メタルマックス3

【めたるまっくすすりー】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売元 角川ゲームス
開発元 キャトルコール
エンターブレイン
クレアテック
発売日 2010年7月29日
定価 6,090円(税抜)
判定 良作
メタルマックスシリーズ


概要

荒廃した世界と独特のノリが特徴の“戦車と人間のRPG”『メタルマックス』。
続編やリメイクも発売されたが、その後は新作の開発中止、携帯機移植の失敗、発売元の倒産と版権の流出、更には流れを汲む新作として登場した『メタルサーガ』二作も微妙な出来となってしまい、ファンはシリーズの存続を絶望視していた。

しかし、その後の金融危機による混乱などもあり版権をエンターブレインが取得。
そして『メタルマックス2』の発売より17年、メタルマックスのスタッフが再集結しシリーズ完全新作が作られた。

それが本作、“戦車と犬と人間のRPG”『メタルマックス3』である。


特徴

戦車(クルマ)

  • 本シリーズを語る上で外せない要素、それが戦車である。
    戦車はエンジンの出力で賄いきれる積載量の分だけ戦車装備やSP(装甲タイル。要は戦車のHP)を装備したり、戦車用の道具を搭載したりできる。
    戦車装備には戦車本体でもあるシャシー、エンジン、Cユニット、武装の4種類がある。エンジンとCユニットは必須装備で、武装は大砲・機銃・S-Eの三種類がありシャシーごとに取り付けられる枠が異なる。
    • 戦車や装備は改造で性能を変化させられる。しかし性能を上げればそのぶん重量が増えて、SPに余裕がなくなってしまう。
    • シャシーの「穴」を改造すると装備できる武装が変化し、戦車に積める道具の最大数が増加する。本作ではシャシー自体が独自の派生に沿って変化するというもの。
      • 改造段階によっては、特定の装備枠が取り外し不能の固定装備で埋まる事もある。シャシー改造を進める毎に固定装備もグレードアップしていく。
+ 「穴」について少し具体的に例を挙げると…
  • 初期状態の「Rウルフ」には大砲×1、機銃×1、S-E×1と3種類の穴が開いている。
  • 一段階目の改造では、機銃穴が増えた「RウルフIIV」かS-E穴が増えた「RウルフIIS」のどちらかに派生する。
  • さらに改造すると、大砲×1、機銃×2、S-E×2という穴構成の「RウルフIII」に収束する。この段階までならシンプルだが…。
  • ここから先の派生では機銃用の穴が無くなって固定武装が付いたり、S-Eの穴が大砲の穴に変化したりと大きく変化を見せる。
  • 最後まで改造すると、固定S-Eの種類が違う二種類のシャシーのどちらかに辿り着く。
    • ちなみに、最終的な固定S-Eの種類は改造4段階目のパターンによって決定される。4段階目で付く固定装備の強化版となる事が多い為、戦闘時にどんな役割を持たせるか、誰を乗せるのかをよく考えて選びたい。
  • シャシーによっては「5門全て大砲」「5門全て機銃」「5門全てS-E」といった改造パターンも可能。パターンを理解さえしてしまえば、改造の自由度はかなり高い。
    • 但し「5門全て大砲」の組み合わせは車重が重すぎて守備面に不安があり、「5門全て機銃」可能なシャシーはダブルエンジン不可、「5門全てS-E」は性能が微妙な固定S-Eがあって取り外し不可能、と決して長所ばかりではないというのがポイント。ある程度穴の種類がばらけた戦車の方が扱いやすくて強いというケースもある。
  • 単純に改造すればするほど強くなるというものではなく、「確かに強くはなるが、完璧には微妙に足りない」というプレイヤーを大いに悩ませる塩梅となっており、非常に奥が深い。

