ポケパークWii ~ピカチュウの大冒険~
【ぽけぱーくうぃー ぴかちゅうのだいぼうけん】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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Wii
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発売元
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ポケモン
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販売元
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任天堂
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開発元
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クリーチャーズ
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発売日
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2009年12月5日
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定価
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4,800円(税5%込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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配信
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【WiiU】2017年7月5日/2,700円(税8%込)
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判定
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なし
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ポイント
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シンプル且つ中毒性の高いアクション 初心者から上級者まで幅広く遊べる難易度 グラフィックとBGMは好評 操作性は複雑 単調過ぎるバトル
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ポケットモンスターシリーズ
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ストーリー
ピカチュウが仲良しのチコリータ、ポッチャマ、ヒトカゲと遊んでいると、突然ミュウが現れる。
ミュウはふしぎな穴を開き、4匹を別世界であるポケパークに招き入れた。
みんなの大切な遊び場であるポケパークに危機が迫っているため、「スカイプリズムのかけら」を集めてほしいとミュウから頼まれたピカチュウたち。
大冒険はここからはじまる。
豊かな自然の中で様々なポケモンが暮らすポケパーク。みんなで仲良くアトラクションなどで遊んでいた。
しかし、ポケモン同士のちょっとしたトラブルが広がり、ついには各地のリーダーであるポケモンたちがアトラクションを閉鎖してしまう。
このままポケモンたちの仲が悪くなっていくと、ポケパークに大変なことが起こるようだが……。
概要・特徴
プレイヤーキャラクターであるピカチュウを操作し、箱庭タイプのフィールドを走り回ったり、各地でポケモン達とちからくらべやアトラクションを楽しんだりしながら、ポケパークに迫る危機を救うというゲーム。
シリーズとしては初の本格的なアクションゲームである。
本編との連動はない。
システム
フィールドではWiiリモコン横持ちで操作。アトラクションによっては持ち方を変えるものもある。
ちからくらべ
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各地のポケモンたちと仲良くなるには、ちからくらべを行って勝つ必要がある。
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友達になったポケモンは、対応するアトラクションでピカチュウ達のかわりに操作することができる。
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また、特定の条件を満たすと「しんゆう」になることができる。そのほとんどは強化された2回目のちからくらべに勝つことである。
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同じ種類のポケモンが複数匹いる場合もあるが、そのうちの1匹と友達になれればその種類全員と友達と見なされる。
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ちからくらべ一覧
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おいかけっこ
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制限時間以内に相手に体当たりできれば勝利。
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ものすごく速いポケモンもいれば、ネタとしか思えないほど遅いポケモンも。
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また、一部のポケモンは逃げながらこちらに攻撃してくる。こちらも攻撃を当てて怯ませることが可能。
バトル
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制限時間以内に相手の体力を先に削りきれば勝利。もちろん、こちらの体力が尽きたら負けである。
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ピカチュウの攻撃手段は「体当たり」「アイアンテール」「10万ボルト」の3つ。
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10万ボルトについては、効果が今ひとつの相手に繰り出すと怯まない、地面タイプの相手には全く効かないという、本家シリーズの相性も再現されている。
かくれんぼ
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制限時間以内に隠れたポケモンを見つけ出すと勝利。相手のポケモンはそれぞれのイメージに合った場所に隠れていることが多い。
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近くに行くと鳴き声が聞こえるため、それを手がかりに探す。また、隠れた場所から遠く離れた場所に移動すると「そっちじゃないよ!」とメッセージが出る。
アスレチック
