STAR WARS エピソード3 シスの復讐

【すたー・うぉーず えぴそーどすりー しすのふくしゅう】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
Xbox(DL専用)
開発元 ルーカスアーツ、The Collective
発売元 エレクトロニック・アーツ
発売日 【PS2】2005年7月9日
【Xb】2021年11月10日
定価 【PS2】6,800円(税別)
【Xb】1,080円(税込)
プレイ人数 1~2人
周辺機器 振動対応
レーティング CERO:12才以上対象
判定 良作
スター・ウォーズシリーズリンク


概要

映画の公開と同時に発売されたPS2のアクションゲーム。
プレイヤーは映画のストーリーをなぞりながら、アナキンやオビ=ワンを操作して各ステージミッションをクリアしていく。内容は異なるがDSで同タイトルのゲームも出ており、海外ではXbox、GBAでも発売された。*1*2
Xbox版は、後に360/One/XSXで日本国内でも配信された。
開発に関わっているThe Collectiveは『Men In Black』のPS版や同じルーカスアーツ作品の『Indiana Jones and the Emperor's Tomb』を手掛けたデベロッパー。

特徴

ニューゲームを選択すると映画でもおなじみのあのプロローグが流れ、なんとそのまま映画の映像が一部映される。
そうしてグリーヴァス将軍の旗艦での議長救出ミッションを皮切りに、ウータパウ・ジェダイ聖堂・ムスタファーといった映画の舞台を駆け回っていくことになる。

  • 操作について
    • 移動・ジャンプ・ブロック(ガード)・弱・中・強攻撃といったアクションゲームの基本的な動きに加え、ジェダイの代名詞とも言えるフォースを使ったアクションを備えているのが最大の特徴。
  • 基本アクション
    • □・△・○ボタンがそれぞれ弱・中・強攻撃、×ボタンがジャンプで左スティックが移動。これら組み合わせることで様々なコンボ攻撃を畳み掛ける。
    • L1ボタンは押し続けている間ブロック状態となり、そのまま左スティックでブロックしながら移動できる。
      ブロック状態で左スティックを倒しながら×ボタンを押すとステップを踏んでその方向へ移動するので、敵の攻撃を後方へ回避したり背後に回り込んだりできる。
    • L1ボタンを押しながら右スティックを動かすとライトセーバーを回転させてブラスターを跳ね返すことができる。ただし後述のフォースゲージを消費する。
    • 敵に接近して□と△ボタンを同時押しするとグラップル攻撃(掴み技)を使える。
  • フォース
    • 操作キャラクターにはヘルスゲージ(体力バーのこと)の他にフォースゲージがあり、フォースや一部のコンボ技、セーバースローなどの攻撃を行う際にこのゲージを消費する。
      フォースゲージは時間経過で少しずつ回復していく他、シークレットアイテムを取ることでも完全回復する。
    • フォース・プッシュ…R1ボタンで発動。フォースの波動を放って敵や一部オブジェクトを弾き飛ばす。
    • フォース・グラプス…R1ボタン長押しで発動。敵や一部オブジェクトを宙に浮かせ、左スティックを倒している方向へ放り投げる。
    • フォース・スタン…R2ボタン長押しで発動。敵を一時的に行動不能にしたり、マインド・トリックで一時的に味方につける。
    • フォース・ライトニング…R2ボタン長押しで発動。敵に電撃を浴びせて攻撃する。一部のキャラのみ使用可能。
    • セーバースロー…L2ボタンで発動。ライトセーバーをターゲットに向かって投げつける。長押しで飛距離が伸びるが、フォースを使って手元に戻すという設定の為フォースゲージを消費する。
    • フォース・ヒール…R3とL3ボタン(両スティック)同時長押しで発動。フォースを大量に消費するがヘルスゲージを少しずつ回復していく。
  • その他の特殊操作
    • 上記の基本的な操作以外にも、敵のグラップル攻撃からの脱出やライトセーバー同士の鍔迫り合いなど、状況に応じた多様なコマンドが存在する。

