テイルズ オブ ジ アビス

【ているず おぶ じ あびす】

ジャンル ロールプレイングゲーム
(シリーズ内ジャンル名:生まれた意味を知るRPG)

対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売元 ナムコ
開発元 ナムコ・テイルズスタジオ
発売日 2005年12月15日
定価 7,140円
プレイ人数 1人(戦闘のみ1~4人)
レーティング CERO:全年齢対象
廉価版 PlayStation2 the Best:2007年6月28日/2,800円
判定 なし
ポイント シリーズでもバグ・誤植が多く、ロードが長め
ストーリー・キャラ関連の評価は大きく賛否分かれる
BGM、特に主題歌は好評
テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク


概要

テイルズ オブシリーズの10周年を記念して製作された、メイン作品(後のマザーシップタイトル)第8弾。略称は『TOA』『(ジ)アビス』。
プロデューサーは吉積信、キャラクターデザインは藤島康介、開発メンバーはシンフォニアチーム。

ストーリー

世界は預言(スコア)に支配されていた。

惑星オールドラントに於いて、預言は絶対の存在である。
世界で起こるありとあらゆる出来事を詠み、その通りに生きていれば未曾有の繁栄が約束される、完全なる世界の指針。
多くの人々は普段の生活から預言に依存しており、その先にさらなる人類の繁栄が在ると信じて疑わなかった。
また、民衆だけでなくキムラスカ・ランバルディア王国、マルクト帝国の二大国家の王政すらもこの預言無しでは機能しない。
世界は、預言とそれを託すローレライ教団により事実上操られていた。

しかしそれは、たとえ大勢の犠牲や悲劇が詠まれていようとも、それらを実行せねばならないという事でもあった。
預言から外れてしまえば、来るべき繁栄が失われてしまうのだ。

そう、かつて繰り広げられたキムラスカ・マルクト両国による「ホド戦争」の数多の惨劇も、
勃発から停戦に至るまで全て預言に詠まれていたに過ぎなかった。
こうして預言は数多の人の命を救い、同時に見捨てていった。
そうして築き上げられた繁栄の裏では、預言の犠牲となった者たちによる世界改革の計画が密かに進行していた...

キムラスカ・ランバルディア王国のファブレ公爵の子息で王位継承権を持つルーク・フォン・ファブレは、
両親や使用人兼親友のガイ・セシルと共に不自由なくも退屈な日々を送っていた。

ある日、屋敷を訪れたローレライ教団の主席総長で、ルークの剣術の師匠でもあるヴァン・グランツと共に中庭で剣術の稽古に勤しんでいた時、
ヴァンを狙った謎の少女の襲撃を受ける。
とっさにヴァンを庇ったルークだが、超振動と呼ばれる共鳴現象により少女共々遠い異国の地、マルクト帝国に跳ばされてしまう。
故国に帰るため、やむを得ず謎の少女・ティアと協力するルーク。
しかしそれは、彼に待ち受ける過酷な運命の序章に過ぎなかった...

特徴

シリーズで共通する部分は省略し、本作独自のシステムを記載するに留める。

  • 「FR-LMBS(フレックスレンジ リニアモーションバトルシステム)」
    • テイルズ オブ シンフォニア』の「ML-LMBS(マルチライン リニアモーションバトルシステム)」の進化形で、ラインに関係なく動ける「フリーラン」を導入。アクション要素がより強くなり、戦闘自由度も増した。
  • 「FOFシステム」
    • 属性の付いた術技を使うことで、戦闘フィールドに属性に対応したサークルが現れる。
      サークルには段階があり、4段階まで溜まるとサークルに色が付く(有色FOF)。
      これの上で特定の術技を使うことで、使用した術技がFOF技にパワーアップする(例:魔神剣→魔王炎撃波)。
  • 「C(キャパシティ)・コアとADスキル」
    • C・コアは装備品の一種で、装備しているとレベルアップ時に上昇するパラメーターに、C.コア夫々の能力値が上乗せされる。
      C・コアのボーナスが一定値に達するとADスキル(他のゲームに於けるスキルと同義)を修得できる。前述のフリーランもADスキルであり、修得しなれば使用できない。ただしフリーラン含む一部のスキルは、例外的に一定LV以上になれば自動的に習得する。
  • 「FSチャンバー」
    • FSチャンバーは術技に装備するアイテムで、装備した術技に様々な効果を付随する。
      シリーズ恒例のアイテムを盗む技も、今作ではFSチャンバーによる付随効果となっている。
      • ただしチャンバーを装着すれば無条件でその効果が発動する訳ではない。最初は発動率が設定されており、チャンバーを装着した技を使用した回数に応じて発動率が上がっていき、100回使用すると必ず発動するようになる。
  • 「タウンリンク」
    • 作中、殆どの店舗の品揃えや値段等が、シナリオの進行やサブイベント、特定の称号等によって緻密に変わる。
      品揃えの変更自体は他のRPGや従来シリーズでも時々行われているが、本作の場合はゲームバランス調整の他にも、世界情勢や各地の流通状況等を示す役割も果たしている。
    • たとえば様々な食材の産地である農村では食材が安いが、遠く離れた僻地の街等では同じ食材でも値段が跳ね上がったり、街の流通を活性化させるイベントをこなすと街中の商品の価格が下がったり、キムラスカ、マルクト両国に属さず自治を認められた流通拠点では両国よりも値段が安めな傾向がある等。 *1
      • 更に中盤のとある出来事の最中は世界中で武器や防具に特需が発生し、各地で多くの武具が売り切れ状態になる。また売価が跳ね上がるので、序盤のうちに武器を買い込み、一気に売り払う事で財を成せるというリアリティある光景にも遭遇する。

評価点

  • 細かい粗は多いものの、シナリオの大筋の評価は高く、現在でも根強い人気がある。
    • 特に主人公ルークが自分の生い立ちや犯した罪に苦悩しながらもやがて自分自身の生まれた意味を知り、揺ぎない自分自身を手にする流れは見応えがあり、プレイヤーを引き込むには十分なものとなっている。仲間達に引っ張られても尚頼りなかった彼が様々な経験を重ね、やがて自ら仲間達を引っ張るに足る頼もしい青年となり、かつて自らを利用し、否定した者達に毅然と立ち向かう姿は必見。
    • 他にも一筋縄ではいかない行動理念や背景を持つ六神将の面々との対峙、預言や過去の大戦がもたらす数多の因果、そこから脱却して『預言に頼らず自分で未来を選択する世界』を目指す事の困難さ等、見どころは数多い。
      • 細かな部分の会話も作り込まれている。道行く街人の会話パターンもシナリオの進行や話しかけたキャラによってコロコロ変わる他、パーティーを分割して進行するイベント時の台詞や発生スキット等も使い回しがさほど見られず、ちゃんと別個の会話やイベントが作られている等、見ていて飽きない。
    • また、本作のパーティは従来作と違い「互いの利害が一致しているから」といった動機で加入するメンバーが多く、全体的にメンバー同士が無意識にある程度の距離を置いて接している感が強い。
      • だが閉塞的な雰囲気であるかと言われればNOで、従来作には無い雰囲気やある程度の距離感があるからこその落ち着いたやり取りが多いのもまた魅力となっている。
    • エンディングのつくりもシリーズの中では独特で、一見すれば感動のハッピーエンドなのだが、最後のシーンで渓谷に現れた青年は誰なのかという議論は今現在でも続いている。
      • それ以前の描写や世界観等から推測は出来るものの断言する決定打には至らず、「比較的信頼できる見解」が公式側から提示された以上の進展は無い。
  • 読み応えのある「あらすじ」機能。
    • いつでもシナリオを確認できる機能で、昨今のシリーズに搭載されているが、本作では『レジェンディア』から日記調の物が継承されていて、淡々とシナリオの流れを説明するあらすじとはまた違う読み応えがある。
    • あらすじはルークの日記という設定で、シナリオをルークの視点から綴っており、誰にも見られない日記だからこそ綴られる彼の本心が赤裸々に表現されており、本編だけでは分からない些細な彼の一面を垣間見る事が出来る。本作はシナリオが長い分あらすじの頁も多く、これだけでも結構な量となる。忘れられがちだが、一読してみるとより彼の心情について理解を深められるだろう。
  • 進化したグラフィック
    • 『シンフォニア』から格段に進化している。藤島氏の元絵の雰囲気をほぼ完璧に再現できるまでに進化しており、質で言うなら次世代機の作品である『グレイセス』と比べても全く見劣りしない。
    • それに伴いイベント中の演出も強化されている。戦闘シーンでは巧みなカメラワークとエフェクトにより臨場感が増し、キャラクターの仕草や表情のパターンも多彩になり、その場に合った仕草をするようになった事で違和感も減った。動作もよりリアリティになっている為、イベントシーンや戦闘も見応え充分。
      • 戦闘中の魔法エフェクトやFOF技、秘奥義の演出もかなり派手になり、効果音も合わさって迫力も増している。
  • 随所で挿入されるムービーも大幅に進化している。
    • 『シンフォニア』ではムービーが追加されているPS2版でも数は少なめで1つ1つの時間も短く、キャラクターが喋るシーンも殆ど無かったが、本作ではほぼ全てのムービーで多くの登場人物が喋り、シナリオの山場では長時間に渡るものも多く出ており、さながらアニメ映画を観ているかのような臨場感がある。
      • キャラクター以外の描写・演出も見物。陸上装甲艦や飛空艇の質感は見事の一言に尽き、本作のシナリオを盛り上げる要素としては申し分ない。
  • 調整が不充分ながらも、戦闘システムそのものは評価されている。
    • フリーランの追加により3D化した戦闘フィールドを縦横無尽に動けるようになり、自由度が大幅にアップした。
    • 前作では自由に発動出来なかったオーバーリミッツをプレイヤーの任意で発動出来るようになり、ゲージが目視出来るようになる等改良。使い勝手が向上し、秘奥義をコンボに組み込むことも容易になった。
      • ちなみにフリーランとOVLと秘奥義は共にADスキル扱いなので、修得しなければ使用出来ない。
        フリーランの追加は好評で、以後の3Dテイルズにも更なる調整や進化を遂げつつ受け継がれる事となる。
  • 敵の行動に関しても以前の作品では見られない特徴的な挙動が多い。
    • 特定の雑魚に弱点となる行動を当てると体が小さくなってパワーダウンしたり *2 、術を当てると大きく吹き飛んで通常のダウンとは違うダウンになり、物理防御が下がりつつ長時間無防備になる、など。
  • BUMP OF CHICKENによる主題歌「カルマ」の評価が非常に高く、なかでもとあるイベントで流れるアレンジ版は歌詞・展開との相乗効果もあって人気がある。ゲーム中で用いられた「カルマ」の各アレンジ版はBOCのボーカルである藤原基央氏が作曲した。
    • 藤原氏は他に、タイトル曲とそのアレンジであるラスボス戦の曲、加えて劇中の重要要素である譜歌も作曲している。これはオリジナルの発音言語を作って、「それぞれが曲として独立していて、組み合わせると1つの曲になる」というもの。
      • この設定はラスボス戦でルークとティアをパーティーに加えた際に発生するイベントに関わっている。この時の演出もまた評価が高い。少々逸れるが、この時パーティーにルークとティアが居ない場合だと、トップにしたキャラクターとラスボスとの小イベントに変わるが、これも既存の台詞の使い回し等ではなく、大元の展開こそ同じだが全員分しっかりイベントが製作されている。
    • また、「カルマ」はテイルズ オブ シリーズの主題歌でありながら音楽ゲームでは同社の『太鼓の達人』はともかく、セガの『maimai』やバンナムと対立関係にあるコナミの『GITADORA』や『pop'n music』、果てはブシロードの『BanG Dream! ガールズバンドパーティー』にもカバー版が収録されている人気っぷりで、その事もあってか「ゲーム自体は知らないけど、曲だけは知っている」という現象も起こっていると言えよう。
  • BGMもオーケストラ風の楽曲が多く使われており、質の高さやバリエーションの数等で評価が高い。
    • 本作のシナリオをこれでもかと彩る重くも切ない曲から、陸上装甲艦で移動する際の重厚かつ壮大な曲などが多くを占めるが、打って変わって明るいカジノや各シリーズ作品のアレンジ曲のメドレーで構成される闘技場でのエキビションマッチ…等々、シチュエーションにぴったり合った曲構成もまた魅力的。
  • 大容量化に伴いやりこみ要素も大幅に増量。
    • シリーズお馴染みの闘技場ではイベントが大量に追加され、団体戦のエキビションマッチも専用に作られたBGMが流れる中シリーズキャラ達と4対4の戦いが繰り広げられる。隠しダンジョンなどもいたるところに用意されている。
  • 「テイルズ オブ ドラゴンバスター」や「迷路屋敷」を筆頭に本編攻略を忘れてやり込めるレベルのミニゲームも多数用意されている。
    • サブイベントも非常に多く、長期間、何度にも分けて繰り広げられる「シリーズもの」も少なくない。本編や世界観の核心に触れたり、有用な称号や便利なアイテム等が得られるものも多く、攻略面で見てもこなしておいて損は無い。
    • 「ソードダンサー」「魔剣ネビリム」等、『シンフォニア』から引き継いだものもちらほら登場する。

