甲虫王者ムシキング ~グレイテストチャンピオンへの道2~

【こうちゅうおうじゃむしきんぐ ぐれいてすとちゃんぴおんへのみち2】

ジャンル 甲虫バトルRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 セガ
開発元 インテンス
酒田エス・エー・エス
発売日 2006年7月27日
価格 5,040円
レーティング CERO:全年齢対象
判定 なし
ポイント 前作から正当進化
前作の短所はほぼそのまま受け継いでしまっている
甲虫王者ムシキングシリーズ


概要

GBA版『GCへの道』の発売からほぼ1年後に発売された続編。DS移植版と異なり、完全な新規作となっている。
(以下、前作GBA版・前作DS版を総じて『前作』と称する)

本作はアーケード(AC)版の『2005セカンドプラス』のシステムを受け継いでおり、前作のムシに加え、新たに13種のムシが追加された。

  • AC版のバージョン更新に伴い、「アクティオンゾウカブト」「ギラファノコギリクワガタ」は超必殺わざ*1が、「パラワンオオヒラタクワガタ」は性格*2が変更されている。
    • なお、AC版ではこれらの虫はカードのバージョンによって超必殺わざ・性格が異なっていたが、本作では『2005セカンドプラス』時点の最新版の仕様に統一されている。前作からカードを引き継いだ場合も同様にステータスが変更される。

主なルール

  • 簡単に言えば、お互いのムシを戦わせ、じゃんけんの勝ち負けで技を繰り出して先に相手のHPを0にした方が勝ちとなる、カードゲーム。やることはじゃんけん。
  • ムシを戦わせるには、「ムシカード」と「わざカード」を組み合わせる。
  • 先に相手を2体倒した方が勝ちとなる、勝ち抜き式のルールが採用されている。
    • ムシカード: ムシを戦わせるためのカード。(「ムシキング」とパスワードを入力して入手するカードを除いて)実在するカブトムシ・クワガタムシのデータが入っている。
      • ただし、実在しないと言っても「ムシキング」を除いて通常版とステータスは同じ*3
      • 各ムシ100~200の範囲で強さが区分されている。強さの高いムシは体力と攻撃力が高い代わりに、テクニックが低く、強さの低いムシは体力と攻撃力は低い代わりに、テクニックが高い。
    • わざカード: ムシをパワーアップさせるためのカード。単純に能力を上げるものから、特別な条件下のみでプレイヤーを補助する「とくしゅわざ」がある。

特徴

  • 基本的なシステムは前作を継承しているため、前作の項目を参照。以下新システム。
  • 主人公は「ハネダシティ」に在住する一人の小学生。
    今作では、ムシキングで世界征服を企む「ワルキング団」と、レアカード大好きな暗黒の博士「ブラック博士」が手を組み、ムシキング研究所の所長である「ネブ博士」を誘拐してしまう。
    • ネブ博士の親友であるさすらいのムシマスター「ジョニー」に弟子として(唐突に)認められた主人公が、彼と共にネブ博士を救出することが今作最大の目的である。
    • 始めはムシキングに興味すらなかった主人公だが、ジョニーや他のムシバトラーとの接触により、彼(彼女)自身大きく成長していく。
    • もちろん、他のムシバトラーもネブ博士の救出に協力してくれる。
    • しかし時にはワルキング団に「センノー」(いわゆる洗脳、以下『洗脳』と記す)されてしまい、完全に敵対することも…。
  • タイトルに「グレイテストチャンピオンへの道」とあるが、シナリオがシナリオなだけに、今作ではグレイテストチャンピオンになることが目的ではない。

