ドラえもん のび太と緑の巨人伝 DS

【どらえもん のびたとみどりのきょじんでん でぃーえす】

ジャンル ひみつ道具アクション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売元 セガ
開発元 インティ・クリエイツ
発売日 2008年3月6日
価格 5,040円(税込)
プレイ人数 1~4人
セーブデータ 4箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント DSドラえもんゲーム唯一の横スクロールアクション
ひみつ道具の多彩さが魅力
丁寧な作りながらも大味な面も…
ドラえもんシリーズ


概要

  • 説明不要の国民的アニメ『ドラえもん』のゲーム化の一角。
    "ニンテンドーDSでリリースされたドラえもんゲーム"としては通算3作目にあたる存在。
    同年上映されたアニメ映画『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』を題材にしており、概ね映画版と同じストーリー描写がゲーム内で再現されている。
    • 前作・前々作のDSドラえもんゲームのジャンルはカードバトルRPGだったが、本作は横スクロールアクションゲーム(+ ミニゲーム集)となっている。
    • 開発は近年の『ロックマンシリーズ』やキャラ ゲーのアクションゲームに関わる事が多いインティ・クリエイツが担当。
  • 任意セーブ方式。メイン操作は十字ボタンとボタンで行うが、ミニゲームなどではタッチ・マイク操作を要する。一部ボイスあり。

主なルール

主なモード

  • メインゲーム
    • 一人プレイ専用の本作のメインゲーム。モード決定後に以下の項目が選べる。
      • 「はじめから」「つづきから」:前者は新しくゲームを始める。後者は以前セーブした箇所からゲームを再開する。ゲーム内でセーブをしてしまうと、前者の選択はできなくなる。
      • 「だいずかん」:ゲーム中に登場した様々な"ひみつ道具"の情報を鑑賞できる。内容は原作における情報であり、ゲーム中の効果情報ではない。
      • 「パスワード」:パスワード入力に成功すると何かのアイテムが入手できる。パスワードは発売当時「コロコロコミック」の紹介コーナーなどで掲載され、その後は公式サイト(現在閉鎖)にて全てのパスワードが公開されていた。
      • 「チャレンジ」:ゲーム内でプレイした事のあるミニゲームを自由に選んでプレイできる。
      • 「クリアデータではじめる」:一度ゲームをオールクリアすると出現する項目。前周で入手した"ひみつ道具"などを引き継いだ状態で、ゲーム最初からのプレイができる。
  • 対戦プレイ
    • ミニゲームの1つ「けんじゅうおうコンテスト」が対戦形式でプレイできる。二~四人プレイ対応。
      • ダウンロードプレイ専用で、ソフトは1つのみでOK。なお、他のミニゲームの対戦プレイは行えない。