賛否両論点

  • 戦闘難易度が他シリーズ作と比べて低い。
    • 一番大きい理由として、まだシステムの細かな調整までは未完成で、此方側に有利な要素が多い事が挙げられる。
      • フリーランが硬直もなしに瞬間的に発動する事が出来、なおかつそれなりの速度で移動できることに対し *3 、敵の攻撃は大抵動作が鈍く周囲を回るだけで簡単に回避しつつ攻撃可能。全周囲攻撃は厄介だがこれを使う敵は少ないうえに大概動作が鈍いので一度見ればすぐ回避出来るようになる。
      • 敵AIが雑魚からボスまで全敵ほぼ一律で近くのキャラをターゲッティングするおざなりなものなので、フリーランで近くをうろうろするだけで自分をターゲッティングさせて釣る事や空振りを狙うことも簡単。高火力&回避しにくい攻撃を両立している極々一部の敵以外は基本的にこれでOK。
      • 譜術も基本的に発動から攻撃判定発生まで時間があり、殆どフリーランで回避可能。完全回避が困難なのは攻撃範囲が全体&ランダムな術、攻撃判定が発動と同時に足元に発生するFOF技の「フリジットコフィン」くらいである。なので魔法攻撃を防御するマジックガードの意義がやや薄れている。
      • 一応フリーラン中に攻撃を受けると全てクリティカル(ダメージ1.5倍)になり、フリーラン中は攻撃出来ないというデメリットがあるが、この状況に歯止めをかける程にはなっていない。
      • オーバーリミッツの仕様も些か強化が過ぎている側面もある。任意発動のみならず『攻撃を受けるだけでなく、こちらから当てる事でもゲージが溜まる』『発動する際、敵を強制的に吹き飛ばせる。(重い敵でも確実に仰け反らせられる)』等、一転して便利&手軽過ぎる領域にまで達している。
        更にゲージが「アロース」というADスキルで従来より格段に貯めやすくなっていることも拍車をかけている。このスキルでの挑発行動中は完全な無防備な上途中で解除出来ないが、フリーランとの併用で解決が容易。
      • 秘奥義の発動条件もかなり緩くなり、上記の仕様もあって普通にプレイしていても一度の戦闘で何度も秘奥義を連発出来る状況になった。難易度の低下に繋がっただけではなく『秘奥義』の希少性も下がってしまった。
        ただし、二つ目の秘奥義は過去作と遜色無いレベルに複雑。お馴染みのHP制限+コマンド入力によるものやガルドを消費するものなど、普通にプレイしていてはまず分からないものばかりである。オマケに一部を除く第二秘奥義は、一度の戦闘で一回しか放てない。その分威力や範囲、追加効果は一つ目の秘奥義が霞む次元である。
      • 他にも終盤になり上級譜術を習得するとFOF技が容易に繰り出せるようになり、「FOF技発動中は一部攻撃を除いて仰け反らなくなり、HPも0にならない」という仕様により、更に味方が有利になる。逆に言えば敵も同じで、特に裏ボス相手に風や光のFOFを出しまくっていたらFOF技を連発され、苦戦を強いられる。
      • ADスキルも便宜上任意に着脱可能なスキルという形をとってはいるものの実際はスキルの着脱に制限がない上に習得するスキルは全部有益な物ばかりなので、縛りプレイでもしない限り外す意味が殆んどない。
        本来は着脱式だったが、それによる難易度調整の期間が無かったため、このようになったようである。付け外しが出来るのはその名残とのこと。
      • 取得条件こそ厳しいが、その気になれば全員に「一部攻撃以外に仰け反らなくなる」「通常攻撃を7回まで出せる」「一度の戦闘中一度だけ倒されても自動で復活出来る」「ガードブレイクしなくなる」等の反則級のスキルを習得させることも可能。従来のシリーズでもこれらのスキル等自体はあるが、いずれも取得者が限られていたり、強烈なデメリットを設ける事でバランスを調整していたが本作はノーリスク。
  • ストーリーやキャラクターの背景・設定はシリーズの他の作品と比べても全体的に暗くシリアス。これは今作の魅力であると同時に人を選ぶ点でもある。上記のようにかかるBGMも暗く重い曲が多くを占めている為、一層プレイヤーの心理にのしかかる。
    • 人間関係や勢力図も複雑で、世界観自体も専門用語が多く、どれもが学説的かつ難解。それらが絡み合って1つの大きな問題を生み出している状況も少なくない。政治に踏み込んだ会話も多く、難しい単語や言い回しも頻繁に出てくる。それ故なんとなくプレイしていると置いていかれかねない。(一応上記の『あらすじ』でシナリオの流れを確認することは出来る)
    • 「abyss」(深淵、奈落)は作中の「魔界」の設定や、「心の底から」という意味をかけている。また「the abyss」は地獄という意味で、 『地獄の物語』 というタイトルにたがわず、重く暗いシナリオはあえてプレイヤーの心に直接訴えかけるように展開させているという *4
    • 物語の展開上、直接人間が殺害されるシーンが何回もある。これについては上記の通り「プレイヤーに『心の底から』感じ取ってほしい」という意図からぼかすのではなく直接描写しているという。
    • サブキャラやモブキャラに限らず、プレイヤーが感情移入しやすいメインキャラクターにも、ストーリーを進めるにつれて 理不尽で過酷な運命 が待ち受けていることが明らかになる。その理不尽さを受け付けられないプレイヤーは少なくなく、クリアして『アビス』そのものに好意的な感想を持っても、多くのテイルズシリーズで前提となっている周回プレイはしたくないと感じるプレイヤーもいる。
      しかし同時にこれは前述の主人公の成長に深く関わる重要な要素であり、今日の『アビス』の人気と切っても切り離せないポイントでもある。
    • その一方で、登場する敵側のキャラクターも何らかの暗い過去があったり、確固たる信念のもとに行動する人間ばかりで、純粋な悪人は基本的に登場しない。その人物と対峙する際も単なる勧善懲悪では終わらないため、犠牲者の多さも相まって人によっては後味の悪さばかりが残る *5 と感じることも。
    • 登場するキャラも毒のある性格付けや裏のある設定を持つ者が多く、作中での描写も万人の納得を得るには極端なものが多い。
      そんなキャラ達が成り行きでパーティーを組む為、特に序盤は常時パーティー内のどこかで諍いやメンバー同士の対立が起こっている。だが中盤以降は難局の中メンバー同士が打ち解けあう事で改善していき、終盤では「クセ者揃いだがなんだかんだ結束力が強いパーティ」と化す。
    • 同時に、メンバーの全員が王族貴族出身の権力者だったり、軍や宗教組織の要職に就いていたりと、シリーズでも極稀な「一般庶民が全く居ないパーティ」でもある。身分の差もまちまちで、尚且つ全員がそれを尊重するべき立場であるにも関わらず、従来シリーズのようにほぼ全員がタメ口&呼び捨てで通じており、良くも悪くも隣人同士の如く気安く付き合っている。一部のキャラはそれに至る理由付けがあるとはいえ夫々の身分制などを考慮した雰囲気を追求するプレイヤーからは反発されがち。
    • 尚、シンフォニアチームは『アビス』の公式攻略本で、「『テイルズ オブ シンフォニア』では仲間が仲良すぎたために、『アビス』では今までにない性格付けをした結果、仲の悪いグループが出来た」と発言している。誤解されがちだが、敢えて仲を悪くしたとは言ってない。
+ それぞれのキャラについて。ネタバレ注意。

