ToHeart2 ダンジョントラベラーズ

【とぅはーとつー だんじょんとらべらーず】

ジャンル 3DダンジョンRPG

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 AQUAPLUS
開発元 スティング
発売日 2011年6月30日
定価 5,040円(税込)
レーティング CERO:D(17才以上対象)
廉価版 AQUAPRICE 2800
2013年4月25日/2,940円(DL版:2,000円、共に税込)
判定 良作
ポイント ToHeart2ヒロインが戦うダンジョンRPG
可愛い見た目に反して難易度はガチ
Leaf/AQUAPLUS作品リンク


概要

  • LeafアミューズメントディスクVol.5『愛佳でいくの!!』所収の3DダンジョンRPG『FINAL DRAGON CHRONICLE~ Guilty Requiem ~』(以下、『FDCGR』あるいはPC版)をアレンジした作品。
  • 先輩の怪しげなゲーム機のおかげでRPGの世界に放り込まれた『ToHeart2』のキャラクターたちが、元の世界に戻るためダンジョンを攻略していくことになる、というのが大まかな目的。
  • 『FDCGR』はファンディスク内の一コンテンツでありながら、遊びごたえのある良作RPGとして高く評価されていた。それに更なる改善を加え、性的描写にコンシューマ機向けの修正を施したものが本作である。

特徴

  • 使用可能キャラクターは『ToHeart2』本編及び『ToHeart2 Another Days』(以下『AD』)のヒロインと一部サブキャラ、計19人。当然全員が美少女である(厳密には1人は美魔女)。それ以外の登場人物(店員や後述の行商人など)もほとんどが『ToHeart2』登場キャラクターである。
    • ちなみに主人公「河野貴明」と各ヒロインたちとの関係は「本編および『AD』でヒロイン全員とフラグを立てながら誰ともエンディングを迎えていない」という状況。また、後方で戦闘指揮を取っているという設定のため、貴明は「パーティには常にいるが、登場はイベント時のみ」という扱いである。これはイベントのトリガーとして主人公の貴明は必須だが、「ToHeart2ヒロインでパーティが組める」というコンセプトの関係上、「本編主人公であろうと男は不要」とパーティから外されかねないからだと思われる。また、本編でのヘタレぶりも反映されているためだとも予想される。
  • 使用可能なキャラクターにはファイター・マジックユーザー・スカウト・メイドの4つの職業系統の内、1つが割り振られている。レベルが一定以上になると、その系統ごとに二次職(中級職)・三次職(上級職)にクラスチェンジできるようになる。なお、各キャラの職業系統そのものの変更はできない。
    • ファイター系は近接武器での攻撃と敵の物理攻撃を受け止めるのが主な役割。マジックユーザー系は攻撃・回復・補助魔法の使い手だが、クラスチェンジによっては近接武器での戦闘も可能。スカウト系はトリッキーな戦法を得意とし、後半は弓や投擲武器でのアタッカーもこなせるようになる。メイド系はパーティ全員のHPとTP(MP)を回復させたり、敵を弱体化するor味方を強化するサポート要員である。
    • クラスチェンジはツリー式。一次職(基本職)から二次職・三次職にクラスチェンジする際には職が分岐していく。例えば、ファイター系ならファイター→パラディン(防御型)orダークナイト(攻撃型)の選択となり、さらにパラディン→ヴァルキリー(防御特化型)or侍(攻防一体型)ないしダークナイト→ダークロード(バランス型)or侍(直接攻撃特化型)へとクラスチェンジできる。このため、パラディン→ダークロードのようなクラスチェンジは不可。
  • 各キャラはレベルアップすると、レベルに応じてSPというポイントが加算される。
    • これを技・魔法・パッシブにカテゴライズされているスキルに割り振りを行うことで、キャラの行動の幅を広げたり、能力の底上げを行ったりすることができる。スキルも、攻撃を強化したり、カウンターできるようになったりなど様々で、セットにより個性を出し様々な戦術を構築できる。
  • 魔法には詠唱時間の概念がある。
    • 魔法を選択すると次のターンまで詠唱しているという扱いになり、ターンが回ってくると魔法が発動する。
    • その間に沈黙させられたり、大ダメージを受けたりすると魔法詠唱は中断されてしまう(ただし後者は確率)。この場合、次のターンは通常のコマンド選択となる。
    • もちろん敵の魔法も同様なので、敵の魔法詠唱を阻止するのが基本戦術の一つである。
      • なお、技は再行動までの時間が遅めなのだが即時発動する。このため、魔法と技に使い勝手の上で格差が生じている(後述)。
  • 戦闘はウェイトターン式。
    • ターンの頻度はステータスのAGI(素早さ)、武器の攻撃速度(A~Fにランク化されている。Aが最も速い)、行動内容(一般にアイテム使用は速く、スキルは遅い)で決定される。
      • 特にAGI、武器の攻撃速度の影響は大きい。一般に攻撃力の高い武器(両手武器やロングボウ)は攻撃速度が遅い。
    • 基本的にターンの多い方が有利だが、アタッカーならば一撃必殺を狙うのも戦術の一つである。
  • 状態異常が非常に強力。
    • 睡眠やスロウなど、多くのRPGでは戦闘中のみの状態異常のほとんどが戦闘終了後まで継続する。そのため、こちらが状態異常になったまま連続戦闘することになると極めて不利になることも。
    • 他方、敵への状態異常≒行動阻止となることが多い。例えば、状態異常「凍結」は技を使用不能にするものだが、敵の場合は技を使おうとすると「○○は凍結している」と表示されてターンそのものがキャンセルされる(味方は技が使えなくなるだけ)。更に敵側はキャンセルされるから選択しないということは無いため、1回の状態異常で連続キャンセルも多々ある。
  • モンスターも一部を除き、全員美少女。ロリ系・お姉様系・猫耳・厨二病・和服などよりどりみどりである。
    • 各層にいるボスを倒すと、色っぽいグラフィックが表示される。
    • HPを大きく減らした敵は「モンスター図鑑」というアイテムに封印できる。封印した「モンスター図鑑」は「封印書」というアイテムになる。これは装備品の扱いとなり、装備することでステータスの補正や敵の状態異常を完全に防ぐなどの効果をもたらす。また、封印されたモンスターは以降の戦闘で、1ボタン操作で最大HPや属性耐性などステータスの一部を確認できるようになる。
    • 封印書はこのように有効な効果をもたらすのだが、売ってもなかなかのお金になる。この手のゲームでは一般的だが、モンスターはあまりお金を落とさない。ウィザードリィやエルミナージュのように固定エンカウントのモンスターが必ずアイテムを落とすというわけでもないので、序盤から中盤では封印書の売却は重要な資金源となる。
      • しかし、モンスターを封印すると経験値もドロップアイテムも得られないので、そのあたりが実に悩ましい。
      • 余談ながら、PSP移植にあたって削除されたのはモンスターを封印したときのグラフィックである。