基本ルール

  • ゲームの流れ。
    • 本作のステージは、横スクロールの「アクションパート」とミニゲームの「ミニゲームパート」の2タイプがあり、どのステージも必ず通らなければならない道となる。
    • アクションパートでは「フィールドステージ」と「戦闘ステージ」を行き来する展開でゲームが進行する。
      • フィールドステージは、ゲーム前半は「のび太達の住む町」、後半は「緑の星」が舞台となる。ここでは敵があまり登場せず、自由に行動ができる。クリア条件が指定される場合もある。
      • 戦闘ステージは「特定地点まで進む」「ボスを倒す」などのクリア条件を達成すればステージクリアとなる。クリア後は必ず何かしらのイベントが挟まれる。
        一度クリアした戦闘ステージは、フィールドステージを通して何度でも再挑戦が可能(例外あり)。再挑戦中は、途中で抜けてフィールドステージへと戻る事もできる。
      • フィールド・戦闘ステージ共に、画面内で倒した(消えた)雑魚敵や仕掛けは、画面を移動させると何度でもリセット(復活)する。
    • 特定のアクションパートのステージをクリアするとミニゲームが始まる。
      • 該当ミニゲームをクリアすると、その周回のメインゲームにおいては二度と発生しない。一度プレイしたミニゲームは、チャレンジ内にて単体で自由にプレイできる(上記)。
  • 操作系統(アクションパート)。
    • 本作は"ドラえもん"と"のび太"を切り替えながら操作する方式を採用している(例外あり)。
      • 一度に操作できるのは"ドラえもん"・もしくは"のび太"のどちらに限られる。待機(非操作)状態のキャラは、原則として自動で操作キャラの後ろへと付いていく。
      • 後述「キャラクターチェンジ」で操作キャラ・待機キャラの切り替えが可能。各キャラには独自の性能差があり、お互いを使い分けていく事こそが攻略の鍵となる。
      • ゲームの関係上、待機キャラが落とし穴に転落するなどで画面内から消える事があるが、これにはミスなどのペナルティはない。消えた待機キャラは後述操作でいつでも呼び戻せる。
    • ドラえもんとのび太の操作は以下の通り(各キャラ共通)。
      • 十字ボタン左右で左右移動。キー下でしゃがみ動作。キー上下で"つた"のしがみつき・及び昇り降り動作。
      • Bボタンでジャンプ動作。ボタンの押す長さによってジャンプ力が変わり、ジャンプ中の移動制御が可能。
      • 特定地形にいる場合、十字ボタン下とBボタン同時押しで下位置へと落下できる。
      • Yボタンで装備系ひみつ道具(下記)を使用する。
      • Xボタンでキャラクターチェンジを行う。詳しくは前述を参照されたし。
      • LかRボタン押し・もしくは"ひみつきち"にいる待機キャラをタッチすると、待機キャラを呼び戻せる。
      • 付近に会話キャラがいる場合、近づいてAボタンで話しかける事ができる。
  • 操作系統(下画面)。
    • アクションパート中における下画面には「ひみつきち」という部屋があり、下画面のタッチ・もしくはSTARTボタン押しで以下の行動を起こせる。
      • 「ポケット」「どうぐ」:装備系・自動系・使用系の各種ひみつ道具の装備などが行える。<主なルール:ひみつ道具>
      • 「でる」:一度クリアした戦闘ステージ中限定で選択可能。戦闘ステージ途中からフィールドステージへと戻してくれる。
      • 「もくてき」:今いるステージのクリア条件や、簡易なヒント情報が聞ける。
      • 「どうぐレンジ」:素材やレシピを使い、ひみつ道具などの作成を行う。<主なルール:どうぐレンジ>
      • 「ひみつきち」:どうぐレンジで作成したドレスアップアイテムを、"ひみつきち"内に飾り付ける。
      • 「待機キャラ」:"ひみつきち"にいる待機キャラをタッチすると、ゲーム内に呼び戻せる(上記)。