ルークの場合

  • 本作の主人公で、冒頭にもあるように彼の成長が大きな主軸となっているが、序盤のあまりにも身勝手な言動や態度はよく批判される。
    • 彼自身の出生の問題 *6 があり、説明書でも「世間知らずでわがまま」と書かれているとはいえ、生理的に彼を受け付けられないという人も多い。特に序盤は言葉遣いもチンピラの如く悪く、余計に悪印象を助長しがち。
    • どれほど凄まじいのかというと、買い物の流れすら理解してなかったり、世界的な食糧の生産地である村の危機に「あんな村どうなろうと知った事か」と一蹴したり、両国の緊張状態を全く知らなかったりと *7 、事情はあれどヘタな箱入りキャラも真っ青な無知&箱入りっぷりである。
    • それでも序盤のうちはやや横暴ながらも所々で繊細さや優しさ、不器用ながらの気遣いなどを見せるのだが、両国の和平の要となる「親善大使」に任命されてからはほぼ身勝手一辺倒となり、そして「師匠(せんせい)はいつも俺に優しかった!知らないこともちゃんと説明してくれた!」と不満も多く言うようになる *8 。ここで彼の振る舞いに辟易とするプレイヤーも続出した。ただし、これはパーティメンバーが事情や役職を知りながらもルークを軽視する態度をとっているという問題や、後の展開のため&調整不足のせいか不自然に態度が急変しているという都合がある。
      • そして、極めつけはヴァンに『街を救って英雄になる *9 』と騙され、己の力で危機に陥っている鉱山都市アクゼリュスを滅ぼしてしまう。後にその事を仲間達に追求されるのだが、
        「お、俺が悪いってのか…?俺は…俺は悪くねえぞ、だって師匠が言ったんだ… そうだ、師匠がやれって! こんなことになるなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろっ!俺は悪くねぇっ!俺は悪くねぇっ!」
        …と、責任放棄&転嫁も甚だしい発言をする。唯でさえ彼の横暴な振る舞いに辟易していたメンバーにとってはこれが完全な決め手となり、ルークはメンバーほぼ全員から愛想を尽かされ、見放されてしまう。今迄ルークを擁護してきたガイですら例外ではない。その後自分の正体を明かされ、混沌の中今までの自分の幼稚な行いや心構えを反省し、罪を償い自分自身を変えていく事を決意する。
      • ここだけ読めば完全にルークが悪者だが、そもそも精神的に幼い彼が親善大使という大役に任命されたのは、あらすじでもある『預言』にそう詠まれていたからであり、彼の実務能力や人間的な評価は一切考慮されていない…しかも その結果起こる惨劇もすべて知っておりなおかつ防げないと分かっている上での任命 である。さらに恩師であり投獄されていたヴァンの釈放を条件に出され、精神的に拒絶できない状況に追い込まれたために渋々引き受けている。到底尋常な流れとは言えず、預言への依存のみならず、それを巡る国家などの思惑が見え隠れする巨大な陰謀と言っても過言ではない。
      • ヴァンも自身の計画の成就にこの出来事を利用するため、記憶の無いルークに長年優しく接して自身に依存させ、巧みな話術でルークが周囲に相談する事を阻止し、余計な疑問等を抱かせず嬉々としてこの計画に乗るように誘導し、しかも途中で本当にやって良いのだろうか?と疑問に感じ始めたルークに暗示を仕掛けて強制的に崩壊させた。この様にルークが生まれる前から入念に計画されていたこの流れをルーク自身が防げるわけもない。要するに 本当に師匠(せんせい)が悪い。
        また、上記の発言の背景も突然ヴァンに見捨てられ、街を救うためにと使った力で逆に滅ぼしてしまった直後、崩壊した大地と無数の死体を見せられたという状況である。単なる保身や打算ではなく、惨憺たる光景を目の当たりにしたショックと突如のしかかることになった責任の重さのあまりに出た悲痛な訴えであることは想像に難くない。
        少なくとも、当時の彼に一権力者として早急に冷静な判断をしろという方が無茶である。年相応の聡明な人物でも無理があるのに、軟禁生活により社会経験自体が不足しているルークではなおさらである。また、しでかしたことの重さを認識したがための発言でもある。
      • 仲間がルークを責めた理由としては、惨劇を起こした事そのものというよりは、それに対する彼の態度や振る舞いに対しての比重(ジェイドはある事情から過去の自分にいらついたということもある)が大きいのだが、当人はその意図を全ては汲みきれず、あるサブイベントでジェイドから告げられるまで勘違いしたまま過ごしてしまうことになる。実際、作中のやりとりは明らかに「惨劇を起こしたことそのものを責められた」としか受け取れないものであるが。
        更にアニスはルークと合流後のスキットで「(イオンは悪くないという断言した上で)悪いのは総長(ヴァン)と…(ルークを睨む)」と発言するなど、惨劇を起こした事自体を責めている描写もある。アニスの隠していた事情から特にこれに関しては「お前が言うな」と思われることが多い。
      • アニス以外の仲間達(止めようとしていたアッシュ含む)も全員がルークの事情を知っている上にある意味ルークよりも直接的な責任や問題のある事情を抱えており、完全な被害者であるアクゼリュス住民(及びその遺族)ならともかく、彼のメンバーたちはとてもじゃないがルークを一方的に責められるような立場ではないだろう、という指摘も生じてしまっている。イオンもルークと似た事情なのだが、自身の行動を悔いつつも狂乱しているルークを諭そうとした時にアニスの問題発言後にそれのフォローも何もせず放置して引っ込んでしまう。この場面で全く問題ないと言えるのは、唯一ルークの傍に残り彼を必死で励まし、ルークと同じ経験をしたミュウくらいである。
      • 発売して間もなくはルークへの批判が目立っていたが、ストーリーを進めるにしたがって上述の通りメンバー全員が 彼を真っ向から批判出来るような清廉潔白な立場ではないどころか、むしろルークが一番まともと言う意見も多くなってきた。 (アッシュに至っては事情はあるが初見で襲い掛かる・説明しないなどの行動が酷すぎて、ルークが当時の彼の助言を信じられるわけがない)、それでいて仲間達の責任や問題については非常に軽く済まされるという落差があるためルークへの同情意見が多くなっている。
        特にアニスとジェイドはルークの反省後もしばらくルークを邪険に扱い、挙句関係のない場面で蒸し返すなど最も分かりやすく辛辣に当たっていたので批判が多くなった。
  • 記述が長くなったが、本作で一番物議を醸しているのがこの場面である。特に制作サイドが最も悪いとしているルークの態度とこれに影響を受けたプレイヤー、そしてルークの事情・辛辣過ぎる問題のある仲間達の落差などが長々と泥沼のような議論が続く原因となっているだろう。
  • 以上の理由から、彼の性格の悪さは制作側の技量不足による粗ではなく意図されていた事であり、これをバネにしているからこそ中盤以降が光るという声も多い。事実、中盤以降は別人のように性格が丸くなり、不慣れながらも周囲への素直な配慮を怠らなかったり、物事を自分で判断した上で行動したり、自分の力を上手く制御できるよう訓練を欠かさなかったりと、拙いながらも自分自身を変えようと奮闘するようになる。
    • だがそれと同時に、終盤までは罪悪感と自分の存在への呵責から、自虐的で卑屈な言動や思考ばかりになる。更に終盤になると「レプリカ」の存在が大衆に周知される事で更に拍車がかかる。 *10
    • これについては『周りに媚を売っているようで苛々する』という意見や、『これ以上否定されるのが怖くて萎縮しているようで見ていて痛々しい』と純粋に同情する意見もあるが *11この状況から自身のアイデンティティを確立する流れは見ごたえがあり、高く評価されることもまた多い。仲が悪いとよく言われる『アビス』のパーティだが、終盤では成長した彼を中心にしっかりまとまるようになる。
  • 性格面以外にも、彼のストーリーでの一貫性の無い立ち振る舞いに対する批判もある。
    • 冒頭でも述べたように、本作での彼は「冒険の中で未熟な精神や信念をより確かなものに昇華させる」という他の主人公達と異なり「ゼロに近い状態から自分なりのアイデンティティを確立する所から始まる」タイプである為、それを確立させる最終盤になるまではシナリオの展開ごとに彼の立ち振舞いや心情が幾度も変わる。
      これは彼の精神的な「芯」となる信念が芽生えきっておらず、感受性の強い性格もあって周囲からの批判や大きな出来事に遭遇するたびに自我を乱してしまう為であるのだが、時に「コロコロ態度が(ネガティブに)変わって苛々する」という趣旨の批判もある。
    • 一度社会的地位はおろか自己の存在すらも否定された状況で、切迫した世界情勢故に 半ば無理矢理にでも立ち直るしか選択肢がなかった という境遇故の不安定さも否定できない。彼の境遇を考えれば、あの状況から短時間で立ち直った事自体が奇跡のようなものである。
    • しかしこれらも終盤になると確固たる「芯」となる信念や自我を掴み、周囲の批判や弾劾に毅然と反論したり、如何なる強敵相手でも一歩たりとも退かない強固な姿勢を見せるようになる。
  • 前述しているが、後半で判明する仲間の問題とそれに対する甘い扱いから、「ルークだけ扱いが異常に理不尽」という意見もよく見られるようになった。件のシーンは、スタッフの反対意見もあったらしいが「そのままの方がルークに感情移入できる」と判断され変更されなかった、という経緯もある。
    • また、序盤のルークも病弱なイオンや罪悪感にかられるティアを不器用ながらも気遣ったり、人を殺す事に強い罪悪を抱き悩み苦しんだり *12 、皆の足手まといにならないよう戦う決意を抱いたり、生まれたときから軟禁生活が続いていて物事を知らないのに本来から脆くも心優しい青年である。作中でもイオンが「ルークは元から優しかったが、その優しさをどう表に出せばいいかが分からなかった。」と発言しているが、的を射た評価であると言える。

