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バンジョーとカズーイの大冒険 ガレージ大作戦

【ばんじょーとかずーいのだいぼうけん がれーじだいさくせん】

ジャンル 3Dアドベンチャー
対応機種 Xbox 360
発売元 マイクロソフト
開発元 レア
発売日 2008年12月11日
定価 6,090円(税込)
判定 良作
レーティング CERO:A(全年齢対象)*1
ポイント 待望のシリーズ復活
ゲーム性は完全な別物
良作なのにガッカリされる
バンジョーとカズーイの大冒険シリーズ


概要

2000年に任天堂より発売された『バンジョーとカズーイの大冒険2』の続編。
物語も前作から8年後が描かれており、前2作に関わるギャグも多いのだが、アクション・システム共に前2作とは全く別物。


シナリオ

前作から8年の月日が過ぎたある日、グランチルダはようやく復活を果たし、バンジョーとカズーイに再び戦いを挑む。
しかしグランチルダは頭蓋骨しか残っておらず、バンジョーやカズーイも長い平和の中でまるまる太ってしまいまともに戦える体ではなかった。
そこへ“ロード・オブ・ゲーム”ことログと名乗る、この世のゲームすべてを作ったという人物が乱入。
両者をまともな体に戻し、異世界「ドタンバたうん」で決着を付けさせるという。
この戦いに敗れるとログのゲーム工場で一生働かされ「クルクルやま」には二度と帰れなくなる。果たしてバンジョーとカズーイは元の世界に戻れるのだろうか…


特徴

  • シナリオはバンジョーとカズーイがグランチルダを倒すため冒険に出るという定番のものだが、アクション・システム共に前2作とは全く別物。
    • バンジョーとカズーイはジャンプなどの基本的な行動以外何もできず、特にここが賛否の分かれるところとなった。
  • 今作最大の特徴は乗り物の作成である。
    • 集めたパーツを使って好きなマシンを作成しチャレンジを攻略、ジグソーピースを集めることが目的となる。
    • チャレンジは成績により、オンプのみ、ジグソー、4つ集めることでジグソーがもらえるトロフィー、と三段階の景品をもらえる。
    • 一定個数のジグソーを集めることで中ボスのグランチルダミッションが出現。クリアすることで特殊パーツが入手でき、街の中の行動範囲が広がっていく。パーツは街の中においてあるので、グランチルダを一区切りとして新たに強化していける。
  • シナリオをクリアする分には難易度はそれほど高くは無い。しかしチャレンジで高記録を出すことで手に入るトロフィーを集めるとなると話は別、柔軟な発想力と細かいコントロールが必要になる場面もある。
  • グラフィックは大幅に進化しており、マップも広大である。乗り物なしだと一周走るのにも相当の時間がかかる。
  • 各フィールド毎に主要キャラクター達がマップの設定に沿った異なる役柄になりきる。
    • 主にマンボ・ボトルズ・ウンバ・ボギー・ブラバー・ジョリー・ミスターフィット・パイクレット(新キャラ)。主要キャラは押さえており、他のキャラも妥当な選出である。

評価点

  • 乗り物の組み立ては非常に自由度が高くパーツ数も多い。
    • 一般的な車は勿論の事、飛行機・船・戦車・果てはUFOまで何でも作ることが出来る。そしてそれらを使って数多くのチャレンジや広大なフィールドを縦横無尽に駆け回れる。
  • 前2作を遊んだユーザーに対するファンサービスが多く、旧来のレアファンを大切にする心意気が感じられる。
    • 中盤ステージ"バンジョーランド"はまさにバンジョーファンに向けたステージであり、64のポリゴンをそのまま用いたオブジェなど懐かしさを感じずにはいられない造りである。
      • 体験版で入ることのできるステージもバンジョーランドである。
  • チャレンジの種類も多い。レースをはじめ運搬・シューティング・対決・パズルなどユーザーを飽きさせない。
    • チャレンジの自由度も魅力であり、レースなのに相手の乗り物を破壊することが出来たり水底に沈めたり出来たりする。要は(あらゆる意味で)勝てば良いのである。
    • ランニング中のキャラを護衛する、というチャレンジでショベルカーを作って無理矢理ゴールまで連行するとか、指定の足場から物を押し出すチャレンジで四隅にブースターと送風機を付け、猛スピードで回転しながら風圧で吹っ飛ばすなど予想外のアイデアとそれを実現できるシステムが組み合わさって遊び方は無限大。
  • BGMも前2作の良質なアレンジが多い。ただしサウンドトラックは日本未発売である。
  • チャレンジとは別にミニゲームも数種類ある。"クランゴのアーケード"はファミコンの様な画面となり、たまに(ゲームの中のゲームが)フリーズしたりと製作陣の遊び心が感じられる*2
  • メインステージ・ドタンバたうんの住人の会話を始めメタ発言や痛烈なブラックジョークが多い。
    • 宿敵であるグランチルダも客観的なツッコミを入れてきたり勝負に負けて素直にパーツを渡したりと無駄に律儀な姿勢は変わっていない。
  • XboxLIVEに繋ぐことで各チャレンジの上位者の動画を閲覧可能である。王道のテクニックで魅せる物から理解不能な物まで多種多様で見ているだけでも楽しめる。

