになる。

総評

音ゲーの中でも群を抜いてビジュアル演出に特化した作品で、独自の音楽体験をブーストさせている個性的な機種。
操作や譜面システムをシンプルにまとめ上げた結果、開発にあたって重視した「音楽にカッコよくノれるゲーム」を比較的手軽に体感可能な作品として実現している。

リリース当初は音ゲーとしての問題点が決して少なくなかったものの、比較的簡単ながら完成されたゲーム性と演出、
それを豊富かつ良質な楽曲ラインナップ・アーケードならではの大画面で楽しめるという点は
まさしくタイトーの遺伝子(GENE)を引き継いだ、ひとつの集大成といっても過言ではない。



GROOVE COASTER EX

【ぐるーヴこーすたーいーえっくす】

ジャンル 音楽体感アトラクションゲーム
対応機種 アーケード
発売・開発元 タイトー
稼働開始日 2014年5月26日
判定 良作

概要(Ver1.5)

稼働開始から半年が経過したグルーヴコースターのバージョン1.50以降のタイトルで、新規・やりこみ派双方に向けた多くの追加要素を導入している。
タイトルに「EX」を追加した同社ACゲームの大型アップデートは『ダライアスバースト アナザークロニクル』以来となる。


追加点・変更点

  • 期間限定として定期的に出現する、もう一つの一人プレイ用ゲーム「イベントモード」の実装。
    • 決められた3曲を連続でプレイし、その結果から算出されたイベントポイントを蓄積していくモードである。
      • イベントによってはコース内が強制ランダムセレクトになるステージもあり、また基本的に得られるイベントポイントは腕前に比例したものとなるため、中~上級者向けとされている。
    • ゲージは通常通りで、勿論3曲プレイ保証つき。途中でクリア失敗してしまっても次の楽曲を遊ぶ事ができる。当然ながらクリア失敗した場合は得られるイベントポイントが減少するが。
    • コースは基本的にBASIC・ADVANCED・EXPERTの3種類が存在しており、後者ほど難易度とクリア時のイベントポイント量が上がる。
    • イベントによってはアイテムが指定されており、プレイ中はそのアイテムの効果が強制発動するというものもあった。
      • 手持ちのアイテムは消費されないが、この場合でも指定されたアイテムを使ってプレイしたという扱いになる為、イベントモードで対応するアイテム称号を貰う為の使用回数カウントに加算される様になっている。
    • 期間中に稼いだイベントポイントの累積量や終了時の全国ポイントランキングにより、イベント限定の称号やアバター・レアアイテムを報酬として貰える。更にこの報酬数に応じて「トロフィー」も獲得可能。
  • 一部楽曲においてSIMPLE・NORMAL・HARDの全譜面でS評価(スコア90万以上)を獲得すると、4つ目の譜面難易度「EXTRA」が解放されるようになった。
    • 総じて変則リズムや視認難よりは物量に特化した傾向にあり、HARDよりもさらに難しい操作を要求されるが、演出が大きく変化する曲も数少ないながらある。
  • 95万点以上でS+、99万点以上でS++の評価がつくようになった。いずれも達成にはほぼ完璧といえるプレイが要求される。
    • EX稼働直前のアップデートにて、同じ得点を複数譜面で達成することによって得られる称号が追加されていたため、これに対応するものとなる。
  • 要望の多かったマイページ機能が漸く実装された。
    • このバージョンではホームページから各曲の記録・イベントプレイの成績が見られる。
  • EX1.51アップデートでランダム選曲が追加。難易度・ジャンルといった様々な条件からも選べる。
    • 実装日以降のイベントモードのコースにも存在する場合があり、この場合プレイする毎にコースの曲目が変化する。更にイベントでのランダムに限り、未解禁の楽曲が引き当てられる場合もある。
  • 筐体の足元に設置する追加デバイス「グルーヴステージ」への対応開始。記事冒頭画像の青白い足場がそれである。イメージとしては『beatmania IIDXシリーズ』恒例のバスシェイカー搭載ステージ(お立ち台)を考えてもらえば分かりやすいか。
    • 曲に合わせてこの台が振動し、ステージの臨場感をより高めてくれる。
      • 振動の大きさはプレイ開始時の設定画面から「OFF・弱・中・強」の4段階を選べるため、その日の気分や靴の厚さに合わせて変えられる。
      • ただリズムや出力音に合わせて振動するのではなく、曲毎に振動のタイミング・長さを調節した個別の振動パターンが与えられている*8。当初は前者の仕様だったが、プロデューサーの一声により後者の方針になったという。昔から演出にこだわり続けてきたタイトーらしいエピソードといえる。

評価点・改善点

イベントモードの追加により、コラボ企画が更に活発化

  • イベントモード非使用ではあるが、このバージョンでは全日本アミューズメント施設営業社協力連合(AOU)主導の全国大会「天下一音ゲ祭」での課題曲収録として、なんとKONAMIのBEMANIシリーズ『jubeat saucer fulfill』も加えた前代未聞の全4社コラボ&相互移植*9が実現していた。参加機種としては当時一番の新参であり、名を連ねられたのは名誉と評しても決して過言ではないだろう。
  • 同じNesicaカードを採用している『LORD of VERMILION III』との相互コラボでは、グルコスに楽曲が採用されるのみならず、LoV3側で使える称号「グルコス勢」がもらえた。
    • この称号をセットすると、戦闘中のBGMが「Got more raves?」のアルバムバージョンに固定されるというお遊び要素もあったりする。