改善点

  • ハネダシティの他にも、4つの町外にあるエリアに行けるようになった。前作のハネダシティ東部西部にあったバトル施設は、1エリアに凝縮されている。
  • 日数制限システムが撤回されており、じっくりとプレイすることが可能になっている。
    • ただし夜には自宅にしか行けないのも同様。
      とはいってもイベント進行以外で時間が進むことはない為、プレイヤーに対する強い束縛にはならない。
    • ムシキングバトルをするために1枚必要となるバトルコインは、『じぶんの家』に帰れば10枚入手でき、30枚までストック可能。
      上記の通り、自宅に帰っても時間経過しないため、3回帰ればすぐに30枚貯まる。勿論30枚を超えない範囲なら無限に回収可能。
  • 細かいUIの改善
    • DSの2画面を活かし、(対戦時以外なら)いつでも下画面からタッチ1つでバトル用のデッキ編成や、入手済みのカード確認などができるようになった。
    • ムシキングカードは従来通り、ゲームコーナーでのムシキングバトルの他、イベント戦でもバトルコインを消費する代わりに1枚入手できる。
    • 余ったカードは自宅にて研究所に送ると、今作に登場するムシのフィギュアがもらえる。非常にリアルだが、フィギュアが常に回転しておりじっくりと見辛いのが残念。
    • セーブデータは3つまで保存できる。
    • 設定でテキストを漢字か平仮名表記を選択できるようになり、音声読み上げ機能も追加された。
    • 前作で集めていたムシキングカードを、各カードにつき1枚だけ引き継ぐことが可能。この時、前作限定の「Dr.NEBU(ドクターネブ)マスターズカード」も引き継がれる。

評価点

  • 前作からグラフィックが大幅向上。GBA版はおろか、DS移植版よりもリアルになっている。
    • 流石に『スーパーコレクション』には及ばないが、あちらとは違い処理落ちは一切しない。
    • AC版の『2005ファースト』から導入された、わざカードによる攻撃強化値がHPにも加算されるシステムが本作にも採用されており、
      小型甲虫*4であってもカスタマイズ次第では、大型甲虫*5ともある程度は互角に戦えるようになった。
      • そのためストーリー中盤以降も小型甲虫を愛用するキャラクターはそれなりに登場する他、前作のマサヨシのような「強さでは引けを取る小型甲虫を扱うことを強調したキャラクター」は登場しなくなった。
  • パスワードでムシキングジョニースペシャルの「ネプチューンオオカブト」とムシキング研究所スペシャルの「カブトムシ」、劇場版で登場した「ダークサイドネプチューンオオカブト」を入手できる。これらはアーケード版には登場しない。
  • シナリオは悪役に立ち向かうという王道なものにはなったものの、主人公が成長する様子が強く描写されたものとなり、主人公に感情移入しやすくなった。
    • 前作主人公と比べると自分の都合や手柄しか考えないライバルに説教をして怯ませたり、ワルキング団に対して怒りを露わにしたりと気が強く、そのおかげもあって(?)一方的に振り回されたりぞんざいに扱われる場面は少ない。*6
    • 目的の関係上、他のバトラーと共闘する機会が多くなったため、スポットの当たるキャラクターが増えた。シナリオ物のゲームでこれは嬉しい。
    • 特にアキラは「前作と同一人物か?」と思えるほど良識のある人間へと成長している。彼を見直したプレイヤーも多いだろう。
    • 逆に、前作では主人公の兄貴分だったタクマは…
+ ...
  • タクマの出番は最終盤、ワルキング団が主催する「優勝者の欲望をなんでも叶える」という大会の対戦相手として、洗脳された状態で敵対する。
    • その際に、本作が CEROZ指定 になりかねないような、とんでもない欲望を吐き出そうとする。もっとも、ネブ博士に遮られてしまうのだが。(添付画像を参照)
    • 裏シナリオのイベントにも登場するのだが、プレイヤーの反感さえ買いかねない茶番イベントとなっており、とことん扱いが悪い。
  • 日数制限が無くなり、バトルコインが簡単に入手できるようになったおかげで自由度が大幅に増した。
  • この手の悪役が関わるシナリオ物のゲームにありがちな、「悪役に負けたらバッドエンド」というような鬱エンドは無く、誰にでも安心して遊べる。
    AC版、アニメ版のムシキングは鬱要素の塊なのに。
    • 一応、ラスボス戦で負けた後の演出は(問題無く再挑戦できるとはいえ)やや後味が悪く不気味なものとなっているが。

