Saints Row 2

【せいんつ ろう つー】

ジャンル オープンワールドクライムアクション


対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
Windows XP/Vista
発売元 【PS3/360】THQジャパン
【Win】ズー
【Steam】Deep Silver
開発元 【PS3/360】Volition
【Win】CD Projekt Localisation Centre
発売日 【PS3/360】2008年12月4日
【Win】2009年1月30日
定価 【PS3/360】7,140円
【Win】8,190円
プレイ人数 1人(マルチプレイ時:2~12人)
廉価版 【PS3】THQコレクション
 2010年6月10日/3,880円
【360】プラチナコレクション
 2010年6月10日/2,940円
配信 【Steam】2009年1月28日/980円
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 良作
ポイント 良くも悪くも『GTA』フォロワー最高峰
ぶっ飛んだサブゲームとシリアスな物語
シリーズ随一の自由度と血腥さ
Saints Rowシリーズ



その街はお前を待っている、目指すは頂点!



概要

『Saints Row』シリーズは『Grand Theft Auto』のいわゆるクローンゲームである。
1作目はそれが良くも悪くも特に顕著になってしまったので、本国でも度々『GTA』シリーズと比較され、本家の開発・販売元のRockstar Gamesからクレームが来たことすらあった程であった。
しかし、それだけあって『GTA』クローンの中では最高レベルとの評価を受けている。本作はその続編である。

オープンワールド、暴力的なクライムアクション、緊急車両を用いたミニゲーム等、基本的な要素はPS2時代の『GTA』3部作を踏襲、独自発展させたもの。
特に『GTA:SA』からインスパイアされた要素が色濃く*1、本作はギャング同士の抗争や縄張り争奪戦が主題となっている。


特徴

  • 前作ラストの爆発事故から2年後、主人公(前作から続投)が昏睡状態から目覚めた所で物語が始まる。
    自分が眠っている間に離散したギャングチーム「サードストリート・セインツ」再建のために新たなリーダーとして立ち上がり、台頭してきたライバルギャング達と対決、奪われた縄張りを全て取り戻すことがゲームの目的である。
  • 舞台は前作と同じく、アメリカ西海岸の架空の町「スティルウォーター」で、シカゴ・デトロイトをモチーフとしている。
  • 基本的には『GTA』と同じくミッションを受託してストーリーを進めていく。また、メインミッションの他に敵の縄張りを奪う「拠点ミッション」も存在する。
    • ミッション進行で縄張りを広げて収入を得られる。物件購入も同様。
      • 縄張り内の店舗は基本的に買収可能。所有する物件からは一定時間毎に収入が得られる他、所持数の多い店ほど利用時には割引される。また、特定の店舗を全て買収すると主人公が看板に載るという小ネタがある。
    • 敵ギャングが縄張りを奪い返そうと襲撃してくるときもある。実際に奪還されることはないが、襲撃を受けている場所は交戦状態になり、収入も無くなる。縄張りの中にいる敵幹部を全員倒せば防衛成功となる。
  • プロローグが終わった後は、敵対する3つのギャングチームをそれぞれ潰していく事になる。全てのチームを壊滅させ、縄張りも全て確保する=全てのストーリーミッションと拠点ミッションをクリアすると最後の戦いが始まる。

評価点

自由なカスタマイズ

『Saints Row』シリーズの『GTA』との決定的な違い…それは主人公を自分で作ることができるという点である。

  • 人種、性別はもちろん顔の細部、口の表情、年齢(=体のシワの量)、体格(ガリガリもメタボも可能)、歩き方、声の種類まで設定可能。
    • 前作の主人公と同一人物だが、前作は男性で固定だったのに対して今作では女性も選択可能になった。性別と声を不一致にすることさえもできる。
    • 今作から、設定した声に応じてミッション中の台詞でも主人公の口調が変化する。無口だった前作とは打って変わって饒舌になり、ほとんどのイベントに台詞がついた。
    • キャラメイクは美容外科で何度でも制限なくやり直すことが可能*2。この手のゲームでありがちな「キャラメイクから進めない」と言うことがなく、適当なキャラでゲームを始めて、ある程度進んだところで凝ったキャラメイクを…ということも可能。
    • ちなみに、前作のデフォルトは金髪の白人男性だったが、今作のデフォルトはスキンヘッドの黒人男性になっている。整形一つで人種も性別も変えられるのだから深く考えるなと言うことかもしれない…*3
      • なお、どんな外見になっていても、前作の顔馴染みからは「髪をいじったか?」の一言で済まされる。本作中やシリーズ中でも自らネタにするほど。
  • 衣服もスポーツウェアからビジネススーツ、着ぐるみから下着まで種類が豊富。さらに色やマーキング、着こなし方(帽子を被る角度等)を自由に設定可能。キャラメイクによる制限も存在せず、男装・女装も思いのまま。
    • 海外版では全裸になることも可能(股間にはモザイク)。この状態で外出するとストリーキングというデバージョンがプレイできる*4
  • 全盛期には、有名なアニメ・ゲームのキャラや有名人に似せたキャラを作りネットで公開するプレイヤーが多かった。
  • 主人公のみならず、車や自宅までもカスタマイズ可能。
    • 特に車はパーツやボディカラー、ステッカーはもちろん、タイヤやホイールの種類や大きさの変更、隠し武器(ニードル)の仕込みまでできる。
    • 車種によってできることに差はあるが、基本的にほぼ全ての車に手を加えられると考えていい。特別な方法でしか手に入らない車なども含めてである。