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ジャンプで足場を乗継ぎ、制限時間以内にゴールまで辿り着くと勝利。
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失敗しても、時間内なら続行できる。
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中にはこちらを攻撃して妨害するポケモンもいる。
クイズ
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選択式のクイズに3問連続正解すれば勝利。出題には若干のランダム要素がある。また、間違えた際には正しい答えを教えてくれる。
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この他、フィールドに落ちているアイテムを一定数運んだり、単に話しかけることでも友達になれるポケモンもいる。
アトラクション
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ポケパーク各地で挑戦することができ、全14種類ある。その内容はさまざま。
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友達になったポケモンを操作可能。ポケモンによって性能が違う。
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各ポケモンには「プレゼントきろく」が設定されており、それを超えるときのみ(通貨)がもらえる。
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アトラクションによって、参加できるポケモンが異なる。
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ピカチュウだけは全てのアトラクションに参加可能(要パスワード、後述)。ただしアトラクションによっては使用可能ポケモン中最低性能。
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アトラクション一覧
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フシギダネのふりふりダッシュ
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Wiiリモコンを振ってダッシュし、ゴールまでのタイムを競う。
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他のポケモン達と競争することになるが、目標の基準は順位ではなくタイムなので、1位でなくてもプレゼント記録は満たせる場合がある。
フシギバナのスイングロープ
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ターザンのようにロープを振ってジャンプし、飛距離を競う。
ペリッパーのはばたきスカイレース
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Wiiリモコンを傾けて操作し、コース上にあるリングをくぐって、その合計得点を競う。前進は自動。
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リングは3種類あり、黄→赤→虹の順に点数が高くなる。
ギャラドスのマリンスライダー
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2ボタンで加速し、Wiiリモコンを傾けて方向転換。ゴールまでのタイムを競う。
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コース上にあるフラッグの間を通過すると加速。キバニアやサメハダーに当たると減速してしまう。
エンペルトのスノースライダー
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操作やルールはマリンスライダーと同じ。
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こちらはコースが長く、障害物となるポケモンはいない。
トリデプスのパネルクラッシュ
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左右に動いてボールを打ち返してパネルに当て、合計得点を競う。3回ミスすると終了。
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トリデプスとダグトリオ達が障害物となっている。
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タイミング良くボタンを押すと得点が高いパワーショットが打てるほか、トリデプスに当てると怯ませることができる。
ドサイドンのおしだしヒートアップ
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Wiiリモコンを傾けてベーゴマのような台を操作し、他のポケモン達を押し出すことで得点。時間切れまでの合計得点を競う。
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自分が落ちても問題ない。ただし連鎖が切れ、スコアが伸びにくくなる。
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パワーアップアイテムで一定時間の間性能が強化されるほか、周囲のポケモンを弾き飛ばす必殺技も使える。
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台を使わないポケモンもいる。
バシャーモのパンチングロックス
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飛んでくる岩をタイミングよく破壊する。時間切れまでの合計得点を競う。
モジャンボのスイングレース
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操作はスイングロープと同じ。ロープを乗り継いでゴールを目指し、タイムを競う。
ヨノワールのクラッシュランニング
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操作やルールはふりふりダッシュと同じ。
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こちらは壁やイトマルなどの障害物があり、それを壊したり弾き飛ばしたりしながら進む。
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ゴーストタイプは障害物をすり抜けられる。
ロトムのどきどきシューティング
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移動はできず、Wiiリモコンのポイントで方向転換&照準合わせ、Aボタンで射撃。
