銀河お嬢様伝説ユナ3 LIGHTNING ANGEL

【ぎんがおじょうさまでんせつゆなすりー らいとにんぐえんじぇる】

ジャンル アドベンチャー+戦略シミュレーションゲーム
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対応機種 セガサターン
発売元 ハドソン
開発元 ハドソン、ウィル、レッドカンパニー
発売日 1997年12月4日
定価 5,800円
判定 良作
レッド・エンタテインメント開発ギャルゲー


概要

「銀河お嬢様伝説ユナ」シリーズの最終作。
デジタルコミック風の「アドベンチャーパート」でストーリーを進め、敵との戦いは「シミュレーションパート」で行う。
過去シリーズの戦いは基本的に1対1のコマンドバトルやカードバトルでおまけ程度の位置付けだったが、本作では多対多のタクティカルバトルとなり、キャラのレベルアップによる成長要素も追加されて、ゲームのメイン要素となっている。
SMLパートはターン制ではなく敵味方の素早さによって行動順が決まる形式となっている。

評価点

シナリオ面

  • シリーズ初心者にもわかりやすいメインストーリー
    • 基本的に「地球のピンチに皆で立ち向かう。道中で先行していた味方と合流して一緒に行く。」というシンプルなストーリーで、ユナシリーズが初めてでもシナリオがさっぱりわからないという事はない。
  • 相変わらずのユナらしさ。
    • 明貴美加デザインのいわゆるMS少女系デザインは本作の新キャラでも発揮されており、ユナ達の変身シーンにムービーが挿入されたりもする。
    • シナリオもお気楽ギャグを挟みながら、シリアスに決める所はシリアスに決める。
      • 初戦闘からして、ユナ(能天気その1)、ユーリィ(能天気その2・食い気MAX)、おっとりの詩織(能天気その3・非常に間延びした喋り)という気の抜けるような面子である。あと、たとえ悪人であろうと友達になってほしがるという一面もある。
    • ベテラン声優陣が演じている為、そちらの出来も良い。
    • 戦闘時、通常攻撃を外した時にタイミング良くZボタンを押すと金ダライが落っこちてくるなんていうオマケ要素も。
  • シリーズキャラ総登場
    • ユナやユーリィといったメインキャラのみでなく、暗黒お嬢様13人衆やエリカ7といったシリーズで登場したキャラのほとんどを仲間として使用することができる。
      • キャラ数は多いが既存キャラの掘り下げは基本的にない。その点でもシリーズ初心者向け。
      • 逆に言えば、シリーズファンからすると少々寂しい点でもあるが、今までのシリーズでも一部メインキャラを除けばそこまで描写の深いシリーズでもなかった為、単純に皆をユニットとして使えるだけで嬉しいファンも多かった。一部、戦闘メンバーに入れなかったキャラもいるのが少々残念だが。
    • 分岐により加入するメンバーが変化するため、残念ながら全キャラを同時に仲間にすることは出来ない。
    • 各キャラの登場時や性能面は上手く原作の設定などを利用している。
      • 喋りからして非常に遅いおっとりの詩織は当然スピードは低く、ハイスピード・セリカは圧倒的なスピードと移動力を持っている等。
      • 2では二人同時に立ちはだかった双子アコ・マコは、隣接していると攻撃範囲が広がるという特殊能力持ち。
      • 水野葉子*1は、「目立たない隠しキャラだが、強力な技も持つ」という、非常に葉子らしい立ち位置での登場。
  • 2周目以降でも楽しめる要素
    • ルート分岐による仲間キャラの変化や条件付きの隠しキャラ等も存在する為、2周目以降でも目新しい要素はある。
      • ただし、隠しキャラは全員仲間に出来てもルート分岐で変化するキャラは最後まで仲間にならない。この点は残念である。