PC版からの変更点

  • 原作に比べて、様々な面がパワーアップしている。
    • パーティー編成関係では、パーティーの最大人数が5人(PC版では4人)に増加し、パーティー編成に幅を持たせやすくなった。
    • 各キャラごとに「ユニークスキル」が設定され、それを活かしたクラスチェンジも可能になった。例えばシールド装備時にDEF(防御値)をさらに高める「生徒会長の力」を習得する「久寿川ささら」*1なら、それを活かして屈指の壁役・ヴァルキリーか攻防のバランスが取れたダークロードにチェンジすると有効。
    • また、特定のメンバーを入れてパーティー編成すると「パーティースキル」が発動し、該当者の能力にボーナスが付く。例えば柚原このみ・春夏*2の親子を含むパーティを組むと、「パワフル親子」が発動し、二人の最大TPと火属性への抵抗が増加といった具合。それを活かしたパーティー編成も可能になった。
      • どちらも原作を知っていると納得できるもの、ニヤリとさせられるものが多い。
  • 『FDC』ではフロア中ほどで仲間になり、戦う事が無かったキャラにも戦闘イベントが追加された。
  • 行商人・依頼屋の追加。かれらもシリーズに登場するキャラクターで、冒険を手助けしてくれる。
    • 行商人はダンジョン探索時にランダムで遭遇し、高性能な消費アイテムや装備品を販売してくれる。当然深い層になるほど良質な装備を購入可能。
    • 依頼屋は特定のアイテムを入手・敵を一定数撃破などの条件を満たすと別のアイテムと交換してくれる。依頼屋のポイント(マスクデータ)を貯めると追加ダンジョンの解禁・アイテムの入手・アイテム所持数の増加などのご褒美が与えられる。
  • ダンジョンで特定のパーティー編成・脱出せずに一定数以上の戦闘回数経過などの条件を満たすと「雑談イベント」が発生するようになった。
    • 原作『ToHeart2』ではシナリオの都合上交流のなかったキャラ同士の掛け合いや、キャラの素のパラメータが強化されるイベント(後述のレベルリセットボーナスとは別の扱いで、レベルリセットしても消えない)など様々な物がある。
  • レベルを1に戻す「レベルリセット」も、PC版ではほとんど意味がなかったが、PSP版ではLV50以上のキャラが行うとキャラクターの全パラメータにボーナス値が加算され、お気に入りのキャラをより強化できるようになった。ただし、レベルリセットによるボーナス値は+50が限界である。
  • PSP版のみの追加ダンジョンが追加された。
    • 特定のクラスが必要な扉や人数制限のある扉、落とし穴を使い移動していくダンジョンなど一筋縄ではいかないダンジョンもある。
  • ダンジョンのマップも『FDCGR』とは全く異なっており、PC版経験者でもまた違った感覚で楽しめる。

