DS用移植版『信長の野望DS』も本記事で解説する。


信長の野望 烈風伝

【のぶながのやぼう れっぷうでん】

ジャンル 歴史シミュレーションゲーム


対応機種 Windows 95~XP
Mac OS
プレイステーション
ドリームキャスト
プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 コーエー
発売日 【Win】1999年3月8日
【PS】1999年9月9日
【Mac】1999年9月24日
【DC】1999年12月16日
【PSP】2006年3月23日(withPK)
定価 【Win/Mac】11,800円
【PS/DC】9,800円
【PSP】4,800円(各税別)
廉価版 【PS】PlayStation the Best
 2001年7月26日/3,800円
【Win】コーエー定番シリーズ
 2003年1月24日/1,980円
【PSP】KOEI The Best
 2007年4月5日/2,800円
【PSP】コーエー定番シリーズ
 2012年8月2日/1,800円(各税別)
判定 良作
信長の野望シリーズ


概要

『信長の野望』シリーズの第8作目。全国にある64の本城を全て支配するか、32以上の本城を支配し征夷大将軍になった状態で他の全大名家と同盟を結ぶかでクリアとなる。

以下にあるように『烈風伝』の系統は、元となったPC版、簡易化したPS/DC版、PSwithPK版を改良したDS版(『信長の野望DS』)、それをさらに改良した3DS版(『信長の野望2』*1)と多岐にわたり、再販の度に元が変わるため非常にややこしい。

一番簡単に見分けるポイントは全国地図で、「九州が9ヶ国に分かれていればPC系列、5ヶ国に分かれているのがコンシューマー系列」である。
また、Win用(7~10対応)のwithPK版がSteamで配信されている。


特徴

  • 内政も行軍もすべて1枚の大きな日本地図上で行われる。
    • 行軍中のユニット、内政の工事中のユニットもすべてこの地図上に表示されてそれぞれ移動していく。
    • 城や軍団には大名家のイメージカラーの幟がつき、各勢力の進軍具合や城下町の発展の様子が直感的にわかりやすい。
  • 1国に1つある大きな「本城」とその他の小さな「支城」とがある。
    • 大名家は本城を必ず1つ以上持っている。支城のみを支配する勢力は進軍の権限が無い「独立勢力」になる。
      • システム上再現しきれていない大名も一部「独立勢力」扱いになっている。
      • 大名家が本城を全て失って滅亡した際に、支城に取り残された武将がいる場合、その支城だけの「独立勢力」として残る。
    • 所属勢力の武将が全員死亡した等の理由で、まれに所有者無しの城が生じることがある。軍事ユニットを送り込めば早い者勝ちで占拠できる。

内政

  • 開発
    • 各国の中央となる本城は城を中心に5×5マス、周辺の支城は城を中心に3×3マスの支配領域を持つ。この支配領域に内政施設を建てることで生産を行っていく。
      • 施設には、金銭を増やす町や兵士を増やす村などがあり、一部施設については更なる増設で収入が増加する。
    • 前作『将星録』は、内政コマンドを武将個人に指示するようなシステムだったが、本作では最大10人のグループで内政を行う。武将間での相性などにより効率に影響が出る。また、奉行を設定でき、奉行の政治能力や内政特技によって効果を上げられる。
      • 内政施設を最大レベルのレベル3に増設する場合は、対応する特技を持つ武将を奉行にする必要がある。
      • 同時に複数の施設の建設・増築を奉行に指示できるので効率が良くなった。
  • 建設
    • 開発と同じく最大10人のグループで行う。開発と異なる点は、支配領域の外でも実行が可能なこと、影響する内政特技が「建設」のみであること。
      • 城を補強し防御力を上げる、河川の治水工事で田の開発範囲を広げ台風に備える、街道を引いて移動効率を上げるなど各種建設を行える。
      • 本城を補強するとマップ上の見栄えがよくなっていく他、攻城戦での城内マップ*2も櫓が設置され立派になる。門の耐久力も増え破壊に時間がかかるようになるので防衛戦が有利になる。小田原城や安土城などの巨大なマップは圧巻。
      • 支城を新たに築城することもできる。他大名家攻略の足がかりにしたり新たな収入源にしたりできる。
      • 建設の特技を持つ武将は合戦中の工作や門の破壊も得意なので、特に攻城戦で役に立つ。
      • パワーアップキット(以下PK)では、全国各地には金山などのいくつかの隠し資源が存在し、建設ユニットを移動させることで発見できる。