      • 「心の友」:"ひみつきち"にいるジャイアン・スネ夫・しずかちゃんのいずれかをタッチすると、各キャラ専属のサポート技を発動できる。<主なルール:心の友>
    • なお、"ひみつきち"の行動中はポーズ機能も兼ねている。
  • アイテム・お助けキャラについて。
    • ステージ中における敵の撃破・及びどこかに放置された形で以下のアイテムが出現する。
      • 「ハート」:小と大の2種類があり、前者はライフ値1つの半分・後者はライフ値1つが回復する効果。
      • 「鈴」:コスト値のストックが1つ回復する効果。
      • 「ドラ焼き」:1UPの効果。最大で9までの残機ストックが可能。
      • 「素材アイテム」:何かしらの素材アイテムが1つストックされる。複数種類あり。
      • 「レシピアイテム」:何かしらのレシピアイテムがストックされる。複数種類あり。
    • ステージ中には以下の「お助けキャラ」が出現し、話しかける事で様々な恩恵を受けられる。
      • 「ミニドラ(赤)」:操作などのチュートリアル解説をしてくれる。ミニドラによっては、攻略に適切な装備系ひみつ道具を勧めてくる事もある。
      • 「ミニドラ(緑)」:一度クリアした戦闘ステージ限定で登場。戦闘ステージ途中からフィールドステージへと戻してくれる。
      • 「神様ロボット」:「最大ライフ値1増加」「最大コスト値1増加」「一定時間無敵」「心の友ゲージ全回復」の各効果。前2つに関しては、ロボット一体につき1回のみしか受けられない。
  • ミス条件について。
    • アクションパートにおいては、ライフ & 残機制を採用している。残機がすべて尽きるとゲームオーバー。
      • 初期ライフ値は4つで、神様ロボットの恩恵を受けると1つづ増していく。ダメージによるライフ値減少量は、敵の種類などによって変わる。
      • ダメージ条件は「操作キャラが大方の敵や敵攻撃に触れる」「トラップに触れる」のいずれとなる。
      • 「操作キャラが落とし穴に転落する」「壁同士に挟まれる」「自動系ひみつ道具のエラチュ-ブなしで水中へと潜る」と即ミス。
      • ミス後は該当ステージ内の戻り復活方式。ステージ途中に配置されている「中間ポイント」に操作キャラが触れると、ミス後の復活はそこからの再開となる。
      • ゲームオーバー後のコンティニューは無制限に可能。該当ステージの最初に戻される事を除けば、コンティニューによるペナルティはない。
    • ミニゲームパートにおいては、クリア条件を達成しなければ即ゲームオーバーとなる。
      • こちらもゲームオーバー後のコンティニューは無制限。ミニゲーム最初からのやり直しになる以外でのペナルティはない。
  • オールクリア後の特典について。
    • 一度メインゲームをオールクリアすると、ゲーム終盤・もしくはゲーム最初からの周回プレイが行える。
      • 項目の"つづきから"を選ぶとゲーム終盤から、"クリアデータではじめる"を選ぶとゲーム最初からのプレイとなる。双方共に、前に入手した"ひみつ道具"などの引継ぎがされた形となる。
    • オールクリア特典として「くろうみそ」という特殊な"ひみつ道具"が入手できる。
      • "クリアデータではじめる"時では「"くろうみそ"を使用するか否か」という選択があり、それを使用すると「ハードモード」としてゲームを始める事ができる。
      • ハードモードでは「操作キャラの最大ライフ値制限」「敵のスピード上昇」「自動系ひみつ道具の"ひい木"を装備しないと、敵がアイテムを落とさなくなる」などの過酷な条件が加わる。
      • 一度ハードモードにすると、プレイデータ内における"くろうみそ"使用の取り消しは行えない。プレイヤーの腕前によっては詰みに近い状況に追い込まれる可能性も考えられる。