ゲーム史上最強のレベル1

  • Dr.ミンチ*1によって蘇生させられた記憶喪失の主人公。通称ドラムカン
    • 主人公が自分の名前すら分からない状況で名乗りを迫られた際、とっさにドラム缶を見て一時的にこう名乗る事になる。物語を進めるとゲーム開始時に入力した主人公名を名乗れるようになるが、妙な愛着が沸いてしまいそのままドラムカンと名乗り続ける選択肢を選んでしまうプレイヤーも多い。
    • 基本的な能力は「ハンター」に準ずるが初期ステータスが非常に高く、レベル1にして他の仲間の5倍程のパラメータを持ち、序盤のモンスターの群れならば一人で一掃できる。
      • 但し戦車が必要なモンスターに対しては流石に生身では厳しいし、最終的にHPだけはソルジャー等の戦闘職と同等以上に高くなるものの、他の能力値はレベルアップでのステータス上昇補正により仲間との差が次第に小さくなる。プレイヤーにゲームに慣れてもらうまでのチュートリアル期間のような措置とでも考えておけばいいだろう。
    • 彼の正体の一端は、物語を進めていくと徐々に明らかになる。ネタバレになるので詳細は伏せるが、その素性は間違いなくこれまでの主人公とは一線を画している。

ヌッカの酒場によるパーティメイキング

  • 本作ではヌッカの酒場という施設で仲間を自由に作成・編成できる。
    職業はシリーズお馴染みの「ハンター」「メカニック」「ソルジャー」に加えて「ナース」「レスラー」「アーチスト」が新登場。
    • いつも通りハンターは戦車戦、メカニックは修理、ソルジャーは白兵戦のスペシャリスト。
    • ナースは回復アイテムの効果倍増・アイテム無しでの治療など、ソルジャーとは違うベクトルで白兵戦を得意とする。
      • 貴重な消費アイテムを使わずに、戦闘中に倒れた味方を蘇生できる唯一の職業でもある。
    • レスラーも白兵戦のスペシャリスト。ソルジャーと比べると対ボス・賞金首に特化した性能となっている。
      • 装備品に強烈な制限があるものの、その代わり降車時に使用できる特技が非常に強力。単体への瞬間火力は下手な戦車砲を凌ぐケースもある。
    • アーチストは戦車戦・白兵戦・修理と、多様な役割を平均程度の水準でこなせる器用貧b…もとい万能型キャラ。
      • 最大の特徴は特殊砲弾の作成と、後述する超改造を行える事。やりこみを考えるのであれば1人以上は育てておきたい。
    • 作成できるキャラクターは性別を男、女、オカマのいずれかに設定可能。
      • オカマは見た目と覚えられる特技*2は女性だが、女性専用の装備を装備できない。お遊び要素、一発ネタと見做してしまっても問題無いだろう。
  • パーティは主人公を含め最大4キャラまで編成可能だが、人間は3人までしか編成できない。最後の枠には「犬」を加える事になる。
    • 犬は初期段階ではヌッカの酒場ではなく、特定の箇所でイベントを発生させて仲間にする必要がある。条件を満たせば酒場でも作成可能。
  • キャラクターデザインは『悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印』などの廣岡政樹が担当している。
    • シリーズおなじみの山本貴嗣は、本作では主に賞金首などのモンスターをデザインしている。

戦闘関連

  • キャラクターの特殊能力として回数制(一部は使用無制限)の特技が採用されている。
    • 戦車の武装を連続で発射するハンターの「電光石火」や、敵の攻撃を自分に集中させるソルジャーの「ハデなカカシ」など。
      • ちなみに旧作の修理レベルは本作では撤廃されており、修理用の特技と修理キットさえ揃っていれば戦車装備の破損、大破を修復できる。
  • 装備にも過去作からいくつか変化がある。
    • 人間武器は一度に3種類装備でき、エンカウントしたモンスターに応じて武器を使い分ける事が可能になった。
    • プロテクタが無くなり、代わりに装備部位としてアクセサリが追加された。
    • 犬専用アクセサリとしてポチタンク系が登場。通常攻撃を含むあらゆる属性攻撃に対して耐性を得られる。この防具のおかげで、従来作品と比べると格段に犬が死ににくくなった。
  • 敵も味方もアニメーションがグリグリと非常によく動く。またアクション毎に全て固有のパターンが用意されている。

