スプリガン・パワード

【すぷりがんぱわーど】

ジャンル シューティング
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 ナグザット
開発元 カオス
発売日 1996年7月26日
定価 9,800円
判定 なし
ポイント スプリガンシリーズの三番手
いまいち微妙なガッカリゲー
時代を先取りしたリスキーテク
プレミア高騰作品
スプリガンシリーズ
精霊戦士スプリガン/スプリガン mark2/ スプリガン・パワード
ナグザットSTGシリーズ


概要

  • PCエンジンにて発売された『精霊戦士スプリガン』『スプリガンMk-2』に次ぎ、プラットフォームをスーパーファミコンに変えてリリースされたシリーズ三作目。舞台の時系列としては精霊戦士スプリガンの後日談にあたる。
  • 前ニ作は今は亡きコンパイルが製作していたが、本作はナグザット(現:加賀テック。権利は関連会社の加賀クリエイトにある)製作・カオス(旧:マイクロニクス)開発となり、シリーズの中で唯一コンパイルが関わっていないスプリガンである。
    • また、こちらの発売前に『超獣機スプリガンパワード』というアーケードゲームが作られていたが、開発中止となり世に出ることはなかった。
  • 一人プレイ専用、全6ステージ構成、難易度はオプションにて4段階(うち裏技での隠し一つ)の調整が可能。

主なルール

基本仕様

  • 使うボタンはショットとシールドの二つ。ショットはボタン押しっぱなしで溜め攻撃が可能となっている。
    • シールドボタンは押している間にシールドを張り、敵の攻撃に対して無敵になれる効果がある。
    • 溜め撃ちかシールドを使用する度に、画面右上に表示されている「精霊力ゲージ」を、溜め撃ちはゲージ1本分、シールドは押している最中徐々に消費してしまい、それがなくなった状態だと双方とも使用できなくなる。精霊力ゲージは最大で3本分があり、消費したゲージは以下の方法で回復できる。
      • 敵を破壊する度に少しずつゲージが回復。
      • アイテムの「白精霊球」、もしくはパワーアップ最大時に現在装備している「四色の精霊球」と同色の精霊石を取るとゲージが一定量回復(詳しくは下記にて)。
      • 自機がミスすると復活時にゲージ全回復。
  • 途中復活の残機制ですべてミスするとゲームオーバーとなる。

精霊球

  • 特定の敵が落とすアイテムは「四色の精霊球」と「白精霊球」の二種類がある。
    • 四色精霊球は時間経過で緑、オレンジ、青、赤~の順に変化し、取得すると各色に対応したサブショットを撃てるようになる他、溜め撃ちの性能も変化する。取得した精霊球と同じ色のものを連続で取ると、最大二段階までパワーアップする。また、上記の通りパワー最大状態で同じ色を取ると、精霊力ゲージの一定量回復に加え、スコアボーナスがもらえる。
    • 白精霊球を取得すると、精霊力ゲージ一定量回復とスコアボーナスがもらえる。

リスキーテク

  • 敵弾をぎりぎりでかわすと「リスキーテク」というボーナスが発生。これを発生させる度にスコアボーナスが貰え、しかもステージクリア後にも回数分のボーナスも加算される。

評価点

グラフィック

  • スーファミ後期のゲームだけあって、グラフィックは格別美麗とまではいかなくとも描き込みはしっかりしている。特にオープニングに登場する3Dレンダリングで描かれたロボット絵や、一部ステージの背景はなかなか頑張っている。
    • 更に雲や多重スクロールなど、SFCの機能を活かした演出も併用されている。
  • ボスの体力
    • ボス戦ではHPゲージは表示されないが、ダメージを与えた際の色が残りHPに応じて変化するのが細かい。例えば『アレサ ARETHA the SUPER FAMICOM』が分かり易い。