プレイモード

シングルプレイマルチプレイが存在し、マルチプレイでは2PやCOMとの対戦・協力プレイができる。
オプションではコントローラー設定や音声系統の音量調整に加え、字幕の有無や英語/日本語の切り替えも可能。
スペシャルではゲーム中のポリゴンムービーとスタッフロール、そしてファン垂涎のコンセプトアート集が楽しめる。
スペシャル項目はストーリーミッションクリアに伴って開放されていく。

  • シングルプレイ
    • ストーリーミッション…アナキンやオビ=ワンを操作して映画のストーリーをなぞる。映画本編のストーリーがかなり省略されている一方で、映画ではカットされたシーンを題材にしたステージも多い。
    • ボーナスミッション…ストーリーをクリアしていくと開放されていく、ストーリーでは操作できないキャラを使ったミッション。このモード専用のプレイアブルキャラも存在する。
  • マルチプレイ
    • デュエルバトル…2PやCOMと1vs1で対戦する、いわゆる格ゲーモード。使用可能キャラやステージはストーリーミッションをクリアしていくと増えていく。
    • チャレンジミッション…2PやCOMと協力して特定のシチュエーションをクリアしていく。ストーリーミッション以上に多くの敵が現れるのに対し回復アイテムが用意されないため、的確な立ち回りやコンビネーションが要求される。

使用可能キャラクター

デュエルバトルで使用できるキャラクターは最終的に9人。それに加えてボーナスミッション専用キャラが2人いる。

+ 登場キャラ
  • アナキン・スカイウォーカー
    • ストーリーミッションで最初に操作するキャラクター。身体を回転させるような動きが特徴で、攻撃的な技を多く使える。
  • オビ=ワン・ケノービ
    • 機動性と技のバランスが良く、小回りの利いた動きができる安定性の高いキャラ。
  • ドゥークー伯爵
    • 攻撃動作にやや癖があるがコンボ性能はなかなか高い。L2でフォース・ライトニングを放つこともできる。
  • グリーヴァス将軍
    • フォース系のコマンドが一切使えない欠点がある代わりに、ブラスターやアームモードの展開など非常に個性的な戦術を備えている。
  • メイス・ウィンドゥ
    • ステップの性能が高く、畳み掛けるような攻撃が可能。グラップル攻撃も豊富。
  • シン・ドローリグ
    • 映画で1シーンだけ登場したジェダイ・バトルマスター*3で、素早い攻撃を得意とし技の小回りが利く。
  • セラ・ケト
    • シンの弟子で二刀流のセーバー使い。技の出がやや遅いがコンボや機動性は安定している。
  • ダース・ベイダー
    • 機動性が低い一方、弱攻撃の威力が他のキャラより高い。原作では使えない設定のフォース・ライトニングを使用できる。
  • ベン・ケノービ
    • 技の種類は少ないがステップ性能は良い。オビ=ワンの老成した姿だけあって安定性は比較的高め。
      以下はボーナスミッション専用キャラ
  • ヨーダ
    • 機動性が非常に高く、攻撃性能も優秀。原作通りの小さい身体で縦横無尽に敵を切り捨てる。
  • マグナガード
    • 機動性が非常に低く攻撃動作も癖があるが、攻撃力自体は高めでステップの性能も良い。フォース技を持たないが仲間のマグナガードと連携して攻撃できる。

