モンスター烈伝 オレカバトル

【もんすたーれつでん おれかばとる】

ジャンル カードバトルマシン
対応機種 アーケード(WindowsXP embedded)
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼動開始日 2012年3月14日
料金 1プレイ:100円(記録の鍵も同額)
備考 2022年3月31日にe-amusementサービスを終了
判定 良作
ポイント プレイヤーの数だけ個性が生まれる排出カード
豊富なゲストキャラクター

概要

KONAMIのキッズ向けカードアーケードゲーム。
プレイのたびにカードが成長し、それをプレイ後に印刷・排出することで次のプレイ以降は成長後のカードを使用できる。
悪魔城ドラキュラシリーズ月風魔伝からのゲストキャラクターも存在し、元ネタを知るプレイヤーが思わずニヤリとする演出も。


ストーリー

オレカ歴XXX年。魔界から襲来した魔王軍に、王国は壊滅の危機を迎えていた―。
そんな中、王国の戦士タンタは1人旅へ出る。
魔王軍を倒すための、ドラゴンと仲間を集める旅に!!
(コロコロコミック2013年4月号付録 オレカンペキカタログBOOKより引用)


システム

  • ターン制コマンドバトル
    • 各モンスターのターンが来るごとにルーレットで技を選んで戦う。
    • 攻撃相手はレバー入力で選択できる。攻撃相手を選べない代わりダメージが強力な技、全体攻撃ができる技など、技の種類は豊富。
    • 基本的に3vs3のバトルで、敵モンスターを全て倒した側が勝利となる。ボスバトルでは3vs1などの形式も取られる。
  • EX技
    • いわゆる必殺技。EXゲージがMAXになると発動できるようになり、レバーを下に入れると発動する。
    • 発動するとミニゲームが始まり成果によってミス、通常のEX技、超EX技のどれが出る。
      • 超EXは通常EXよりも強力な効果を見せる上位の技。しかし、中には通常EXと全く異なる効果のモンスターもいて、使い分けによって戦いを有利に運べる。
      • 全てのモンスターにEX技、超EX技が用意されている。
    • 発動できるようになってもすぐ発動しない選択肢も取れる。相手によってはこの選択が大きな意味を成す事も。
  • モンスターの成長
    • モンスターは戦闘が終わると勝っても負けてもレベルが上がって能力が強化される。レベルの上限は10。
    • 多くのモンスターはレベル10になると進化して更に強くなる。また、合体のためにレベル10が求められる場合も多い。
    • そしてコマンドリールの技を更新する提案が行われる。取捨選択を繰り返し、コマンドリールを調整していく事で強いモンスターへと育つ。
  • 記録の鍵
    • セーブ用のカード。
    • 使って遊ぶとゴールドというゲーム内通貨が手に入る。ゲーム内アイテムの購入に必要。
    • クエストモードで遊ぶ場合や、オンラインイベントの参加にも必要。

特徴

  • 世界初の印刷式カードアーケードゲーム
    • 従来のTCAGは出来合い品のカードを排出していたが、本作ではカードをその場で印刷しているのである。
    • ゲーム内で捕獲・成長させたモンスターを選んでカード化させる。
    • セーブ用のカードや、モンスターカードには自身の名前が記録される。
      • コイン非投入時に聞ける「オレのカードでオレカだぜ!」の台詞に恥じない仕様である。
      • なお、自分とは違う登録名のカードを読み込ませた場合は一定確率で無意味な行動を起こすことがある。
      • この印刷式カードアーケードゲームという方式は、TCAG界隈に一つの革命を起こした。