その他、特徴・変更点

  • 全滅時には主人公がDr.ミンチの研究所で復活し、連れていた仲間は死体の状態で同行する。
    • 置き去りにした戦車は町の修理屋がパーツの修理込みで安価で回収してくれるようになった。
  • ハンターオフィスで賞金首に関する情報だけでなく「特別な依頼」という形でクエストを受けられるようになった。所謂サブイベントであり、達成すればアイテムやお金、そして経験値が得られる。
    • ハンターオフィスを介さずに依頼を受けるケースも少なからず存在しているが、一方でオフィスを介さなければ受けられないクエストも複数ある。初回プレイではこまめに確認しておくといいかもしれない。
    • メニューの「ガイド」から「冒険ガイド」を選択する事で、引き受けたクエストの進捗状況を確認可能。久々のプレイでも迷わず攻略を進められる。
  • カスタマイズする事で様々な効果を発揮できるアイテム「量子ドール」。
    • 10種類のチューブの中から2種類と、任意で専用のアクセサリを組み合わせて完成させる。使用したチューブとアクセサリ使用の有無に応じて、多種多様な効果を齎してくれる。
    • シリーズ過去作品の経験者ならば、『2』の「LOVEマシーン」が形を変えたものと考えればシステムを理解しやすいだろう。
  • 結婚以外の正規エンディングを1回見た後は、レベルやアイテムなどの様々な要素を引き継いで二周目をプレイできる。
    • 一部の店の品揃えには3通りのパターンが存在する。一周目はどのパターンになるかランダムで決定されるが、周回する度にローテーションで変化する。
  • 新たな試みとして、ワイヤレス通信を使って他のプレイヤーとの対人戦やアイテムの売買が可能となった。
  • ロスト・パスワードという、ゲーム中に一切情報がないパスワード付宝箱が配置されている。
    • これらは雑誌などとのタイアップ企画で、例えば『ファミ通』の記事や『アマガミ』の公式サイトなど、ゲーム外でパスワードが公開されている。
    • 設定的には「開封に必要なパスワードが大破壊で失われてしまった」というもの。つまり大破壊以前の時代を生きているプレイヤーならパスワードを探し出せる、というメタ要素が含まれたネタ。

評価点

バリエーションが増えた戦車と改造

  • シリーズお馴染みの真っ赤な戦車「Rウルフ」をはじめ、個性的な戦車が勢揃いしている。
    • 新たにバイクタイプのクルマが3種類登場した。
      • 乗った状態でも人間武器や道具が使用できるメリットと、戦車に乗った状態でも搭乗者本人がダメージ・状態異常を受けてしまうというデメリットがある。
    • 自分で設計、製作し、しかも成長する戦車「バイオタンク」。
      • 4種類の形状にそれぞれ4種類の性格、全16通りのバリエーションがあり、人間同様にレベルアップでシャシーや固定装備の性能が上昇するという特徴がある。
    • そしてシリーズ史上最大のキワモノ戦車「ソイヤウォーカー」。訓練されたメタルマックスファンもコレには度肝を抜かれたという。
      • その外見はずばり足の生えた神輿。しかもこれを鉢巻にはっぴ姿の男衆型ロボットが担いでいる。実はこの戦車のみ山本氏によるデザインなのだが「今後これ以上のネタ戦車が現れるのか」と氏自身思っているようである。
      • メタルマックスシリーズにおける戦車(クルマ)の定義は「地上を走れて武装を積めて乗れる」事。救急車だろうがバスだろうが戦闘機だろうが「戦車(クルマ)」なので、自走式神輿も武器を搭載して操縦できるのであれば立派な戦車(クルマ)という事なのだろう。多分。
      • ネタ全開な外見からは想像し難いが、改造次第では最強クラスの戦車になったりするというのだから侮れない。
  • 新たな改造として「ダブルエンジン」が可能となった。この改造を施した戦車はエンジンを2個装備できるようになる。
    • エンジンによる積載量上限はそのまま戦車の戦力に直結すると言っても過言ではない為、エンジン2個分の積載量を確保できるメリットは極めて大きい。
  • シャシーとCユニットには特殊な能力として「特性」を持つものが存在する。
    • 特定の武装を一斉発射する「~ラッシュ」や、敵の攻撃を装備した機銃などで撃ち落とす「迎撃能力」など。
      • ラッシュは同じ種類の武装を多く装備できるほど強力な攻撃となる為、上述の全砲門同一武装という改造を施せば超火力を叩き出す事も可能。
      • ダブルエンジンと「~ラッシュ」によって、Rを含めてシリーズの常識となっていた「重戦車=シャシーが重すぎて使い難い」という概念は完全に過去の物となった。
  • アーチストの特技「改造ゲージツ」によって、改造しきった戦車パーツに更なる改造(超改造)が施せるようになった。
    • 具体的には武器系の場合攻撃力が、エンジンやCユニットの場合守備力がそれぞれ5増加する。但し1個のパーツにつき255回までで、1回の超改造につき重量が2%増加、更にスーパーレアメタルという希少アイテムを超改造した回数分消費する。
    • これにより従来作品の水準をはるかに超えた超火力を持つ戦車が作れるようになった。さらに意外な店売り装備が最強候補になったりもするので非常に面白い。
  • 厳密には改造とは異なるが、スプレー缶というアイテムや、一部の町に居るペイント屋を利用すれば戦車の色を変える事も可能。とある町のペイント屋で選択可能な「ラブリー」という塗装パターンだと、ショッキングピンクのデコレーション戦車が出来上がってしまう。
    • 隠し要素ではあるが、エンターブレインのADV『アマガミ』『キミキス』のキャラクターをペイントし「痛戦車」を作る事までできてしまう。ちなみにペイントされるキャラクターは戦車毎に固定となっている。