経験値システムについて

  • ミッション中、敵を倒すとコンバットレート(戦闘評価)が表示され、それに応じてEXPメーターが溜まっていく。表示されるのは「FAIR(平凡)」「GOOD(良好)」「IMPRESIVE(優良)」「MASTERFUL(最高)」の4段階。
    「GOOD」だとその時得られる経験値が1.5倍、「IMPRESSIVE」なら2倍、「MASTERFUL」なら3倍となる。
  • 経験値はミッション終了後にフォースやアクションスキルに対して振り分けていき、一定数振り分けるとそのスキルがレベルアップする。
    スキルは各種2回までレベルアップさせることができ、新しい技を覚えたりフォースの威力・効果が上昇したりする。
  • 敵を攻撃していくとコンボメーターが上昇していき、攻撃しない時間が続くと下がる。このメーターが満タンになると一定時間パワーアップ状態になる。
    このメーターが高い時ほど敵を倒した時の評価が高くなりやすいため、その分経験値を稼ぎやすい。
  • 最初にそのステージをクリアした時にはEXPメーターの経験値を丸々ゲットできるが、同じステージを再度クリアした場合には前回のEXPメーターとの差額分しか経験値を得られない。
    すなわち、同じステージで経験値稼ぎをするつもりなら常に前回よりもアクティブかつスピーディーな立ち回りを心がける必要がある。

シークレットアイテムについて

  • ストーリーミッション中の各ステージには決められた数のシークレットアイテムが隠されており、見つけることで様々な恩恵を得られる。
  • ヘルスサージはヘルスゲージを、フォースサージはフォースゲージを全回復すると同時にゲージの上限をアップさせる。
  • セーバークリスタルはコンボメーターを一気にMAXにする。
  • シークレットアイテムが隠されているエリアに入ると「フォースの乱れを感じる…」などヒント台詞が出るが、具体敵にどこに隠されているのかまではわからない。
    • 壊せるタンクや箱の中に入っていることもあれば、「そのエリアの敵を全て倒す」「そのエリアの入り口まで逆行する」など一風変わった出現方法もある。

