俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル

【おれのいもうとがこんなにかわいいわけがない ぽーたぶる】

ジャンル 相談奮闘Liveアドベンチャー
対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ガイズウェア
発売日 2011年1月27日
レーティング CERO:B(12才以上対象)
定価 通常版:6,804円
限定版:11,004円
判定 良作
ポイント ファン満足の高品質キャラゲー
あやせ優遇
電撃文庫シリーズリンク

概要

  • 伏見つかさ箸のライトノベル『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を原作としたアドベンチャーゲーム。
  • なお本作の設定は原作小説の設定とTVアニメの設定をそれぞれ継承しているため、原作ともアニメとも違うパラレルな世界観となっている。
  • 本作の特徴として、株式会社サイバーノイズが開発したLive2Dという画像技術を採用することで、2Dのイラストの特徴を損ねず「ぬるぬる動く」立体表現に成功していることが挙げられる。
    ただしLive2Dが使用されるのは2SHOT会話シーンのみで、通常の会話パートでは2Dのイラストが使用されている。

ストーリー

原作6~7巻の時間軸でのオリジナルストーリー。
原作同様、京介(主人公)視点でストーリーが展開する。
桐乃、黒猫、沙織とシスカリの大会に参加する共通パート1、麻奈実・赤城ら同級生と京都に修学旅行に行く共通パート2、
修学旅行帰還後、各ヒロインから人生相談を受ける個別パートから構成される。


システム

  • ゲームの基本的な流れとしては、キャラの顔見せ的な位置づけの共通パートと各キャラごとの個別パートに分かれており、共通パートの進め方によって個別パートに進めるキャラが決定する。
  • 本作の特徴的なシステムとして、O.R.Eと2SHOT会話が挙げられる。
    • O.R.Eは「Order Record Effect」システムの略称で、通常の会話シーンで手に入るレコードを特定のシーンで使用することで物語が分岐するシステムのこと。
      レコードは後述の2SHOT会話を成功させていないと入手できないものもあり、特定のレコードがないとベストエンディングを迎えられないキャラもいる。
    • 2SHOT会話はLive2Dで描かれたぬるぬる動くキャラと一対一で(例外もあり)会話するモード。
      会話はオートで進行し、要所でツッコミを入れるかどうか選択することができる。
      会話の流れに沿って正しくツッコミを入れる(または入れない)とルートが分岐してレコードやCGが入手できたり、エンディングに影響したりする。

評価点

  • 原作者である伏見つかさ氏が全面監修を行なっているため、原作読者がプレイしても全く違和感を感じないシナリオとなっている。
    • あやせ編、加奈子編、共通パート・黒猫編の一部にいたっては伏見つかさ氏の完全書き下ろしシナリオである。
      • そのため上記シナリオ内では原作(当時7巻まで刊行)に先駆けて一部設定や展開が披露された。
        また、黒猫の妹である日向・珠希に明確なキャラ付けがされたのは本作が初(ただしまだ名前はついていなかった)。
    • 上記以外のシナリオでも、桐乃のセリフを全て直す等、伏見つかさ氏が細かなチェックを入れている。
  • Live2Dの採用により、原作のイメージを損なわず、ぬるぬる動く立体表現を実現している。
    • ゲームへの採用は本作が初となる。
  • 全編フルボイス仕様で、主要キャラはもちろん、ほとんど出番のないブリジット・ロック等も新規ボイスを収録している。ただし地の文である京介の心の声にはボイスがついていない。
  • イベントCGの総数は差分なしで90枚近くあり、アルバムモードで鑑賞できる。さらにその全てのCGに対して、キャラの掛け合いコメントがついている。もちろんフルボイス。
  • フローチャート、バックログ、スキップ、CG鑑賞モード、クイックセーブ、オートセーブとおよそアドベンチャーゲームに必要な機能は全て揃っている。
    • メディアインストールを行えばロード時間もほぼ皆無。ノーストレスでプレイできる。周回プレイ前提のゲームなのでこのストレスの無さは嬉しい。
  • エンディングテーマソングは、アニメのエンディング曲同様ニコニコ動画での一般応募曲から選ばれたものが採用されている。アニメファンには嬉しい配慮。
    • エンディング曲は桐乃役の声優竹達彩奈氏が歌っているが、氏のゲフンゲフンな歌唱力もあって中毒性の高い曲となっている(作中でも電波ソング扱いされている)。
    • オープニング曲もアニメ同様、ClariSが歌う「irony」が採用されている。また、オープニングアニメはゲーム仕様の特別版となっている。
  • ミニゲームとして、脱衣ブロック崩しが収録されている。本編とは全く関連がないため、息抜きや気分転換に最適。
    • 同じ電撃文庫のライトノベル『とある魔術の禁書目録』とのコラボ企画となっており、本作のヒロイン達が『とある魔術の禁書目録』のキャラのコスプレをしたCGがブロック崩しの背景となっている。