自由なパーティ編成

  • 前述の通り仲間たちの能力は個性的。シナリオに関わらない分、メンバー編成については存分に好みを反映できる。
    • 主人公がハンターに近いからといって他の仲間をハンター以外のキャラにする必要はない。むしろ、賞金首戦などで「戦車での短期決戦」を考えるのであれば主人公+ハンター2名の編成も十分実用的だったりする。
    • バランスを考えるだけでなく、生身でのダンジョン探索や特定のボス対策など状況に応じてのメンバー入れ替えも十分視野に入る。
    • 職業と敵のカテゴリによって異なるダメージ倍率が設定されており、例えば非戦闘職でもメカニックは機械に対して、ナースは生物に対して与ダメージが高くなる。
      • この二職は習得する特技にも該当カテゴリに有効なものがあり、パラメータの伸びや装備性能がいまいちだからといって侮る事はできない。
  • 人間の仲間は2人までしか連れていけないが、犬にはこの制限が適用されないため、主人公1人+犬3匹なんて構成も可能。当然一人旅も問題無くできる。

クリア後・周回プレイ

  • クリアしたセーブデータを読み込むと、ラスボス前の状況に戻り冒険を続けるか、データを引き継いで二周目をプレイするか選択できる。
  • クリア後に冒険を続ける場合、本編進行中よりも強力な賞金首が出現する。
    • クリア後のデータであれば好きなタイミングで二周目に移行可能。但し次周に進んだ場合、周回するには改めてクリアする必要がある。
  • 二周目はキャラクターのレベルやアイテム、戦車の強化などが持ち越される。
    • 賞金首のドロップや埋蔵アイテムなどの収集が実用性を増しており、バグやチートを使用せずともパーティ内の全員、全戦車が最強装備を揃えられるようになっている。
    • 「レベルメタフィン」という貴重なアイテムが(入手場所を知ってさえいれば、だが)一周につき1個確実に手に入る。
      • 通常のレベル上限は99だが、このメタフィンを使ったキャラはレベル上限を10上げられる。パーティ3人+1匹を限界のレベル999まで強化した人は果たして存在するのだろうか…。
      • 雑魚モンスターからのドロップでメタフィンを入手する事も可能ではあるが、対象となるモンスターは最終ダンジョンにしか出現せず、おまけにドロップ率は約0.1%。素直に周回した方が早いのは説明するまでもないだろう。