評価点

  • キャラクターごとの職業系統や途中で加わる仲間のレベルと職が固定されていることから、キャラメイクは無い。しかし、ツリー制のクラスチェンジとスキルカスタムが導入されているので、キャラ育成の自由度は非常に高い。
    • 例えばファイター系の三次職の侍は、二次職が防御中心のパラディンか攻撃重視のダークナイトだったかで全く性能が異なる。前者なら敵の物理攻撃を無効化しながら攻撃する攻防一体型に、後者なら防御を捨てて絶大な攻撃力で敵を切り裂く直接攻撃特化型になる。
    • 全く同じ職業でもスキルカスタムによっては完全に異なる性能に仕上げることも可能。例えば、前述のダークロードはスキルの割り振り次第でアタッカーにも壁役にもなれる。
      • その極北がジョシコーセー(メイド系三次職)。習得可能なスキルの数はダントツに多く、ほとんどのアイテムを装備できる。そのため、アタッカーにも壁役にも支援型にも万能型にもできる。
    • もっとも、SPは有限である上、一度割り振ったSPはレベルリセットをしないと元に戻せない。スキルレベルを上げると更に使えるようになるが、SPがかなり必要。そのため、どの職も育成方針や他のキャラクターとのバランスを考えないとただの器用貧乏になったり、アンバランスになったりする。そのあたりを考えながら成長させるのが楽しいところである。
  • システムを理解すればするほどプレイに幅ができてくる。
    • AGIの重要性、武器の攻撃速度、スキル、各職業の役割を理解すればするほど、効率的な作戦が取れるようになる。正面から戦っても勝てないような相手も工夫すれば搦め手で簡単に撃破できるようになるのも面白い。
      • 基本的には状態異常のばら撒きとなるが、強力な攻撃スキルで粉砕、「衰弱のサルサ」(後述)でジワジワと削る、超高速パーティで敵にターンを回さないなど工夫の仕方はいろいろ。
      • もちろん「俺の嫁」パーティでも(メンバーと工夫次第ではあるが)問題ない。
  • この手のゲームによくあるやりこみ要素は単なるお飾り的なものではなく、プレイにも大きな影響を与えるものも多い。
    • やりこみ内容の一部は「トロフィー」として表示される。そして、トロフィーが多くなればなるほど前述のパーティスキルが強化される。
    • 封印したモンスターは「モンスター辞典」にステータスの一部が記載されるようになるため、弱点を突くのに有利となる。しかもLボタン1回でその戦闘に出ているモンスターで対象が居れば表示されるので、イチイチ選択する必要などもなく非常に使いやすい。
      • ゲームの最初でもほのめかされるが「モンスター辞典」のコンプリートは真のエンディングのためにも必須だったりする。
  • キャラクターの衣装は エロ 可愛い。キャラグラフィックも本編や『AD』から改善されたものもある。
    • 特に職業系統にジョシコーセーがある某美魔女の制服姿は必見……かもしれない。
  • やや簡潔すぎるものの「キャラクター辞典」もある。これである程度はキャラクターの個性や人間関係について知ることができるため、原作を知らなくても置いてけぼりにされにくい。
  • 11層以降はLeafの古今東西の名曲*3が移動画面・戦闘画面で流れるため、往年のファンには嬉しい演出と言える。
  • 細かいことだが、クリアしたフロアでも一部の宝箱は復活する。依頼こなしや低レベルキャラ育成で低いフロアに戻る羽目になっても、退屈な散歩となりにくい。
  • 一部のステータス上昇等のスキルは通常移動時でも使用可能。ボス前で強化してから突入、とかができるのでテンポが良い。
  • やりごたえとボリュームは相当なもの
    • 武器・防具も、ステータスアップや能力強化など付加属性がいろいろあって選択が楽しい。
    • クリアまでの長さの割に、スキルポイントの割り振りの幅やフロア攻略などのテンポが良いので、中だるみは少ない。