問題点

  • やはりテキストが長い。ムシキングバトルをしたくて購入した人にはマイナス。
  • 前述したマサヨシを始め、前作に登場した人物のうち一部が削除されている。
  • ゲーム開始時のチュートリアルに時間がかかるのも前作と同様。
    • チュートリアルを断る選択肢があるのだが、断った場合話が進まなくなるためさほど意味がない。
  • カードはランダムに一枚ずつしか手に入らず、既に入手したカードも普通に出る。全カードをコンプリートしようとすると前作以上に時間がかかる。
    • 一応今作には救済策が2つある。1つはイベント戦でもカード入手ができるようになった点、もう1つはゲームコーナーでの「ノゾキングラス」の存在である。
      • また、前作で入手していればそちらからコピーする事は出来る。
    • 今作のゲームコーナーは、NPCの後ろに並んで順番待ちした後に、自分がプレイする番が周ってくるというもの。
      一見すればテンポが悪くなっただけの改悪にみえるが、ノゾキングラスを利用することによって前に並んでいたNPCの引いたカードが分かるようになる。
    • ゲームコーナーで入手できるカードの並びは固定されているため、カードの配列を見破ってしまえば簡単に金レアをも入手できる。*7見破られれば、の話だが。
    • なお一部のカードは最高レアの金レアに限らず、ノゾキングラスをもってしても入手が難しい。
      • 銀レアの「サタンオオカブト」は原則ムシカード→わざカード→ムシカード…と交互に排出される本作の仕様を嘲笑うかの如く、ムシカードの次に排出される配置パターンしか存在しないためわざカードの後を追うようにして狙ってしまうと入手不可能であり、他の5種以上に配置パターンの網羅が重要となってしまう。
      • 小型甲虫の要となる究極必殺わざは原則2枚、少ないものでは1枚しか配置パターンが無いため銀レアよりも入手が難しい。
      • また、金レアの中でも「ギラファノコギリクワガタ」だけは直前に排出される金レア「ヘルクレスオオカブト」との間隔が極端に短く、金レアを出されてしまったからと避けてしまうと入手は困難を極める。
      • そもそも排出の法則が有無すらゲーム内で一切説明されず、改善になっているかどうか微妙である。その上2023年現在、排出の法則を全て明記した攻略サイトなどは存在していない。後述のアーケード版の張り紙により「排出の法則はない」と勘違いした事も多かろう。
  • カード引継ぎ機能に関しては、GBA版からの引継ぎであれば一括ですぐに引継ぎが終わるため問題は無いものの、DS版から引継ぐ場合は何故か1枚ずつ選んで引継ぎする必要があり、無駄に時間が掛かってしまう。
  • 「キング」「カブト丸」がパスワードで入手できなくなった。入手には前作からの引継ぎが必要である。「ダークサイドネプチューンオオカブト」は前述の通り入手できるのだが。
    • 一応、「カブトムシと全く同じステータスのムシカードを併用したい」のであれば、ムシキング研究所スペシャルの「カブトムシ」での代用ができる。
      • 強さ、性格が同じで登場した「ヒシガタタテヅノガフト」「クロゴホンヅノカブト」は本作発売時にはアーケード版にも登場していない。
    • 「ジョー」「ヤイバ」も相変わらず登場しない。ネブ博士スペシャルの「グラントシロカブト」やスーパーアタックタイプ版の「ヒメカブト」「ヒラタクワガタ」や「ジャンボ」「チャン・G」の新規追加もない*8
    • この結果、「ノコギリタテヅノカブト」「ムナコブクワガタ」はタッグ相性が◎になる相手がおらず、それぞれ「ケブカヒメカブト」「コクワガタ」の完全下位互換となってしまっている。
      • もっとも、「ノコギリタテヅノカブト」はいまいち差別化されておらず、「ムナコブクワガタ」はアーケード版でも劣化版のままであるが*9
  • 日数制限が廃止されたとはいえシナリオの合間合間に家に帰らされるのでテンポの悪さは改善されていない。
    • 特にふもと村のイベントは1回イベントを起こしただけで帰らされることが多い。
  • 前作にあった「対戦相手の分析」が廃止された。
  • 敵組織のワルキング団が弱い。
+ ...
  • 通常戦闘員のデッキは、例外なくわざカードが一切セットされていない、小型甲虫の「カブトムシ」と「メンガタカブト」で統一されている。言うまでもないが、尋常ではないくらい弱い。しかも何度も何度も戦うことになるので無駄に鬱陶しい。
  • トップ3の3幹部も、例によってわざカードが一切セットされていない大型甲虫のデッキとなっている。
    ムシ自体の強さはともかく、戦略が甘いため悲しいほどに弱く、公式攻略本にさえ 「見かけ倒し」 「負けはしないだろう」 といったことが書かれている始末。
  • 洗脳されたムシバトラーは、洗脳前と洗脳後でのデッキも戦略もほとんど変わらない。