その他

  • アクティビティとデバージョンが充実している。
    • アクティビティはいわゆるサイドミッションで、多種多様かつ破天荒なものが揃っている。以下に一例を挙げる。
      • 狂乱するファンを血祭りにあげセレブを護衛する「群衆整理」
      • 地価を下落させるためにバキュームカーで汚物を街中に撒き散らす「正義の汚水」
      • 街中で破壊の限りを尽くす「メイヘム」
      • わざと車にぶつかり轢かれ方の派手さでポイントを稼ぐ「保険金詐欺(=当たり屋)」
    • デバージョンは要するにミニゲーム。こちらも個性的。
      • 『GTA』でも定番の車集めや職業ミッション、「タグペイント」や「マッサージ」に加え、走る車の上でバランスを取る「カーサーフィン」といった独特のものが用意されている。
      • これらにはさまざまなクリア特典が用意され、プレイヤーの能力が強化されるアップグレードや、レアな武器・乗り物などが入手できる。
    • ミッションを始めるために必要な「リスペクト」も、主にアクティビティのクリア報酬で稼いでいくことになるため、ゲーム進行において非常に重要な要素。
  • 快適なプレイ。
    • 車両・船舶・ヘリ・飛行機をガレージに63台まで登録できる。大破・紛失しても無償で簡単にガレージから取り戻せるため、お気に入りの車で気兼ねなくドライブできる。
      • ただし、大破した場合はタダで修理されるが、ダメージを受けた状態で乗り捨てた場合は、取り出す際に修理代を請求される。
    • ライフは自動回復制+回復アイテム4つ持ち歩き。多少力押しなプレイも可能。
      • ただし、ゲームバランスもそれを踏まえたものである為、後半にもなると物量が増えて回復が追いつかなくなり、難易度は高くなる。
    • ミッションの節目にチェックポイントが存在し、失敗してもチェックポイントからリトライが可能。
      • 『GTA』本家やクローンに有りがちであった、失敗 → 武器や車を調達し直し → 受け直しに行くという手間が無い。
    • 余談だが、ライフ自動回復やチェックポイントは後に『GTA』でも導入されることになった。本シリーズは少なからず本家に影響を与えているとも思われる。
  • マップの作り込みが細かく、街をうろつくだけでも楽しめる。
    • 面積で言えばそこまで特筆するほどでもない*5が、その密度は非常に高い。特徴的な地形や建物が多く、似たような風景で飽きるという事が起こり難い。
    • 出入り可能な建物が多く、そのうえ内部も手の込んだ造りになっている。
      • 店舗でなく、プレイにはあまり意味のない建物も例外ではない。各拠点ミッションの舞台やストーリー中では1~2回しか行くことがない地下モールですら、非常に広く凝った構造となっている。
    • 他にも「シークレットエリア」と呼ばれる珍しいスポットが多数用意されており、これらを探してぶらつく楽しみもある。海賊船や洞窟など、種類も豊富。
  • マルチプレイ・協力プレイ。
    • 幾つかのルールのマルチプレイモードの他、本編の協力プレイも可能。同じ車に2人で乗りこんで運転と攻撃を分担するなど、ゲーム性が変化する。
  • ストーリーや登場人物は前作を上手に引き継いでいる。
    • 仲間のジョニー・ギャットは前作でも共に戦った戦友。この他前作に登場したキャラが数多く登場する。
    • 前作のアクティビティにのみ登場したキャラがストーリー本編に絡むなど、前作をプレイした人は意外な役どころにニヤリとさせられる。
    • 一方、セインツのメンバーはほとんどが入れ替わり、ストーリーのメインは新キャラ達の方なので前作をプレイしていない人でも楽しめる。
    • 序盤は前作を知っていることが前提で進むため、多少は混乱するだろうが、それもほとんど最初だけである。
      • 次回作以降も活躍するショーンディとピアースが初登場するのも本作である。
    • ストーリーそのものは、無敵の主人公が敵ギャングを叩き潰していくという至ってシンプルな内容で独自性はあまりないものの、パッケ裏にある「『俺』をアピールせよ」というコンセプトに合致しており、深く考えずに好き勝手に出来るとも言える。
      • エンディングもごくストレートな勝利で終わるので、前作のようにプレイヤーを混乱させて後味悪く終わることも無い。
      • ただし、次回作以降がバカゲー路線に特化したこともあり、後述するように今作は過激さ、残虐さもシリーズ随一。ある程度の耐性は必要である。
    • 隠しミッションも存在し、前作から今作に至る謎が解き明かされる。しかしこれについては肝心な部分に字幕がついていないのが残念。
      • 何故かゲーム中ではなく公式サイトに訳が書かれていたが、現在では閉鎖されている。攻略Wikiに保存されているので閲覧は可能。
  • お遊び要素。
    • ヘリでしか入れない場所にある人形だらけの謎の部屋、海から浮上する巨大なウサギ等、特に意味は無いが隠されたギミックがマップのあちこちに存在する。これらは「イースターエッグ」と呼ばれる。
    • セインツのアジトでゾンビのゲームや、カジノのスロットで小銭稼ぎが出来たりと言ったミニゲームもある。
    • しばらく操作せずにいると待機モーションに入るが、これが特定の場所や人の近くでは特殊なアクションを起こすと言った小ネタもある。
      • 露店でホットドッグを購入する、タバコを吸う*6、NPCの雑談に加わる、釣りをする、墓地で誰の物かも知らない墓に跪いて拝むなど、ちょっとした日常体験(?)もできる。
    • ラジオで特定の曲が流れると主人公が一緒に歌い出すという要素も。どの曲を歌うかは声によって異なる。
  • 遊び心満載のパスコード(チートコマンド)。
    • 定番の暴動などに加え、巨大化、小人化、低重力化などゲームの楽しさを広げてくれるユニークなコマンドが多い。
      • ただしパスコードを使用したセーブデータは実績が凍結されるので注意が必要である。マルチプレイ時は他プレイヤーのデータまで巻き込んでしまう。
    • 海外版ではショップ予約特典であったUFOなどのユニークな乗りものもパスコードで入手可能。これらは実績凍結の対象にならない。
      • PS3版はトロフィーに対応しておらず、パスコードを使用してもセーブデータにマークが付く以外のデメリットは無い。