賛否両論点

+ (ネタバレあり)
  • あやせシナリオの優遇。
    • 原作者が書き下ろしているあやせシナリオが他のキャラのシナリオと比べて非常に密度の濃い内容となっている。
      • 原作では京介視点で物語が進むため、ヒロインたち、特に桐乃の内面描写が京介の主観でしか語られておらず原作者以外がキャラ同士の絡みを描くのが難しかったようで、
        あやせシナリオ以外では他のキャラがあまり絡んでこないシナリオがほとんどとなっている。
      • これに対してあやせシナリオではほぼ全てのキャラがシナリオに絡んでくる。加奈子にいたっては登場するのはあやせシナリオとあやせシナリオから派生する加奈子シナリオのみ。
      • また、基本的に他のキャラのシナリオでは京介とヒロインが恋人同士となり終了なのだが、あやせだけは恋人となったあと桐乃と対決するシーンが描かれている。また、EDも他のキャラと一線を画している。
      • このように本来正ヒロインであるはずの桐乃や黒猫を食ってしまっており、本作の実質的なヒロインとでも言うべき扱いとなっている。
    • フォローしておくと他のシナリオも原作者の監修がなされているため原作との違和感もなく水準以上の出来である。

問題点

  • 2SHOT会話のツッコミの成否がわかりづらい。
    • 成功・失敗の判定がプレイヤーには明確に示されないため、表情や仕草からしか成否を判定する術がない。
      表情や仕草の変化は非常に微妙なので判断が難しい。
    • 1度EDを迎えれば、オプションから2SHOT弾幕という機能が選べるようになる。これをONにするとツッコミを行った後にニコニコ動画のコメントのように画面上を文章が流れる。
      これが成功時と失敗時とで別の文章になるため、成功か失敗かが明確にわかるようになる。ただどっちが成功のコメントなのか微妙にわかりづらい。
  • 一部EDの難易度が高い。
    • 特に某キャラのルートは複数回見ないとEDに辿りつけず、コンプリートの大敵となっている。
    • とはいえやり直しも容易なシステムだし、基本的には虱潰しにルートを埋めていけばコンプリートはそれほど難しくはない。

総評

キャラゲーに強いガイズウェアの面目躍如と言える、質の高いキャラゲー。
また、原作者による全面監修、シナリオの書き下ろしにより、キャラの行動や言動・地の文までも違和感を全く感じない原作ファンも満足の出来となっている。
原作8巻、10巻のプロトタイプとも言える展開や、まだ原作で発生していないイベントを見ることができるので、原作ファンには是非プレイして欲しい。


余談

  • 2012年5月17日に、本作の続編とリファイン版がセットになった『俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない』が発売されている。
    一部CGの書き直しや2SHOT会話の成否判定がひと目で分かるようになっている等の改善が行われているため、今プレイするならこちらの方がお勧め。
  • 作中で桐乃、黒猫、沙織、京介が『GOD EATER BURST』をプレイするムービーが流れる。同メーカー、同ハードで発売日も近いため宣伝も兼ねていると思われるが、各キャラの特徴を活かした楽しいムービーとなっている。
    • なお開発スタッフはこのムービー撮影のために10時間近くプレイするなどかなり苦労したようだ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない

【おれのいもうとがこんなにかわいいわけがないぽーたぶるがつづくわけがない】

ジャンル 恋愛奮闘Liveアドベンチャー
対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 2枚組
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 ガイズウェア
発売日 2012年5月17日
レーティング CERO:C(15才以上対象)
定価 通常版:6,280円
限定版:7,330円
判定 良作

概要(続)

  • 2011年1月27日にPSPで発売された『俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブル』の続編。
  • UMD2枚組構成となっており、前作のリファイン版と続編の2つのソフトが収録されている。
  • 俺妹P続のテーマはイチャラブで、基本的に前作のエンディングで京介とヒロインが恋人同士となった後の話となっている。また、前作同様隠しシナリオも存在する。
  • 前作のヒロイン5人(桐乃、黒猫、沙織、あやせ、麻奈実)に加えて、前作では隠しシナリオ扱いだった加奈子と、瀬菜のシナリオが追加されている。
  • システムやグラフィックは基本的に前作とほぼ変りない。
  • OPテーマは前作・アニメと同様「irony」が、EDテーマには「nexus」が採用されている。どちらも歌うのはClariS。ちなみに「nexus」は原作小説のテーマソングでもある。
  • 先述したように前作が丸々一本付属されている。しかも一部CGが書き直し&追加、わかりづらかった2SHOT会話の成否判定の改善、前作ではボイスがついていなかった京介の心の声(地の文)にもボイス追加、瀬奈が登場するシーンやEDの追加、といった改善が行われたリファイン版となっている。