ティアの場合

  • 齢16にして教団の騎士団の奏長という立場にあり、シビアながらも思慮のある言動の数々で大人びた印象を与えるが、蓋を開けてみるとその来歴や立場、彼女自身の描写等で首をかしげざるを得ない矛盾等が多く挙げられている。
    • 成り行きとはいえ序盤からずっとルークと共に行動し、彼の行いや考えを厳しく改める傍ら彼の成長を見守り、互いに少しずつ惹かれあってゆく…という大筋だが、彼に対してはやたらと厳しい。序盤は立場的に上から目線が過ぎる。
    • 大体はルークに問題がある事も多いが、時折注意の範疇を越えた嫌味や文句まで混ぜてきたり、自分の意見が正しいと決め付けてルークに接する節もある。
      • 同じ言動や行動でもルークがやった場合だけ文句を言い、他のキャラの場合だと何も言わないこともある等、理不尽な感もある。一応補足しておくとこれは、中盤以降のものはルークが断髪時に「今度は間違えない様に見ていて欲しい。」とティアに頼んでいるためである。
      • また、ティアは隔絶された街で過ごしていたためコミュニケーション能力に欠けるという描写があり、作中でもルークを励ますつもりが逆に彼を凹ませる事になり、「慰めてくれようとしたのは分かったけど、それじゃあ余計に傷つく」と指摘される場面もある。
      • それでいて、自身はヴァンを倒す事に最後まで迷って決断しきれなかったり、シナリオ冒頭でヴァンを襲った時も教団の大詠師モース直々の任務の真っ最中であり、任務より私情を優先してしまっている状態になっている等、自分に対しては甘さの多い一面もよく批判される。
    • 上記のアグゼリュス絡みでもヴァンに心酔するあまり忠告に耳を貸さないルークに「じゃあ貴方は兄さんのお人形さんなのね」と嫌味を言ったりしている。ティアでなくともこれくらい言いたくなる程ルークの態度も酷かったのだが、その割には自分は敵であり、下記の通り敵対行動ばかりしていた時期のアッシュの言葉をすぐ信じた。
      • アグゼリュスで「外殻大地を存続させるって言ったじゃない!」と明らかに以前ヴァンに計画を問い詰めた事がある発言をしているが、その事を誰にも話していない。この後上記の「俺は悪くねぇ!」のイベントをはじめとした大きな出来事が連続したためか、この事を問い詰める人物はいない。激昂するあたりヴァンに問い詰めた上で丸め込まれたという事であり、ヴァンに心酔するルークを見下してた割には、自分もヴァンの口車に乗せられている。
        他の観点からみると、ヴァンの計画を知っていたり、計画の詳細を知らなかったり、ルークの断髪直後に「兄は何か恐ろしい計画を企てていた。少なくとも人が大勢死ぬ様な。」と言ったりと、証拠が何も無い上に知っていたのか知っていなかったのかすらはっきりしない。いずれにせよヴァンが何か企んでいることは知っていたはずなので「俺は悪くねぇ!」の前に彼女こそがジェイドに相談するなどすべきだった。
    • 挙句中盤の終わり頃、ヴァンを説得するため仲間達にも相談せず独断で単身彼の本拠地に赴くという、軍属の人間としてはあるまじき無謀な行動をとってしまう。「重大な行動であるにも関わらず誰にも相談せず、自分の判断だけで事を進めようとする」という意味では序盤のルークと同じ失態を犯している。
      • ルーク達は突然の失踪に混乱し、彼女を追う為敵の本拠地に赴いたため、結果的に仲間を大きな危険に晒してしまっている。軍属の人間としては即懲罰モノな行動であるが、誰1人として彼女の勝手を責める事は無かった。(他キャラに辛辣な態度をとるジェイドでさえ)
    • 『軍属である限り、民間人を護るのは義務』と発言するイベントがあるが、冒頭で一緒に行動する際にルークも戦わせる前提で行動していたり純粋な矛盾もある。ルーク自身は帯剣して(木刀だが)模擬戦程度の経験とこの発言の少し前にヤケクソながらも戦う決意をしてはいるとはいえ、当時は立場上民間人かつ、何よりもティアのせいで屋敷から飛ばされた被害者である。ただし、ルークを戦わせた事は問題だったを認めてルークに謝罪している。
    • 冒頭でファブレ公爵家に騎士団を眠らせて不法侵入し、不慮の事態だったとはいえ形としては王位継承者のルークを屋敷の外に拉致したという大罪を犯しているのにも関わらず、その事についてはファブレ公爵家やキムラスカ王室からすら処罰や追求を殆どされなかったばかりか公爵家に普通に出入りし、果てはキムラスカ国王とも普通に謁見出来ているという矛盾がある。
      • 彼の兄のヴァンは関与しているとして投獄までされたにも関わらず、彼女はファブレ公爵に「キミのおかげでルークが飛ばされたらしいな」と言われた程度で事実上お咎め無しである。これについては、ルークの項で先述した様にヴァンの投獄自体が芝居であり、実際はキムラスカ側はこの事件を誘拐や拉致と認定していないためであるが *13 、ヴァンのみを投獄してティアがお咎め無しというのはいささか猿芝居であると言わざる負えない。一応序盤はその事に罪悪感を抱いている描写が幾度かあったり、ルーク帰宅時に彼の母シュザンヌに陳謝したり、フォロー自体無い訳ではないが、ガイに行くように言われたからであり、そのシュザンヌからは「貴女がルークの姉だったらよかったのに」と、仮にも元凶に対するものとは思えない評価を貰うなどやはり不自然。教団にとっても完全な独断行動…まして国家相手の狼藉とかなりの問題行動になるのだが、それに対する処罰や言及を受けた様子も無い。
    • また彼女が現在の地位にある経緯も、彼女自身は普通の待遇を希望していたのだがいわゆる特別待遇扱いである。その上で経験豊かなエリートみたいなことになっていたり、実戦経験が浅いことになっていたりと設定がよく分からない。
      • 恐らく製作期間が短かったせいで整合性が取れなかったのだと思われる。設定を拾っていくと直近の過去やその行動が訳分からないキャラになったこともあり、「俺は悪くねぇ!」の前後の対応は仲間の中ではかえってまともかもと言われることもある。
    • ヴァンへの葛藤についても実質生まれる前から彼に守られ、その後も唯一の家族として支え合い、彼女にとってかけがえのない存在であった事を踏まえると至極当然な感情とも言える。ヴァンの方も幾度もティアをこちらに引き入れようとしていた程である。
    • 行き過ぎな面もあるが、彼女の厳しさやその中での優しさはルークにとってかけがえの無い経験や支えになっている事もまた事実で、彼の大きな成長をいの一番に受け止めたのもまた彼女自身であり、今迄自身が支えてきた彼の一押しがあったからこそヴァン打倒の決意を固めることが出来たという見せ場にも繋がっている。
      他にも中盤から後半にかけて、とあるイベント絡みで彼女の体調が慢性的な悪化の一途を辿る中でも気丈に振る舞い、ルークの前でだけようやく微かに弱音を漏らすなど、兵士としての素質や気質そのものはしっかり兼ね備えている。
  • こちらもやや逸れるが、スタッフが異常に好んでいるキャラとしても広く認識されており、お祭りゲーなどでティアと絡んだキャラクターはティアを持ち上げるか、ティアより下に見られる事が殆どであり、実際彼女を立てる為強引な性格改変をされたキャラも居る *14
    • もっとも、これはそんな描写を作るスタッフが問題なのだが。

アニスの場合

  • ローレライ教団の最高指導者である導師イオンを傍らで守る「導師守護役(フォンマスターガーディアン)」。職務自体は非常に重要なのだが教団内での地位は低く、また人が良すぎるあまり他人に騙され金を搾取され続ける両親に苦労しているだけあって年齢に見合わないシビアな打算を持つ。そこからの一発逆転を狙うべく玉の輿の座を狙い、有権者や金持ちの前では普段の態度が嘘のようなぶりっ子ぶりを発揮する。…と、本作パーティー内でもかなり尖った性格や描写を持つ。
    • 玉の輿及び損得勘定については作中でもルークに執拗なアプローチをかける事を皮切りに、メインやサブ問わずこ幾度となく強調される。また、損得勘定に至っては場を弁えずに *15 行うことすらある。
      • と思ったら、件のアクゼリュスの惨劇以降は一度失望したとはいえ一転して呼び捨て&タメ口である。要するに本当に 玉の輿目当てで媚びていただけ で、彼自身に対する評価は(実際問題仕方ないとは言え)知れたものだったということになる。
    • 腹黒いだけに留まらず、楽観的な考えや理想に拘る人間にはとことん悪態を突いたり皮肉を言ったり、ルーク(※王侯貴族の長男)と比べても特に意味もなく異様に態度が悪いことが多い上に、相手を見下した言動も異様に多いため、そういった面でも嫌悪感を抱かれやすい。彼女の出生を考えると分からなくもないが、他人を陥れて良いということにはならない。
      • 同時に、両親の大きな借金を教団の大詠師モースに肩代わりされ、両親を人質に取られてアニスもモースに逆らえないという深刻な設定があるのだが、旅の中でジェイド、ルーク、ナタリア等の権力者とのコネが出来ているため、事情を説明すれば両親に関す問題は解決できたのでは?と指摘されることもある。
  • これだけならまだ『現金で刺々しいが根は健気な少女』として大きな賛否は無かったかもしれないが、後半で判明するある極めて重大な行為とそれに対する態度や描写で、プレイヤーからの評価を大きく落とした。
    • 彼女の場合「モースに両親を幽閉された」上での苦渋の決断で、彼女自身も直後から言い訳もせず深く悔いている程度の描写はあるのだが、惨劇の際はルークをかなり辛辣に責めて以降も暫く蔑視していた事、諸々の事情を考慮してもなお彼と比べてやたら寛大に扱われている事で、ユーザーの反感を買ってしまった。
    • と言うのも、事情はどうであれ教団にとって重篤な影響を与えているのにも関わらず、この出来事について教団からの処罰や追求を受けた描写も無く、PT内と敵組織との間でしか取り沙汰されていないという不自然な形になっているため。ちなみに、ルークが起こした惨劇の真実は各国首脳陣、教団上層部にしか知られていない事が描写されている。
    • 一応、アニスと因縁の深い人物からこの出来事で逆恨みに近い憎悪を抱かれその人物が悲惨な結末を迎えてしまうのだが、作中一貫して辛辣な態度を取り続けているせいでアニスについてはあまり同情されていない。また、相手の方の事情が明かされるとアニスが原因というわけではないが、相手としては恨んで当然のものだったのでむしろそちらに目が行く。(ちなみにアニスは最初から事情を把握していたが、辛辣な態度を一貫した)
  • さらに、長きに渡って思い悩むようになってしまったルークとは対照的に、当初は相応に気負ってはいたがすぐに開き直ってしまった感があり、以後は(少なくとも本編では)呵責を抱く素振りも殆ど見られない。更に、自身の関わった序盤のタルタロスが教団の騎士団と魔物達に襲撃されジェイド以外の乗員が全滅させられた件についても、あえてヒールを演じている部分もあるとは言え白々しい発言をするので、ここもまたユーザーからの顰蹙を買った。
    • 他にも研究者仲間を裏切りヴァンに寝返ったキャラが、裏切った罪を償う為にルーク達に協力したいと申し出た際も1人だけ彼に不信を抱き続け悪態をついたり、裏切りの疑惑のかかったガイをジェイドと一緒に疑る場面があるが、上述した事実が判明すると同時に、この発言は狙い定めたブーメランの如く彼女に返ってきている。
  • そして極めつけに、最終決戦前夜のイベントで「初の女性導師を目指す」とジェイドにのみ告げるのだが、さも当然のように言い放つので、怒りを通り越して呆れるorある種の清々しさすら抱くユーザーも多発。彼女がしでかした事を考えると、導師になるどころか教団に居られるかどうかすら怪しい立場なのだが…。
    • ちなみに前述のルークを責めしばらく蔑視していたことについて、攻略本によるとその理由が「自分と違って罪から逃げているから」と、そういうお前はどうなんだ?と突っ込みたくなるものである。
    • ただ、誤解されがちなのでフォローしておくと罪悪感まで忘れている訳ではない。ルークとの差は経験の違いや生きた時間の違いによる『物事への向き合い方』の差や健気にも平常心を保っているとも言える。もっとも、それを伺える描写がほとんどないことも問題なのだが。
  • 彼女も尊い信念や背徳を交えたエピソードがあり志そのものも立派なのだが、普段の場を弁えない腹黒くも生々しい言動や上から目線、「自分がやった事の大きさを分かっていないのでは?」と捉えられかねない軽薄な振る舞いがそれらの長所を殺してしまい、ユーザーからは否定的な目線で見られがちである。
    自らの過ちに対する呵責や罪悪感、それに対する姿勢といった描写をユーザーの共感を得られる形で出来ていたなら、彼女に対する評価もまただいぶ変わってきていたかもしれない。