軍事

  • 専用の軍事ユニットを全国マップ上で移動させ、戦闘発生時専用マップに切り替わる仕組みになっている。
    • 各城へ物資を送るだけの輸送ユニットも編成可能。
    • 準備画面で参戦武将や各部隊の兵種兵力などを設定する。戦の種類によって軍師や兵糧部隊が必要になる場合は戦闘発生時に選択する形になっている。
    • 戦闘マップは高低差も表現した立体的な構造。高低差は飛び道具の射程などに影響する。
  • 野戦と攻城戦の2種類が存在。野戦はマップ上の軍事ユニットに攻撃を仕掛けた場合、攻城は敵大名の城に攻撃を仕掛けた場合それぞれ発生する。
    • 野戦の場合、攻撃側の部隊数が5部隊以下の場合は小規模、6~10部隊は中規模、11部隊以上は大規模のマップで合戦が行われる。規模が大きくなればなるほど、陣形が使えたり必要となる特殊部隊が増えたりする。攻城の場合は攻撃側の部隊数が11部隊以上の場合と一部の巨大な城の場合のみ、城周囲のマップが広くなる。
  • 勝敗条件は、総大将の撤退、軍団の士気が0になる、など。攻城戦防御側に限り、本丸を取られると負けになる。
  • 合戦での勝敗は、後述のパラメータ「威信」に影響を与える。

威信

本作で実装された大名家のパラメータ。自勢力が支配している本城の数、大名が持つ官位、他家と婚姻関係を結んでいるかなどで算出され、この数値が大きければ大きいほど、各種コマンドが成功しやすくなり有利になる。また月初めに自勢力にフェイズが回ってくる順番が早くなる。


評価点

  • ゲームの完成度は高く、内政を売りにした作品だけあり、内政システムは高評価。
    • シンプルで分かりやすく、城の開発範囲が一律で政治能力が低い武将でも数を集めることである程度欠点を補えるなど、柔軟性が高い。
    • 前作のPC版では、城レベルで開発範囲と物資貯蔵量が決められていたため、内政がおぼつかず物資も貯まらない、城レベル上昇が困難で貯蔵が頭打ち、強国に攻め込まれ更に城レベル減少、等悪循環が起きやすいなど、国力の弱い大名のハンデが強かった。今作は、ある程度格差問題が改善されている。
      • ただ、『内政重視』と謳っている割には天翔記ばりの序盤から積極的な軍事展開が推奨されており、前述の威信システムも拍車をかけている。また、内政は主力でない者達の雑用と揶揄される程。
  • 前作に引き続き、山下康介氏が手掛けるBGMは秀逸で高評価。なお、一部は前作BGMのアレンジ曲である。
    • 内政画面でのBGMは大名居城の地域によって異なる。織田家や今川家が居を構えていた東海BGM「あさき夢の通い路」は勇ましい曲調だったり、足利家など名門が支配していた畿内BGM「深雪の宴」はどこか威光を失いつつあるわびしい曲調となっている。
  • PKでは『天翔記』以来となる新武将作成モードが復活。更に本作では新家宝も作成できる。『天翔記』と違い、あらかじめ作成しておいた武将・家宝をシナリオ開始時に登場させられるようになったので利便性が高まった。
    • また、Win版では新武将・家宝データの作成データが通常のセーブデータ同梱ではなく、単体のファイルになったため、プレイヤー同士での受け渡しも可能になった。
      • さらに「新大名プレイモード」で既存のシナリオを編集し、自作の新武将を大名にしてプレイすることも可能。
  • 近辺の大名家よりも「威信」が低い状態だとコマンド成功率が低く、味方武将もあっさり裏切ってしまうが、合戦に勝ち続けたり外交で威信を上げることで立場が逆転し、自家が強くなったことを実感しやすい。
    • 後半になると軍勢を近づけただけで敵城が無条件で寝返ってくるなど、テンポの向上にもつながっている。威信が高ければ高橋紹運や清水宗治といった義理堅いことで有名な武将でもホイホイ登用に応じてくれる。