評価点(続)

  • 前作同様原作者である伏見つかさ氏が全面監修を行なっているため、相変わらずシナリオの出来が良い。
    • 伏見つかさ氏の書き下ろしシナリオは桐乃編、加奈子編、沙織編、闇猫編、共通パート、隠しシナリオ。なんと前作の2倍以上の量を書き下ろしているとのこと。
      • これまた前作同様、上記シナリオ内では原作(当時10巻まで刊行)に先駆けて一部設定や展開が披露されている。
  • 新規キャラの追加
    • メインキャラとして加奈子と瀬奈が追加され、Live2D用のグラフィックも用意されている。また、麻奈実と沙織のLive2D用グラフィックも描き直されている。
    • 来栖彼方、槇島香織がアニメに先駆けてボイス付きで登場。立ち絵も用意されている。
      この2人は原作ではほとんど登場していないため、原作よりも掘り下げられた描写がなされている。
    • 日向、珠希に立ち絵が追加されている。また立ち絵こそ無いが、三浦、真壁、フェイト、麻奈実の祖父母が新たにボイス付きで登場。
  • イベントCGの総数は差分なしで70枚近く。今作でもアルバムモードでの鑑賞時全てのCGにキャラの掛け合いコメントがついている。さらに今作では1枚のCGに対して2種類のコメントが収録されている。これに合わせてリファイン版も全てのCGに新規コメントが追加され、従来のものと合わせて2種類のコメントが楽しめるようになっている。
  • 今作でもミニゲームとして脱衣ブロック崩しが収録されている。やはり本編とは全く関連がないので、息抜きや気分転換にどうぞ。
    • 今作は『魔法少女まどか☆マギカ』とのコラボ企画となっている。
  • 2SHOT会話の成否判定の改善
    • 前作では2SHOT会話でのツッコミの成否が表情や仕草からか、2周目以降の2SHOT弾幕で判定するしか術がなかったため判断が難しいという問題があったが、今作ではツッコミ選択時に「Good」か「Bad」が表示されるため、成否判定が明確になった。この仕様はリファイン版にも適用されている。
  • 前作のリファイン版が付属
    • 地の文である京介の心の声にもボイスがついたため、完全なフルボイス仕様となった。
    • 一部CGが描き直され、あやせのハイキックCGが追加されている。
    • 瀬奈が登場するシーンや、新規ED等オリジナル版からの追加シーンがある。

賛否両論点(続)

+ (ネタバレあり)
  • 前作同様キャラごとのシナリオ密度に差がある。
    • 原作者書き下ろしの桐乃編と加奈子編はほぼ全てのキャラが絡んでくる密度の濃い話になっている。これに対して麻奈実編、黒猫編は登場キャラも少なく若干寂しい。
      • 加奈子編は特に力が入っており、EDの演出も他のキャラとは違う凝りよう。
    • とはいえ全てのシナリオが高水準なのは前作通りなので、気にならない人は気にならない点ではある。

問題点(続)

  • 続編のボリュームが前作と比べて少ない。
    • ボリュームは前作の1.8倍と公称されているので、続編が前作の0.8倍のボリュームであるということは事前に公表されてはいた。
    • 前作のリファイン版を付けることでボリュームを補っているが、前作をプレイ済みの人にとっては若干お得感が下がって感じる。
  • 続編には京介の心の声にボイスがついていない。
    • 前作リファイン版にはついているのでこちらにもつけて欲しかったという声も。京介役の中村悠一氏の仕事量が大変なことになりそうだが。
  • なんと2枚組のUMDのディスク番号を間違えて発売してしまうという冗談のようなミスを犯している。
    • 本来はDisc1が前作リファイン版で、Disc2が続編のはずが、中身が逆の状態で発売されてしまった。
    • 説明書の記載と食い違っているだけで、ゲームの進行に全く影響は無い。

総評(続)

好評だった前作の素材をそのままにシナリオを引き継いで作成された正当な続編といえる作品。
シナリオの書き下ろし量が増えているなど前作よりさらに原作者の介入度合いが増しており、もはや原作者自身による番外編として楽しめる。


余談(続)

  • この世界観での続編はないと公式で明言されている。