賛否両論点

  • 残虐表現。
    • チェーンソーで人を殺した時の演出は残虐の一言。大量の血を吹き出しながら悲痛な断末魔を上げ、しかも時にはその光景がしっかり見えるようにわざわざアングルが切り替わる。人によっては気分が悪くなってもおかしくない。
    • アクティビティ「群集整理」は特に「なんでもあり」なもので、人間を「ホイールローダーに投げてバケットでぶっ飛ばしてもらう」コミカルな演出があると思ったら、「飛行機のジェットエンジンやヘリのローターに放り込んでミンチにする」「駅のホームから突き落とし電車に轢かせる」といった残酷極まりないアクションも出てくる。
  • 本編ムービー内での暴力、流血、残酷描写の過激さ。
    • 本作の基盤が血なまぐさいギャング抗争なので、随所でユーモアを交えてはいるもののメインストーリーは極めてシリアスで殺伐としている。
      • 敵組織の関係者が徹底的に殺戮されるのはもちろん、前作から登場するキャラがあっさり殺されたり、セインツの仲間が車で引き摺り回され虫の息となって主人公に介錯されるなど、敵味方問わず容赦無く命を落としていく。主人公の復讐を始まりとした血みどろの戦いが最後まで繰り広げられる。
    • 特に主人公の相棒であるジョニー・ギャットは、典型的な「口より先に手が出る」性格で、終始過激な言動が目立つ。ストーリーの途中で負傷し一時戦線離脱するため出番はそれほど多くないが、その存在感は大きい*7
    • また、主人公もジョニーに負けず劣らず過激で暴力的なことを能動的にやらかす。この辺りはプレイヤーが関与できないイベントムービーで顕著。前作EDで命を奪われかけたとは言え、かつての恩人ですら何の葛藤も無く殺害する始末。
      • 射殺、暴行などは当たり前で、敵ギャングの首を切り落とす*8、刀で串刺しにして痛めつけると言ったサイコなことすら平気でやらかす。
      • 自分で作ったキャラが自分で操作している時以上に過激な行動に出ることが多いため、不快感を抱くかもしれない。主人公の倫理観などをプレイヤーがあまり管理できず、感情移入がしづらい面もある。
      • 序盤からして、荒れ果てた教会を新拠点にするために住み着いていた浮浪者を皆殺しにする残虐ぶりであり、しかも次のミッションでは浮浪者の死体を蹴りながら「おい、どう思う?」と尋ねる冗談を飛ばすなど、もはやサイコパスじみたシーンも多々。
      • 『GTA』シリーズの主人公はプレイ中はともかくストーリー中は意外と常識を持ち合わせていることが多いが、本作の主人公は寧ろストーリー中の方が過激。言動も明らかにプレイ中よりムービー中の方が粗暴である。
      • 特に敵ギャング組織の1つ「ブラザーフッド」との戦いでは、ギャング抗争に必要以上の嫌がらせ・いじめをしているという場面や、主人公が一方的に悪事を働いているように見えるシーンも多々。
    • ただし、主人公とジョニーは1人で仕事をするのに慣れている武闘派ギャングで、殺し殺されが普通の世界に身を置いている危険人物の1人にすぎない。
    • とはいえ、どんな相手でも遠慮なく嬲り殺しにする描写が多い本作の主人公は、いささかやりすぎという意見も多い。その絵に描いたようなサイコキラー然とした本作での有様は後年、『Gat out of hell』で仲間達も認めたほど。
    • このように残虐非道で冷酷無比な人物であるが、前作でも描写されていた「仲間を想う気持ちと義理堅さ」が損なわれているわけではない。前述した恩人殺しについても、その動機は前作のEDでその恩人に裏切られて殺されそうになったことに対する報復である。
      • 恩人は「恩赦の条件としてセインツを解散させる」と交渉されていたのだが、「武闘派の主人公はどうせ説得に応じる訳ない」という独断で主人公を船ごと爆破するという行為に出ているので、彼自身も決して褒められた人間ではなかった。
      • ただ、恩人殺害のシーンは「共通の敵の襲撃を切り抜けるために共闘し、安心したところをいきなり後ろから撃つ」というものなので、ここでもやはり主人公の過激さ、残虐さを際立たせる描写になっている。
    • また、主人公に限らずセインツの構成員はみな好戦的なのか、自由行動時もあちこちで銃撃戦や刃傷沙汰を起こしている。この所為で、探索中に余計なトラブルに巻き込まれる事も。
      • 支配地域が広がるとそこにはセインツメンバーがうろつくようになり、主人公と敵対する人間が出現しようものなら即座に蜂の巣にする。
  • ギャング組織「ローニン」は日本人が所属しているという設定だが、色々とおかしい部分が目立つ。
    • 当然ながら日本語の台詞をしゃべる場面があるのだが、カタコトで一部日本語として通じないしゃべり方をする*9。日本人という設定のキャラクターの声優に日本語ネイティブを使っておらず、日本語に詳しい人も製作にいなかったと思われる。
    • そもそもローニンという組織自体が、いわゆる「カンチガイニッポン」集団といった様相である。日本人もアクジ親子とジュンイチしかいない。日本人としては微妙な気持ちになる人もいるだろう。
    • それでも中国系とは明確に違うとわかる様に描写するなど、できる限り日本語・日本文化を再現しようとする一応の努力は窺え、また「エセ日本語が逆に面白い」という好意的な意見もある。
      • ネタとして割り切ったのか、『IV』にてローニンの幹部がバーチャルで再現された際にも、このむちゃくちゃな日本語は健在だった。
  • 『GTA』に酷似していること。
    • 上記の評価点に挙げたように、『GTA』には無い独自の魅力を多数備えてはいるものの、多くの要素が『GTA』に似通っている点はやはり否定できない。
    • 次回作以降と違ってまだ作風やコンセプトに関しても差別化があまり出来ておらず、『GTA』のパクリゲーという厳しい意見が存在するのも事実である。
    • アクティビティ、デバージョンなどはオリジナリティがあるが、本編はドライブバイやカーチェイス、銃撃戦など、いかにも『GTA』的なクライムアクションの王道ミッションが大半で新鮮味は薄い。
      • また、デバージョンでもタクシーや救急車などを奪った際に挑戦できる職業ミッションや店舗での強盗などは、元より『GTA』シリーズでお馴染みの伝統要素である。偶然被ったと言うのは厳しい。
    • こちらは流石に偶然だろうが、カーラジオの曲も過去の『GTA』シリーズと一部被っている。
    • 気にしない人は気にしないであろうが、『GTA』に思い入れの強い人にとっては受け入れ難い。