賛否両論点

  • 前述の通り良い意味でも悪い意味でも前2作とは別物。故にその続き(正当進化的な続編)を期待してこれを買うのは避けた方がいい。凝った場所に置かれた貴重品や複数ステージに渡る謎解きなどの過去作おなじみの要素は存在しない。
    • そもそもパズルをしないのにジグソーである意味があるか? という意見もあり、その上作中のカズーイからも「もうジグソー集めは飽きたわ!」と言われる始末。
  • キャラクターデザインが前作までとまるで違う。
    • 作中でも言われているがバンジョーの顔は四角くなり、女性キャラのウンバにいたっては同一人物とすら思えないくらい。

問題点

  • 流れがつかめるまで(特に序盤)がかなり単調。
    • 作ることができる乗り物も限られるので、面白くなる前にダレる。最悪投げてしまう可能性がある。
  • シナリオが進むとドタンバたうんではバンジョーのカートが「違法車両」(ジクソーを運んでいると「密輸犯」)とみなされ、パトカーに追い回される事になる。倒しても復活するし、そもそも理由もなければ意味もないという何のためにいるのか不明な連中である。
    • 警察署長のパイクレットに賄賂としてオンプを渡せば一定時間だけ追われなくなるが、あまり意味は無い。むしろオンプは無制限には入手できないので、渡しすぎると他のアイテムが二度と買えなくなる恐れがある。
  • 乗り物の製作には唯一パーツ数という制限がある。これにより宇宙船のような馬鹿でかいマシンは作れない。
    • もっともでかすぎるマシンはステージに入った途端動けなくなる場合があるが。
  • ステージによって海は存在するのだが『2』の「ジョリーのリゾート」の様な海を前面に押し出したステージが無い。
    • そのため潜水艦を作って海中へ…という遊び方はできない。
  • ゲームのPVには登場しているにもかかわらず本編では出てこない武器が存在する。

総評

パネキット』を(当時の)最新ハードウェアで、別の会社が作ったら…というゲームとして、本作は良作たる価値があるといえる。
しかし、ファンが求めていたのは、バンジョーとカズーイという2キャラ操作を使いこなして遊ぶプラットフォーマーであり、それを求めていたファンたちからは非難轟々であった。
ゲームの質が高くてもガッカリゲー呼ばわりされることもある」「クソゲーどころか良作であっても、フランチャイズは壊れうる」実例といえよう。


余談

  • 作中のキャラクター曰く「続編は無い」との事。一応EDでは本作の続きと思われるゲームを作っているほか、カズーイも『ガレージ大作戦2』を仄めかす発言をしてはいるが、その後新作は発表されてはいない。
  • 本作は元々GCで『バンジョーとカズーイの大冒険3』として発売される予定だったが、レア社がマイクロソフトに買収されたため開発中止になった。
  • プロローグで失敗作呼ばわりされたカズーイが「これでもシリーズモノの主役を張っている」と主張した際にログは「ならば例のイタリアの紳士と比べるとどうかね?」と突っ込んでいる。どうやらこの世界でもあの男は有名人となっているようだ。
  • 初代『バンジョーとカズーイの大冒険』で実装されるも実用化できなかったひみつの交換システムが遂に実用化された。
    • 交換システムパーツが追加される。便利なものではなくアクセサリーだが、なんとなく嬉しい。

その後の展開

  • 2014年の大規模レイオフでレア社を去ったベテランスタッフ達が立ち上げたPlaytonic Gamesが、前2作の精神的続編として『Yooka-Laylee』の製作を発表。Kickstarterで目標額の10倍以上である200万英ポンドの調達額を達成した。
    • 2017年の1月末にはゴールド*3の報告があり、同年4月11日に発売された。プラットフォームはPS4/One/Win/Mac/Linux。
    • ちなみに当初の予定にあったWiiU版はキャンセルとなり、Switchでの発売に変更されている。
    • そして、Nintendo Switch版も海外版が2017年12月14日、日本版が2018年6月14日にニンテンドーeショップでDL販売されている。
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  • レア
  • バンジョーとカズーイの大冒険

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最終更新:2023年12月02日 10:20

*1 Oneでも360版単品のレーティングは同じだが、『Rare Replay』でのレーティングはCERO:Z(18歳以上のみ対象)。

*2 逆に言えば細かい所まで手を抜いていない。そもそもクランゴがゲームを作っているのも元は前作の終盤で発した「ゲームを作るとかもっと楽な仕事があるはず…」という捨て台詞からのネタである。

*3 開発中のゲームの製品版が完成したこと。