判定の調整

  • これまで同方向のSLIDEを連続で操作する場合、先のノーツまで入力されたと誤判定されてしまいMISSするケースが多発していたが、このバージョンからはSLIDEでの空MISSが出ないようになった。
  • 今までは一部曲にある3連符リズムにターゲット配置が対応しておらず16分に合わせられていたのだが、EXアップデート後はいくつかの曲で是正が行われており、楽曲のリズムに合わせたプレイがしやすくなっている。

楽曲解禁難度の緩和

  • 全解禁までのプレイ数の肥大化を考慮してか、これまで特定のイベントに重ねて実施されたミュージックパネル増量キャンペーンが、EX1.51アップデート以降は常時適用されるようになった。
    • これによりソロプレイでは2枚、イベントプレイ・対戦プレイでは3枚のパネルを貰えるようになり、以降の増量キャンペーンはソロプレイも含め全モードで3枚得られるようになる。

新たに発生した問題点

グルーヴステージの扱い

  • 追加デバイスとしてはかなり気合の入ったものなのだが、稼働開始から時間が経った上での導入だった事・既に椅子が設置されている店舗も少なからず存在した事・インカムに直接影響するものではない事といった理由が重なり、導入している店舗は少なめ。
    • 当時100店舗以上で稼働していた東京都ですら、グルーヴステージの導入を確認できている店舗は10店舗未満である。また公式でグルーヴステージがどこに導入されているかを確認する手段はない。

総評(Ver1.5)

追加要素は多数のプレイヤーから歓迎され、コラボ企画も活発化。名だたる音ゲー作品と並び立つまでの成長を遂げた。
『INFINITY GENE』から受け継いだタイトーの遺伝子を、見事に昇華させたアップデートと評しても良いだろう。

しかしグルーヴコースターの進化は此処で止まる事なく、天空の祭典へとその舞台を移す事になる。



余談

  • 本作、及びシリーズ作品にはエイプリルフールの1日のみ解禁され、プレイ可能となる楽曲が存在している。その名は「怪談『カーナビ』」。
    • COSIO氏が金曜日の夜に起きた怪奇現象を怪談調に語るという楽曲…なのかわからない何かで、本当に怪談でリズム等は一切無し、セリフ合わせにノーツをこれでもかと敷き詰めたNORMAL譜面に対してHARD譜面は妙にノーツが少ない(SIMPLE譜面どころか、チュートリアル用の譜面よりも少ない)、ジャケットのCOSIO氏のアップが異様に怖い、極めつけに怪談がオチてないとどこをどうツッコめばいいかわからない楽曲になっている。なんだか怖いなー、やばいなー。
    • 最初に公開されたのはiOS版(2013年)。翌2014年のエイプリルフールには既に稼動を開始していたAC版にも1日限定で収録され、以降毎年4月1日になる度に1日限定でプレイ可能となっている。
    • 2015年のエイプリルフールにはなんとリミックス版「2112410403927243233368」が登場*10。怪談『カーナビ』をロッテルダムテクノ調にアレンジした楽曲で、視覚難や高速連打はあるものの原曲に比べればまともな譜面になっている。
      • 因みにリミックス版の初出は2015年エイプリルフールの半年前に発売された、本作のサウンドトラック。CD版サントラをお持ちの方は、配信版には存在していないDisc2の「36曲目」を再生し1分ほど待機してみよう。なお配信版では36曲目は未収録の為、サントラ購入を考えておられる方は注意されたし。
      • 約2か月後にはリミックス版の方が常駐可能になった。原曲の方は相変わらず4月1日のみの限定解禁となっており、常駐させるのは不可能。
添付ファイル

*1 長押しターゲットは始点からどれだけ遅れたかで判定が変わる。だが長さに応じてCHAIN数が増える仕様のため、取り方によってはGREAT評価であるにもかかわらず理論値に届かないことがある

*2 ホールド系統ターゲットのヒットエフェクトは設定問わず専用のものになる。

*3 オンライン対戦機能の実装は、後の作品『LINK FEVER』にて漸く実装された。詳しくは当該作品のページを参照されたし

*4 但し、最初期から存在する「カンナンシンク」等、やや簡素で原作再現があまりなされていない楽曲もあるにはある。

*5 むしろアニメイシヨンが異様に動いていなかっただけとも言われるが。

*6 更に細かい仕様にも変更が入っており、旧iOS版ではAD-LIBを空打ちMISSするとアバターの光りかたや音が消えることでそれが分かるようになっているが、現行版ではそれがなくなった代わりにAD-LIBを含めた空MISS判定が縮小されている

*7 ただしiOS版は「2」にバージョンアップするまでマルチタップに対応していなかったため、16分連打といった両手を使ったプレイが前提となっている箇所は、大抵の場合アプリ版収録にあたって間引かれた譜面が用意されている。

*8 振動の強さは常にプレイヤーが設定した一定のものであるため、仕様的にはダライアスIIのボディソニックに近い仕組みである。

*9 KONAMIが数々の他社音楽ゲームをbeatmaniaの特許を盾に片っ端から訴訟を起こしていた過去からか、BEMANIシリーズは他社音楽ゲームとの公式な関わり合いをこのイベントまで一切持っていなかった。

*10 一見意味の分からない数字の羅列だが、ポケベル表記で「かいだんりみっくす!」と読める