魂斗羅スピリッツ

【こんとらすぴりっつ】

ジャンル アクション
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売・開発元 コナミ
発売日 1992年2月28日
定価 8,500円(税別)
書換 ニンテンドウパワー
1997年9月30日/1,000円/F×2・B×0
プレイ人数 1~2人
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年1月16日/800Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2013年11月27日/800円(税5%込)
【New3DS】2016年5月9日/823円(税8%込)
判定 良作
魂斗羅シリーズリンク

概要

  • アーケードから続く魂斗羅シリーズのスーパーファミコン版。ド派手かついい意味で頭の悪い演出が次から次へと襲い来る、爽快感抜群のデストロイアクション。
  • これまでのシリーズの正当な続編であり、またシリーズ初の家庭用ハード向け新作となっている。
  • 武器を一度に2種類所持出来るようになった事によるショットの使い分け、ジェットバイクでの高速ステージからミサイルにつかまっての空中戦等、本作から初登場し、以後シリーズの基礎として定着した要素も多数。
  • サイドビュー面4ステージ・トップビュー面2ステージの全6ステージ構成。

ストーリー

西暦2636年。度重なる“魂斗羅”との戦いに敗れたエイリアンは、ついにその総力をかけた大規模な侵略攻撃を開始した。
その圧倒的な物量と科学力、そして驚異的な生命力を持って襲ってくるエイリアン達の前に、人類は余りにも無力だった。
それから半年後、エイリアンに占領され、荒廃した都市に二人の男が現れた。
ビルとランス、地上最強の魂斗羅チームの熱き戦いが今、再び始まるのだ!

魂斗羅とは

魂斗羅。
それは熱き闘魂を生まれながらに持った、ゲリラ戦術の達人に与えられる呼名である。
そのなかでもビルとランスは、過去数回にわたるエイリアン壊滅作戦を遂行した歴戦の勇士、
対エイリアン戦闘のプロフェッショナルである。

「奴ら…ゆるさん。」
「派手に出迎えてやろうぜ!!」


システム

  • 道中で拾えるアイテムは、所持できる武器5種類、ボム、一定時間無敵のバリアの7つ。飛んでくるパワーアップカプセルを撃ち落とすことで手に入る他、トップビュー面では特定の敵が落としたりする。
    • 武器の種類は、最初から所持しているマシンガンを含めて6種。
      • マシンガン :初期装備。連射力はトップだが威力が低く、特にボス戦では力不足か。
      • スプレッドガン :5WAY弾を発射するおなじみの武器だが、今回はやや弱体化。雑魚掃討には役立つものの、単発威力は低く2連射しかできない。しかし密着して全弾当てた時の威力はクラッシュガンにも引けを取らない。
      • ファイヤーガン :火炎放射器。射程は短いが振り回すことができ、威力が高く、障害物を貫通する。
      • レーザーガン :高威力で射程も長いが、1発ずつしか撃てない。トップビューでは射程が短くなるもののレーザーが出っ放しになるため、一転して強力な武器に。
      • ホーミングガン :威力は低いが途切れることなく連射ができ、名前の通りホーミング性能もある。
      • クラッシュガン :高威力だが射程が短く連射性もイマイチ。しかし密着したときの威力は随一で、ボス戦の主力。
  • ボムはスタート時および復活時に1個所持しており、ミスをすると所持していたボムはなくなる。
    • 使用すると、エフェクトと共に全画面の敵を攻撃する。雑魚は楽に倒せ、ボスの削りにも有効。
    • ちなみにエフェクトが表示されている間は処理落ちが発生する。これを利用して敵の攻撃を見切るテクニックもある。
  • 武器を同時に2つ所持することが可能になった。
    • 攻撃範囲の広いスプレッドガンで雑魚を倒し、ボス戦では高威力のクラッシュガンで攻めるなどといったプレイングができる。
    • ステージ中で武器を拾う際の取捨選択が、これまで以上に戦略性に富むようになった。
    • ミスをすると持っている武器がデフォルトのマシンガンになるのだが、ミス時に使っていなかった方の武器は残るため、復活後すぐに反撃が可能。
    • 2つの武器を両手に構え、空中で回転しながら撃つ乱れ撃ちができるが、後のシリーズには受け継がれていない。また、乱れ撃ち中にミスをすると両方の武器を失うという細かい仕様もある。
  • Rボタンによって止まったまま射撃が可能になり、斜め撃ちなどもしやすくなった。
  • ステージの壁や手すり、建物内の天井につかまって移動が出来るようになった。
  • オプションにて、難易度(EASY、NORMAL、HARD)と残機の設定が可能。
    • NORMAL以上で真のラスボスと戦える。HARDでは敵の行動パターンや攻撃頻度が変化。