問題点

  • 低難易度。AIが賢くないことや後述の情報参照などが絡んでくる。
  • 合戦・兵站に関してはややお粗末。マップ上を移動して戦闘や輸送を行うために、目的の城にたどり着くまでにかなり時間がかかる。
    • 国内間の城すらたどり着くのに数ヶ月かかることもある。前作を除くこれまでのシリーズ作では、国単位かつ1ヶ月で輸送が完了したり物資が一括性のために兵以外の輸送が不要、といったシステムの作品があったために、数ヶ月もタイムラグがある今作のユニット移動にウンザリしたプレイヤーもいたはず。
    • 武将個人の移動ならば「派遣」か「召集」で自大名の領地内ならどんなに遠くても1ヶ月で移動できる。安全が確約された領内かつ個人での移動なので早いのは当然だが、ユニットを編成した場合と差が大きいため、こちらを知らないと損という感がある。
    • もっとも、物資や兵士の輸送、行軍ではやはり抜け道はないので、タイムラグや襲撃の危険があるのは変わりない。この仕様は『革新』『天道』などにも引き継がれている。
    • 合戦に関しても1回の合戦で1軍団、1城しか落とせず、前述の移動の手間もあってどんな小城でも1つ落とすのに移動だけで数ヶ月かかってしまいテンポが悪い。移動ロスに関しては、街道建設である程度軽減できる。
  • 自勢力が10部隊率いても迎撃する敵軍が1部隊なら小規模合戦になるため、同程度の戦力がぶつからなければ中規模・大規模の合戦は発生せず、折角のシリーズ初導入の合戦規模変化は空気と化している。どうせ小規模合戦になって大軍が無意味になるなら分散して各地で戦争したほうが移動と合戦の手間が省けること、陣形や特殊部隊の追加や城マップの拡大で合戦が複雑化することから小規模合戦の方が効率が良いのも追い打ちとなってしまっている。
  • 海戦のもっさり感。スピード自体は陸地での合戦と変わらないはずだが、船グラフィックの動きの乏しさからか妙に遅く感じる。
  • 合戦の難易度
    • 中規模以上の野戦の場合、有利な陣形で攻撃した時の補正が強く、攻撃された陣形はよほど能力の差がない限りはほぼ一撃で壊滅状態に陥る。COMはこちらが不利になるように陣形を組んでくるが、先読みが容易なので合戦の難易度は低い。
    • 「大砲」も入手は難しくなったが、鉄砲適性Sの武将が使用すると恐ろしく強くなり*3、一気に攻城戦がヌルゲーと化す。
      • 「鉄砲S」と「大砲」の両方ともに希少価値があるが、大名が鉄砲Sだった場合、鉄砲Sの姫武将が登場しやすいので揃いやすくなっている。
    • 小田原城や安土城といった巨城を改修されて数万の兵士が立て篭もった場合、落とすのが絶望的に難しくなる。
      • 最大値まで改修した小田原城などは最大サイズのマップ目一杯まで拡張され、且つ個々の門を破壊するのに何ターンもかかる。単純に門壊と曲輪を移動する時間だけでも時間切れが迫る。
      • こと前の計略(焼討や暗殺)の成功率は城の兵士数に依存するため、兵数が多い城では滅多なことでは成功せず、正攻法で挑むと何度も返り討ちに遭うことになる。
      • COMが相手ならば、城を部隊で囲んで迎撃させることで兵数を減らすといった抜け道は用意されているが…
      • ただし、壁越えや内応による後方攪乱や大砲による敵部隊攻撃、敵の援軍を大量に呼び出した上で城外で全滅させて士気を下げる等の対抗策もあるのでどうしても落とせない場合は士気を下げるのも一つの手。
  • 中盤の中弛み。
    • 序盤も、建設・内政ユニットに開発をさせると完成するまでの時間はほぼ何もすることがない。建てた施設にしても、物資は月毎に少しづつ増えていくだけなので、開発が完了したら攻め込めるだけの物資が蓄積するまで月を進めるしかほぼやることが無くなる。
      • もちろん浪人を探したりと出来ることは多いし、過去作のように毎回内政コマンドを選択して国力を上昇させる仕様とどちらがいいかは意見が分かれる。
    • 内政を行い物資を蓄えた本城と奪い取った城の物資でたいていは賄えるため、順調に領土を広げればほぼ内政が不要。前線への物資輸送・進撃に関しても、移動の時間が掛かってしまうので、後半は物資満載の軍隊ユニット(城攻め要員と輸送要員)を編成して、前線へ移動→戦争→前線へ移動→…といったサイクルを各地で繰り返すだけになりがち。
  • いずれのシリーズにも言えることなのかもしれないが、大大名家とそうでない大名家との格差が著しい。単純な物量はもとより人材に関しても顕著である。内政は頭数と能力や特技で優劣が決まるので、小大名では軍備を整えることすらおぼつかない。