ゲーム性

  • シールドにおけるゲームの戦略
    • シールドの存在により、避けられない弾に遭遇してもボタン一つで回避でき、理不尽な死亡状況に陥る機会を緩和している。特に後半ステージは敵弾の数が結構凄いので、これを効率よく利用させる戦略性を持っている。
  • 復活しやすい
    • ミスしても精霊力ゲージが全回復し、四色精霊球を落としてくれるので、復活はかなり楽な方。
  • 時代を先取りしていたリスキーテクの存在。
    • 弾をかすってボーナスというシューティングは『サイヴァリアシリーズ』のBUZZシステムが有名だが、すでにそれに近いシステムは90年代半ばにて本作が生み出していたのである。

賛否両論点

  • 本作の構成について
    • 世界観は精霊戦士、外観としてはMk-2と類似している本作ではあるが、ゲームシステムがどっちつかずになっており、果たしてスプリガンシリーズとして製作した意味があるのかというところ。
  • 難易度は高い
    • 全体的に難易度が高くコンティニューも有限なので完璧に立ち回りが要求される。尚、敵の激しい猛攻の前に残機が溶けていくのは論外。
      • これにより常人ではEASYクリアすらも難しいと言えるだろう。勿論、リスキーテクなんて狙っているどころではない。

問題点

ゲーム性

  • 自機のショットの性能がどれも攻撃範囲が狭いせいで、敵の猛攻に押されやすい。それ故にズガズガと破壊する爽快感がかなり抑えられている。
    • また、精霊力ゲージを消費する割には溜め撃ちの性能も微妙であまり使えない。しかも、溜め撃ちの弊害として、通常ショットはオート連射できない(手動で連打しなければならない)のも難である。
    • 自機スピードが遅めで、スピードアップ系のアイテムなども存在しないゲームなので、その辺がさらに爽快感を削っている。
  • 全体的にゲームバランスが微妙。特に酷いというものでもないが、コンパイル製の過去ニ作と比べると、いまいちパッとしない仕上がりとなっている。
    • 敵配置がやや単調であり、通常ショットの使いにくさも相まって、終始ちまちまと撃ち合う攻防になりがちである。
  • 一部ステージの背景が敵弾などと同化して、状況を把握し辛い場合がある。よーく凝視しないと弾なのか何なのか確認できない程に。
  • コンティニューが有限
    • コンティニューは有限でそのステージの最初からやり直しになる。しかも、ほとんどのシューティングに存在するはずのエクステンド(1UP)が全くないため、許容ミス回数がかなり厳しい事に。但し、コンティニュー数や残機数は増幅が可能(後者は裏技扱い)。

その他

  • 一部BGMがいまいち場の雰囲気に乗り切れていない(曲そのものは決して悪くはない)。ちなみに、オプション項目にてサウンドテストが可能。
  • 誤字脱字がある。
    • 同じ目に会わせとあるが「遭わせ」とすべきである。

総評

決してゲーム自体の出来が壊滅的な訳ではなく、シューティングとしてはそれなりに遊べる出来ではあるが、あらゆる方向にて微妙な作りとなり、過去ニ作のファンからは存在しないものとして見られている一作。
1996年のシューティングとしてはあまり褒められたものではないが、シールドによる防御のやり取りや、リスキーテクの時代先取りシステムなど、光る部分もちらほらとあり、ただのガッカリゲーでは済まされない部分もある。
SFC後期のマイナーシューティングで出荷数が少なく、プレミア化しているのも影を潜める原因となっている。


余談

  • プラットフォームの移行の話
    • 本作はPCEからSFCにプラットフォームを変えたが、見た目もゲーム性も豹変してしまった。そういう傾向はスプリガンシリーズ以外では『改造町人シュビビンマンシリーズ』があった(1、2、3(PCE)⇒零(SFCのサテラビュー))。
  • プレミア高騰
    • ちなみに同日に『レナスII 封印の使徒』が発売されているのだが、こちらもプレミア高騰ソフトとして知られている。同日に発売された作品がどちらもプレミア高騰というのは非常に珍しい事と言える。
    • それゆえに、ゲーム市場では偽物に汚染されているわけであるが、くれぐれも掴まされないように注意しよう。

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最終更新:2024年03月09日 21:46