問題点

難易度の高さ

  • 敵集団のど真ん中で立ち回らなければならないことも多く、少し油断しただけで瞬く間に蜂の巣にされることが多々。
  • 常時悪評度がついた状態になる場面もあり、増援が際限なしにどんどん送られてくる。しかも何処からでも湧いてくると言っても過言ではないほど四方八方から攻めてくる。遮蔽物に隠れたつもりが背後に先回りされていたりということも。
    • 車に乗った敵はこちらを容赦なく轢き殺そうとしてくる。そのため、撥ねられる → 大ダメージと共に転倒 → 起き上がる前に蜂の巣になる、というような理不尽な死に方も珍しくない。
      • 悪評度が増えると、最早事故などお構いなしで何台もの車が一斉に突っ込んで来るという特攻ぶり。それこそ映画『TAXI2』でパトカーが山積みになるシーンの再現かというほど、命を顧みない車が弾丸の如く向かってくる。
    • あるミッションでは「ヘリに乗って逃げた方がいい」と勧められて、いざ用意されたヘリに乗ると簡単に撃ち落されてしまうという理不尽なケースも*10
    • というのも、警察の悪評度が高まると攻撃ヘリからの超絶精度のロケット弾が飛んでくるからである。高悪評度中に開けた場所で乗り物に乗るのは自殺行為と言っても良いほど。
    • 縄張り奪還阻止の戦いはミッションほど困難ではないが、チェックポイントが存在しない。死ねば一からやり直しである。
  • アクティビティやDLCの特典でプレイヤーを強化する、路上の仲間を引き連れるといった工夫をすれば大きな問題ではないが、それでもミッション内容からして無謀ではと思えるものが多い。
    • そもそもアクティビティのクリア特典も、各地点のレベル3とレベル6(最高レベル)をクリアした時のみ解禁されるため、苦手なアクティビティの場合はどうしようもない。
    • 次回作のように有料でパラメーターや武器をパワーアップするシステムではないため、時間を掛けても強くはなれない。また、全体的に(物件含む)物価が安い点もあって後半にもなると使い道の無い金が有り余っていく。
  • アクティビティ「ヘリアサルト」「エスコート」のように、戦闘が無い、あるいはごく小規模であるにもかかわらずクリアが困難なケースもある。
    • 前者は非常にシビアなコントロールを求められ、敵の出現位置を完全に把握していなければクリアは不可能。後者は走行ルートの指定やパパラッチの配置など、運ゲー要素が強い。
  • 難易度とは別に、単調すぎていまいち面白みのないアクティビティやミッションも多い。
    • 「正義の汚水」や「保険金詐欺」がそれで、軽くプレイする分には楽しいのだが、完全クリアを目指すとダレやすい。クリア報酬にいいものが用意されているアクティビティほど「やらざるを得ない」と感じ、苦行に思えてしまうこともあるだろう。
    • 拠点ミッションは大半が敵ギャングを全滅させるだけなので、ボリュームには貢献できているものの面白味はそこまでではなく、やや水増し感を感じさせる。本編も単調なミッションがいくつか。
      • 敵ギャングのカジノから大金を奪うミッションでは、ピアースが「カジノに停電を起こして侵入する」計画を立てているのに主人公とジョニーが「正面から突っ込んで敵を全滅させた方が早い」と突入してごく普通の殲滅戦になってしまうなど、「とにかく敵を全員ブッ○せばいい」という主人公の俺様サイコキャラがミッションを単調にしている面も否定できない。
      • 前作では敵ギャング毎に「それぞれ異なった体験をさせる」という方針があり、展開も「敵ボスを途中で倒してしまう」「裏切られた敵ボスと共闘」といった展開も用意されていたが、今作はどのギャングもやることはほとんど変わらない。
      • 仲間の死などの衝撃の展開こそあるが、ストーリー自体は幹部を1人ずつ倒し、最後にボスを殺害して壊滅という基本の流れのみである。
  • 前作同様、主人公の足腰が非常に弱い。
    • 高所から落下するとダメージを受けるのは多くのオープンワールドゲームと同様だが、本作の場合は自分の身長×2より少し高い位から飛び降りた程度で派手に転倒してしまう。受けるダメージも大きく、思わぬ所で事故死することも。
    • あるデバージョンの最高評価の特典として「落下ダメージ低下(無効化)」が存在するが、わかりにくいデバージョンなので知らないと気付きにくい。クリアも容易ではない。
      • また、この特質を得たとしてもダメージが無くなるだけで転倒することには変わりない。