評価点

  • アクション性の原作再現度が非常に高い。
    • 群がるドロイドやトルーパーをライトセーバーでバッタバッタとなぎ倒すのはとても痛快。フォースの万能性も素晴らしく、単に敵を弾き飛ばすだけに留まらない多彩な使い方がある。
      • 敵を引き寄せてから突き刺す、爆弾や椅子といったオブジェクトを持ち上げて投げつける、画面奥側から谷を挟んで狙撃してくる敵を手前に引き寄せて谷に落とすなど、映画さながらにジェダイの戦い方が楽しめる。
    • 通常攻撃が届かない場所にある装置をセーバースローで破壊したり、一部の扉や壁をライトセーバーで壊したり斬り外したりして進むといったアクションもあり。
    • ジェダイやシスと戦う際にはライトセーバーによる激しい剣戟戦となる。ただ闇雲に斬りかかるだけでは到底かなわないため、フォースは勿論回避ステップやカウンター攻撃も織り交ぜて攻めていく必要がある。
  • ステージや背景がとてもよく作りこまれている。
    • ウータパウの竪穴やムスタファーの溶岩流などはPS2としてはかなり美麗な出来。敵を倒し尽くした後、先へ進む前にそれらを眺めて一休みするのも一興。
    • 壊れた機械からパルスの流れ出ている所にもちゃんとダメージ判定がある。ただの背景だと思って近づくと最初はびっくりするだろう。勿論、敵をそこへ放り投げてダメージを与えられる。
    • 手すりや壁、支柱などにライトセーバーが当たると傷がついたり壊れたりする。こちらは戦闘に影響がないが、こうした細かいステージ上の変化を見る為に色々斬りつけてみるのも楽しい。
  • かなり練りこまれたレベルデザイン
    • 雑魚敵がしっかり段階を追って強くなっていく。初めの内は簡単に倒せるバトル・ドロイドやコンボを駆使すれば恐れる敵ではないスーパー・バトル・ドロイド程度しか出ないが、ストーリーが進むにつれて徐々に厄介な敵が増えてくる。
    • ガードや掴み技を使用するグラップル・ドロイド、フォース・スタンでバリアを解かなければ攻撃が通らないドロイデカなどは割と序盤から出現するため、回避ステップやフォースを使いこなさなければ苦戦は必至。
      ごり押しだけでは行き詰まるが、状況を突破するために自然とプレイングが洗練されていくので、ここでもプレイヤーは修練を積むジェダイのような心境を味わえることだろう。
    • ボスキャラや中ボス相当の敵はそれまで雑魚敵とは別次元の強さに感じられる。特にドゥークー伯爵やメイス・ウィンドゥには初見だとかなりの苦戦を強いられるだろう。
      しかしそれらの強敵もブロックや回避、フォース・ヒールなどの基本的な立ち回りをおろそかにしなければ十分打倒し得るレベルである。躍起になってスキルレベルを上げようとするよりも、一度クリアしたステージやチャレンジミッションなどでプレイング練習に励む事が勝利への近道。
    • 総じて歯ごたえのあるゲーム難易度と言えるが、丁寧なレベルデザインのおかげで理不尽に詰むことは少ない。
      なお、難易度はオプションで「EASY」「NORMAL」「HARD」の3段階に変更可能。尤も「EASY」でも極端なヌルゲーにはならない。
  • 映画ではカットされたシーンや、映画のストーリーを補完するようなシーンが多く見られる。
    • グリーヴァス将軍の旗艦を舞台にした序盤のストーリーでは、アナキンたちの侵入からドゥークー伯爵との対決までにミッションを3つもこなす必要がある。
      そのため旗艦通路でのドロイド戦やエレベーターを使った移動など、映画では割とあっさり突破していたシーンをじっくり攻略することになる。
    • オビ=ワンがウータパウのドロイド基地に侵入する場面も同様。映画ではすんなり敵地の奥まで入り込んでいた彼らが、実際には非常に過酷な任務をこなしていたということが実感できる。
    • 序盤の中ボスであるマグナガード*4はかなりの難所。攻撃力も防御力も並のドロイドとは別格の厄介な相手で、将軍特注の護衛であるという設定が存分に活かされている強さを見せつける。
    • 物語中盤、ダークサイドに堕ちたアナキンを操作してジェダイ聖堂に乗り込むミッションでは、果敢にも挑みかかってくる数多くのジェダイナイトたちを淘汰することになる。
      オビ=ワンが「とても正視できない」と目を背けた惨劇を、プレイヤー自身の手で遂行することに…。
  • 映画からアレンジされた部分も基本的によく練られている。