ひみつ道具

  • ひみつ道具について。
    • 本作では多種多様な「ひみつ道具」が存在し、"ひみつきち"内からそれらを自由に装備・及び使用ができる。道具のタイプは下記の3つ。
      • ゲーム初期時では限られた道具しか持っていないが、「イベント入手」「どうぐレンジ作成」などの方法で道具の数が増えていく。
  • 装備系ひみつ道具(持つ)
    • ドラえもんとのび太に1つづつ装備させ、行動手段として使用できる道具。ドラえもんとのび太では装備できる道具が異なる。
      • 各キャラが装備できる道具は、そのキャラ専用の装備となる。すなわち、ドラえもん専用の道具をのび太が装備する事はできない(その逆もしかり)。
      • ドラえもんの道具は特殊移動性特化・のび太の道具は攻撃性特化に優れるものが多い。ほとんどの道具は先へ進む為に必要不可欠。道具の総数は12種類(ドラえもん6種類・のび太6種類)
+ 装備系ひみつ道具一覧

「水中」は水中時での使用が可能か否かを示す。

ひみつ道具 紹介 水中
装備系ひみつ道具(ドラえもん専用)
くうきブロックせいぞうき ドラえもん手前上に空気の足場を作れる。最大で同時5回の足場作成が可能。
足場を"のび太"の"くうきほう"で当てると前方に飛ばせる。
不可
SLえんとつ Yボタン連打でドラえもんを猛スピードで突進させ、その途中にいる敵を体当たりで倒せる。
移動中はブレーキとジャンプ以外の移動制御が効かず、状況によっては危険も伴ってしまう。
不可
タケコプター 使用中はドラえもんを八方向飛行させ、空中を自由に飛び回る事ができる。
しかし、飛行時間が10秒程度と極めて短く、使用中は完全無防備というリスクもある。
不可
バショーせん 近距離用の武器。大方の当てた敵を前方に吹き飛ばせる。
溜め攻撃が可能で、通常では効かない重い敵をも吹き飛ばす。
不可
ペンシルミサイル 単発の高威力ミサイルを上方向へと発射する。ミサイルは十字ボタンで操作できる。
発射中は身動きがとれず、敵が多くいる場所で使用するのは自殺行為以外の何者でもない。
ひらりマント ドラえもんが地上にいる場合、Yボタン押しっぱなしでマントをかざし、大方の敵攻撃を跳ね返せる。
空中でも使用可能。地上使用時はドラえもんが動けなくなる制限あり。
不可
装備系ひみつ道具(のび太専用)
ウマタケ Yボタンで"のび太"がウマタケに乗り、乗馬中に再度Yボタンで降りられる。
乗馬中は跳ね上がる感じで動き、敵を踏みつけて攻撃できる。
不可
くうきほう 連射が効きにくい上に射程制限があるものの、クセが少なく使いやすい飛び道具系武器。
ドラえもんの"くうきブロックせいぞうき"を前方に飛ばせる。
不可
アタールガン 威力は低いが、3連射可能で若干のホーミング機能を搭載した飛び道具系武器。
水中戦では使用できない"くうきほう"の代役として活躍する。
ドリームガン 一切の攻撃力は持たないが、当てた敵を眠らせる飛び道具系武器。
眠った敵は足場として利用できる。
デンデンハウス 使用中はのび太がデンデンハウス内に篭り、完全無敵状態となる。
しかし、使用中はジャンプ以外の行動ができない為、完璧なる無敵保持をできる訳ではない。
ショックガン 最強の攻撃力・連射可能で端まで届く射程・水中でも使用できる飛び道具系武器。
欠点らしい欠点がなく、入手すれば劇的に敵を倒しやすくなる。
  • 自動系ひみつ道具(付ける)
    • 装備させると自動的に効力が発揮される道具。ドラえもんとのび太による性能差はない。
      • ゲーム初期時では1つの道具しか装備できないが、ゲームを進めると最大で3つの道具が装備可能。一部道具は装備しないと先に進めない場面あり。道具の総数は16種類。
+ 自動系ひみつ道具一覧
ひみつ道具 解説
エラチューブ 水中時における必須道具。これを装備しないと、水中に入った途端3カウント後にダメージとなってしまう。
しあわせカイロ 最大ライフ値が1つ上乗せされる。
グレードアップえき 最大ライフ値が2つ上乗せされる。
じしんヘルメット 最大ライフ値が3つ上乗せされる。
ハッスルネジまき 地上時における移動スピードが速くなる。
かいそくシューズ 通常での水中時は移動速度が低下するが、これを装備すると地上時と同じスピードで移動できる。
トランポリンゲン ジャンプ力が少し高くなる。
スーパーシューズ 装備系道具のウマタケに関係なく、敵を踏みつけ攻撃ができる。
パワーてぶくろ 体当たり・踏みつけ系の攻撃力が上がる。
ほあんカンバッジ 飛び道具系の性能が上がる。
がんじょう ダメージによるライフ値消費が半減する。
みみバン 音波系の敵攻撃が効かなくなる。心の友"きょうおんぱはっしんき"のダメージも無効化できる。
いたみはねかえりミラー ダメージを受けると、相手の敵にも同時にダメージをあたえられる。
オーバーオーバー ライフアイテムなどのライフ値回復が倍になるが、ダメージも同様に倍となってしまう。
エスパーぼうし 通常では見えない通路を透視できる。
ひい木 倒した敵がアイテムを落としやすくなる。ハードモード時では"これ"を装備しないと、敵がアイテムを落としてくれない。