    おまけに洗脳前に1度戦う→洗脳されて再戦というパターンが多いため、短期間に2度も同じ相手と戦うことになる。
    • 特にモモタは弱い上に3回も洗脳されるため、「またお前か」となること請け合い。
  • 一応ワルキング団の名誉(?)のためにフォローすると、ブラックマスク(各エリアのリーダー)は、初見での対決になる上に手強い。
    • やはりというか、1人を除いて結局 2回戦うことになる のだが。
  • 実際のAC版にはアダーの使う赤目甲虫のカード「アダーコレクション」が存在するのだが、フレーバーに合うのにもかかわらず誰も使ってこない。ダークサイドネプチューンオオカブトも同様。
    • そもそも今作でもアダーコレクションがなく、データベースでも見られない。
  • 序盤の難易度が高い
    • シナリオ初のイベントバトルが前作ラスボスのアキラ。使うムシこそ中型甲虫と手加減はしてくれているものの思考については一切の変更が無く、負けてもシナリオが進行する事実上の負けイベントをこなすことになる。
      • 一応、ムシカードに関係なくわざカードは前作と本作での強さ200のデッキと同じく「必殺ふうじ・あいこやぶり・かいふく」で固定されている。このデッキの場合、強さが140から180*10の虫を使うメリットがあるのはタッグマッチに限られる。
    • その後行くこととなるシーサイドパークにおいても、わざカードの不足気味なジョー、出す手が非常に分かりやすいクリスティは序盤相応に弱いのに対して、ヒデヒコとシンは早々に究極必殺わざを組み込んだ容赦無い構成となっており、対戦相手の強弱の差が激しい。
      • その上、ノゾキングラスはシーサイドパークの後に行くダイバシティで手に入る。
    • 前作でのシナリオ序盤はわざカードがほとんど組まれていない小型甲虫相手との戦いが中心で、大型甲虫を使うブラック博士に関しても出す手が分かりやすい(必殺わざしか出さない)よう調整されており、カードがあまり集まっていないユーザーへ配慮が見られたのだが…。
      • 一応、上記のムシキングジョニ―スペシャルの「ネプチューンオオカブト」や「ダークサイドネプチューンオオカブト」といった中型甲虫が序盤から確実に使えるようになってはいる。
    • 反面次の町であるダイバシティには究極必殺わざの使い手がおらず*11、その次の町であるふもとむらではここに来て究極必殺わざを使わない小型甲虫使いが登場したりと、この2つのエリアに関しては(ムシ自体の強さはともかく)シーサイドパークよりもデッキバランスが弱体化した印象を受けるプレイヤーもいるだろう。
  • CPUの使用するムシがやや偏り気味。特に「ヒルスシロカブト」はクリスティ、モモタ、オグリ、ヒデヒコと1番手として必ず用いる使い手が多く、かなりの頻度で戦うことになる。
    • また、「セアカフタマタクワガタ」「グランディスオオクワガタ」についても使用者が多く見られる反面、同じつよさ・属性の「ディディエールシカクワガタ」「オウゴンオニクワガタ」は使用者が1人しかいない。
      • 特に「オウゴンオニクワガタ」はシナリオ中に戦うCPUの中には使い手が一切存在しておらず、前作にも登場していたノボルとタケルが使用することも無くなった。
  • 過激すぎるブラック博士の悪事
    • AC版や前作においては「ムシバトルとレアカードが大好きなちょっと困ったおじさん」程度で根っからの悪人では無い人物でありながら、ネブ博士の拉致監禁に始まり、人々の洗脳によるレアカードの強奪に留まらず サチという少女を洗脳マシンへと改造した挙句、彼女に予期せぬバグが発生してしまい制御できないと分かると見捨てて逃げ出してしまう という暴挙に出ている。
      • 一応、本作発売前に公開された劇場版でもこの程度の事はやっていたが…
    • これらの悪事に対して罪悪感こそ抱いているものの、ワルキング団の元に残っている盗んだカードを私欲のために取り戻そうとするなど、反省や謝罪する描写は無く、罪悪感を表に出す様子はない。
      • せめて盗んだカードを返却していれば十分に改善していたと思われるのだが…盗んだカードの行方は不明のまま終わる。
    • ネブ博士からも(ワルキング団に対して) 純粋な心を汚すあなたたちを許さない と露骨に擁護される描写が挿入されており、悪いのは全てブラック博士を利用したワルキング団というなんとも腑に落ちない展開となってしまっている。
      • 一応サチを改造した1件以降はある程度良心を取り戻すものの、 それまではワルキング団にまんまと唆され、ワルキング団のことを手下と称しノリノリで悪事を働いている のもあって、お世辞にも同情の余地があるとは言い難い。
    • しかもワルキング団は更生や反省や後悔をする様子もない上、逮捕はおろか職務質問すらされる様子もなく最後には行方不明になってしまう。