その他

  • グラフィックは当時の水準で並程度。
    • 特別ショボいというわけではないのだがハード性能を考えると少々クオリティが低く、本作の半年前に出た『GTAIV』などと比べるとかなり見劣りしてしまう。
  • キャラメイクの自由度はかなりのものだが、全体的に癖が強い。
    • 例えば髪型に関しては、額が目立つもの、ドレッドヘアーやコーンロウなどといった奇をてらったものが多数を占めており、選択肢の多さに反してバリエーションは狭い。
    • また、体型関連のエディット項目が少なく、身長や手足の長さといった「調整できて当然」といえるような項目が本作では存在しない。そのため、男性にしては小柄or女性にしては大柄という微妙な背丈のキャラと終始付き合わざるを得ない。
      • 特に女ボスを作って女性キャラと並ぶと一目瞭然である。下手をすると男性より大きいことも。
    • 歩き方も複数用意されたものから選択できるほど凝っているのだが、立ち姿は固定。せっかく色っぽい歩き方にしたのに立ち止まるとデフォルトのがっしりしたポーズになってしまい違和感を覚えやすい。
      • そもそも歩き方が反映されるのは素手状態での徒歩だけで、走りや武器を装備しての移動ではやはり通常のモーションに。凝っているのか手抜きなのか判断に困る。
    • 敬意と挑発のアピールは大半が男性的で、女性的なものは本当に数える程度しかない。
    • ムービーでの主人公の立ち居振る舞いも男性準拠であり、女性キャラにすると違和感を生じる場面もある。
  • 主人公の台詞の字幕が中途半端。
    • 前作と異なりよく喋るようになった主人公だが、字幕はプレイ中は声に応じて口調が変わるようになっているものの、ムービーの字幕はデフォルトで固定である。
      • 例えば女性ボイスにすると、ミッション中は女言葉で話すのにいざムービーになると野郎口調になる。前述の通り、立ち居振る舞いが男性準拠という点も相俟って、目一杯女性らしい女ボスを作ったとしてもムービーの中では完全に男性化する。
      • この点は次回作以降も改善されず、リブート版まで待つことになってしまった。
    • 特に今作は主人公がサイコじみた俺様キャラという事もあってムービーではそれが強調されているため、口調だけでなく人格自体が変わって見えることも。
      • そもそもムービー中の性格はカスタマイズの初期設定である男性ボイスと比べてもやや異なっており、何もいじらず決定した(ストーリー上で想定された設定にした)としてもプレイ中とムービー中ではどこか違和感が拭えない*11
  • ロード画面での主人公の姿がデフォルトで固定。
    • セーブデータをロードすると、直前にクリアしたミッションのカットシーンが数枚映し出されるのだが、ここに映る主人公はカスタマイズに関係無く、パッケージにもある「スキンヘッドで口周りに髭を生やし、両腕にタトゥーを入れたタンクトップ姿の黒人男性」になっている。
    • 表示されるのは予め用意された一枚絵なのでカスタマイズを反映出来ないのは仕方ないが、本来は自キャラのいた場所に見知らぬ人物が立っているため、自分のカスタマイズに思い入れが強いほど違和感を覚えやすい。
    • また、デフォルトとは言ってもカスタマイズの初期設定ともまた違っている*12。前述した立ち居振る舞いといい、字幕の口調といい、残虐行為といい、このいかにもストリートギャングらしい風貌のキャラを前提にムービーを作っている節があり、プレイ中のマイキャラとの齟齬を感じやすい作りになっている。
    • この点は続編『The Third』では汎用画像をランダムで表示する形に変更し、主人公も映さないようにする事で解決しており、ゲーム中に「開発側が想定した主人公」の姿を見る事は無い。
  • 航空機や船舶のカスタマイズができない。
    • 自動車のカスタマイズが非常に充実している分、不満に思うユーザーも多いようである。
      • この点も後発作品での改善はされていない。
  • 車を奪う際、スムーズに奪えない場合がある。
    • 指定された車を奪い納品するアクティビティ「ヤミ改造工場」では、運転手が超反応し一目散に逃げる事がある。酷い時は、近づいただけでスピードを上げ逃げてしまう。
  • ストーリーミッションの開始にはリスペクトを消費するため、アクティビティやデバージョンを無視してひたすら本編を追うということができない。
    • どちらも本作を楽しむ重要な要素なので無視する手は無いしクリアすれば見返りも十分ある。しかし、早く進めたい時の障害にもなりかねない。
    • リスペクトは制限なく貯まるため、ミッションを無視して気ままにアクティビティを楽しんでいると今度は制限として機能しなくなってしまう。結果的にバランス良くプレイすることを強制されている感がある。
  • マップの一部仕様
    • マップ上では所有済の物件でもアイコンが変わらず、カーソルを合わせないと購入したのかしてないのか判別できない。
      • 表示されるアイコン数が多いので、物件コンプリートを目指すとかなり面倒になる。これは『The Third』では未所有の物件はアイコンの隅に$マークが表示される形で改善されている。
    • 地下モールは前述の通り非常に作り込まれているのだが、その入り口はマップ上に表示されない。しかも目立たない場所にあるので、外部情報無しで入り口を知るにはストーリーを進めるかたまたま発見するしか無い。また、再度訪れたくなっても再度は教えて貰えないので自分で覚えておく必要がある。
  • 個性豊かな敵ギャング組織が登場するが、前作同様それら同士の絡みはなく、各ギャングのミッションは全て独立している。複数のギャング組織が街の派遣を巡って争うのではなく、あくまでセインツが個々の他ギャングを相手にしていくのみである。
    • 自由度を重視した結果と思われ、ギャング毎に用意されたミッションを攻略していけば良いのでゲーム的に分かりやすくもあるが、敵ギャングがセインツ以外を全く気にも留めないのは些か違和感が否めない。
    • 第5の勢力であるアルター社のCEOは他のギャングのミッションにも登場するが、アルター社が本格的に動き出すのはギャング全滅後の終盤なので、それまでは顔見せ程度しかしない。
    • 敵勢力同士の絡みは、方向性が変わった次回作でようやく描かれるようになる。