  • 補助系ひみつ道具(助ける)
    • 任意で使用でき、何かしらの効果が得られる道具。後述の理由により使用回数の制限が付く。
      • 道具を使用すると「コスト」というストックが特定数消費される。コスト値が足りないと該当道具の使用ができない場合がある。
        消費したコストは鈴アイテムを取得する事で回復する。また、神様ロボットに話しかけると最大コスト値が増やせる(初期コスト値は4つ)。
      • 一部の道具は「コスト値は減らないものの、使用してしまうと存在そのものが消滅する」ものもある。消滅した道具は、どうぐレンジで作成しなければならない。
      • 装備・自動系道具とは違い、使用しないと絶対に先に進めない場面はなく、使うも使わないもプレイヤーの自由である。道具の総数は10種類。
+ 補助系ひみつ道具一覧
ひみつ道具 紹介 コスト
コンクフード ライフ値を3つ回復する。 消滅
グルメテーブルかけ ライフ値を5つ回復する。 消滅
はたけのレストラン ライフ値を7つ回復する。 消滅
まんびょうやく ライフ値全回復に加え、敵攻撃の一種である痺れを直す。 消滅
ヘソリンスタンド 一定時間、ライフ値が徐々に回復され続ける 消滅
ミチビキエンゼル 一定時間、放置アイテムの場所を教えてくれる。指示を無視するとキレかかる(ペナルティなし)。 1
おもちゃのへいたい 一定時間、そばにいる敵を片っ端から射撃攻撃してくれる。 4
ムードもりあげがくだん 一定時間、ダメージによるライフ値消費が半減し、攻撃力全般が増す。 4
ころばしや 周囲にいる敵を3回気絶させる。 3
ミニドラえもん 攻撃援護やライフ値回復をしてくれるが、たまに失敗もする。 2

どうぐレンジ

  • どうぐレンジについて。
    • ステージ内などで入手した「レシピ」と「レシピに記載された素材」を持っていると、素材を合成して"ひみつ道具・及びドレスアップアイテム"を作成する事ができる。
      • 作成できる"ひみつ道具"などは必ず1回のみの作成となる。同じものを2回以上作成する事はできない。
      • レシピは全76種類あり、どのレシピも1つしか持てない。素材は全54種類あり、各素材は最大で9つのストックが可能。

心の友

  • 心の友について。
    • ゲームをある程度進めると、ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんによる「心の友」が使用可能となる。
      • 心の友とは「各キャラが専属のサポート技を行ってくれる」というもの。心の友抜きでは先に進めない(レアアイテムなどが取得できない)場面が多い。
      • 心の友を使用すると、各キャラに用意された「心の友ゲージ」が消費され、ゲージが足りないと該当キャラの心の友が使用できなくなる。消費したゲージは時間経過で回復する。
      • 心の友は「キャラ3人 × サポート技3種類」の全9種類。心の友ゲージはサポート技1種類毎に設定されており、ゲージが減るのは使用中のサポート技のみである*1
+ 心の友一覧
サポート技 紹介
心の友(ジャイアン専用)
エースキャップ 一定時間、自動でボール投げ攻撃で援護してくれる。
モグラてぶくろ 近くにある特定の壁を掘ってくれる。
きょうおんぱはっしんき 画面内にいる敵すべてに大ダメージをあたえるが、耳バンがないと操作キャラ自身にもダメージが及ぶ。
心の友(スネ夫専用)
なおしバンとこわしバン 一定時間、壊れた機械の修復・及び×印の機械の破壊を行ってくれる。
むてきほうだい 一定時間、自動射撃攻撃で援護してくれる。
ホームズセット 隠されたアイテムを発見してくれる。杖に近づいてAボタンでアイテム取得。画面が暗転するまで効果が続く。
心の友(しずかちゃん専用)
チアガールてぶくろ 一定時間、ライフ値が徐々に回復され続ける
タスケテぼう 一定時間、身近にいる敵を倒してアイテム化し、操作キャラが落とし穴に転落するとミスを無効にしてくれる。
おいしゃさんカバン ライフ値を完全回復してくれるが、画面内にいる敵全員も全回復してしまう(一部回復しない敵や、逆に倒せる敵もいる)。