賛否両論点

  • 難易度が高い。『ToHeart2』のファンディスク程度に思っていると痛い目にあう。
    • 10層までは案外あっさりと進めるものの、11層以降になると敵の攻撃力が増してくるため、詰まりがちになる。
    • 後半には高確率でのカウンター攻撃や能力低下を仕掛ける敵も多くなる。
      • 装備の見直し(耐性は特に重要)・レベル上げ&スキル分配・パーティー編成の見直しなどを行えば勝てる可能性が上がるシステムなのが救いだが。
      • ウィザードリィ』や『エルミナージュ』、『世界樹の迷宮』などを既にプレイしていれば、極端に難しいとは思わないだろうが、これがハクスラ系初プレイだといささかキツい。
      • 一部のプレイヤーの中には開発元の名前を見て「これはヤバい」と思った人もいるのではないだろうか。
  • レベルデザインの賛否
    • 一方通行扉、ワープ床、などの配置が多い。と言うより、中盤辺りからフロア全体にそれらが敷き詰められるようになる。
    • 「分岐ワープ床の先が一方通行扉で作られた一本道で、その最奥に入り口に戻る一方通行ワープ」、など、凝ってはいるが当時の類似ゲームでも賛否の多い要素を詰め込んだレベルデザインで、オートマッピングなのにマップを見ても通路の繋がりがとても把握しづらく、マップを埋めているというより埋めさせられてる感を感じやすい。
    • そのせいで、中盤辺りのフロアからは初見で下手に進むと、一方通行扉やワープのせいで簡単に撤退できなくなる。フロア移動で敵もかなり強化されるので、戻れなくなった先でレベリング不足が判明すると二進も三進も行かなくなるハメに。
      • 強制脱出アイテムは安価で店売りされているので、それを切らさない限り詰みはしないのが救いだが。