評価点

  • これまでの据置ハードではできなかった回転・拡大・縮小機能など、スーパーファミコンのスペックを存分に活かした演出。
    • サイドビュー面では奥から飛来する爆撃機、トップビュー面では画面を埋め尽くすように空から落ちてくるボスなど、迫力のある演出がなされている。
    • 音楽・音質も良く、どれもステージの雰囲気にマッチしている。
    • 効果音の種類も増えた。特に、プレイヤーキャラクターがミスしたときは「ワァーォ」とユニークな叫びを上げるようになっている*1
  • ミス時に立て直し易くなった。
    • 前作まではミス時には装備中の武器が剥奪されてしまい、復活の際に強制的に初期装備に戻されてしまう難点があった。
    • だが、本作では概要の通り武器を2つ所持できる様になった事に加え、ミスをしても装備中の武器のみ剥奪される仕様が導入されたり、デフォルトの状態で強力なマシンガンと画面全体攻撃のボムを1つ所持している関係でプレイヤー性能自体も従来作以上にパワーアップしており、ある程度ゴリ押しでもクリアがしやすくなった。
  • シリーズでも随一の武器バランスの良さ。
    • FC版『魂斗羅』『スーパー魂斗羅』などの過去作では、スプレッドガンなどの強力な武器を取ったら他の武器には目もくれず進んでいく…というプレイスタイルを半ば強制されていた。
      • しかし今作では、どの武器も得意不得意がハッキリしており、取得した武器に応じてどのように攻略していくかを考える楽しみが増えた。
      • いかなる状況でも「これ一択!」となるような最強武器もないが、逆にどうしようもなく役に立たないような捨て武器も存在しない。武器間のバランスはGB版『コントラ』と並び、総じて良好な部類と言って良い。
  • 1ステージ内だけでも変化に富んだステージデザイン。
    • 全6ステージは決して多い方ではないが、それを感じさせない場面の転換の連続である。
    • ステージ1を例に挙げれば、普通の銃撃戦に始まり、敵が守る要塞を破壊したあと装甲車に乗って進む。中ボスを倒した後は、前述の爆撃機によって火の海と化した廃墟を越えてボス戦、という具合である。
    • 中でもステージ4の評価は高い。バイクに乗り込み、疾走感のある音楽*2をバックに敵戦艦の攻撃をかわす。さらには味方のヘリのミサイルに掴まりながら空中戦を行い、ボス戦に至っては次々と放たれる味方のミサイルに飛び移りながら敵戦艦を破壊していくというトンデモ演出である。
  • 個性的なボスキャラクター。
    • 画面の多くを埋め尽くす巨体を誇るボス、反対にプレイヤーキャラとほぼ同サイズの忍者や、変形を繰り返し何度も襲ってくるメカ、はたまた背景のゲートから顔だけを出して攻撃してくる巨大ロボなど。ゲームを進めていっても飽きを感じさせない。
    • ボス達は言うまでもなく殺人兵器やエイリアンなのだが、その動きはどこかコミカルなところがあり、それが魅力の1つとなっている。
      + さらに……(ネタバレ注意) 最終ステージには、過去シリーズの複数のラスボスまでもが本作ラスボスの 前座 として登場する。まさにエイリアン軍団との最終決戦である。