シミュレーションパート

  • 一部を除きSMLパートの難易度は高くないので、好きなキャラで戦闘メンバーを組んでも十分クリアできる。
    • 人数も8人まで出せる為、メンバー選択の幅も広い。
    • 後述するが、一部に強いキャラ弱いキャラも存在する為、それらを使うかどうかで難易度は変わってくるが、愛さえあればどんな編成でもクリア可能。
      • 育成専用ステージがあるため、戦力不足で手詰まりということもまずない。
  • ステージにも仕掛け満載。
    • 敵が出てくるジェネレーター、外部からのビーム攻撃、近づくと眠らされるトラップ、攻撃しても倒せない幻の敵、一度止まった場所は炎が噴き出てその上は歩けなくなる、など様々。
    • 戦闘内容も単に敵を全滅させるだけでなく、ピンチの仲間の救出、洗脳され襲ってくる仲間を食い止める、制限時間以内に爆弾を破壊する、などバリエーションが豊富。

その他

  • CGやムービーも豊富
    • ADVパートではCGやムービーが随所に挿入される。
      • 条件を満たせば、クリア後のおまけで視聴も可能。

賛否両論点

  • ユナ、ユナ2であった脱衣CGがない*2。作風が異なるので合わないとされたのかもしれない。
  • キャラの特色を出した結果、一部キャラの性能差が激しい
    • 上述の通りキャラの性能はそのキャラ”らしさ”が出ているのだが、その分、使いやすさには結構な差がある。
      • 終盤に仲間になるキャラには圧倒的な強さを持つキャラがおり、そのキャラさえ使っておけばクリアが楽になる程。
      • 逆に近接攻撃特化タイプのキャラは防御力が低く、非常に使いづらい。
    • 中盤と終盤のチーム分割時やラスボスとの総力戦では弱いキャラにも出番はあるが、逆に言えば弱いキャラでも出さないといけなくなるため育成が必要。
    • 各戦闘終了時にはその内容に応じてランク評価がされるのだが、ゲームクリア時にその評価の合計でオマケが解放される。
      • ゲーム中の要素には一切影響しないのでクリアへの影響はないのだが、オマケの為に常時高ランククリアを目指すとなるとやはり性能の差が響いてくる。
  • シナリオ面で好みが分かれる
+ ネタバレあり
  • シリアスとギャグが混ざったシナリオがユナシリーズの特徴だが、本作はシリアスの方が強く人によっては肩すかしを受けるかもしれない。
    + さらにOVAのネタバレあり
    • それでも前作にあたるOVA「深闇のフェアリィ」の終わり方に比べればはるかに救いがある。

難点

  • 一部設定がユナシリーズに詳しくない人には分かりにくい。
    • メインシナリオをシンプルにし、仲間キャラの設定等も掘り下げていないのでストーリーの進行はスムーズだが、それでも説明なく既存キャラが出るため初見では少々戸惑う。また、一部、シリーズ設定に詳しくないと分かりづらい箇所も存在する。
      • 本作はストーリーが実質OVA「深闇のフェアリィ」の続編*3となっており、各メディアに触れていないと分からないキャラや設定も出てくる。
      • 加えて、本作が発売されたSSでは1作目はリメイク移植がされたが、2作目及びFXは移植されていないため、SSでゲームだけを追った場合、ユナと既知の登場人物の半分近くが初見となってしまう。*4

総評

ユナシリーズ最終として今までのキャラが総登場する為、シリーズファン以外にはキャラが把握しきれないが、初心者への配慮もされており、バラエティ豊かな内容で意外と普通に楽しめる作品である。
全体的なゲーム難易度も高くない為、クリアするだけならシミュレーションが苦手な人でも十分可能で、気に入った女の子をメインに使えるのもキャラゲーとしては評価ポイントである。


移植版

「銀河お嬢様伝説ユナ FINAL EDITION」とタイトルを変えプレイステーションにも移植されている。
対戦やカード集め等の要素が追加されているほか、一部のキャラクターは技が変更されている。

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  • タグ:
  • 1997年
  • SS
  • SRPG
  • ハドソン
  • レッドカンパニー

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最終更新:2020年03月12日 23:31

*1 1作目最初の対戦相手。シリーズでは目立たない。

*2 脱衣といってもコスチュームが破れる程度

*3 PCE/SS「銀河お嬢様伝説ユナ」→PCE「ユナ2」→OVA/PCFX/小説「哀しみのセイレーン」→OVA「深闇のフェアリィ」→本作 という時系列

*4 2の移植は後年のPSP版まで行われておらず、FXはアニメと小説があるとはいえ移植は一切なし。OVA2作は発売当時のVHS、LDとは別にDVD化されているもののプレミア化してしまっている。