ミニゲーム

  • ミニゲームについて。
    • メインゲームでは7種類のミニゲーム、対戦プレイではその内の「けんじゅうおうコンテスト」がプレイできる。
      • ミニゲームでの操作は「アクションパート同様、十字ボタンとボタン使用」「十字ボタンとマイク使用」「タッチのみ使用」といったものがある。
+ ミニゲーム一覧
  • けんじゅうおうコンテスト
  • ビッグライトでおいかけろ!
  • すごいぞ! キー坊
  • がんばれ! キー坊
  • ふくらみすぎごようじん
  • ユラユラおちばのヒットマン
  • とべ! スカイリーフ

評価点

  • 徹底的な原作再現。
    • アニメ映画版のダイジェストは大方踏襲されており、映画同様のストーリー展開が楽しめる。
      • ゲームの関係上、多少の尺が縮められている節があるものの、ゲームの邪魔にならない程度のイベントが定期的に導入される。
      • DSのゲームとしてはボイスの量は多めな部類。オープニングデモ・エンディングのイベントは完全フルボイスと大盤振る舞い。
      • 映画版自体にも当てはまる事だが、ドラミや出木杉などのキャラの出番がかなり少ない。原作再現といわれるとそれまでだが、少々残念なところではある。
    • 「のび太に惚れる」ゲーム。
      • 本作はアクションパートやそれ以外の場面でも"のび太"の使用率が高い。ドラえもんゲームとしては割と珍しいキャラ配置ではないだろうか。
      • 飛び道具の装備系ひみつ道具を駆使して敵をなぎ倒す様は、まるでロックマンみたいでかっこいい。ここまでイカした"のび太"を拝めるドラえもんゲームは貴重かもしれない。ただし、これが後述の問題点に繋がってしまうが…。
  • ひみつ道具の多彩さ。
    • おそらく、本作における"ひみつ道具"の収録網は、アクションゲームとしてのドラえもんゲームの中でも頂点クラスだと思われる。特に「アタールガン」のようにてんとう虫コミックス未収録作品の道具*2をメインに起用した例もある。
      • 上記ルールで述べた"ひみつ道具"(心の友も含む)はすべてゲーム中に使用できるものばかり。「この道具はどういう効果なのか?」と使いこなす楽しみが多く詰まっている。
      • 一時的な演出専用ではあるが「どこでもドア」や「ビッグライト」などの定番道具も収録。ストーリーの関係上、「タイムマシン」が収録されていないのはちょっと残念だが…。
    • "ひみつきち"におけるドレスアップアイテムにも様々なものが用意されている。
      • 「ちきゅうはかいばくだん」「にんげんせいぞうき」といったトラウマ道具から、「キレイなジャイアン」「ロボ子」といった人型の道具(?)まで、多種多様なものが存在する。
  • キャラの動きが細かい。
    • アクションパートのグラフィックはすべてドット描きで表現されているが、これが非常に美麗で一見の価値あり。
      • 「まるでアニメキャラをそのままゲームとして操作している」といっても過言ではない程で、ドラえもんやのび太を筆頭とした主要キャラのアニメーションパターンも非常に豊富。
      • インティ・クリエイツ開発のアクションゲームは全般的に上質グラフィックだが、その中でも本作のグラフィックの美麗さは上位に位置するだろう。
  • 丁寧に作られたアクションゲーム。
    • ひみつ道具が多くて美麗なだけでなく、アクションゲームとしての出来も侮れない
      • キャラを動かす操作性は超軽快であり、アクション慣れしているプレイヤーならば即効で入り込める。この辺もインティクオリティというべきだろうか。
  • やり込み要素の多さ。
    • ただ単にゲームを進めるだけでなく、「レシピや素材を集め、ひみつ道具やドレスアップアイテムをすべて集める」というやり込み要素も用意されている。
      • 通常では1周プレイだけですべてのレシピを集めるのは不可能(説明書にも書かれている)。その為、やり込み目的でいうならば、本作は周回プレイ前提のゲームという事になる。
      • もちろん、レシピ・素材集めは直接クリアに影響しないので、「単にオールクリアしてエンディングを見たい」プレイヤーに対する配慮もなされている。