問題点

全体的にバランスは大味。

  • 職業バランスの問題。
    • くノ一(スカウト系三次職)
      • 終盤はくノ一ゲーと言われる程強力。命中すれば確定で速度ダウンを付加できる技「鳳凰」、安定した削りと弱体を付与する「火遁」などの遁術、ボスにさえ通用する敵のスキル封じ技「影縫い」、発動している間は実質無敵になれる魔法「影分身」など、強力なスキルが目白押し。
      • ただし、TPが少ないのでTP補給手段を確保しないとすぐにガス欠を起こす。
    • エンチャントレス経由セージ(マジックユーザー系二次+三次職)
      • 補助魔法のスペシャリスト。本作は状態異常系補助魔法の効果が絶大なので、状態異常魔法をばら撒くだけで敵の行動を完封できる。また味方強化や武器に火などの属性を持たせる魔法も、使い所を見極めればかなり戦闘が楽になる。反面、攻撃手段はほとんどないので、支援が終わると暇になることも多い。もっとも、基本魔法をチマチマ撃ったり状態異常をかけ直したりなど、やることは十分ある。
    • マスターアイドル(メイド系三次職)
      • 敵のAGIを大幅に下げるスキル「愚鈍のマズルカ」や、ターンが回ってくるたびに敵の最大HPに対する割合ダメージを与えるスキル「衰弱のサルサ」があり、中盤以降の難易度を激変させる。特に中盤のボスは「衰弱のサルサ」でなければまともにダメージを与えられないということも。くわえてこれらのスキルはTPを一切消費しない。
      • 更にメイド系スキルで戦闘後回復や仲間のTP回復を付けられるので、長期探索でもくノ一等の援護でも活躍できる。
    • ウイッチ(マジックユーザー系三次職)
      • こちらはやや扱いにくい。攻撃魔法のスペシャリストだが、詠唱している間に高AGIキャラが敵を殲滅しているor詠唱中に殴られて行動をキャンセルされるなんてことはザラ。結局、時間のかかる大魔法で一掃するよりも、詠唱時間の短い基本魔法をチマチマと使うのがもっとも効率的という悲しい事態に陥ることも。もっとも、パーティメンバーを厳選し、役割分担を明確にすればある程度の欠点は克服可能。
    • ファイター系全般
      • 盾役や物理攻撃として十分戦力になるが、敵からの状態異常やカウンターも強力だし、AGIをどうにかしないと多少攻撃力防御力があろうと攻撃回数で負けるため、味方がお膳立てをした上で戦力になる感じ。もっともそれもパーティとして必須なので、戦士系のためにという感は無いが。
  • ユニークスキル・パーティスキルの格差。
    • ユニークスキルの中でも、確率ですぐに再行動できる「まーの奇跡」、状態異常の敵へのダメージを状態異常数に応じて増やす「ダメ押し」は非常に強力。
    • TP消費を一律で減らす「知識の泉」で低消費魔法をTP消費ゼロ&高速でバラ撒いたり、詠唱を短くする「高速作業」で攻撃魔法の欠陥を補ったりなども地味にかなり強い。
    • 一方、HPが減ると確実に退却できるもの、自分より相手のレベルが高いと近接攻撃の威力が上がるものなどは死にスキル*4になりがち。
    • 前述のパーティスキルの中でも、体のある部分の大きさが80以下のキャラ3人以上で発動する「80以下」は最重要ステータスのAGIを底上げするため、非常に強力。さらに「80以下」該当キャラはユニークスキルも強力*5といたれりつくせり。
    • そのため、効率重視だと使用キャラは固定されがち。後になるほどパーティスキルの効果が増えるのも、編成固定化に拍車をかける。
    • 特に、本編において人気キャラである環はゲーム開始時の初期パーティから加入するが、「ファイター系」「ユニークスキルの使いどころがない」「巨乳」(=80以下が発動しない)とシステム上で良いところがなく、他の優秀な 貧乳 ファイターを押しのけて使い続けるにはかなりの愛が必要になる。(パラメータの素質が高いので、ビルドを極めた終盤になればなんとでもなるが)
    • 逆に、「80以下」「職業のメイン行動が武器に影響されないので攻撃速度だけで装備を選べる」「ユニークスキル「まーの奇跡」が汎用的で超強力」と言うまーりゃん先輩は、職業ツリーのどの二次職・三次職の組み合わせでも最強になる。
      • おまけに、唯でさえ強いユニークスキルに説明欄には書かれていない「隠しボーナス」まで仕込まれていると言う優遇っぷり。
      • 本ゲームの舞台はまーりゃん先輩が作った「ゲームの世界」と言う設定であり、自作ゲームで俺Tsueeeを地で行っている。 さすが「ゴッデス・オブ・卑怯」w
  • 戦闘システムの問題
    • 技はスキルレベルが上がれば上がるほど次のターンが回ってくるのが早くなるものがほとんどなのに対して、攻撃魔法はスキルレベルを上げれば上げるほど詠唱に時間がかかるようになるものが多く、発動までのタイムラグもだがキャンセルされやすくなってしまい扱いにくい。逆に補助魔法はスキルレベルの上昇と共に詠唱時間が短くなるので、ゲームが進めば進むほど技=補助魔法>攻撃魔法の傾向が強まる。
    • ただし、攻撃魔法には確実にダメージを与えられる(もちろん耐性を考えないとダメージは雀の涙)・カウンターを受けないというメリットもある。使いどころが無い訳ではない。ただ他キャラのフォロースキルなどを用意しなければならず、そこまでして使うかという問題は相変わらず残る。
    • 端的に言うと「ゲージとフィールドが無く、キャンセルのルールが確実ではないグランディア」のシステムなのだが、そのゲージと確実性が肝心な訳で…。攻撃順番は一目でわかるが、魔法詠唱で発動がいつになるかの目測はつけにくい。
  • 通常の3DダンジョンRPGにあるようなものがない
    • 周囲のマップはいつでも確認できるが、現在地全体や異なる層のマップが確認できない。
    • ○ボタンでの移動がない、下入力で後ろに下がらないなど、一般的なダンジョンゲームのボタン配置と異なることが多く、それに慣れている人ほど操作に戸惑いがち。