ジェイドの場合

  • キムラスカ王国と停戦状態にあるマルクト帝国の大佐。一方「死霊使い(ネクロマンサー)」という異名でも知れ渡っている。同時にシリーズ最凶の皮肉屋でもあり、兎に角食えない、掴めない性格。随所で辛辣な嫌味を相手の立場に一切関係なく、一見温和な笑顔と丁寧な敬語で言い放つ。声優である子安氏の演技もあって非常に人気が高いが、同時に彼を嫌悪するユーザーも多数居る。彼の話題になると荒れる事もしばしば。
  • 序盤は、両国の戦争の終結を願うマルクト皇帝からの勅命でキムラスカ王国宛ての親書を両国どちらにも属さず、尚且つ影響力の強いローレライ教団の導師であるイオンを橋渡し役として同行させて渡すマルクト側の和平の使者として活動しているのだが、初っ端から和平の使者としてあるまじき言動や行動が目立つ。
    • 作中序盤から話の腰を折ったとはいえ、敵国の王位継承者であるルークに対して「ああ、すみません。あなたは世界のことを何も知らない『おぼっちゃま』でしたねぇ」と悪意全開で皮肉り、温室育ち呼ばわりするなど、この時点からトゲの粗さを見せる。しかもキムラスカ王国の国境をスムーズに通る為、ルークの助力を必要としているにも関わらずである。その他イベントの流れを見ても、とても一介の将校が他国の王位継承者を相手にしているとは思えない軽薄さが目立つ。
    • その助力を請う手段もかなり無理矢理。マルクト帝国領に飛ばされたルーク達を不正に国境を越えたという名目で兵で囲って捕縛したまでは彼の立場からすると当然なのだがその事をキムラスカ王国に一切報告せず、マルクト帝国関係者しか居ない装甲艦の密室内で自国への肩入れを求めている。しかも(全てを話してもなお協力しない場合…という条件付とはいえ)彼等を軟禁すると実質脅迫…までを、帝国軍の大佐でしかない彼が全て独断で行っている。ルークがこれらの出来事を首脳陣に言わなかった為一応何事も無く進んだが、もし少しでもキムラスカ王国の耳に入れば親書を突っぱねられるどころか、即時開戦の大きな材料にされる所である。しかも本編の7年前のルーク誘拐について、誘拐はマルクト帝国の仕業だと認識されているので尚更であろう。
      • 合理的に見ても非常にリスクばかり目立つやり方で、ルークを捕縛するにしてもあくまで「保護」という名目を強調してキムラスカ王国に彼を保護した仔細を報告して本国の指示を伺い、嫌味や皮肉なしに、たとえ演技であったとしても穏便に自分の目的をルークに語れば、もっと自然に・かつ確実に事を進められたのでは?という指摘が根強い。本編でとった方法では無事にこの一連の流れを乗り越えたとしても、その後ルークやキムラスカ王国から無駄に印象を落しかねない。
    • 彼の態度の悪さについては他にも多くあり、キムラスカ国王(ルークの伯父)に親書を渡した後に発生するスキットで、ルークの『もっとこの話が出来るように国王に言うよ』という趣旨の台詞に対して『頼もしいですねぇ。さすがの七光りです』と余計な皮肉を付け足したり *16 、同国王女のナタリアとのスキットで両国間の戦争を前提とした話をしたりと、皇帝直々に和平の意を託された立場の自覚を疑う発言も少なくない。
      • それを指摘された際の態度も「適当に流している」感が否めず、プレイヤーの彼への心証を悪くしている一因になっている。
  • また、シナリオでの世界危機も元を辿ると全て彼の若い頃の研究が根源であり(まんま悪用され、ルーク達の障害となる事も)、むしろ元凶とも言える人物である。フォミクリーで生まれたルークが世界を救った事実から、間接的な救世主とも言えるが…。例えば大量の一度死んだ人(レプリカとして復活させられた)を本人達の同意があるとは言えすぐさま再び殺す事態などに繋がっている。
  • 問題が起こる可能性を予測しながらも確証が無い事を理由に口にしなかったため、実際に問題が起こってしまうという流れが非常に多く、この点に関して最初から最後までほぼ反省や改善を見せない。中には確証の有無を問わず言及していれば対処できたものも多々存在している'' *17 。憶測や仮説を語ることを嫌う彼の徹底した現実主義故なのは良いのだが、仲間内での情報共有を拒んでいるのと同じ事であり、却って仲間の足を引っ張ってしまっている。憶測とはいえ物事を彼なりに分析した上でのものなので、核心には至らず・当たらずとも今後の行動の助けになる事は間違いない筈だった。
  • 特に序盤でフォミクリーを見つけた際も知った素振りを見せるが、催促されても「結論は出せない(と語れない)」果ては「私にも語りたくない事があるんですよ」と頑なに明かそうとしない。当時はこの事ばかりに集中できない事態ではあったが、それでもルークの正体と過去の「誘拐事件」の真相に関わる事であり、しかもジェイドの知識なら推測できる材料も完全とは言えないが多く揃っていたため、此処こそ「仮定」であっても自身の主義を曲げて語るべき時であった。
  • そうでなくとも、事の大小問わず何かを知った素振りをするも勿体ぶったりはぐらかしたりする等して伏せる事が多く、そこに苛立つ声も多い。2度や3度どころではないくらい頻繁にはぐらかす為、あまりのワンパターン展開に辟易すると同時に、仲間に対してすら情報を明かそうとしないジェイドのパーティ内での存在意義・及びパーティとの信頼関係を築けている事に疑問を感じるプレイヤーさえいただろう。一応彼の「マルクトの軍人」「マルクト皇帝の幼馴染兼親友」という立場が必要な場面も多いが。
    • ちなみに上記の流れを説明するためにネット上では「これは…まさか」→「いえ、確証がないことは言いたくありません」→(何か問題が発生し)「やはりそうでしたか…」というテンプレがよく使われていて実際にそういった流れも多いのだが、実は作中ではジェイドが予測しきれていなかった要素が重なり予測以上の問題が起こって驚いているという最後が違うパターンも多かったりする。
  • ルークの件で彼を最も辛辣に責めた1人でもあるのだが、それに対する批判もかなり多い。
    • 先ず、彼が生み出した技術がアクゼリュス崩落の決め手となっていた為、ヴァンの策略とはいえ自身が禁忌とした研究の暴走による不祥事でもある。なのに一方的にルークを突き放すだけで前述の落ち度を全く顧みてない為、「完全に筋違い」等の批判が噴出している。後に自身の研究については贖罪の意を示しているがルークへの悪態については全く触れていない事、他のメンバーと違い当時の時点でルークの正体にも薄々とはいえ勘付いていた(自らの研究の暴走という事も尚更分かっていた筈)為、尚更不満が多い。更にルークへの暗示も彼の技術が元だと思われるため、ヴァンにとって失敗が許されない計画上ルークが操られたということも推測出来ているはずである。
    • その際、「出来れば事前に相談してほしかったですね」と不満も述べているが、徹頭徹尾嫌味に接する敵国の大佐な彼を当時のルークが信用するわけもなく、「親善大使殿」という蔑称を使い、ルークが何か提案するたびに「おっと、決めるのは親善大使のルーク様でしたね。」など嫌味な物言いを続け、最終的には(ルークが混ざってない会話とはいえ)「親善大使殿はアテになりませんねぇ。」「使えない人間は頭数に入れない方が良いのでは。」とまで発言していたことを忘れたのだろうか?
    • 他にもメンバーの調和などは自分より一回り年の若いガイに押し付けているような形になっており、「子守りは御免」という発言までしている。一応本人もこの偏屈な性格を自覚している節の発言はあるのだが、反省して行動を改める場面はほとんどない。情報を一切渡さないのものおおむねこの自分の性分や主義を第一にしているが故であり、職務に対してやたらと私情を持ち込んでいる風にも見える。仮にも社会人…まして軍属の要職に在る人間としての姿勢を批判する声も多い。
  • 加えて言えば、ティアやイオンの影響で成長していったルークだが、ジェイド(だけではないが)の露骨なルークを軽視する態度によってルークの態度も硬化していったことが描写されている。師匠の計画が最大の問題なだけで、ルークは件の惨劇前までは軽視されていることを知りながらも完全には不貞腐れず「今は何を言われようがこれさえ終われば皆自分を見直すはず」と彼なりに頑張ろうとしていた。そのため、ジェイドの皮肉ももちろんルークに通じていたことが伺える。
  • また、これらの嫌味や皮肉もメンバーの中では言う相手を選んでいるような節も見受けられる。
    • 例えば、惨劇の件ではルークを後まで突き放したにも関わらず、(事情はどうあれ)メンバーを裏切ったアニスには後々まで一言たりとも咎めたりせず、仲間に相談せず独断で行動したティアにも特に何も言ってはいない。
      しかしルークには事あるごとに鬼の首を取ったかのような辛辣な物言いを終盤まで続け、ナタリアにもルーク程ではないがティアやアニスには無い指摘や叱咤をしていたりする。
    • アニスの裏切りに関しても、勘付いていたにも関わらず主にスキットでやんわり指摘し、最終的には「まぁ良いでしょう」と流し、後のアニスの裏切り及びある人物の死亡を許してしまっている。
    • 特に終盤、あるイベント後にナタリアに平手打ちをした場面はかなりの批判がある。
      ダンジョン攻略中、ルークからアッシュの死を知らされたナタリアが錯乱してしまい、その隙を突いた敵の罠の譜陣が発動し、逃げようにもショックでナタリアが動けず脱出し損ねたが、ルークの第二超振動によって難を逃れ一段落。その後ジェイドがナタリアの頬を平手で打ち、ナタリアの行動はアッシュとルークの意向を無視しメンバーに迷惑をかけた事を指摘し、今やるべき事を心得るように忠告する…というもの。
    • 言っている事自体はもっともなのだが、幾ら事態が逼迫しているとはいえ、幼馴染の死を唐突に知られれば図りきれないショックで放心してしまうのも仕方の無い事であり、いつまでも引きずっていたりその場を動かせるために咄嗟に叩いたとかなら兎も角、一段落ついた後にこれである。平手を打たれた瞬間のナタリアの第一声からも、ジェイドに平手まで打たせるのは筋違いな感が否めない。
  • こんな状態にも関わらず、中盤の終わり頃からルークと半ば押しかけ師弟のような親しい間柄になるのだが、それに対する不満の声も多い。
    • その経緯が「あるイベントを切欠にルークが自らジェイドに歩み寄る」といった風で、ジェイドの方もルークを純粋に叱咤したり皮肉が減るなどの変化も見られるのだが、自身の非や陰険な態度を顧みる素振りは一切ない。それでいて「ルークを少しずつ認める」などの自身を棚上げして上から目線で居続けるため、ここらも心証を悪くさせがち。
  • なおシリーズ中でもジェイドのような年齢のオジサンキャラは存在するが、それらは大概「若者達を見守る兄貴分」「変人だけど根は素直」等といった人間味のあるキャラクターばかりで、彼のように人を食った発言ばかりのキャラクターはタンスと呼ばれているアルベルト程度のもの。
    • 無視できない問題点として、ティア同様に、外伝作品やお祭りゲーに登場した時の態度や発言の悪さが挙げられる。特に批判を浴びまくったのは『テイルズオブファンタジア フルボイスエディション』の予約特典DVDや、『マイソロ2』のGV(ゴールデンビクトリー)など。これらに関してはそれぞれの項目について調べてほしい。
  • 以上のように、シナリオの1つの核となりうるにも関わらず自身の主義を頑なに守るあまり出し惜しみを繰り返す、立場に到底相応しくない奔放すぎる言動や描写、自分にも他人にも厳しいというスタンスを謳っておきながら自分の事には妙に甘い事、本作の世界的危機の間接的な原因になっている事実、過去に対して反省しているようなことを言っているが矛盾した発言や行動の方が圧倒的に多い…などなど、本作のPTメンバーの中ではトップクラスに問題点が多いキャラクターであり、更に彼がPT内でも最年長である事が、余計にこれらのアクを際立たせてしまっている。ルーク・ティア・アニスのようにまだ未熟さが残る年齢ならまだしも、彼のように成熟しきった人間が起こすにはあまりに拙い物事も多い。
    • もちろん、最初に記述している様に今までのシリーズに居なかった陽気に放たれる腹黒さ全開の発言に惹かれるファンもいる。
    • ちなみにファンからは「鬼畜眼鏡」という愛称で呼ばれることが多い、なお作中でもガイから一部のスキットで呼ばれてたりルークの日記に書かれていたりする。