      • それゆえエンディング後の再戦は出来ない。もっとも、再戦できたとしても前述の理由から面白みはないだろうが…
      • そもそもの問題点として、希少価値が高いとはいえあちこちから転売屋ですら顔負けするほど大量に奪ってどうする気だったのか説明もされない。実際にジョニーにも「そこまでしてあんなに大量に集めたいかなぁ?」と疑問を抱かれる。
    • 今作のブラック博士同様、洗脳などの悪事を働いていながらも謝罪することなく主人公側に寝返ったキャラクターとしては『新甲虫王者ムシキング』に登場した「イスルギ」がいるものの、あちらは強大な「ブラック甲虫のボス」と渡り合える強いムシバトラーを探し出し、主人公の腕を磨かせるための善意による行いであり、手段に問題はあれど相応の理由付けがされている。
  • 前作に引き続きタッグマッチが通信対戦限定。
    • 発売当時にはAC版のストーリーモードでも導入されていた事を考えると、本作では導入した方が良かったのではないか。
      • なお、当時はAC版では公式大会限定ではあるものの(アーケード版では2006セカンドから通常プレイでも可能)、1対1はある。もっとも、本作でも特定の大会限定ではあるのだが…
  • 前作登場人物のデッキは大半が前作と同様のもので、戦略も同じ。シナリオ最後の大会ネブカップは対戦相手が4人とも前作に登場したキャラクターとなっており、前作をプレイした経験があれば使用カード制限なしの大会という点もあって簡単に攻略できてしまう。
  • デッキ流用により大きな弊害を受けたのはブラック博士とアオイ。この2人は「アクティオンゾウカブト」や「ギラファノコギリクワガタ」に超必殺わざをセットしたデッキを使用していたのだが、この2匹は前作から超必殺わざが変更されているにもかかわらず わざカードがそれぞれガンガンスマッシュとブルロックのままという 残念なデッキとなってしまっている。一応前作の超必殺わざの仕様上、デッキの強さ自体は前作と同様ではあるが…超必殺わざを使用していたプレイヤーの内でこの2人だけ強化されていないという事になっている。
    • 一方で同じく「ギラファノコギリクワガタ」にブルロックを組み込んでいたタクマのデッキは超必殺わざが「G・ネックブリーカー」に差し替えられている。
      • 流石に後のAC版と「スーパーコレクション」の「ブラック博士と戦う」ではアクティオンゾウカブトはサマーソルトプレス、ギラファノコギリクワガタはG・ネックブリーカーに差し替えられた*12
  • シナリオクリア後の後日談として、前作にも登場した少女アオイとブラック博士のエピソードが展開される。
    • 2人のやり取り自体は微笑ましいものなのだが、今作においては2人が仲良くしている理由やきっかけが一切描写されておらず、主人公が蚊帳の外な扱いを受けてしまっているのもあり前作未経験者には置いてけぼりにされがち。
      • なお内容に関しては、 『アオイと談笑する主人公に対して不審感を抱いたブラック博士がムシバトルを仕掛けてくる』 というものであり、本編中の悪行を見たプレイヤーからすれば納得のいくものとは言い難い。前述の「カードを返却する」という描写があれば十分に納得できたと思われるのだが…
    • 一応、アオイがワルキング団に加担したブラック博士の身を案じる場面はあるもののシナリオには一切関わらないため、見逃してしまうプレイヤーもいる。
  • 前作に引き続き「ネブ博士」「ムシキングジョニー」「ムシキングテリー」との対戦ができない。
  • 「アルキデスオオヒラタクワガタ」や「キプルツヤクワガタ」など、一部のムシフィギュアは背中がエグられたようにも見える不自然な痕跡があり非常に気味が悪い。
  • 新たに追加された特殊技「すてみのいちげき」が過剰に強力。
    • 効果は自分のHPが5%減る代わりに相手のHP15%分ダメージを付け加えるというもので、発動条件も「カウント10のタイミングで出す手を決める」と簡単な部類であることも強力さに拍車をかけている。
    • 名前の響きに反してこちらへのダメージが発生するのはじゃんけんに勝って「すてみのいちげき」を発動させた場合のみ。「必殺よこく」のようにじゃんけんに負けた際のリスクが生じない点も優秀である。
    • 原作であるAC版の「2005セカンドプラスまで」においても同様で、この時期の公式大会は「すてみのいちげき」が大流行し、カウント10でボタン即押し&高い攻撃力での強行突破による、スピーディで緊張感のないバトルが多発していたほど。
      • 開発側もこれを重く見ており、「2006ファースト」からはHP減少が7.5%、付加ダメージが10%と大幅に弱体化された。現状弱体化前の「すてみのいちげき」を扱える唯一の作品であり、そういった意味ではある意味希少と言えるのかもしれない。