    • スタートメニューを誤操作で開いてしまう*6ことなどが人によっては多発。変えたくてもボタン振替えすら無い。
  • 戦闘に関してはやや理不尽な部分もある
    • 本作では戦闘からの退却時に一マス下がる仕様になっている。このため、一方通行の道では退却できなくなっているのだが、「一方通行→固定エンカウント」のコンボができている箇所もかなり多い。その上、追加ダンジョンや一部のフロアでは桁違いの強敵が出てくることもあり、「一方通行→固定エンカウント」と複合するとなす術もなく全滅ということもよくおきる。
  • アイテムの所持数がデフォルトだと20のため、アイテムがすぐにいっぱいになる。
    • この数は、ダンジョンの初めてのフロアなら宝箱とモンスターのドロップで満杯になりうる程度で、攻略中でも少し迷ったらまた満タンになる。しかも何故か店売りの回復アイテム以外はスタック不可。加えて回復アイテムなどを持ち歩くことや状態異常の回復が重要*7、封印したモンスターも1匹で1つの欄を占めることなどを考えると少なすぎる。
    • しかも満杯だとモンスターがアイテムドロップしても、手持ちを捨てて空きを作る暇も無く自動で捨てられてしまう。
    • このため回復スキル、特に状態異常回復を持つ仲間がいないと、ロクに探索できない内にアイテム的な問題で撤退ということが頻発する。依頼屋をこなせばある程度は緩和されるが、かなり後の話。
  • 依頼屋の報酬が苦労の割にしょぼい
    • 「○○を何匹討伐or封印を数枚」という依頼の報酬が、同じフロアのモンスターがドロップする程度のアイテムだったり。こなしている間に手に入ることも多々。
    • これは依頼屋のポイント増加で行ける追加ダンジョンによるアイテム入手・戦力強化との兼ね合いとも見て取れるが。
  • 一枚絵のないイベントに関する問題
    • 前述の雑談イベントなどは『AD』をプレイしていないとわからないネタも多い。また、雑談イベントをあとで見直すことはできない。
    • イベントの量は多いのだが、一つ一つは薄め。登場人物についてより掘り下げたものや連続もののイベントはほとんどない。
      • 『AD』をコンシューマでプレイできるのはPS3版だけのため、尚更18歳未満にはわかり辛いネタも多い。
    • チュートリアルを兼ねたオリジナルキャラのイベントは声優の好演もあり好評だったのだが、それを見直せないのを惜しむ声もある。
  • イベントが薄い
    • 参入時以外のイベントが少ない。参入時イベントも貴明以外のキャラも居るはずなのだが、絡むことがほぼ無い。
    • 俺の嫁…といっても、これといって贔屓したり会話したりなどは無い。ギルドに戻った際の立ち絵キャラを固定できる程度。(PSP版では「スキルの素」というSPアップアイテムが少数手に入るため、贔屓しどころが無くはない)
  • 細かい不備・大味さいろいろ
    • ボーナス的に初期から覚えているスキル、イベントで覚えるスキル、スキルの素で上げたSP等々、レベルリセットすると全て無しになってしまう。やりこみのしがいが…
    • 中盤に装備品の谷があり、良い武器などが手に入らない。これもあって中盤のボス戦は「衰弱のサルサ頼り」になってしまう。
    • 前述の通り、ステータス強化・弱体化や状態異常をかけることは非常に重要で毎度のことなのだが、エフェクトがわずらわしい。1回あたりはちょっと長い程度なのだが、いちいち1匹1匹にかかる上にエフェクトが順番に終わるまで進行がストップしてしまう。
    • 攻撃魔法で「単体・強」が無い。
      • 攻撃魔法は単体弱、全体弱、全体強の3種あるのに単体強が無い。単体弱もひたすら強化すれば強レベルに近づけるが、消費も増えるし使い分けはできなくなる。結果ボス戦などで単体へ全体強を打つ、という無駄が多いことになる。これも魔法使いが不遇な一端。
    • 魔法や属性の順番がバラバラ
      • 火、土などの属性の順番が武器や魔法などで統一されていない。見づらくはないので見れば判るが、統一しない理由は存在しないだろう。
  • 追加ダンジョンにおける「制限扉」の存在。
    • 通常ストーリークリア後に登場する追加ダンジョンでは「特定の職業がいないと通れない」「人数が一定以下でしか通れない」と言った制限のある扉が登場する。多彩なキャラクターを幅広く使って欲しい、と言うスタッフの意図だったのかもしれないが、これが非常に不評。
    • せっかく好きなキャラ・クラスで自由なパーティ編成が行えるゲームなのに、特定クラスの育成・ボス挑戦を強要されてしまう。
    • しかも扉の前にたどり着くまでどんな制限扉かは分からない。「せっかくダンジョンの奥までいったのに、制限扉のせいで街に戻るハメに」「パーティを入れ替えて制限扉を通ったら、その奥でもう1つの制限扉に引っかかりまた街へ」などと言う事が容易に起こり得る。
    • また特定の職業を多く、というのもこの制限扉のため事実上不可能。様々な職業を分散して取得しておく必要があるからだ。
      + ネタバレ注意
    • なんと、本作の隠しストーリー最後を飾る最強ボスは「4人以下」「ジョシコーセー(メイド系クラスの1つ)必須」の制限扉を通過しなければ挑戦出来ない。その上、1つ前のボスとは比べ物にならない強さを誇る事もあり、実質的にはマスターアイドルも必須(よほどの育成を施せば別だが)。最強のラスボスに挑むためのパーティメンバーなのに、大いに自由度が低いと言うのは凄まじく不評を買った。
  • その他UI面
    • オート戦闘やボタン押しっぱなしによる連打機能などは無い。
    • 文字が全体的に小さく見づらい。小さい数字などはドットが潰れてほとんど読めなくなることも。
      • Vita版では全体的に文字が大きくなり視認性は改善された。
  • 重大なバグがいくつかある。
    • 中には進行不能となるものがあり、公式HPでも注意されている。
      • 廉価版とDL版では一部修正されている模様。