問題点

  • スコアについて
    • 本作では敵を倒すと得点が加算されていき一定毎に残機がアップするのだが、操作中は一切スコアは画面に表示されない。
      • ハイスコアも含めてステージクリア時のボーナスやゲームオーバー時にしか表示されず、操作中にどれぐらいスコアを稼げたのか、どの敵でどれだけ得点が得られるのか、何点まで稼げば残機がアップするのかといった情報すら一切得られない。
  • 後半ステージのボスがかなり強め。
    • 上述の、ミサイルを乗り継いで戦う戦艦にしても、落ちないように左上の方に移動しながら余裕のあるときに右側に射撃、という忙しい操作を要求される。パーツを破壊するまでは機銃による攻撃も飛んでくる。
    • 最終ステージのボスラッシュは一回でもゲームオーバーになってしまうと最初のボスの前まで戻されてしまう。
  • とはいえ、適切な攻略法をもってすれば無理ゲーを強いるようなボスはおらず、また攻略した時の爽快感・達成感にもつながっているとも言える。
    • どうしてもクリアできない人は残機を最初から30にする裏ワザが用意されているので活用するといい。
+ ラスボスについての問題点
  • 第一形態は両腕のパーツが伸びてプレイヤーを狙う攻撃をしてくるが、追尾性能がかなり高く回避が難しい。
    ジャンプを駆使して誘導しなければならないが、両腕が同時か時間差で伸びてくるとほぼ回避が不可能となってしまう。
    • 登場演出中に既にこちらから攻撃可能なのでその時点で片腕を潰すのがセオリーとなるが、逆に言えばそれを行わないとほぼゴリ押しになってしまう。
  • 第二形態は、本体の周囲に8つのパーツ(イージーでは4つ)を回転させるルーレットと、それに対応した攻撃を繰り返す。ルーレットの際にこちらが攻撃したパーツに対応して、攻撃のパターンが変わる。
    • 簡単に凌げる上に攻撃し放題なパターンもあるのだが、回避が難しいパターンも存在する。
      • そのいくつかは安地を発見すればパターン化することも可能だが、青い玉のパーツだけは話が別。青い玉が画面中を跳ね回り、さらに破壊不可能というおまけ付きで、回避しきるのは極めて難しい。
        ボムによる処理落ちを使うのも手段のひとつである。
    • ルーレットはゆっくりと回る時もあるので狙い撃ちができないわけではないが、ランダムで速さが変わったり逆回転したりと不規則なので毎回楽なパターンを引くのは目押しが得意な人でなければ難しい。
  • 最終形態はヘリに掴まりながら下から追ってくる敵を狙うシチュエーションという都合上、敵の攻撃をジャンプで回避しようとすると操作ミスで飛び降りが暴発してしまう可能性が非常に高い。
  • トップビュー面の操作が特殊。
    • 移動・射撃については問題ない。問題はLRボタンで行える画面の回転で、文字通りプレイヤーキャラクターではなく画面全体がぐるりと回転する。
    • 操作と回転を同時に要求される場面も存在し、慣れないうちは思うように操作できない。
    • また、画面の大部分が回転するということで、ゲームに酔う人には辛いかもしれない。
    • 画面の回転とは別にボスが回転するなど、スーパーファミコンのゲームとしては非常に高度な演出もあるため、単純な問題点とは言えない。また、2人プレイ時は画面を分割して別々に回転できるモードがあるなど、きちんと配慮もなされている。

総評

シリアスとギャグの絶妙なバランスが取れたシリーズ独特の演出が、スーパーファミコンの力によってさらに高まった、コナミの本気が窺える作品。
エイリアン戦争の終結というストーリーの転換点を、シリーズ正当続編・家庭用初完全新作の名にふさわしい完成度で締めた名作である。


移植作品など

  • ゲームボーイ版や、ゲームボーイアドバンスでの合体リメイクが発売されているが、どちらも良移植・リメイクとは言いがたい。
    本作がWiiUやNew3DSのバーチャルコンソールで配信されている他、下記のように移植も充実しているので、それらを選ぶのがおすすめ。
  • 「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」に収録されている。
  • 2019年6月12日発売の『魂斗羅 アニバーサリーコレクション』(Switch/PS4/One/Win)に収録されている。
    • 日本版に加えて、欧州版である『SUPER PROBOTECTOR ALIEN REBELS』も収録されており、こちらは当時のTVの映像出力信号の差異によるゲームスピードの違いを再現したモードと日本版および北米版と同じスピードに調整されたモードとを選択可能となっている*3
    • 後のアップデートにて、北米版の『CONTRA III: THE ALIEN WARS』もボーナスコンテンツとして収録された。
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最終更新:2023年08月06日 01:19
添付ファイル

*1 さらに、穴に転落した場合は「ワァーォワァーォワァーォ…」とエコーがかかるという細かい演出も。

*2 この面では他の面と異なり、ボス戦でもBGMが切り替わらない。

*3 リプレイデータは独立している