機種ごとの問題点

PS3/360版

  • とにかくバグが多い。特に協力プレイではバグが多く、バグとの戦いになる。
    • 突然フリーズしたり、対象物が消えてクリア不能になったりと、ここぞというところで進行不能になってやり直しになる。
    • 所持アイテム、特に弾丸類が消滅してゼロになるのはしょっちゅう。
    • 壁や床にめり込んで脱出不可能になることがたまに起こる。バイクで上り坂を登っていたら、前輪が道路にめり込んでまともに走れなくなることも珍しくない。
    • クローゼットで装備品表示を変えるだけでもフリーズし得る。着替える前すらセーブ推奨。
  • メモリ管理の問題なのか、瓦礫や車がすぐ消える。
    • 少し距離を置いたり、カメラの視界から外れただけで消えてしまう。道端で欲しい車を発見して即座にUターンしたら消えていた、なんてことは日常茶飯事。

PS3日本語版

  • 360日本語版でも血だまりが無い、火だるまにならない*13など演出上の規制は存在するが、PS3日本語版では更に下記のような規制が施されている。
    • 長所にも書いたアクティビティ「メイヘム」「ヒットマン(依頼殺人)」が完全に削除。それらのクリアにより解禁されるボーナス要素も取得できなくなった。それでいて説明書にはしっかり書かれている。何も知らずプレイした人はゲーム中に存在しなくて混乱する羽目に。
    • 人質を取るアクション「ヒューマンシールド」が敵味方ともに消滅、アクティビティ「群衆整理」専用アクションとして痕跡を残すだけとなっている。
      • これに伴い、一部ミッションの進行手順が変更されており「人質を取ったはずの敵ギャングが正々堂々真っ向勝負を仕掛けてくる」「味方メンバーの仇を仲間として連れ歩く*14」といった不可解な状況が発生するように。
      • ただし、どちらも本来の手順と比べ攻略自体は容易になっている。加えて、ヒューマンシールド削除の影響か敵の攻撃の激しさが軽減されて*15おり、総じてプレイのしやすさにつながっているのだから皮肉な話である。
    • 削除された要素が関連するマルチプレイのルールも削除。これに伴い日本語版マルチプレイは隔離サーバーに。
    • 死体が即座に消える。
  • 本国や360日本語版では配信されていたDLCが一切配信されていない。
    • カスタマイズ用のパーツや服、追加ミッションなどが配信されているのだが、日本のPS3ユーザーはこれらを一切楽しむことができないのである。しかも、本作は次回作以降のようにDLCを収録した完全版なども発売されていない。
    • 特にDLC第2弾の追加ミッションは体験しておかないと、次回作にスムーズに話が繋がらない。
      • 次回作では本作の最大の敵勢力だったはずのアルター社がいきなりセインツのビジネスパートナーになっているのだが、その経緯は作中では一切明かされない。この追加ミッションのストーリーで何となく察せられるのだが、プレイできなければどうしようもない。
      • セインツらしいぶっ飛んだノリとして受け取れれば良いが、『The Third』発売以前はまだそこまでギャグに走っていた訳でもないので…。

Win版

  • 現行スペックへの最適化がなされておらず、ある程度スペックのあるPCで遊ぶとゲーム速度がCS版よりも不自然に加速された状態になってしまううえ、移動中にロードによる停止が入ることもある。乗り物による高速移動時に顕著。
  • グラフィックの割に推奨スペックが高い。かといってスペックが高すぎると前述の問題を引き起こす。PCとの相性にもよるようだが人によってはスペックを満たしているのにまともにプレイできないことも。
    • 上記2項目の問題点に対処するためかGOGの配信版ではフレームレートの上限に制限がかけられているが、フレームレートは安定したが上限が30fpsで固定されているため、人によっては常時カクついて見えるという新たな問題が発生している。
  • バグも山盛り。フリーズやCTDはもちろん、OSごと落ちてしまう危険なものも。
    • 一応公式のパッチも出たがこれらの問題はほとんど改善されない。大体の問題は非公式MODを適用することで解消可能なのが救いだが、どうもMODやパッチでどうこうできる領域ではないらしく完全に直るわけではない。
    • これについては2019年に動きがあったのだが、詳細は余談を参照。
  • 北米パッケージ版を国内からアクティベーションすることができない。マルチランゲージ対応で日本語も収録されているにもかかわらず、である。
    • 何故かSteamでは、2021年現在でも日本語が入っていないことになっている。音声が対応していないからか?実際は字幕(と片言日本語)のみ実装されている。
    • 一応、ZOOによる日本語版発売と同時にアクティベーションできるようになった。
  • DLCが一切配信されていない。しかもこちらはPS3版と違って全世界共通であり、Win版でDLCの要素を体験する手段は無い。