評価点

印刷式カードの利点

  • 排出されるカードが在庫に影響されない。
    • 従来はエキスパンションの販売が終了すれば筐体から排出できないのが当たり前であった。しかし、印刷式ならば旧エキスパンションで登場したカードをいつでも排出できる。遅く始めたせいで欲しいキャラを手に入れられなかった、昔のカードのシングルが高騰していて入手が難しいなど、そう言った悲しい思いをしなくて済む。
      • この点は本作の評価点の一つでもあった。ただし、期間限定モンスターの乱発で折角の評価点に自ら影を落としたのは残念な点。
    • カードそのものにレアリティの設定がなく、配列などを気にする必要が無い。
      • おかげで従来のTCAGによく見られた「レアカードが出るまで筐体に居座って購入し続ける」「バイト等がレアカードを抜いて横領したり、逆に店にそのような言い掛かりを付ける客」などの問題行動が発生しない。
      • 他の印刷式ゲームではカードのカテゴリ、希少性をレアリティで表記している物もある。それでも配列が関係ない事は本作と同じで、問題行動の発生源になってはいない。
    • 設置店舗側は在庫リスク問題が低減される。
  • カードに個性が生まれる。
    • 従来は同じ種類のカードは能力や技などが全て同じカードであった。しかし、印刷式のカードゲームではカード1枚1枚に個性を出せる。例えば本作であれば、自分の名前が刻まれる、育成によってコマンドリールが変わっていく、個体値による能力差が出るなど、同種のカードにも多彩な個性が生まれる。
    • 既存のTCAGでは難しかった「自分のキャラを育てていく」ゲーム性も、印刷式の発明によって開拓されたと言えるだろう。
  • 同じカードを印刷できる。
    • 従来であれば同じカードの入手は引き当てるにしてもシングル買いをするにしてもある程度の金額が必要になり、希少なカードの予備は考えられた物ではなかった。印刷式のゲームは予備のカードを簡単に作れるので紛失や損傷に備えられる。
  • 育成にやり直しがきく。
    • デジタルな育成要素ではなくアナログのカードが排出されるため、成長前のカードを残しておけばバックアップになる。
      • ただし、例は多くないものの後述の「早く始めたもの勝ち」問題の原因にもなっている。

キャラクター

  • モンスター達が一体一体丁寧に作り込まれている。
    • 章が解禁されるたびに何十体と数で追加されるモンスター達だが、これだけの数がいるのに一体一体に各場面におけるモーション、そして台詞が細かく整備されていて、その一挙手一投足だけでも楽しませてくれる。カードイラストと3Dレンダリングの差に違和感がないのも地味に凄い。
      • EX技の発動演出は数あるモーションの中でも作り込まれた出来になっている。迫力のある挙動やカメラワーク、背景の変化など、まさに必殺技の発動を演出している。
    • 既存キャラの色違いやモーションの使い回しも少なからずあるが、それを差し引いてもこの作り込みは評価すべき点であろう。
  • あからさまに大きなお友達狙いの要素もちらほら。
    • 前述のゲストキャラクターもそうだが、どうやら大人もターゲットに含まれているようである。
      • ボスキャラクターの多くは名前がお酒由来。トカイワインを知っている小学生は果たしてどれほどいるものか…。
    • 一部のモンスターは子供向けとは思えないほど性的。
      • 露出が多い、セリフがやたらエロいなどは序の口。一部モンスターはなんと乳揺れも。
      • お色気狙いのモンスターのみでパーティを組むと貰える専用称号まであったりする。

ゲーム内容

  • 最新エキスパンション有利ではない、計算されたモンスターの強弱。
    • TCAGでは最新エキスパンションのカードほど有利になるように安易なインフレを起こされがちだが、本作は過去のカードも現役で活躍し続けられるように調整されている。
    • ぶっ壊れと呼ばれるほど飛び抜けた性能のモンスターも出ているが、他モンスターの活躍の機会を食い潰してはいない。
      • ただし、トーナメントや大会形式のイベントでは一極化が目立つ。どこのゲームでもありがちな事ではあるが。
  • モンスターやレアアイテムの獲得が試合結果にほぼ依存しない。
    • 例えば前述のゲストキャラでもあるドラキュラは対策を知らないとあっという間に全滅するが、それでもレアアイテムは出現する。
    • 勝ち目がないようなボスモンスターであってもそれが捕獲可能なモンスターなら負けても入手できるので子どもたちには大好評。
      • ただし勝った時の方がステータスが良くなるし、レアアイテムも手に入れやすい。
    • イベント限定モンスターでは勝たなければ手に入らないモンスターもいる。問題点のイベント会場限定は全てそれ。
  • BGMのクオリティが高い。
    • 主に西木康智、戸田信子が手がけている。
    • 旧作品からのゲスト組にも原作でお馴染みの曲の新規アレンジ版がテーマ曲として用意されている。
      • 特定条件を満たすと原曲にも変更できる。
    • キッズ向けゲームとしては異例のサウンドトラック発売もされた。
      • 当初はイベント会場限定だったが、2013年9月からはコナミスタイルでも一時期取り扱っていた(2014年5月終売)。
      • ボーナストラックとして、前述の「ゲストキャラクターのテーマの原曲」も収録されている。
      • 2016年12月7日から着信★うた♪、iTunes Store、Amazon デジタルミュージックストアでデジタル販売が開始された。