ガイの場合

  • ファブレ公爵の使用人で、ルークとは一番年が近く彼の友人でもあり、公爵家の者達の目を盗む形でだが気安く接している。またパーティの調和に努める根っからの苦労人で、性格的にも人当たりが良く朗らかな常識人であり、パーティの中では例外的に好意的に見られていることも多いのだが、設定を拾っていくと手放しに褒められた人物ではないことが浮き彫りになってしまったある意味不憫なキャラクター。
    • ファブレ家の中で最もルークに理解あるキャラではあるのだが、そもそも彼がファブレ家に入ったのはヴァンと共謀してファブレ家を滅ぼそうとしているところからである。そしてヴァンの計画をどこまで知っていたかは定かではないが、ヴァンがルークを利用しようと親身に接していたことは最初から把握しており、いよいよ怪しい段階になっていたのは見ていて察することが出来る状況だったので、ルークの件についてフォローのしようが色々と出来た立場である。
      • ちなみに復讐とホドを復活させるということでヴァンと一致団結しており、詳細を知らずともどういう手段をとろうとしていたか推測出来ていた立場のはずだが、過去が明らかになるのが後半付近ということもあって特に言及されないまま本編が終わる。サブイベントでも深く語らない。
      • 他にも真っ先にルークの可能性を信じてメンバーから別れ、再起した彼を待っていたというフォローはあるものの、惨劇の際にルークの事情(ヴァンとの関係込み)をずっと近くにいて最も理解しているにも拘わらず、ガイの助け舟を求めていたルークに対し他のメンバー同様「あまり幻滅させないでくれ」と吐き捨てて去った事について、間柄を強調しているにしては無情過ぎると評されることも多い。
    • また、ルークの記憶喪失の件で未来に目を向けられるようになったとかルークに救われてヴァンと疎遠になっていったなどと述べていながら、過去の恨みから両国の首脳陣が集まる平和条約締結の場でキムラスカ国王にいきなり剣を突きつけたり(行動に納得のいく過去を持っているが以前の発言との整合性が取れていない)、ファブレ家の一員とはいえ彼の過去には一切関わりのないアッシュに対してはルークと違って終始異常に辛辣に接する有様なので、ダブルスタンダードと指摘されることも多い。
    • 全てを無条件で受け入れる聖人じみた人物である必要はないのだが、これらの粗によって『人が良い』とも『普通』とも言い難いキャラになってしまったという評もある。アクゼリュス崩壊後にルークと再会した時に「許す」と言うなど、一見すると問題ないセリフが多いのだが、彼のことを全て知ったうえで見返すとお前が言うなと思われるセリフが多い。整合性が取れなかったのだろう。
    • 余談だが、女性恐怖症なのに気障な言葉で女性にモテたり *18 からかわれたり、音機関(機械)マニアでその事になると周囲に目が行かなくなるくらい熱中する等コミカルな面も強い。

ナタリアの場合

  • キムラスカ王国の王女で、身分に驕らない並外れた行動力と民をひたむきに想う慈愛もあって民の信頼は厚く、本編でもその行動力を存分に活かす。シナリオ中枢との関わりはやや浅いものの、主人公ルークやアッシュとの確執、自身の出生とキムラスカ王室の体制、六神将の1人との繋がりが争点となっている。性格的にも天然で気丈ながらも思慮深い良識を持つのだが、一方で王女という自身の立場を弁えない行動がやけに多く、そこを批判されることも多い。
    • 彼女が仲間になる経緯も、アクゼリュスに向かうルーク達と同行する事をキムラスカ国王に申し出るも許されず城から脱走、ルーク達に追いつきルークとヴァンの密談から盗み聞いた情報をちらつかせルークを脅し半ば無理矢理加わるという、一国の姫としては無責任なものである。
      • キムラスカ国王が彼女の同行を拒否したのはアクゼリュス崩落に巻き込ませない為だったので、ルークに同行した彼女はそれに巻き込まれ、後にモースにつけこまれキムラスカがマルクトに宣戦布告をする為の材料とされてしまった。
    • ルークとアッシュ、夫々同じ年月を過ごしてきた2人に対する葛藤も彼女の課題となっているのだが、ルークの件の前では幼少時の彼(実際にはアッシュ)との記憶を語るまでは良いのだが、記憶が無い彼の前でその思い出に浸り続ける、無自覚とはいえアッシュを通した目線で接するなど実際は当初からかなりアッシュ寄りであり、今現在のルーク本人の事を結果的に蔑ろにしている節がある。
      • このことは、後にそれを払拭しルークを本当の意味で1人の人間として接するイベントがあるように公式の意図通りの設定と言える。もっともルークからすればそれまでまともにルーク個人としては目を向けられていなかったことには変わりなく、惨劇の前に皆を見直させるために我武者羅ながら奮起した要因の一つになっていると思われる。もちろん断髪後も接し方に困っていそうな場面も多い。
      • 尤も、ルークの方も彼女の傍に居るべきなのはオリジナルであるアッシュだと考えている節があり、幼馴染としての問題に直面すると彼女に対しどちらつかずの態度になってしまう事もあり、この確執もまたルークとナタリアが乗り越えるべき壁として扱われている。
    • 惨劇の際にも記憶喪失後からではなくその前の過去(アッシュ)をあえて持ち出し比較してルークに失望しているが、自身がただの我が儘で、しかも脅すように無理やりついていったことは直接は関係ないとは言え棚上げしている。
    • 預言の闇が絡む彼女の出生及び生涯、アッシュへの想いなど、他のメンバー同様に相応の事情はある。しかし、立場が立場なだけでなく当のアッシュも問題行動ばかり取っていることも相まって、冷静に見るとただの我が儘になっていたりすることも。
    • しかし、彼女本人はそれらの問題1つ1つにしっかりと向き合い、夫々に対し彼女なりに見出した決意や信念を以って解決に導いており、苦悩し、迷い、悲しみながらも気高い王女としてのあり方を貫く姿もまた魅力である。

アッシュの場合

  • 厳密には正規のパーティーメンバーとは言えないが、何回かとはいえプレイアブルキャラとして操作可能であり、シナリオ上でも大きく関わるキャラクターなので記述する。
    上記の通りルークのオリジナル…つまり彼こそ「ルーク・フォン・ファブレ」本人であり、ヴァンに誘拐されるまでの10年間はキムラスカ王国で過ごしてきた。そのためキムラスカ王国や「戦争のない国を築こう」と固い約束を誓ったナタリアに対する想いは未だに強く、ヴァンの計画を知ってからはそれを止めようと水面下で動いている。同時に「ルーク本人」として自分の本来の居場所を奪ったレプリカのルークに激しい憎悪を抱いており、両者の確執もシナリオの大きな要点となる……はずなのだが、その割に矛盾した行動があったり言動がおかしい。
    • ルークとの回線を繋ぐという自身の目的のためだけにアリエッタに自国の港を襲撃させ、人質として整備工を拉致し、キムラスカ兵に死傷者を出している。何かの拍子でナタリアに知れようものなら、取り返しのつかない溝を生む結果になる事は言うまでも無いだろう。なおこの出来事にヴァンは関与しておらず、彼の独断である。
      • ヴァンの命令に背いて犠牲者を出した事でアリエッタは(ほぼ形骸化してるとはいえ)処罰されたのだが、その大元であるアッシュは処罰を受けた様子が無く、それどころか、後にセフィロトを開かせるために漆黒の翼を雇い、導師であるイオンを拉致させるという更なる蛮行を犯す。
    • アグゼリュスの件では唯一ルークを止められる可能性を持っていた人物なのだが、それより前にタルタロスでルーク達に譜術で不意打ちを仕掛ける。国境でいきなりルークに斬りかかる。ルークを操ってティアを襲わせようとする。イオンを拉致しザオ遺跡で対峙する…など明らかな敵対行動を繰り返しており、その結果アクゼリュスでテレパシーを通して彼を止めた際にもルークに拒絶されて振り切られている。ただし、「カイツールでヴァンの計画を知った」という発言があるため、それ以前の出来事であるタルタロスの件に限っては情状酌量の余地はある。
      • また、後のイベントでヴァンに勘付かれ他の六神将に監視されていた事も明らかなり、表ぶってルーク達に友好的な接触が出来なかった状況ではなかったのも事実である。それを考慮してもいくらなんでも敵対行為の度が過ぎており、もっといくらでもやりようがあったはずである。ルーク達からすれば信用できる人物なわけがない。
      • 挙句、その後のフェイスチャットで漸く目的を明かすのだが、「レプリカなんかアテにした俺が馬鹿だったワケだ」と偉そうにルークを罵る。…上記の蛮行を考えると、聖人君子のような人物でなければ無理だがそんな人物だったらそもそも殺されている。そして自分が直接協力を申し出なかったのはルークに全面的に非があるような物言いを続けるのだが、当初ルークがヴァンに依存していて手出ししづらかったこととルークが自分の居場所を奪ったという同情できる事情はあるが、それはそれとして今迄の敵対行動を顧みる・指摘される事はこのチャットはおろか本編でも一切無い。精々共闘当初多少疑われる程度。
      • これらの行為に理由があるとすれば、結果的にルークに存在を奪われた事に対する腹いせ以外に考えられないのが現状である。
        ただし、逆恨みにも等しい理由(※原因はヴァンにあるため)で余計な行動を取っているため、結果的に対処の機会を失ってしまったのであれば、ジェイドやアニス以上にルークを責められない立場とも言える。
    • 中盤以降はルーク達とは別に行動をとるのだが、ルークへの憎しみの感情故につっけんどんな態度をとり、ルークが彼との協力を真摯に申し出てもそれを突っぱね、共闘関係と言うには連携がなってない事態も多く発生する。
      • こちらはあくまで結果論ではあるのだが、陸上装甲艦や飛行艇での移動手段が充実しているルーク達と、それらを持たないアッシュではどうしても歩幅が合わず、互いの情報共有や合流に支障をきたしている場面が多い。また追跡していたスピノザを逃す、六神将やヴァンに特に有効打を与えられていない、ルーク達に重要な情報を幾度ももたらした訳でもなく、この分断行動自体空回りしている感が否めないものとなっている。
        一応、節目節目の大きなイベントでは彼の手助けによって事態が収束し、最後の最後での大盤振る舞いによってルーク達の攻略に大きく貢献しているなど、全く無駄になっている訳ではないが。
    • 同じく大きな争点になるはずのナタリアへの葛藤についても、事あるごとにそれを主張するナタリアとは異なり彼からはそれほど深く触れようとはしない上、最後まで彼なりの結論を導き出す事もなく、そのまま最期を迎えてしまいまとまりに欠けるうやむやに終わってしまう印象が強い。(ナタリア側は彼女なりの決別を迎えている)