    • さらに1武将が率いることができる兵力は勲功にもよるが大名以外だと最大で900。どれだけ準備を綿密にしても武将1人では最大1000しか出陣できず、シナリオ開始初期から配下武将の多い大名は有利。籠城戦に関しては、足軽頭(モブ)が兵を率いてくれるが能力は微妙*4で、500人しか動員できない。
      • 上記の通り、合戦に関しては規模の小さい側に合わせた物になるので武将が優秀なら十分カバーが可能。足軽頭も下手な雑魚武将よりは戦える能力を持つのでそこまで絶望的な状況になりにくいのは救い。
    • 本作は武将の俸禄があまりシビアではないため、後年のシリーズと異なり、登用できる武将は片っ端から登用してもそれほどデメリットはない。ただし「剣術指南」イベントによる出奔はありうる。
      • 「剣術指南」イベントのせいで特技「剣豪」を持つ武将は強くても大名から離して行動するとデメリットが大きく、武将が揃ってくる中盤以降は嫌われる傾向がある*5
    • 登用の成功率は、登用を実行する武将の政治の値や武将特技「登用」の有無、大名との相性の他、威信が関係してくる場合がある。この点においても、小大名は大大名と比べハンデを背負っている。
    • 小大名家に残された武将確保の手段としては、年明けにランダムで発生するイベントで加入する姫を武将として育てること。ただ、姫武将のステータスは基本的に父と母方の祖父の武将のパラメータを参照して決定されるため、凡庸大名のパラメータでは凡庸な姫武将にしかならない反面、武田信玄のように全ての能力値が高い大名からは強力な姫武将が生まれ、格差がさらに深まる。COMは姫武将はよほど追い込まれない限り追加してこない。
    • コンシューマー移植版ではマップ縮小の都合上、PC版のほとんどの小大名は独立勢力に格下げされ、プレイヤーが選択できなくなった。
  • 地域によるハンデも、後年のシリーズと比較するとやや大きい。騎馬隊編成に必要な馬は、商人から購入する他はマップにある馬産地を城の支配領域に収めることでしか入手できず、イベントなどによる後発的な発生もない。馬産地は近畿、東海、四国、九州には一切存在しない。
    • 鉄砲も、商人から購入するか、低確率で発生するイベントだが鉄砲鍛冶村を建設すれば増やすことが可能。シナリオ開始時からあらかじめ鉄砲鍛冶村が建設されている薩摩の内城や河内和泉の高屋城、摂津の石山御坊(石山城・大坂城)を有する大名家は軍こと面で有利。
      • というわけで実は尾張や武蔵よりも、甲斐が一番豊かだったりする*6
  • 前作で武将の能力が「全体的に高過ぎ」との意見が多数あったことから、能力値が全体的に厳しくなっている*7
    • 代表的な例として織田信長の戦闘力が前作の「94」から「70」にまで落とされている。しかし、武田家や上杉家の武将はそれほど下がっていないため、格差が広がることになってしまった。
  • シリーズの特徴の1つとも取れるが相変わらず上杉謙信(長尾景虎)は圧倒的に強く、今作は特に顕著な方。高い戦闘と采配を持ち、1ターン毎の騎馬突撃回数が多くダメージが大きい*8ために、数倍の兵力を持って立て篭もる城も容易に落とせてしまう。
    • しかも、謙信がいることが多い春日山城は小田原城ほどではないが堅城なので謙信がいない時に攻撃しても返り討ちされることも。
  • 同様に鈴木重秀(雑賀孫一)も非常に優遇されている。彼のみ「三段」「騎鉄」ともに特殊仕様*9なため、騎馬鉄砲隊にした状態で突撃をすると三回射撃した後に突撃し、並の武将ならノーダメージで撃破可能
    加えて戦闘能力は上杉謙信クラスに高く、智謀も高いので計略にもかからず、鉄砲適性Sなので攻城戦では大砲部隊としても活躍でき、一向宗扱いなのか、野戦ではすべての陣形を使用可能という、まったく隙がないチート武将と化している。
    • 幸い、初期では「三段」を習得していない*10ため、バランスが若干調整されている。
  • PKで追加された常陸の豪族・額田照通は、史実では小野崎従通の別名のはずだが、本作では何故か別人扱いで登場。後のシリーズでは額田照通は全く出てこないことから、単なる設定ミスか。
  • 『天翔記』から言えることだが諜報の概念が存在しない。本作では他大名家の情報も最初からノーコストで確認可能である。居城している武将も人数も兵力も当然分かってしまうため、攻め時が判断しやすく難易度が下がっている。