    • メイスやグリーヴァス将軍との戦いは終始ライトセーバー戦で行われ、最期もセーバーによる突きや斬撃で息絶える。
      映画ではどちらも異なる死に方だったが、苦戦を強いられること必至のこうしたボスたちにきちんとプレイヤーキャラ自身の手で引導を渡すことができるのには達成感がある。
      • 無理に映画を再現しようとすると、敵のヘルスゲージを0にした所で「シディアスが電撃で割って入る」「トドメはブラスター」といったムービーが挿入されることになり、アクションゲームとしてはやや肩透かしな感が否めないだろう。
    • 特にアナキンを操作してのメイスとの対決は映画にも小説版にも存在しない完全なオリジナルバトルだが、しきりにアナキンを説得しようとするメイスと耳を貸さないアナキンのやりとりを挟んでの激闘はとても印象的。
    • ムスタファーでのミッションでは、分離主義者たちがシディアスに裏切られたことに気づき、アナキンことダース・ベイダーを必死に迎撃しようとする。
      傲慢な台詞と共にニモーディアンのガードやドロイドをねじ伏せながら徐々に司令室へと近づいていく彼の姿には、それを操作するプレイヤー自身すらも恐怖を感じるだろう。
      • 司令室では逃げ場のないルーン・ハーコやワット・タンバーらを一刀の下に始末していくことになるが、喚いたり命乞いをしたりする彼らの様子があまりにも憐れで殺すのが忍びなくなってくる。
  • その他ファンサービス精神溢れる要素の数々
    • ストーリーモード最後のミッションであるオビ=ワンvsアナキンをクリアするとエンディングとなるが…
      + ネタバレ注意
      • エンディング後、ストーリーモードにもう一つミッションが開放される。これはアナキンを操作してムスタファーでのオビ=ワン戦を再現するIFストーリーであり、この戦いに勝利するとシリーズ本編とは完全に異なる展開が繰り広げられる。
      • 具体的には岸に上がったオビ=ワンにアナキンが飛び掛かるシーンで、彼がオビ=ワンの攻撃をかわし逆に息の根を止めるというもの。
      • さらには彼を労いに来たシディアスすらも手にかけ、動揺するトルーパーたちに対して自らを銀河の支配者と称し高笑いをあげる、というアナキンのポリゴンムービーでミッションは幕を閉じる。
      • そしてこのミッションをクリアすると、ボーナスミッションにデス・スターを舞台にしたベイダーvsベン・ケノービの戦いが追加される。
      • エピソード3のゲームでありながら、わざわざデス・スターのマップを用意してエピソード4の名勝負を再現してくれたスタッフのサービス精神にフォースの加護があらんことを!
  • そもそもスター・ウォーズを題材にしたゲームはFPSなどが多く、純粋に作中キャラクター同士を戦わせることのできる格ゲーモードがあるのはかなり貴重。
    アナキンvsベイダーやグリーヴァス将軍vsベン・ケノービなど、時間や設定の枠を越えた夢の対決も実現。
  • デュエルバトルでは戦闘中にキャラクターがランダムで汎用台詞を言うが、対戦カードによっては専用台詞を言うこともある。
    + 一例をあげると…
    • ドゥークーがグリーヴァスに対し「お前を造った私が、お前を壊す」
    • アナキンがベイダーに「ダークサイド?くだらん」
    • グリーヴァスがオビ=ワンに「オビ=ワン…お前は強い。だが私には勝てん!」
  • 汎用台詞でも対戦カードによっては特別な印象を与えるものが多く、想像力を刺激する。
    グリーヴァスの「つまらぬ人生から解放してやろう」やドゥークーの「真のダークサイドの力を見せてやろう」といった汎用台詞は、ヴェイダーを相手にした時などなかなか意味深な言葉に感じられる。
  • ボーナスミッション限定とはいえ、マグナガードが操作できると誰が予想したであろうか? ジェダイやシス卿といった主要キャラには及ばないが雑魚トルーパーには十分無双し得るという性能という、絶妙なバランス調整がされている。
  • スペシャル項目で見られるコンセプトアートでは、映画でカットされたシーンのイラストや各種ドロイド・トルーパーの設定資料を観ることができる。
    • 加えてデュエルバトルでのプレイアブルキャラや対戦ステージ、ボーナスミッション、スペシャル項目などはストーリーミッションを最後までクリアすれば確実に全て開放されるので、隠し要素を出すために厳しいやりこみ条件を満たす必要がないのはアクション初心者にはありがたい。
  • 問題点