問題点

  • 画面切り替えの煩わしさ。
    • 確かにキャラを動かす操作性は超軽快だが、それ以外の操作に手間がかかりやすいという問題も抱えている。
      • 本作は「状況に応じて様々な"ひみつ道具"を使い分けていく」方式を採用している。すなわち、事ある毎に"ひみつきち"画面へと切り替えなければならない
      • 道具切り替えまでの手順としては「下画面の"ポケット(どうぐ)"をタッチ ⇒ 使いたい道具を選択 ⇒ アクションパートに戻る」となる。
        ここで問題なのは「ドラえもんとのび太の装備系道具(2種類)・自動系道具・補助系道具・心の友」を頻繁に選び直さなければならない点にある
        ゲームを進める上で補助系道具以外は必ず切り替える必要があり、それが進行テンポの阻害に結びついてしまっている感は否めない。
  • ゲームバランスは正直よくない。
    • 子供向けを対象にしている関係上、全体的に難易度が抑えられている本作だが、それにしても易しすぎる節が強い。
      • 特に指摘されすいのが心の友の1種である"チアガールてぶくろ"の性能が過度に強いという点。これを多用するだけで、強行突破が可能な程。
        チアガールてぶくろ使用中は、簡単にライフ値を全快できてしまう。しかも、心の友ゲージは全キャラ共に非常に早い為、少し間を置いただけで無限に使用できる。
      • 他にも"のび太"の装備系ひみつ道具であるショックガンの性能も過度に高い。とあるボス敵は3発位で倒せる程の性能*3
  • もっとも、チアガールてぶくろ・ショックガン共に嫌なら使わなければいい話ではある。使わないとクリアできない難易度にはなっておらず、ショックガンに至っては"そもそも"どうぐレンジで作成しないと入手できない。
    • 体感的な難易度はむしろ高い部類。
      • 一度倒した雑魚敵が画面外が消えると何度でも復活する為、「前の画面に戻ると、さっき倒した敵に触れてダメージ」という環境に追い込まれやすい。
      • しかも、本作は操作キャラが大きめに描かれている上に、一画面に登場する敵の割合も多めなので、異様にダメージを食らいやすい傾向にある。
      • 実際、大方単発のボス戦よりも、多勢に無勢な道中戦の方が過酷な場面に遭遇しやすく、この辺もゲームバランス的に首を傾げたくなる。
      • "これでもか"という位に"ひみつ道具"やアイテムが大量入手できる故に、ゴリ押しによるクリアは容易いが、縛り(もしくはハードモード)のプレイは確実に鬼畜難易度となるだろう。
  • ドラえもんの扱いがやや悪い。
    • 原作者が明言している通り『ドラえもん』の主人公はドラえもんである*4が、ゲーム全体ではのび太を操作することが多い為、どうしてもドラえもんの出番が少なめに…。
    • のび太とドラえもんの違いは装備できるひみつ道具と「ネズミ系の敵に対する反応」しかない上、ひみつ道具もドラえもんは移動系に優れている代わりに攻撃に乏しいものとなっていて、ドラえもんを中心に操作して進めようとすると難易度が途端に上昇する。
      • ネズミ系の敵のいる場所では逃げ出してしまい(ドラえもん操作時は強制的に走り出す上にボタン操作が左右逆になる、のび太操作時は勝手に"ひみつきち"に戻ってしまう)、実質のび太しか動かせないステージもある。
    • しかも初回プレイではドラえもんに装備できる道具は水中では使用できない。
    • 「SLえんとつ」は「星のカービィシリーズ」のホイールなどと同じく「高速走行で前にある敵を蹴散らす」のだが、ボタンを連打しないと走り続ける事ができない。指とゲーム機の負担が無駄に大きく、停止は壁にぶつかるかしばらく放置するか装備している道具を切り替えるしかないし止まらないと向きを変えられない。
      • 「ボタン一つで走行と停止を切り替える」でも事足りるはずだが。
    • 映画での使用率が高い「ひらりマント」も終盤まで登場しない。
    • ドラえもんで敵を倒したりストーリーを進めたいと思う人も当然存在するが、ゲームの仕様上ドラえもんの主人公らしい勇姿を拝める機会が少ないのが残念な所。
    • もちろん、「ドラえもんの方が進めやすい」「のび太はそもそも操作すらできない」ステージもある。ドラえもんだけを操作してボスと戦うステージも存在するが、それでも全体的にのび太を操作することが多いため、人によっては寂しさや物足りなさを感じてしまう。
  • 全体的に見るとステージは多くない。
    • やり込み要素は多いものの、総合ステージ数は控えめである。
      • 1周あたりのステージ数は30。一見では多そうに思えるかもしれないが、これは「ミニゲームパート」「数分で終わるお使い」「ボス戦だけ」のステージも含めた総数である。
      • ステージ自体のバリエーションは多彩ではあるものの、敵の種類が少なめで、各ステージの構造も長くない。この辺もインティ開発のアクションゲームにありがちな問題である。
  • ミニゲームが単調気味である。
    • 7種類あるミニゲームはそのどれもが軽いものばかりで、続けてプレイすると確実に飽きてくる
      • 難易度選択などのバリエーションがない為、ある程度プレイすれば「もういいや…」という気分になる。周回プレイ時におけるミニゲームパートのスキップもできない。
      • 時間無制限タイプのものはスコアが伸びるほど難しくなるが、それでも慣れてくればゲームオーバーになるタイミングを委ねられているようなものである。メインモードと同じく「特定の点を取るとクリア」にして、クリアまでにかかる時間を記録するシステムにするだけで十分な改善になっていたであろう。
      • 対戦プレイが"けんじゅうおうコンテスト"にしか対応していないのも謎。*5これを入れる位なら、メインモードをより作り込むべきだと思うのだが…。
  • 一部イベントが飛ばせない。
    • 周回プレイ時はイベントスキップが一部可能となるが、何故か飛ばせないイベントがある。
      • 特にエンディング全般は一切スキップ不可能。フルボイスな上にイベント自体も長い為、終わらせるには結構な時間を消費してしまう。
      • しかも「見たい時に見る」モードもない。去年と一昨年のソフトの問題点を見事に受け継いでいる。