総評

合戦部分がやや低評価ながら全国マップ1枚での内政や威信システムなど、後に引き継がれた要素を多数備えたシリーズ中興の祖というべき作品。低難易度という点はある意味初心者におすすめともとらえられる。


コンシューマー移植版

  • PS版*11では今川義元・氏真父子によるチュートリアル「今川の野望」と烈風用語集が追加。
  • PSwithPK/PSPwithPK版ではオリジナルのシナリオ10「諸王の戦い」が追加。
    • 「諸王の戦い」は、『三國志VI』勢、チンギスハーン・源頼朝・足利尊氏といった『チンギスハーン・蒼き狼と白き牝鹿IV』勢、ユリウスカエサル・光武帝・趙昺らの新規勢、今川氏真・劉禅・ジョン欠地王の愉快な三バカなど世界各地の英雄がシナリオ2と同じ1570年の日本に蘇り争うというシナリオ。本シナリオのみの開始イベントもあり。
    • 各勢力のイベントがそれぞれ作られており日本や戦国時代降り立った世界の各武将達の反応も楽しめる。
    • 自らが義経を自害に追い詰めた癖に、再び勧誘しようとする頼朝や足利義昭が尊氏や義満に室町幕府の現状を叱られるなどバカゲーとしても楽しめる。 登場武将は一部変えられているが、次作『嵐世記』withPKのPS2版でもこのシナリオが登場している。
    • 追加武将の顔グラフィックも、新規描きおろしや『三國志VI』『チンギスハーン』出典のものが大量に用意された。
  • ハード性能の問題かマップが狭くなり、国の総数とシナリオ初期設定の大名数も削減されている。前出の通り、小大名のほとんどはその削減を直接受ける形となった。
    • Win版未経験、あるいはコンシューマー版の後にWin版をプレイした本作ユーザーの一部には「PC版のマップは広過ぎるのでコンシューマー版程度の広さでちょうどいい」という意見もある。
    • 他にも一部のコマンドなどがカットされていたり、特産品や支城の数及び、プレイ中に同時に登場する最大武将数の上限が減っている。
      • そのためPKで姫武将や新武将を導入して武将の総数が増えている状態だと、本来出てくるはずの武将が登場しなくなってしまうことがある。他家の雑魚武将でならともかく、自家待望の嫡男でも起きることがあり、割と深刻な問題になることがある。

スマートフォン移植版

2019年2月28日に後述する『信長の野望2』をベースにしたスマートフォン用アプリがiOS/Android版で配信開始。タイトルが『信長の野望 烈風伝』に戻った。


余談

  • 本作からは画面の解像度が上がり、『三國志VI』と同様にすべての武将に専用の顔グラフィックが用意されるようになった。
    • また、水墨画をイメージしているのか、グラフィックの色遣いが全体的に暗めであり、武将の顔グラも地方によってはやたら顔色が悪かったり、ゾンビみたいな顔つきだったりと一部で妖怪扱いされるようになってしまった。
      • 彼らは『嵐世記』以降、少しずつ健康的な肌と顔つきを取り戻すことになる。
      • また、二階堂盛義と並んで一部で有名な隈部親永*12が初登場した作品である。しかも最初から叫んでいる。作品を重ねることに叫びが激しくなり、『蒼天録』で頂点を迎える。

信長の野望DS

【のぶながのやぼう でぃーえす】

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売・開発元 コーエー
発売日 2006年4月27日
定価 4,800円(税別)
廉価版 KOEI The Best
2008年11月13日/2,800円(税別)
判定 良作

概要(DS)

『烈風伝』のニンテンドーDS移植版。


特徴(DS)