問題点

  • 戦闘難易度「アンノウン」にした場合の戦闘バランス
    • 敵の全てのパラメーターが4倍になり、シリーズの中では珍しく防御関係も上昇する。…のだが、シナリオの進行状況やこちらのステータス等関係なく全ての敵に同じ補正がかけられる為、多くの敵が通常の育成だとダメージを与えられない状況になってしまう *19 。こうなるともう、敵の攻撃を避けつつ、ただただ1ダメージずつ与えるだけの終わりの見えない不毛極まりない戦闘になってしまう。本作の敵の物理防御力は全体的に高めな傾向がある為尚更である。
    • 大抵はクリア後のGRADE引継ぎで「経験値10倍」を獲得して大きくレベルを上げれば解決するが、この特典の購入に必要GRADEが非常に多い上、そもそも別個に特典を購入し、明らかに横道に逸れた稼ぎ行為をしなければまともに戦闘出来ないという構図自体問題である。更に、それらの処置を以ってしても通常のプレイではどうにもならない例もある。
      • 隠しボスはレベル200+物理攻撃特化のC・コア育成+最強装備をもってしても、更に薬草で強化しない限り物理攻撃のダメージは全て1になってしまう。もしアンノウンの裏ボスに物理攻撃でダメージを与える場合、物理攻撃力が3042以上必要になり攻撃力の高いルークやアニスも精々2700~2800前後が限界。
      • 他にも一番最初に強制的に戦闘になるサイノッサスも、大量に薬草を引き継いでドーピングしない限り物理攻撃では1しかダメージを与えられない。逃走も出来ない為、まともに戦うと尋常でない長期戦を強いられる。余程のこだわりが無ければ、この戦闘前に難易度設定を変える事を忘れずに。
    • 一方、敵の譜術防御は全体的に低く、譜術攻撃力が高く伸びるティアやジェイドに譜術攻撃特化のC・コアを装着して育成すれば、アンノウンの裏ボスにもドーピング無しでそこそこのダメージが通るので、物理攻撃程理不尽な状況にはならないのが救いか。
    • そもそもHPが4倍になる時点で敵も充分タフになっている為、防御まで上げる必要性はあったのだろうか。後の移植版ではアンノウンの強化補正が下がり、ある程度緩和された。
  • 一部日本語の扱いについて
    • モブ兵士の目上の人に対しての発言で「お疲れ様です」と「ご苦労様です」が混在しているなど、奇妙な日本語が多い *20
    • 特に指摘されているのがガイの秘奥義「鳳凰天翔駆」の台詞である「気高き紅蓮の炎よ、燃え尽くせ!」。言葉としては「燃やし尽くせ」もしくは「焼き尽くせ!」の方が表現としては適切である。
      ただし、本作のみならずドラマCDやお祭りゲーでも一切修正されていない所を見ると、日本語の正しさよりも語感の良さを重視し意図的にそうしていると思われる。
  • 歴代シリーズと比較するとバグ・誤植が多くロードも長め。
    • 特に中盤のとある大事な場面での致命的な誤字のせいで感動が台無しになってしまった事も。バグの中には「イベントで没収されるはずのアイテムを無理やり手元に残す」「海や崖すら歩いて横断して本来入れない場所に移動できる(ただしフラグを順番に立てていかないとシナリオが進まないので、ストーリーの大幅なショートカットやズルは出来ない)」などの有利な物もあるのだが、やはり不利な物、致命的なものが目立つ。
    • ロードの長さ・多さはシリーズ随一であり、建物の出入りやサブイベント中に場面のカットが切り替わるだけでも5秒前後ロードする。特にロードの長さにおいてはシナリオ以上に真っ先に挙げられる部分でもある。
    • 開発期間が約1年とかなり短かったらしく、バグや不完全な部分はおそらくこれが原因と思われる。戦闘時のロードは殆んど無いのが救い。
      • 『シンフォニア』の移植で『アビス』の開発時間が減ったとのこと。また、シリーズ10周年アニバーサリーということで、それに間に合わせる必要もあったとか。
    • 本来はパーティキャラ全員に秘奥義が2つ以上あるが、上述の開発期間の短さゆえに、ガイとナタリアには1つしか秘奥義がない。これらはPARを使用する事で未完成モーションが見られる。また、闘技場で戦うリッドやナナリーなどの一部秘奥義は、発動時にカットインがない。
      • これらは後述の北米版、3DS版で追加された。
  • 料理の熟練度が上がりにくい。
    • 熟練度は全20種類の料理に☆0個~3個までの4段階あるが、☆を1個上げるためには10~20回 *21 、☆3個まで上げるには30回~60回その料理をする必要がある。つまりパーティメンバー6人全員の料理熟練度を最高にしたいなら、もし料理が全部成功したとしても20×30×6で、最低3600回こなさないといけない。無論全て成功する確率は天文学的な次元なので、大抵はもっとかかる。熟練度が大幅に上がる近道要素も無い。
    • 意図的に熟練度を稼ぐと食材を補給しなければならないが、食材も他のアイテムと同じく夫々16個…2周目以降のボーナスを活用しても20個までしか持てない為頻繁に調達しないといけない。さらに全ての食材を扱ってる店が無く、複数の街に立ち寄らなければならない。終盤では飛行艇にワープ機能(ドラクエで言うルーラの呪文)が付くが、それでもPS2版だとロードの長さでかなり手間がかかる。一部高価な食材もあるので、金銭繰りも必要。幸い終盤になると大金を得られる手段には困らないのが救い。
      • なお料理熟練度オールMaxの称号は6人全員にある。なので称号コンプリートを狙うなら地道に頑張るしかない。
  • 飛行艇が使いづらい
    • シリーズお馴染みの「空を飛べる乗り物」で、フィールド移動が一気に楽になる。本作の飛行艇は機能そのものは便利なのだが、フィールド上に点在する特殊な地点のせいで、特に中盤はかなり使いづらくなっている。
    • フィールド上の特定の地点では砂嵐や侵入者防止用の弾幕、吹雪などで飛行艇はそのままでは侵入出来ないのだが、その範囲に近づくだけで長めの演出とメッセージが入り、その間は操作が出来ない為非常にストレスが溜まる。事前に警告する機能などは無くプレイヤーがその場所を覚えるしかないのだが、そうでもないうちは「飛び回っていたら何度も停止させられる」という状況に。
    • 終盤のサブイベントで入手出来るアイテムにより機能を強化すれば突破出来るのだが、かなり離れた位置から助走をつけて専用ゲージを満たす必要があり、満たない状態で侵入すると上記のように阻まれる為、こちらも慣れないうちはストレスが溜まる。該当アイテム入手後は無条件で突破出来るようにしても支障は無いと思われるが。
  • 一部のADスキルの選定に難がある
    • 代表的なのは、本作では戦闘中に一部を除く回復アイテムを自分以外に使用するには、ADスキルの「アイテムスロー」を取得しなければならない。このスキルはフリーラン等の基礎アクションと違いC・コアのポイントを貯めなければ取得できない為、それまでは自分にしかアイテムが使えず不自由が残る。取得の敷居こそ低めだが、それでもあてずっぽうにC・コアを宛てていたりすると中盤になっても覚えてないキャラが出てきたりする。
      • 他のシリーズ作品ではこういった仕様は無く、SFCの「ファンタジア」ですら最初から無条件で他人にアイテムを使う事が出来る *22 。シリーズ通して出来てあたりまえの仕様の1つになっていた為、それをわざわざスキルとして特別視する必要性があるか些か疑問である。
    • 他にも冒頭で述べたフリーラン、バックステップ、空中での受身等、近代テイルズでは基礎中の基礎とも言える操作の大半までLVでの自動取得とはいえADスキルになっている。これらのスキルを全て外して戦闘すると、かなり行動が制限される。
  • 『レジェンディア』同様、シリーズ恒例だった筈のモンスター図鑑が廃止。
    • これによりスペクタクルズが単にモンスターのステータス確認にしか使えない物になってしまい、本作で新装されたモンスターモデルの一覧をゲーム内で確認するには『テンペスト』や『イノセンス』といった後続作の発売を待たなければならなかった。
    • この点がプレイヤー側から指摘された結果なのか翌年に発売された『テンペスト』ではモンスター図鑑が復活採用されたが、今度は逆にコレクター図鑑が廃止される事になるとは誰が思ったのだろうか…。
  • ムービー仕様について。
    • 前作『レジェンディア』ではアニメムービーの際に字幕表示機能が新たに追加されていたが、本作ではバッサリとカットされてしまった事から、仕様が豪華だった前作と比較して見劣りする。
      • ちなみにPS2のマザーシップタイトル次回作である『デスティニー』では本作の反省を受けてか、アニメムービー時の字幕表示が復活する事になった。
  • 一部のボス戦絡みのフェイスチャットについて
    • 本作ではボス戦で敗北すると任意でその反省会のようなフェイスチャットが閲覧出来、そのボスの大まかな対処法や弱点を考察する内容なのだが、一部明らかに会話の内容と実態が異なるボスが居る。
      「持久戦に持ち込むと疲弊して譜術が使えなくなる」と言われているボスは、実際は幾ら持久戦に持ち込んでも際限なく譜術を使ってくる上、疲弊させると強力な上級譜術を使ってくるようになる…と全く逆の行動をとる。
      「オーバーリミッツ時じゃないとある技を使ってこない」と言われているボスは、その技を使用するタイミングはあくまでHPが一定以下を切った時で、オーバーリミッツの有無は全く関係ない。
      …など。
    • それ以外にも、全体的に推奨している戦法が大雑把なものばかりで、あまり参考にならないものが多いのが実情である。冒頭でも述べたが、本当に一部の集団戦となるボス以外は「フリーランで引き付けて、後衛の譜術でダメージを与える」という戦法で何とかなってしまう。
  • アブソーブゲート(地図の北端)からラジエイトゲート(地図の南端)までかなりの距離があるという台詞がある。
    • 両者は地図で見ると離れている様に見えるが、実際は南北が繋がっているという所謂ドーナツ型惑星の弊害により、すぐ隣にあるため違和感のある発言になってしまっている。
    • もっとも、現実で隣の大陸まで移動するとなると、確かにかなりの距離があるため、プレイヤーから見れば近くに見えても、ルーク達から見ればかなりの距離があるというのは間違っていないのかもしれない。

総評

前作『レジェンディア』の発売前に『アビス』が発表された当時は、10周年作品と銘打っており、キャラクターデザインが『ファンタジア』『シンフォニア』を手がけた藤島康介氏であったことから大きな期待を集めた。
シリーズの中でも人気は高く、ドラマCDや小説、漫画が多く発売されたこと、下記するテレビアニメが放映されたことからもうかがえる。
事実前身となった『シンフォニア』からグラフィック、演出、戦闘システムそのもの、ボイス量…といった部分は確実に進化しており、シリーズ作品としては大きな前進を見せた。

しかしロードの遅さや多数のバグ、感動的なシーンでの誤植などのユーザビリティに欠ける面が散見される。
シナリオやキャラクターの面では、メインキャラクターの多くが良くも悪くも王道からかけ離れた性格付けをされていること、随所で後味の悪さが残る暗いシナリオ、プレイヤーが感情移入しやすい主人公の扱われ方が他キャラに比べて理不尽な点は人にもよるがストレスに受け取られやすい。
その一方で、毒のあるキャラたちがやがて一つにまとまる過程や、理不尽な現実に立ち向かい未来を掴み取ろうとする登場人物たちの生き様が高い人気を集めている。

同じ側面を各人がどうとらえるかによって本作の評価は大きく変わる。レビューサイトや掲示板を見ても、とことん賞賛する者も居れば蛇蝎の如く忌み嫌う者まで幅広い。まさに 賛否両論 である。
その一方、 単体のゲームとしては良作である という見方も決して少なくない。

シナリオの大筋や肝心な整合性そのものはしっかり取れており、物語そのものの質も十分に高い。シナリオの重さやキャラクターのトゲのある言動や極端な描写が気にならないのであれば、外部のレビューを鵜呑みにせず自らの手でプレイし、自らの目でその顛末を見届けてみて頂きたい。