    • ストーリーが省略されまくっている。
      • 戦闘に直接関係ないシーンはほぼ全てカットされているため、映画や小説を知っていないとストーリーを把握するのは困難だろう。
        • グリーヴァス将軍の旗艦でのミッションを全てクリアすると、次はいきなりオビ=ワンによるウータパウ侵入まで話が飛ぶ。
      • 特にパドメ関連の描写は一切出てこない為、ゲームだけでは何故アナキンがダークサイドに堕ちるのか理解し辛い。
      • 上述の通り映画で描かれなかった場面を補完しているのは嬉しいが、どうせならより忠実に映画のシナリオをなぞってほしかったというファンもいるだろう。
    • 非常に原作再現度の高いゲームではあるが、設定矛盾もなくはない。
      • ダース・ベイダーがフォース・ライトニング(シスの電撃)を使える。原作設定では身体の大部分を機械化したせいで、シス卿にもかかわらず電撃は使えなくなっているはずである。
        • ただし、この点は劇中ではっきりした説明もないため、使えないのか単に使わなかったのかファンの間でも意見が分かれている所である。
      • パドメ関連をカットしたため、アナキンがメイスと戦う理由がいまいちピンとこない。
        • はっきりとは分からないが、ゲームのアナキンは純粋にメイス(ジェダイ)が議長を暗殺しようとしているように見えたらしい。
          そうなるとアナキンは議長がシスであることを知らなかったということになるが、ならばメイスが議長をシスだと断じた理由が曖昧になってしまう。
      • 細かいことだがグリーヴァス将軍のライトセーバーがデュエルバトルだと青一色になっている。実際には青と緑であり、ストーリーミッションではちゃんとその配色になっているのだが…。
        • 将軍は他にも「デュエルバトルの登場シーンでは4本の腕を展開しているのにバトル開始時は2本に戻っている」点も気になる。
          共にゲーム性自体には影響しない小ネタレベルの要素だが、他の部分については非常に丁寧にデザインされているゲームであるため、こういう点が目についてしまうのは残念。
    • 登場キャラの少なさと人選。
      • ドロイドやトルーパー相手の無双アクションがメインのゲームとはいえ、せっかく格ゲーモードがあるのにプレイアブルキャラが少なすぎる。
      • しかもその少ない枠の2つを映画でチラッとしか出なかった爺ちゃんジェダイとその弟子だという設定の綺麗なねーちゃんに充てているのは如何なものか。
        • ただし、2人ともなかなか魅力的なキャラクターではある。もし他のプレイアブルキャラが充実していたなら彼らの参戦が疑問視されることもなかったろうが…。
      • ベン・ケノービ参戦も、勿論嬉しいファンサービスではあるのだが、限られた枠を費やすべきだったかどうかはやはり疑問が残る。
      • どうせならボーナスミッション専用キャラもデュエルバトルで使いたかった。特にヨーダはシリーズでも指折りの人気キャラクターであり、エピソード3のストーリー上においても重要な人物である。
        • 尤もヨーダは体格が他のキャラと違いすぎる為、バトルの際にプログラムやバランス調整の問題が生じることを考えれば仕方なかったのかもしれない。*4
        • マグナガードも前述の通りメインキャラ相手にタイマンで渡り合えるほど強くないレベルに設定されており、対戦モードに参戦させても最弱キャラという苦境は免れ得ないことは明白であったろう。
      • エピソード3の最重要人物とも言えるダース・シディアスが参戦していないのは悔やまれる。ヨーダのように体格の問題はないし、映画でもある程度戦闘描写があるというのに…
    • 練習モードが未実装である。
      • このゲームはキャラクターごとに様々なコンボが設定されており、グラップル攻撃などは同じコマンドでも技内容がまるで違う。
        しかし練習モードがないため、いきなりデュエルバトルで練習するしかない。要は実戦の中で学べと言うことだろう。
      • ところがデュエルバトルでは対戦キャラとステージ、ラウンド数しか変更できないので、敵を弱めに設定して練習相手に使うことは不可能。
        • 一応2コンを差し込んでほっとけば一切動かないサンドバッグにすることは可能だが…
        • 敵の攻撃を回避したりカウンターに転じる練習をするには向こうから攻めてもらわないと埒があかないので、友達に頼んで練習に付き合ってもらうか、やはり実戦の中で(ry
    • 吹き替えの声優が映画と一部違っている。
      • 映画と同じ声優が演じているキャラはアナキン、オビ=ワン、ヨーダの3人。他の参戦キャラは映画と異なる声優が声をあてているので、思い入れのあるファンには不満が残るかもしれない。
      • ただし一概にミスキャストと決めつけることはできない。
        グリーヴァス役の坂東尚樹氏、メイス役の楠見尚己氏、ベン役の塚田正昭氏など、キャリアの長いベテランの方がしっかりとキャラクターを演じており、これはこれで十分視聴に堪えるものである。
    • 一部の特殊アクションへの不満
      • フォースを使って大きな障害物を浮かせたり、大ジャンプして高いところへ乗り込んだりするポイントが度々あるが、そこでフォースを使うよう画面に指示が出るため先へ進むための謎解き要素はほとんどない。
        • 親切設計ではあるので必ずしも悪いことではないのだが。謎解き要素はどちらかというとシークレットアイテムの入手法の方に向けられている。
      • ストーリー中、ブラスター・キャノンに乗り込んで操縦するポイントが何度かあるのだが、これがなかなかの難所。
        • 一発ずつしか撃てないチャージ攻撃と長押しで連射可能な通常攻撃があるのだが、攻撃し続けていると加熱メーターがどんどん上昇していきオーバーヒートするとしばらく撃てなくなる。
        • ところが敵は陸から空中から動き回ったりしながら攻撃してくるため、一発ずつ確実に当てていくのは結構難しく、つい焦って連射しすぎオーバーヒートを起こすことが多々ある。
        • 照準もターゲットのやや上方から右上方の辺りを狙わないとヒットしないため、慣れないうちは戸惑うこと請け合い。
          しかも一度乗り込むと敵を殲滅するなり目標を破壊するなりしないと降りられず、乗ってる最中はフォースヒールでの回復もできない。
        • 折角の射撃モードにもかかわらず爽快感があまりなく、もう一歩調整が足りなかった感は否めない。
    • 攻略本未発売。
      • この手の映画原作ゲームには珍しいことではないが、本作に関しては攻略サイトなどもほとんどヒットせず、断片的な情報は見つけられても詳細な公式情報は皆無。
        したがってシークレットアイテムの在り処やボスキャラの攻略法、スキル振り分けのコツから持ちキャラの動かし方まで、ほぼ独力で見つけ出すしかない。
      • 逆に試行錯誤を経て自分なりの攻略法を編み出す玄人式な楽しみ方があるのは確かだが、やはりアクション初心者や苦手な人には若干心細いものがあるかもしれない。
      • ちなみにここに記述したキャラ特性などもほぼ私の独断である。実際に動かしてみた感想から特徴を絞り出すしかないのだからどうかご了承いただきたい。