総評

ドラえもんゲームとしての愛情と、アクションとして作り込まれたゲームシステムの評価は非常に高い作品。
その反面、初心者向けを意識しすぎた故につまらなくなってしまう面も目立ち、何とも勿体無い感がある。


余談

  • 3作続いてきたドラ映画ゲーはここで一旦途切れ、『新宇宙開拓史』『人魚大海戦』『新鉄人兵団』を挟んで3DSでの展開に移行することとなった。
+ タグ編集
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  • ドラえもん
  • ACT

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最終更新:2023年01月01日 10:43

*1 例えば、ジャイアンの"モグラてぶくろ"を使用しても、消費する心の友ゲージは"モグラてぶくろ"の分だけ。他のジャイアンのひみつ道具・及びスネ夫と"しずかちゃん"のゲージは一切消費しない。

*2 アタールガンについては、厳密にはてんコミ11巻「ドラえもん大事典」に多少紹介されており、本作発売後に「藤子・F・不二雄大全集ドラえもん」2巻に出典の漫画が収録された。

*3 一応、一部のボスは攻撃が当たったしばらく攻撃が効かなくなるが、その間はボスも何もできなくなる。

*4 もっとも、主人公は2人とみなせる原作ではある。ウィキペディアの「小学館の漫画雑誌の作品の主人公」のカテゴリーには「ドラえもん」「のび太」の両方がある。

*5 ストーリーモードと同じ1人プレイは収録されていない。