総評

前作よりも自由度が上がって遊びやすくなり、バトルの迫力も増している。
同じ相手と何度も戦うことになるため、バトルに飽きが来かねない点はマイナスだろう。
シナリオの出来は良い。「グレイテストチャンピオン」の世界観が好きな方は、買って損はない一作。


余談

  • このシリーズの売り上げは、GBA版は約62万本、DS移植版は約19万本、そして今作は約13万本となっている。
    • 前作までと比較すると決して売り上げが高いとは言えないが、GBA版発売から半年後にDS移植版が、そのまた半年後に今作が発売と、短期間で本シリーズが乱立していたことを考えればむしろ大成功だったといえる。
  • 本作のムシカードのデザインはAC版の「2006DS(ダイナミックスタンド)」でも使われた。コーカサスオオカブト*13、ヘルクレスオオカブト*14がごくわずかに異なるが。
    • なお、本作のわざカードのデザインは「2005セカンドプラス」のもの。ただし収録されていないカード*15は除く。
  • 上記の「排出カードの法則」だが、AC版でも本作同様排出の法則があると思っていた人がいた。
    • これを真に受けた人が「ネットの書き込み」を根拠に持ち出して「このサイトの法則通りにカードが排出されない!横領しているだろ!」と、店にいちゃもんをつけるケースもあった。
      • その為、店側が「カードはランダムに出てきます。法則はありません」という張り紙を強いられたケースもある。
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最終更新:2024年01月05日 22:41

*1 それぞれ「サマーソルトプレス」と「G・ネックブリーカー」に変更された。

*2 「アタックタイプ」から「スーパーアタックタイプ」に変更された。

*3 スーパーアタックタイプ版「キング」「カブト丸」は本作発売時には登場していない。

*4 強さ100、120の基礎能力値が低いムシ。

*5 強さ180、200の基礎能力値が高いムシ。

*6 貧乏くじを引く場面もあるにはあるが、「ちょーキモい思いをした」など、毒のきいた発言をしたりと反撃に出るため、見ていて胸の痛んだりモヤモヤの残る場面はほとんど無い。

*7 例えば金レアカードの一つ『タランドゥスツヤクワガタ』の場合、キングトルネードスロー→『パラワンオオヒラタクワガタ(銀レア)』→メンガタカブトの並びでパラワンが出た後の14枚後にタランドゥスが排出されるようになっている。

*8 「ジャンボ」「チャン・G」は発売日にはまだ登場していないが、雑誌の次巻予告でカード化の告知が行われていた。もっとも、AC版でも2006ファーストからの追加であるが。

*9 「ジャンボ」は登場させずに「チャン・G」を登場させれば差別化は無理矢理ではあるものの出来ていた。

*10 小型甲虫の場合、「あいこやぶり」の相性が◎になる。

*11 一応1人だけ登場するが、シーサイドパークでも戦ったムシバトラーでデッキも全く同じものを使ってくる。

*12 この時は超必殺わざが変わっていなかったヘルクレスオオカブトとタランドゥスツヤクワガタも同様。

*13 本作では性格がアタックタイプのまま。

*14 本作では超必殺わざがローリングドライバーのまま。

*15 ローリングドライバー、ローリングクラッチホールド、ヒャクレツケンの3種。