賛否両論点

  • ルーレットの目押しが利かない。しかも露骨な操作が行われる。
    • 技を決める通常のルーレットは「滑る」という次元ではなく、止まる場所とボタンを押したタイミングの関連性が無いレベル。ボタンを連打して最速でルーレットを止めようとすればどれほど不規則に止まるかがよくわかる。
    • ただランダムであればまだ良かったのだが、体力が有利だったり強いモンスターを連れていたりする側は弱い技が出やすくなるようルーレットの操作が行われている。6個中1個のミスが3~4連続など通常の確率では滅多にあり得ない偏りも多発する。ファンの間では「接戦演出システム」などと呼ばれている。
      • 大人のプレイヤーを中心に批判意見が強いが、キッズ向けとしては操作があった方が親切と好意的にも捉えられる。
    • このような仕様であるため、本当に強い・使いやすいモンスターを作るなら、一つの技だけで埋め尽くしたリールが目標になる。
  • いわゆる個体値システムがある。
    • 同じモンスターでも能力値に差が出る。これのおかげで同じモンスターとの再戦に意味が出るし、対戦の奥深さにも一役買っている。しかし、厳選を目指せば多額の金銭を喰われるため賛否両論ある。
      • 後天的に変化はさせられない。
    • リールの容量にも個体値があり、こちらはステータスのように可視化できないためモンスターによっては確認が困難となる。コマンド潜在と呼ばれる当たりの個体なら作れるリール構成を、育成中のカードでは作れず無念な思いをする事もある。
    • 問題点のイベント限定モンスターにもこれらの個体値システムは適用される。