基本はPSのwithPK版とほぼ同一だがグラフィックは一新。
大半の武将の顔グラフィックが『嵐世紀』~『革新』『太閤立志伝V』『三國志X』出典のものに改められている。
ハード特性に合わせタッチペンでの操作が可能。上画面に情報用、下画面に入力用のメイン画面を表示。
全国地図は全体的に縮小され狭くなっている。


評価点(DS)

  • ロード時間は短く、移植されたBGMの質も高い。
  • PSのwithPK版がベースとなっているため、コンシューマー版で追加された要素*13が収録されている。
  • PKベースなので新武将を登録することも可能。また、発生させた歴史イベントや全武将一覧を閲覧することもできる。
  • タッチペン及び画面分割との相性が良い。
    • 元々マウス操作でプレイしていたゲームであるため、DSのタッチペン操作との相性は良い。もちろん操作を強制されることもない。
  • 顔グラフィックのベースが近年の作品になった
    • 『烈風伝』の顔グラフィックはややクセが強かったため、特に顔グラフィックの評価が高い『天下創世』~『革新』のものに変わったことで万人受けしやすくなった。
      • チュートリアルの今川義元も『革新』のものに変更されているが、怒って発光するなどギャグ要素を忘れていない。

問題点(DS)

  • 『烈風伝』PKの機能の中で「武将エディタ」が搭載されていないため、既存武将の能力を変えることは不可能。
    • 違和感のある武将のパラメーターを変更できないのでこの点を不満とする声はある。
    • 寿命をいじれないため、「諸王の戦い」に登場する短命な武将が次々と死んでいくのをどうすることもできない。
  • 巨城を攻めた際などに強い処理落ちが発生してしまい、合戦に非常に時間がかかってしまうようになった。
  • 解像度の問題で部隊の兵数の文字が小さいため、非常に見づらい。

総評(DS)

処理落ち等の問題はあるもののシリーズの中でも人気のある『烈風伝』をお手軽に携帯機でプレイできるようになった。
他のシリーズの携帯機への移植に比べると追加要素やアレンジに乏しいが、『烈風伝』の完成度が高いために下手に変更してしまうと蛇足になってしまうためにPKをベースにそのまま移植するという点は間違ってはいなかったといえる。


信長の野望2 (参考記述)

2015年8月6日に『信長の野望DS』をベースにした『信長の野望2』が3DSで発売された。武将の顔グラフィックが『創造』のものに変更され、シナリオと武将の追加が行われている。

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最終更新:2023年04月01日 12:42

*1 DSで発売された『信長の野望DS2』は別物。こちらは『武将風雲録』のリメイクである。

*2 本城のマップは各城固定。

*3 「大砲」は射程範囲こそ広いが、鉄砲適性に応じて攻撃位置がズレることがあり、さらには攻撃が命中した部隊は確実に混乱するというもの。そのため、鉄砲適性Sの武将が持つとほぼ確実に狙った所にあたるので本丸を守る総大将だろうがお構いなしに毎ターン確実に混乱させ士気を落とすことが可能。さらには壊れやすさも鉄砲適性に依存するため滅多なことでは壊れない。

*4 全て30で適性は全て最低のEとなる。それでも能力査定が厳しくなった本作では足軽頭以下の能力にしかならない武将がちらほらいる。

*5 大名が居ない城では「剣術指南」により、同じ城の武将に「剣豪」を授けて出奔、授けられた武将は別の武将に「剣術指南」をして出奔と繰り返されてしまう。

*6 金山Lv3、馬産地あり、近くに川が流れているという恵まれた躑躅ヶ崎館を有しているため、また既存支城の岩殿山城も優秀。

*7 攻略本『信長の野望 烈風伝 マニアックス』p338

*8 謙信用の補正有り。

*9 一部の武将に実装された強力な仕様、「三段」なら射撃回数が2回から3回に増え、「騎鉄」なら、騎馬突撃前に射撃を行う。

*10 組撃ち鉄砲で有名な雑賀衆の頭領が三段を覚えていないというのには違和感はあるが…

*11 PKでない無印でも

*12 なぜか両名とも、驚いているような叫んでいるようなインパクトある表情で描かれている。また、隈部親永は『三國志11』における「糞藝爪覧」の顔の元ネタにされ、悪い意味でも有名になってしまった。

*13 「諸王の戦い」シナリオやチュートリアル等。