北米版について

本作は北米向けにも発売されており、日本版のそれに秘奥義やカットインなどを追加している他、一部の仕様を調整している。

+ 北米版で追加された要素の一部
  • シナリオ冒頭の長髪ルークも「レイディアント・ハウル」を使用できるように(国内版では2周目以降も断髪時のみ)なった。長髪時専用のカットインも追加されている。
  • ルークに新秘奥義「イオン召喚」とイオンのカットインが追加。
    • レイディアント・ハウルからの追加技。シナリオ上でイオンがルークと同行している時のみ使用可能。
  • ティアに秘奥義「フォーチュン・アーク」に追加攻撃が追加。
  • ガイ、ナタリアに第2秘奥義「閃覇瞬連刃」「ノーブル・ロアー」が追加。
    • それを考慮してか、ガイの「宝刀ガルディオス」の入手時期がやや遅くなっている。
  • 闘技場のリッド、フィリアの秘奥義「緋凰絶炎衝」「セイクリッドブレイム *23 」とカットインが追加。日本版で何故かカットインがなかった「極光壁」「タイムストップ」「ビッグバン」「ワイルドギース」にもカットインが追加。リメDのフィリアはこの「セイクリッドブレイム」を逆輸入した。
  • ラスボスに新秘奥義「神葬星条破」と新規カットインが追加。
  • 隠しボスに秘奥義「イノセント・シャイン」「フォーチュン・アーク」「ミスティック・ケージ」「インディグネイション」「絞牙鳴衝斬」と新秘奥義「エンドオブフラグメント」が追加。夫々の秘奥義に新規カットイン付き。
    • 余談だが『ヴェスペリア』に「エンドオブフラグメント」とよく似た秘奥義「スーパーダオスレーザー」なるものが追加された(発売時期は北米の『アビス』の方が早い)。
  • 幾つかのバグ修正。
  • 国内版で強力なコンボ技として猛威を振るっていた一部の特技や奥義に硬直が追加される等、戦闘バランスも多少とはいえ調節されている。
  • 戦闘ランク「アンノウン」の敵パラメーターの上昇が4倍から3.5倍に変更。
    • これにより上記の敵やボスにもダメージが通るようになった。ドーピング無しでも裏ボスに物理ダメージが少しとはいえ通るようになったのは大きい。
  • 一部のボスが使用してくる「タイムストップ」が秘奥義扱いとなり、アイテム画面を開けなくなった為アワーグラスで相殺する戦法が通じなくなった。
  • 日本版で長かったロード時間は改善されていない。

テイルズ オブ ジ アビス(3DS版)

対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 2Gbyte3DSカード
発売元 バンダイナムコゲームス
発売日 2011年6月30日
定価 6,090円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
配信 2014年12月3日/2,980円
廉価版 Welcome Price!!:2017年6月1日/2,800円(税別)

※PS2版と異なる内容のみ表記している。

特徴(3DS版)

  • 上記の北米版をベースに製作されており、追加・変更点も北米版のものを引き継いでいる。
    • 3DS版独自の追加要素といったものは無い。

評価点(3DS版)

  • 問題視されていたロード時間とバグ、誤植に関して大きく改善されている。
    • 特にロードの速度は一変してシリーズでも上位の短さとなり、快適なプレイが可能。
  • ガイの武器「宝刀ガルディオス」の入手時期やルークの称号「タクティカルリーダー」の入手条件・入手時期は日本版のまま残されている。
    • 北米版の場合、前者は日本版より入手時期が遅く、後者は日本版と違い裏ボス戦時に難易度を高くしておく必要がある為、全体的に日本版(3DS版)の方が易しく、ガイの第2秘奥義も早めに使用できる。

問題点(3DS版)

  • PS2には無かった新たなバグも発見されている。(PS2版ほど凶悪なものでは無いが。)
    • 「ライガクイーン戦でティアのフォーチューン・アークの追加攻撃が出せない」など。但し、殆どがPS2版に比べると条件が限定的で、通常プレイで遭遇する事はほぼ無いと思われる。
  • 解像度の関係で一部グラフィックが微妙に粗く、柱の模様が簡略化される、読みづらいフォントに変わるといった特徴がある。
  • マップ移動や戦闘画面への突入等のロード時間は改善されたが、新たに戦闘時にFOF技や秘奥義を発動する際の数秒間の戦闘の停止や、術の発動が数秒遅れるといった処理落ちが頻繁に起こるようになった。特に術の発動は戦略に関わってくる。
    • 細かなところだと、フェイスチャット時のグラフィックの動きもぎこちなくなっている。
  • ローカルプレイやWi-Fiといった通信機能にも対応しておらず、2人以上でのマルチプレイは不可能。完全に1人用のゲームとなった。

総評(3DS版)

総合的に見れば、PS2と携帯機とのスペック差故に細かな粗こそあるがしっかりと移植再現されており、システム面での不備も多く修正され、より遊びやすくなっている。
PS2用の、それもそれなりのグラフィックや容量、処理を求められる本作を限りなく忠実に移植出来た事から、3DSのゲーム機としてのスペックの高さも垣間見える一作である。

北米版での追加要素も全て網羅している為、本作を初めてプレイするという人はこちらをお勧めする。

  • 2014年12月3日からダウンロード版を配信。実質的な廉価版である。
    • 2015年1月4日までに購入すると、同時配信された『テイルズ オブ ジ アビス テーマ』を無料ダウンロードできるキャンペーンが実施された。

その後の展開

  • 2008年10月~2009年3月にかけて、MBS制作にてテレビアニメが全26話放送された。
    • 作画やサブキャラクターの声優が軒並み変更されてる事に評価が分かれるが、2クールにも渡る放送故に概ね本編シナリオを再現しており好評。本作をプレイしていなくとも1つの作品として理解できる程のボリュームである。
    • なお、アニメ版のOP主題歌も「作品のテーマとしてこれ以上ない曲」という選考理由によりゲームと同じ「カルマ」が採用されている。また、MOR氏の作詞作曲によるED主題歌も藤原氏がアレンジという形で関わっている。こちらもストーリーを非常に汲んだ曲に仕上がっている。
  • 「10周年だからこそ、今までとは違う主人公にする」という吉積の言葉通り、主人公を筆頭にキャラクターの癖はかなり強く賛否両論に分かれることとなったが、
    人気は高く後のシリーズ共演作品では本作品のキャラクターが多数登場している。しかし、その中でアビスキャラを巡った度の過ぎた描写や発言、露骨な優遇…等、他シリーズ作品ファンの顰蹙を買う事態も起こってしまっている。
    • 当記事の中でも所々で書かれているが、アビスキャラがお祭りゲーで露骨に優遇される裏で、他のシリーズキャラがアビスキャラを持ち上げるために、いわゆる『踏み台』にされるケースが非常に多い為、(アビス本編の評価とは別に)それを快く思わないファンも多い。また、原作のアビスをプレイしていないプレイヤーが、お祭りゲーでのそういう描写を見てアビスにヘイトが集まる事態が起こっているのも事実である。
    • 特に、シリーズキャラ集合作品『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3』では今まで不参加だったナタリアが参戦し『アビス』のパーティキャラが全員揃った。
      同時に「ラスボスがプレイアブルキャラ(味方陣営)として参戦が決定」したため *24 に様々な面で波紋を呼ぶ羽目となってしまった。

余談

  • キャラクター毎の賛否両論点でも挙げたルークの台詞「俺は悪くねぇ!」について、本作でも大きく取り扱われているのは上述の通りだが、ネタとしてもそれなりに広がっており、本作及びテイルズ オブ シリーズ自体は知らないがこの台詞及びルークは知っている、という人も多い。



*1 こちらは作中で「拠点から各国に輸出する際に関税がかけられる為」と説明されている

*2 ただし、実際は設定ミスなのか逆に攻撃力が上がっている…

*3 ADスキルや「俊敏」のパラメーターを伸ばす事で更に移動速度が上昇する。

*4 プロデューサーのインタビューより

*5 仲間側のキャラが説得を試みたり、倒した後に憐れみの台詞を言ったりもするため、多くの人を殺した悪役なのに美化されているようで不愉快だと感じるプレイヤーもいる。

*6 正体は7年前に作られた本物のルークのレプリカ(コピー人間)で、実質7歳分しか生きていない。更にマルクト帝国に誘拐されていたと思われており、記憶喪失(厳密には元々無い)と防犯の為ほぼ屋敷に軟禁されていたため社会経験そのものが致命的に不足していた。

*7 敵であるマルクト帝国の村で堂々と家名込みで自己紹介しようとしたり。マルクト帝国にとってファブレ公爵は最大の怨敵の1人である。ジェイドも皮肉抜きで驚いていた

*8 なお、この「師匠(以下略)」発言はルークのただの癇癪や依存というだけではなく、親身に知らないことを教えてくれる人が彼しか居なかったということの裏返しでもある。

*9 何らかの功績を挙げて自身の地位を確立しなければ、将来的にも軟禁生活になってしまうととヴァンに吹き込まれたため。

*10 終盤で大量に量産されるレプリカは特定の思想や行動のみ機械的に刷り込まれている為生気や感情のない操り人形のような存在で、製法上オリジナルと必ず瓜二つの容姿であることも相まって世間的には非常に気味悪がられていた。アニスも「普通の人は(感情のない)レプリカを怖がっても仕方ないと思う」と現実的な意見を述べている。

*11 パーティメンバーも当初こそアクゼリュスの件の反動であると判断したためか言及する事は無いが、終盤が近づくにつれて卑屈が改善される所か悪化していくルークを心配する描写が増えていく。

*12 本作では人間系の雑魚敵(野盗や兵士等)を倒す事を一部除いて"殺人"と明確に定義しており、戦闘終了後の掛け合いも変化する

*13 事実、ヴァンはルーク帰省直前まで自由に行動しており、目撃者であるガイもティアを誘拐犯として扱っていない

*14 記載するときりがないので、該当ページを見て調べてほしい。また『ファンダム2』の問題になるが、其方で致命的な設定矛盾が生じた事も…

*15 代表的な場面は、ルークが持病である頭痛に苛まれ気絶し、宿のベッドで寝込んでいる前で「健康に難有りかぁ。介護するぐらいなら、ぽっくり逝きそうなお金持ちの爺さんの方が…」と、聞こえるように損得勘定丸出しな発言をする。それを隣に居るナタリアに指摘された時も「えへ、なんでもない♪」と茶化している。

*16 ルークの発言は事態に対して前向きかつ建設的なものであり、たとえ冗談であっても嫌味で返すようなものではない。

*17 軍の大佐という立場である以上、不確定な情報を鵜呑みに事態を動かせない確かだが、こればかりなので対処の機会自体を逸してしまっている。

*18 女性恐怖症については単なるネタ要素ではなく、彼の出生にも強く関わっている。また本人曰く『女性そのものはむしろ好き』とのことで女嫌いな訳ではなく、適度な距離を持って接する・緊急時に触れる分には支障は無い

*19 アンノウンでノーマルと同じダメージを与えるには、2倍の攻撃力が必要。

*20 尤も現在では目上の者が後者、目下の者が前者を使うのが正解とされているが、元々は両者とも目上の者が使う言葉であり、また一時期目上の者が前者、目下の者が後者と現在とは逆の使われ方をされていた時代もあった。そのため、現代劇で無ければ目下の者が「ご苦労様です」を使ったとしても必ずしも間違いでは無いのだが。

*21 効率的には成功1回=失敗2回

*22 仲間が仲間にアイテムを使うシステムが採用されたのは厳密にはPS版デスティニーからであり、SFC版ファンタジアは自分でも仲間でもない第三者がアイテムを使うシステム。ただしアイテム使用で誰も硬直することがない分、一部のアイテムは効き目が現れるタイミングが遅い

*23 正確には「Sacred Penance(セイクリッドペナンス)」。もっとも、内容そのものは「セイクリッドブレイム」と大差はない

*24 他には『ラタトスク』のリヒターがいるが彼は極僅かな期間主人公エミルと行動を共にしている。今作のラスボスは原作で絶対に和解できないタイプのラスボス。