問題点

  • 説明が少なく、全体的に不親切。
    • 入手方法が複雑なモンスターがいる。「合体で作成したモンスターに更にモンスターやアイテムを合体…を複数セット行う」はまだ優しい方で、「指定モンスターAと特定のアイテムを持った指定モンスターBを合体」のような攻略本を見ないとまずわからない物もたびたび登場している。
      • 後者は処理が複雑なためか、不具合の原因にもなった。特に2章の「古神兵サルベージ」に関する不具合*1は対人戦のバランスをも崩壊させた(無論修正済みだが、未修正筐体を大会に使用する店舗がしばらくの間存在した)。
      • 反面、「複雑な条件のモンスターが定期的にほしい」との声も。
    • 説明の何割かは音声で補っている。カード排出時の隠し操作でモンスターやアイテム入手のヒントを聞けるが、環境次第では聞き落とす可能性がある。また、ゲーム終了画面でもモンスターの入手のヒントがイラストで表示されるが部分的に隠される事もあるので情報の質は微妙。
      • 公式サイトに「音量をデフォルトより上げてほしい」との通達があった(現在は削除済み)が、あまり知られていない模様*2
    • 技の効果は実際に使う(使われる)まで効果がわからない。そればかりか非攻撃系の中には使っても効果がわかりにくい物もあり、そうした物は攻略本や攻略サイトに頼らざるを得ない。
  • テンポ悪化要素がいつまでも改善されない。
    • 詰み状況の発生と降参できない仕様が最たる問題点であろう。アーケードゲームで降参不可能はありがちだが、詰み状況のありえる本作では降参くらいできても良かっただろう。
      • 特にありがちなのはスライム育成における詰み状況。本作ではスライムを合体させるとレベルアップができるので、敵味方をスライムばかりにして戦闘を行うと効率良くレベルが上げられるのだが、スライム系のモンスターは攻撃技を持っていない。これで育てたいキャラが攻撃技を持っていないと互いに攻撃する手段が一切なく、強制的に引き分けになる20ターン終了を待つ破目になる。うっかりによって陥るトラップではあるのだが、多くの人が通った道でもあり改善が求められてきた。
      • 通常の戦闘でも味方が状態異常で攻撃できない、攻撃技を持たないモンスターだけが生き残った等、早くとどめを刺して欲しいにもかかわらず、敵は賛否両論点のルーレット操作の悪影響かミスを繰り返してとどめを刺してくれない事態が起こる。降参させて欲しい物である。
    • モーションスキップもできない。無駄に長いモーションや、飽きるほど見たモーションが流れる時、単純に素早く回したい時などもあるので、プレイの選択肢としてモーションスキップが用意されていて良かったであろう。
  • ストーリーの扱いが極端
    • 5章開始前は公式サイトの図鑑ページに掲載されているフレーバーテキストなどの断片的な情報しかなかった。
      • メインストーリーすら、雑誌付録や一部の攻略本に記載されるにとどまっている。
    • 逆に5章はストーリーが重要視され、ストーリー上のボスの出現条件が他の章以上に厳しくなった。
      • カットインデモの一部が会話形式になったり、特定のシチュエーションで技や台詞に変化が起きるなどの演出は評価できる
    • 以降は再び5章開始前に近くなるが、一部の主人公や優遇されたキャラはカットインデモが幾つも作られる一方で、不遇なキャラはとことん断片的な情報ばかりになる等、扱いの極端さが増長されている。
  • WHFなどのイベント限定のモンスターがいる。
    • イベント限定のモンスターは出現条件を満たし、なおかつ勝利しないと持ち帰れないので思い出の品にはなる。
    • ただ該当するモンスターがかなり強力なのが問題の一因。手に入れられた人はゲームに有利になるのは当然だが、行きたい人全員が会場に行けるわけではないため、会場限定モンスターにするのは考えが足りていない。
      • また、敵の設定が強すぎて勝てず、持ち帰れなかった子供も多くいたという。
    • 後に短期間ではあるが全国の筐体で挑戦できるイベントが開催され、入手は緩和されている。
  • 極端に強いモンスターと下方修正の問題。
    • 他のゲームであればバージョンアップによる調整がされれば問題ないのだが、データのバックアップが取れてしまう本作ならではの問題がある。
    • 技そのものにエラッタがかかった場合はともかく、問題は技を修得する容量が調整された場合。
      このゲームは技コマンドがルーレットになっており、リールには容量の限界がある。大技は当然ながらそのぶん容量を使う。容量が調整される前のカードを持っていた場合、既に覚えた分は調整後もそのままなので「早く始めたもの勝ち」である。
      • よく取り沙汰されるモンスターは「破壊神マハデーヴァ」、「斉天大聖ソンゴクウ」、「牛魔王」の3体。
        「破壊神マハデーヴァ」が持つ「ピナーカ」という技は今でも最強と呼べる破壊力を誇る。これが初期の頃はほぼ確実に打てるように育てられたが、容量の下方修正によって大きく制限された。
        「斉天大聖ソンゴクウ」と「牛魔王」は「七十二変化の術」という技によって他のモンスターの技を使える。臨機応変に立ち回れるおかげでイベントやトーナメントでは環境キャラと化しているが、技コストの変更によってコマンドリールを完璧な形にはできなくなった。しかし、前述のように既に作っていた人には影響が出ないため、現在も一線級の活躍し続けている。まるで新規の参入を拒むかのような改悪である。
    • 技そのものへのエラッタも行われている。
      • 有名どころは「スライム・マナ」や「雷神竜ククルカン」等がおり、愛用者からは怒りや呆れの声が上がった。
  • コマンドリールの調整の問題。
    • 容量制で自由度が低い。ちょっとでも効率プレイを求め始めるとテンプレ型にせざるを得なくなり、「オレのカードでオレカだぜ!」の商売文句にしては残念に思うところがある。新キャラでも終着点は旧キャラのテンプレ型に近くなりやすい。
      • 容量を気にせずに強い技をなんとなく入れるような遊び方であればそこまで気にならないかもしれない。
        ただし、前述のイベント限定モンスターや、大会形式のオンラインイベントもあるので、効率育成が求められてしまう場面は多い。2016年に登場したレイドボス形式のイベントキャラは、廃プレイヤーの育成を基準に難易度が調整されている節もあった。
      • 個性の出しづらさに関連して「容量制にしても技の数へ制限を掛けるなどやり方があったのでは?」とも指摘される。
    • また、コマンドの更新は1プレイで1回だけ、どこに何が来るかはランダムで、望むとおりに育つよう補助するシステムは一切無い。少しの知識があれば残りは運と資金と時間が物を言う世界となっているので、本来のターゲットである子供達にはハイレベルな育成は厳しい。
  • 筐体の故障率が高い。
    • プリンターの不具合による印刷不良は頻出している。店もメーカーも重く見ていないのか、いつまでも放置されやすい。極一部の限定モンスター*3以外は再度カード化できるとは言え、不良品の乱造は気持ちの良い物ではない。
    • ボタンやレバーの故障も多い。特にボタンの故障率は高い上に、代わりのボタンが中々入荷されないらしく修繕されない事がざら。反応が悪いとEXミニゲームの成功が難しくなると言う形でゲームにも悪影響が出る。
      • 本筐体のボタンは、目を模した形状でライト内蔵、それでいてサイズも大きいなど、製造や備蓄に掛かるコストは想像に難くない。
      • 人気から来る稼働率の高さで劣化を早めているのは確かであるが、ユーザーのモラルが原因の故障も見られる。ボタンが大型で叩きやすいせいか子供達が力一杯に強打・連打はありがち。また、子供や大人に関係なく戦闘の内容やコマンドの提案等への不満をボタンに当たる、ボタンを押したからと言って早くなるわけでもないのに急かすように連打など。フラストレーションが溜まる要素が強いのは確かだが…。
      • 故障原因になりうるユーザーも糾すべき物だが、最も悪いのは改善を行おうとしないメーカーの姿勢だろう。この実状を受けてゲームシステムの改善や、ボタンの強度を向上、製造しやすいボタンに変更などの対応は取れたはずであり、放置し続けた事は怠慢であると断ずる他ない。