    総評

    キャラ数や人選は物足りない感が拭えないが、アクション映画作品のゲーム化としては非常に完成度が高い出来となっている。
    『スター・ウォーズ』ファンならば一度は夢見るライトセーバー無双やフォース無双を存分に楽しめ、世界観を壊すことなくゲームバランスを保つという素晴らしいゲームデザインがなされている。
    1,500円程度で中古ゲーム屋などに売られてたらぜひお手に取っていただきたい。
    ジェダイやシスに憧れたことのある人ならきっと後悔はしないでしょうから。

    + タグ編集
    • タグ:
    • PS2
    • ACT
    • Xbox
    • 2005年
    • スター・ウォーズ

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    最終更新:2024年03月15日 09:42

    *1 GBA版とDS版は2.5Dスタイルのベルトスクロールアクションゲームになっており、開発を『アサシンクリード』シリーズのUBIモントリオールが担当。そのためパブリッシャーもPS2/Xbox版と異なり、UBISOFTになっている

    *2 海外のPS2/Xbox版はルーカスアーツ自身がパブリッシャーとして販売している。

    *3 オビ=ワンが聖堂でのアナキンの凶行をホログラムで観る場面でアナキンに倒されているのがホログラムに映る。

    *4 敵を絞めたり組み伏せたりする動きが多いグラップル攻撃は小さすぎるヨーダには効かなくなってしまいかねない。