総評

『GTA』のようでいて、本家とは違うアクションゲーム。
数々のぶっ飛んだ要素で本家とは違った独自のゲーム性を併せ持ち、比較を抜きにしてもクライムアクションとしての高い完成度を誇る力作である。
ストーリーを追う以外にもアジトの改装や隠しスポットの探索など、やりたいことは大抵実現できる自由さを兼ね備えている。
その中には次回作で廃止されてしまった要素も少なくなく、純粋にクライムアクションとして見れば本作はシリーズ一面白いと評価する声は多い。

バグとハード毎の格差を多数抱えている点は惜しまれ、過激なストーリーや残虐表現、まだ『GTA』のクローンを脱却しきれていない点などと言った人を選ぶ部分は確かにある。
しかし、それらを差し引いてもクライムアクション好きなら手に取って損は無いことも間違いないだろう。

次回作では『GTA』クローン脱却のために本格的にバカゲー路線に舵を切り、シリーズの方向性と人気を確立することに成功する。
しかし、初期からの古参ファンの中には敢えて本作のシリアスでリアルな作風を好む者も少なくなく、そういったユーザーからは最高傑作とも評されている。


余談

  • デベロッパーであるVolitionはこのシリーズの他に、FPS/TPS*16作品である『Redfaction』シリーズでも知られているが、そちらは4作目の『Redfaction: Armageddon』(2011年)が、期待した売上げに満たなかったことから「続編の制作は今後一切行わない」とTHQの業績報告上で宣言され、シリーズも終了してしまった*17
    • 本作の敵勢力であるアルター社は「未来に火星への入植を行うようになった」と言う設定があり、同シリーズにも登場している。
  • 『GTA』云々は別として、海外でもオープンワールドクライムアクションとしての評価は高く、特にオープンワールドの楽しさに関しては各所で賞賛された。
    • 一方、その強い暴力性についてはやはり問題視され、方々から批判を浴びた。これも本家と同様である。
  • 実は『GTA:SA』よりもずっと前から初代の開発を行っていたらしく、クローンになってしまったのは全くの偶然らしい(参照 ※リンク先は英語のみ)。
    • 当時のGTAではやっていなかった「ストリートギャング」をテーマとしたクライムアクションとして開発を始めたものの、開発が半分ほど進んだところで『GTA:SA』が発表され、共通点を持たないようにと急遽ギャングカラーの変更などを余儀なくされたとか。主人公達のカラーすら『GTA:SA』と同じだったらしい。
      • また、当初はもっとシリアスな内容だったが、『GTA:SA』を受けてそちらとは違う間抜けで楽しい娯楽性を突き詰める方向を目指すようになったという。
      • ただ、ストーリー自体は既に出来上がっていたらしく、シリーズ初期が本編自体はリアル・シリアス路線だったのはそういう事情もあるのだろう。
    • しかし、それでもまだ本家からクレームを受けるほど似過ぎていたのは事実であったため、次回作『Saints Row: The Third』では全力でバカゲー路線に走り出し、よりリアリティ重視の道を選んだ『GTA』シリーズとは明確に差別化していくこととなる。
    • そして、第4作の『Saints Row IV』では何から何まで完璧にパロディまみれのおバカに走った正真正銘のバカゲーとなったのである。
      • 初代からプレイしないとストーリーが解らない、ということもないので、自分の好みに合わせてシリーズ作品を選ぶと言う手もアリである*18
    • その後、『IV』で行くところまで行ってしまった*19ためか、世界観とキャラクターを一新したリブート版『Saints Row』が2022年8月23日に発売された。
      • 一見、世界観は『2』以前のようなリアル寄りに回帰しているが、『The Third』以降のぶっ飛んだノリも盛り込み、「リアル路線の頃のセインツが良かった」「セインツはバカに振り切ってこそだ」の両方の声に応えた、ある種の折衷作となる。
      • ちなみに発表時、海外ではリアル路線に回帰したことへの批判の声が多く、ゲーム内容が判明するにつれて「バカさは健在だから安心するように」訴える記事が多数掲載されたほど。
  • 2009年にはPSP用ソフトとしてスピンオフ『Saints Row Undercover*20』の開発が開始されていた。
    • しかし諸般の事情で開発中止になり、Volitionスタッフにすら存在を忘れられていたが、2016年になって思わぬ形で開発データが日の目を見ることになる。詳細は未発売ゲーム2を参照。
  • 『IV』冒頭のナレーションでは過去3作を説明しているとされる文章が存在するが、本作については「セインツは破壊の限りを尽くす反社会的殺人集団なのか?それとも陽気で気まぐれ、悪ノリ好きな不良集団なのか?」と語られている。
    • おふざけな雰囲気はありつつも過激でバイオレンスだった本作を端的に表していると言えよう。
    • ちなみに、前作は「セインツが世に認められるようになった2006年当時、彼らは世界征服を狙う存在だとして批判されていた」とある。要するに『GTA』のパクリ呼ばわりされたのを自らネタにしている。
  • 『GTA』シリーズと違い、乗車中に警官に銃を向けられたり、バイクから引きずり落とされて御用、と言ったような形で逮捕されることは無い。
    • が、実は逮捕の要素自体は存在しており、警官の打撃攻撃でダウンさせられるとそのまま手錠を掛けられてしまうことがある。その場合も『GTA』同様、罰金を取られて警察署前から再開となる。
    • しかしダウンしても手錠を掛ける確率は低く、警察は悪評度が2以上になると主人公を問答無用で射殺しようとするのでそうそう見られるものではなく、そもそも警官に接近戦を挑むという限られたシチュエーションでしか起こらないので非常に影が薄い。存在すら知らないプレイヤーも少なくないだろう。
      • 次回作では今作の要素が多数削ぎ落とされているが、元より存在感が無いからか、案の定このシステムも削除された。