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襲いかかってくるゴースやゴーストたちをひたすら撃つ。ゴース達に密着されると終了。倒したポケモンの合計得点を競う。
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ゴース→ゴースト→ロトムの順に得点が高い。
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レーダーがあり、死角からの接近もわかるようになっている。
アブソルのつぎつぎハードル
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操作はふりふりダッシュと同じ+Aボタンでジャンプ。ハードルやダグトリオたちを飛び越えながら進み、ゴールまでのタイムを競う。
ボーマンダのスーパースカイレース
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操作ははばたきスカイレースと同じ+Aボタンで正面に射撃。コース上の的を破壊していき、ゴールまでの合計得点を競う。
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的は3種類あり、白→赤→金の順に点数が高くなる。
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的は射撃のほか、ぶつかるだけでも壊せる。
レックウザのパニックバルーン
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前半はWiiリモコン横持ちでレックウザのバルーンの上を進み、リングを潜っていく。バルーン先頭で後半に切り替わり、リモコンを縦に持ち替えて、フワンテやフワライド、レックウザが運んでくる的を撃つ。前半と後半の合計得点を競う。
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前半は自動で前進し、Wiiリモコンを傾けて曲がり、Aボタンでジャンプ。バルーンの上から落ちたり、ビリリダマやマルマインに当たると減点。
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リングと的は、2種のスカイレースのものと同じ。ただし、減点がある×印の的が追加されている。
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評価点
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なんといっても雰囲気が素晴らしい。
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人間が存在しないポケモンだけの世界というのは他の外伝作品でもあるが、各ポケモンがここまでいきいきとしている作品は他にない。
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景色、ポケモンのどちらの3Dもなかなか見応えがある。特にポケモンの3Dに関しては、批判の声もあった『ポケモンバトルレボリューション』から一新されている。BGMも良い。
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エリアごとに様々な景色があり、生活しているポケモンも場所に合ったものばかりであるため、3Dの綺麗さと合わさり「ポケモンだけの世界」を見事に演出している。
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ポケモン達には攻撃を当てることもでき、それに対するリアクションもポケモン毎に様々。もちろん眺めているだけでも様々な表情を見せる。
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登場ポケモンも、人気が高いものからコアな層に好まれるものまで満遍なく揃っている。アニメ版準拠の鳴き声も付いている。
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写真撮影もできる。
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ロード画面の工夫。
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工夫といってもピカチュウが様々な仕草を見せるだけなのだが、これが非常にかわいい。単調ながら和やかなBGMもマッチしている。
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ロードの頻度はそれなりに高いが、嫌悪感を抱くことはないだろう。
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アトラクションの面白さ。
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少々操作性には難があるが(後述)、短い時間でプレイできるアトラクションは中毒性が高く、スコアアタックが熱い。
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特に「スーパースカイレース」「どきどきシューティング」の2つは、合う人はかなりハマってしまうだろう。
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プレイ層に配慮された難易度調整。
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クリアするだけなら難易度は低く、ゲーム初心者でも問題なく楽しめるはず。
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しかし、やり込もうと思うとなかなか難しく、歯ごたえがある。
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具体的には「全ポケモンと親友になる」「全ポケモンのプレゼント記録を達成する」など。
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(レアポケモン以外の)全プレゼント記録達成はレアポケモンの解禁条件にもなっている。各アトラクションで解禁されたレアポケモンはそのアトラクション中で最高性能を誇るが、更にそのプレゼント記録は厳しいし、移動速度が速すぎて逆に制御しづらいということもあるため、達成するのは一筋縄ではいかない。
問題点
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操作性の悪さ。
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フィールド画面の操作方法はWiiリモコン横持ちしか対応しておらず、3D空間を走り回るゲームにもかかわらず移動は十字ボタン。ダッシュ中の方向転換や10万ボルトの発射方向の調整など、一部の操作はヌンチャクやクラシックコントローラーに対応していればと思うほど煩わしい。
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アトラクションも、Wiiリモコンを傾けるタイプのゲームは微調整が難しい。それどころか、慣れないうちは狙ったコースを通ることができず、ストレスが溜まる。