印刷式カードの欠点

  • ソーシャルゲームに近いバランスを招いた。
    • 排出されるカードが出来合い品でない事は必ずしも良い事ばかりではない。希少あるいは強力なカードを獲得するまでの道程に天井が無いのである。その様相は昨今問題視される「電子ガチャ」と同じである。
    • また、従来のTCAGはレアカードのシングル買いでいきなり強いカードを持って遊べたが、印刷式ゲームは多くが登録名やICカードとの紐付けによって他人のカードの使用を防いでいる。掛けた時間と金額で使用できるカードの幅が決められてしまうのは一概に褒められる要素ではないだろう。
      • 本作はモンスターの入手、軽度な育成であればそこまでの金額は必要としない。しかし、コマンドリールの調整に手を付けると良化待ちがソーシャルゲームにも劣らないガチャゲーとなる。
    • そして本作ではソーシャルゲームのそれとしか言えないイベントを何度も開催している。全国ランキング制のイベントが期間内にプレイした回数に物を言わせるゲームになっているし、レイドボスイベントに至っては相当頑張って育てていなければ勝利できない…など。
  • 無駄なカードが大量に出る。
    • 従来のTCAGはトレードや中古売買が行えるため、不要なカードも全くの無駄にはならなかった。しかし、印刷式ゲームの多くは他人のカードの使用を防止しているため、カードの買い取りを行うショップは存在しないし、トレードもまず見込めない。そのため不要なカードは廃棄するしかない。
      • ヤフオク等に出品する人もいないわけではないが、ゲームシステム上推奨される行為ではないし、まともな値も付かないので労力の無駄でもある。
    • 印刷したいカードが無いため同じカードを刷るしかない事も多い。
      • 本作で言えば、既にレベル10でコマンド提案も良くない物ばかりの状況では、持っているのと同じカードを刷らされる。長く続けていればこうして排出される無駄なカードの数は何百を超えていく。率直に言って資源の無駄。
  • カードの品質。
    • 出来合い品は製造過程において品質がしっかり管理されていたが印刷式ではそうもいかない。
    • プリンターの不具合で白い線が入る、埃のような映り込みが出るなど、粗悪な印刷が出るのは珍しくない。
    • 本作もそうだがロール紙に印刷する形式は断裁の幅が筐体によって違い、酷い時は数ミリ幅の違いが出る。そのせいで印刷したカードに1つ前に印刷されたカードの片端がくっ付いていたり、カードスリーブに入らないカードが出る。
      また、ロールされていた名残でカードに反りが出るのもロール紙ならでは欠点と言える。
      • 後から出た他社の印刷式カードアーケードゲームは断裁済みの用紙に印刷するなど、この問題の改善を試みているところもある。
  • 登録名を揃えると二者間でモンスターや所持アイテムを使い回せてしまう。
    • 親子間くらいならいいのだが、問題はネットオークションでこれを利用したカード販売があること。
      • ヤフオクで「あああああ」や「★★★★★」名義のカードが多く出回っている。
    • 記録の鍵は登録名を揃えるだけでは使い回せないが、カードにデータが保存されるわけではないのでコピーが可能。(ゲーム内で「コピー鍵を作る」という選択肢もある。)
      • 他社作品の中でも『ポケモンガオーレ』や『艦これ アーケード』などはユーザーとの紐付けが無く、トレードや中古売買を可能としている。印刷式の一部問題点の改善が試みられている反面、レア排出率やプレイ単価は悪化している。