その後の展開

  • 2019年10月15日にVolitionはTwitchの公式配信上にて、Win版に新たなアップデートをリリースすることを告知した。
    • それによると紛失したと思われていたWin版のソースコードが発見され、Win版に存在する諸々のバグ修正やSteamworks上でのマルチプレイ対応化、CS機版でしか配信されなかった2本のDLCの追加配信が予定されているとのこと。
      • しかし、このWin版のアップデートプロジェクトのリーダーであり、MOD製作者としても知られていたIdolNinjaこと、Mike Watson氏が2021年8月26日の早朝に癌により死去した。リブート版『Saints Row』が発表された直後のことであった。
      • このプロジェクト自体は2人の少数精鋭チームにて行われているらしく、Mike Watson氏亡き今も引き続きプロジェクト達成に向けて動いているとのこと。
      • ところが、2023年9月1日に親会社であるEmbracer Groupの再編によりVolitionが同日にスタジオを閉鎖することを発表。このパッチの開発についてもどうなるのか問い合わせが相次いだ。
      • これを受け、公式Discordでは「パッチの開発自体は続けているが、別のスタジオが開発を引き継ぐかもしれない」と一縷の望みを含んだ回答があったが、今後の動向は不明な状態である。
  • 2021年8月に前述したリブート版『Saints Row』が発表される直前に公式Twitterで予告が行われたのだが、その際に『2』のリマスター版は計画が無いことが明言され、本作のリアルな作風を好む一部ファンを大きく落胆させた*21。詳細はこちら。
    • ただ、前述したようにシリーズ開発元のVolitionが閉鎖される一方、『Saints Row』シリーズは継続するとパブリッシャーのDeep Silverが明言しているので、そちらの方針次第では本作のリマスターやリメイクが今後登場する可能性もある*22
+ タグ編集
  • タグ:
  • クライムアクション
  • ACT
  • Saints Row
  • オープンワールド

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年09月07日 16:10

*1 主人公のデフォルトのデザインが『GTA:SA』の主人公に似た黒人であったり、主人公のギャングチームのカラーが『GTA:SA』の敵対ギャングと同じ紫である等。

*2 整形手術には所持金全額を要求されるが、実際はタダ。ゲームの雰囲気が雰囲気なのでバグなのかジョークなのか判別しづらいところ。

*3 『IV』ではこの両方を「(人種、性別を一切無視して)主人公の過去の姿」として登場させ、公式自らネタにしている。

*4 ストリーキング自体は日本語版でもプレイ可能。

*5 それでも前作の約1.5倍に拡大している。

*6 しかも、屋内でこのモーションに入るとわざわざ外に出る。

*7 これは前作も同様。『The Third』でも早々に行方不明になり、『IV』でも後半からの加入なので、存在感の割には毎回出番自体は少ないキャラであった。最初から最後まで出突っ張りなのは主役となった『Gat out of hell』だけである。

*8 海外版ではさらに精肉機でミンチにする描写まである。

*9 特に組織の頂点に立つアクジ親子の側近であるジュンイチは、Wikipediaでの本作の項目をして「奇怪な日本語を操る」と揶揄としか思えない表現で解説されたほど。

*10 同ミッションでは助言を無視して車で逃げた方が生還率は高い。

*11 細かい違いはあるが、大半はムービー中のような過激さはあまり見られないファンキー寄りの性格である。

*12 初期設定も黒人だが短いながらも髪があり、髭も鼻の下にうっすらとしか生やしていない。顔つきも違う。

*13 前作では火だるまの表現は規制されていない。

*14 本来このキャラはここで主人公に拉致され、しかも「処刑」されることになる。この仕様では違和感しか無い。

*15 オリジナルでは「ヒューマンシールドを駆使しても一筋縄ではいかない」というほど激しい敵の攻撃が、PS3日本語版は「ヒューマンシールドが無くてもゴリ押しで何とかなる」程度になっている。

*16 3作目の『Red Faction: Guerrilla』(2009年)からはTPSに変わっている。

*17 THQ倒産後、この作品のIPは競売で買い手がつかず宙に浮いていたが、最終的にはオーストリアに本拠地を持つ、Nordic Games (現:THQ Nordic)に多数の作品と抱合せの形で落札され、決着がついた。

*18 もちろん、旧作からプレイしていた方が感情移入できるのは間違いないが(お祭りゲーの側面を持つ『IV』と『Gat out of Hell』は特に)。

*19 開発陣も「次をやるなら一度リセットが必要」という旨の発言をした事がある。

*20 当初は本作の移植として企画されていた。

*21 ただ、このリブート版は開発当初本作に近い血腥いギャング抗争をテーマにする予定だったのを、Deep Silverの方針で明るい雰囲気で若者達の友情を描いた作品になったことが後に判明しているため、『2』のリマスターが予定なしだったのはパブリッシャーの意向だった可能性もある。

*22 実際、Deep SilverはVolition閉鎖の直後に『Saints Row』シリーズのIPを同じグループの老舗パブリッシャーであるPLAIONに継承させている。