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ボタンの少なさが原因なのか、写真撮影が-ボタン(コントローラーの中央)に割り当てられており、やりづらい。
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アイテムを持ち運ぶ際には移動速度が下がってしまうため、仲良くなる条件がアイテム回収の場合は少々面倒(もっとも、目的のアイテムはすぐ近くに置かれていることが多いが)。持ち運び中の移動速度を上げる方法も存在しない。現実的と言われればそれまでだが…。
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とりわけひどいのはマグマゾーン。鉄の塊・金の塊を採掘できる大型ドリルが入り口近く、それらを加工・成型し別のアイテムにできる溶鉱炉が左手の遠く離れた先に配置されている。ストーリーを進めるには最低でも鉄の塊を2回持ち運ばなくてはならない。
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しかもドリル初回起動後には溶鉱炉に続く道にコータスが現れ、「溶鉱炉まで物を運ぶのは大変だろうから、物を運ぶ者を邪魔して鍛えることにした」と発言し、実際に道中に十匹前後のコータスが配置されることになる。コータスは気が立っていることが多く、不機嫌時にピカチュウが通りかかると運搬中でも手ぶらでもお構いなく攻撃してくる。友達・親友になっても道を開けてくれるわけでもなければ鍛えられるわけでもないので迷惑千万でしかない。ある意味、持ち運びの不便さに対してろくに救済策を設けず、開き直ってネタにしたスタッフの悪乗りとも解釈できる。
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一応迂回ルートもあるにはあるのだが、距離が遠い上に、一回目の運搬時には使えないので、使うことはないだろう。
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また、ジャンプで届きそうな段差でも、表示MAPで仕切られている場合透明な壁に阻まれて登ることができない。意外と煩わしい。
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例えば坂道の横から坂道にジャンプで登ろうとすると必ず引っかかる。なので必ず回り込まなくてはならない。
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アトラクションの使い回し。
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上述の通り、Wiiリモコンを振るレースが3つもある。2種のスカイレースもやることは似ている。
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とはいえ、実際にプレイすると、スカイレースはそれぞれゲーム性が異なることが感じられるはず。他のミニゲームも良く出来ており、飽きてしまうほどではない。
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また、対戦要素がない点も挙げられる。次回作ではアトラクションの対戦プレイが可能になった。
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バトルの単調さ。
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「相手の攻撃を避ける→その隙に10万ボルト(効かない相手は体当たりやアイアンテール)」の繰り返しになりがち。
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撃ってくる技はそれぞれ個性があるため、全てが簡単に攻略できるわけではない。また、ラスボスやクリア後のバトルはそれなりに苦戦するはず。
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単調さに関しては次回作で改善されている。
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「しんゆう」システムがあまり上手く活かせていない
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先ほど、『ほとんどは強化された2回目のちからくらべに勝つこと』が条件であると書いたが、その強化もあまり実感できないものが多い。相手によっては全く変わっていないこともあり、ただ単に同じことを繰り返すだけとなる。
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一応、「後から来た別個体と別のちからくらべをする」など、面白さを生み出している要素もあるにはあるのだが、水増しとしての印象の方が強くなってしまっているのは否めないだろう。
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一部のポケモンの扱い。
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上述の通り、プレゼント記録を達成することでレアポケモンが解禁されるのだが、メタグロスやラティオスなど一部のポケモンはフィールドに登場しないため、扱いが悪いと言われる。
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アトラクション終了時のスコア画面で写真撮影をすることはできる。
総評
ポケモン初の本格アクションということで、不満を感じる点はあるものの、ポケモン世界の雰囲気が見事に表現されたフィールドを走り回るだけでも楽しいゲームとなっている。
ポケモンが好きな人はもちろん、雰囲気ゲー・癒しゲーを求めているような人にもぜひ手にとって欲しい作品である。
余談
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公式サイトにて、ゲーム中で入力できるパスワードが公開されている。
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ピカチュウが参加できるアトラクションが増える「ふうせん」「サーフボード」等が手に入ったり、一部の伝説のポケモン(アトラクションに追加されるポケモンと同一)がフィールドに出現したりする。
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「ポケパーク」の名称は本作以外にも使われている。
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本作以前には現実の遊園地『Pokémon The Park 2005』の通称及び関連のポケモンカードに「ポケパーク」が含まれる。
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2023年にはエンターテインメント事業として「ポケパーク カントー」が発表された。
最終更新:2023年12月12日 10:17