総評

ゲーム内で捕獲したモンスターをアナログカードにするという発想は今までにないものである。
1つのボタンを適当に押すだけでも様々な技が出る間口の広さと、ステータス厳選や技習得コストを考慮する必要のある奥の深さが幅広い年齢層を魅了する一因となっている。
カードをその場で刷る関係で絶版がなく、開始時期が遅くても知識さえあれば(イベント限定や期間限定でない限りは)手にすることができるのも間口の広さに貢献していると思われる。
様々なコナミキャラクターが作品の垣根を超えて同じ舞台で戦う様はかの『コナミワイワイワールド』を彷彿とさせる。


余談

  • 間違われがちだが「トレーディングカードアーケードゲーム」ではない。
    • 公式サイトにおけるジャンル表記は「カードバトルマシン」であり、公式的にトレーディングが推奨された事は一度として無い。他人のカードを使用するとデメリットが発生するなど、トレーディング要素は否定されている。
  • 一通りのストーリーを終えた事で末期には新7章など数字ではなくなり、「琥珀」や「焔」など属性に合わせた漢字の「○○の章」に統一されている。
    • 規模を縮小しながらも長く愛され続けてきた本作だが、2022年3月31日をもって到頭、サービス終了となる事が発表された。しかし、3月でサービス開始から満10年を迎え文字通り「十年選手」となる、TCAGジャンルでは中々類を見ない長寿ゲームとなった。
    • アーケードのサービス終了までアプリ版は新章が追加されないままであったが、それからおよそ1年半後の2023年9月14日に新序章のキャラクターが追加され、現在も定期的に新章のキャラクターが追加されている。
  • Nintendo Switch用ゲーム『ソロモンプログラム』には本作のキャラクターが一部参戦している。*4
  • 本作のゲーム性を引き継いだゲームである『ORE'N』がブラウザゲームとして2024年にサービス開始予定。『オレカモンスターズ冒険烈伝』や『魔王だゼッ!!』の作画を担当した出水ぽすか氏がキャラクターデザイナーとして参加している他、本作のキャラクターも一部登場することが発表されている。なお、こちらのゲームジャンルは「デジタルトレーディングカードゲーム」となっている。
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  • 2012年
  • コナミデジタルエンタテインメント

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最終更新:2024年03月14日 15:06

*1 簡単に言うと本来習得しない技を習得する。

*2 有志がゲームセンター側に通達ページを見せたところ、「FAXではそういった通達はされていなかった」とのこと。

*3 クラスが☆5のモンスター

*4 『ソロモンプログラム』は本Wikiではソシャゲに該当すると決議されたため執筆不可。