総評

  • ファンディスク所収のRPGが大幅なパワーアップを遂げたため、ガチのハクスラ系に仕上がっている。ガチさ・難易度が高いこととイベントの薄さから『ToHeart2』のファンディスク的なものを期待すると途中で投げ出す可能性が高い。またガチでやりこむには、大味さと不備がチョコチョコひっかかってくるのが残念。
    しかし、キャラ育成は衣装やキャラクターの可愛さもあって非常に楽しい。全体的に大味な部分があるとはいえ、システムを理解すればするほど戦法を工夫できるようになることもあり、ハクスラ系としてはよくできている。その系統のゲームが好きならばプレイして決して損はしない。

その他

  • 家庭用機版で『AD』の移植版(PS3版『DX PLUS』に収録)が初めて出たのは今作より後になるため、一部キャラクター(シルファ、はるみ等)は今作が家庭用機版では初めての登場となる。既にOVA版(全年齢版)などは発売されていたので、エロゲーが出来ない未成年が目にする機会がなかったわけでもないが、発売順序的にはやや不親切。またPS3版『ToHeart2』に登場した新ヒロインの羽根崎美緒は当然ながら今作では出て来ないが、OVA版でおまけ扱い(第2巻のEDの後)ながら登場している。
  • と思ったら、2014年9月25日発売のPSVita版『ダンジョントラベラーズ2 王立図書館とマモノの封印』で、DLCとして今作のキャラクター全員+羽根崎美緒が追加される事が発表された。
    • ちなみに羽根崎美緒は『ダンジョントラベラーズ2』での新クラス・スピエラー系である。元ネタはモバゲー版『ハートフルパーティー』のイベント時にスピエラー系のクラスだった事によるのだが。
    • また、柚原春夏役のCVは又吉愛に変更されている。
  • 本作のPSVitaでのリメイクも2015年4月30日に発売されている。グラフィック向上やバランス調整(くノ一の影縫い、エンチャントレスの属性付与魔法の弱体化など)、システム改善(ソフトリセット追加など)がされている。

続編

その後の展開

  • 2024年2月15日にWin(Steam)版が発売された。
+ タグ編集
  • タグ:
  • DRPG
  • AQUAPLUS
  • スティング

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最終更新:2024年02月16日 12:53

*1 原作の舞台である学園の生徒会長。本作ではファイター系。

*2 柚原このみは主人公の幼馴染で、妹的な立ち位置のキャラ。春夏はこのみの母で、主人公にとっても第二の母親のような人物。ギャルゲーのお約束で非常に若々しい。

*3 古い物では『Filsnorn~光と刻』『雫』といった折戸伸治がLeafに在籍していた時のものも。

*4 前者は活かせる場面が非常に少ない。後者は上がったところで基礎能力の差がある。

*5 例として、上に書いた非常に強力・地味に強いスキル持ち4キャラの内、該当するのは3キャラ

*6 スタートボタンではなく△ボタンになっているため

*7 前述の通り、戦闘後も継続するため