シリーズとしてキチンと継承された独特の世界

  • 賞金首はクリア後にしか挑めない者や、本編開始前に討伐されてしまった者を除くと全26体。デザインも旧作のノリをしっかり継承している。
    • どう見てもプリンな「超流動デカプリン」、ただのトラックと思いきや驚きの本体を見せてくれる「サルモネラス」、近寄ると何故かカットインが出てくる「カミカゼクイーン」など個性的なモンスターが待ち受けている。
    • 賞金首のドロップアイテムもパワーアップしており、有用なアイテムが目白押し。しかも最大3種類のパターンが存在する。
    • ザコ、中ボスモンスターも個性派揃い。ファンにとっては懐かしのモンスターも数多く登場している。
  • 敵関連だけでなく、酒場のおだいじんやヒロインの家に送れるインテリアショップなども健在。
  • ドラムカン、「まんた~んドリンク!」、ネイサンのタオルなどシリーズファンならニヤリとするようなネタもちらほら見られる。キャラのセリフも個性的。
  • シリーズ伝統の世界の荒廃っぷりも相変わらず。モンスターの蔓延る北斗の拳、とでも形容すべきか。
    • それゆえにエグい方法で死亡する(した)NPCや、フラグを立て損ねると死亡してしまうNPCもいる。世界観的には非常にマッチしており、死んだとしてもストーリーの大筋に影響を与える事はまず無いが、後味が気になるという方は入念なフラグ管理を忘れずに。

超爽快な戦闘速度

  • 戦闘速度は5種類のパターンが用意されている。メニューを開ける状態であれば「ガイド」→「システム」→「プレイ設定」からいつでも変更が可能。
    • 最も速いモードEを選べば、文字通りに敵味方の攻撃が入り乱れる爽快なテンポの戦闘が繰り広げられる。このモードEでの戦闘を本作最大の評価点として挙げるプレイヤーも存在する。
    • モードAやBにすれば従来のRPGと同程度のスピードで戦闘を進められる。RPGはじっくり考えて遊びたい、あまり展開が早いと目や頭が追い付かないという人も安心してほしい。

賛否両論点

人間装備の性別格差

  • 本作にも性別による専用装備があるのだが、和製RPGの例に漏れず女性専用防具が男性のものに比べて充実している。
    • これによる「女らしさ」の底上げが「男らしさ」に比べて容易なので、威力が女らしさの数値に依存する性別専用特技もかなり強力になる。
    • 故に男性キャラが不遇なのかと聞かれると、そうとも言い切れない。性別共通装備に視野を広げると「性別専用装備より性能は高いが、男らしさまで上昇する」防具が多いので、防御重視にするとせっかく高めた女らしさが死んでしまう。極一部のレア装備など例外は無い訳ではないが、基本的には女らしさ依存の特技を活用するならば防御力や耐性を犠牲にしなければならない。
  • 武器の方はというと、ソルジャー専用武器として男性専用の武器「漢マグナム」と女性専用の武器「セクシーソード」があるのだが、こちらはそこそこの威力で2回攻撃可能な女性専用武器の方が高性能となっている。
    • より強力且つ男女共通で装備可能な武器として「マグナムガデス」が存在するので最強候補とはならないものの、セクシーソードには迎撃されないというメリットが存在しており、女性ソルジャーを使用しているのであれば一部のボス戦等においての使い分けも十分視野に入る。
  • 纏めると、女尊男卑の傾向こそあるものの他の和製RPGと比較すればまだ抑え目、といった所か。
    • 装備による底上げを除いたキャラの能力については、習得する性別専用特技の種類を除くと男女差は一切存在しない。また戦車に乗れば男も女も関係なくなる事を併せて記述しておく。

キャラクターの性格

  • 特に、奔放すぎるヒロインと人間臭すぎるラスボスについては批判意見が多く見られる。
    • 当然だが彼らを気に入ったプレイヤーもちゃんと存在している。好みの問題の範疇と評する事はできるのだが…。
+ ヒロインとラスボスの行動について、シナリオの具体的描写にも触れる形で説明しています。ネタバレ注意
  • ヒロインの「コーラ」はいわゆるツンデレ系の女の子なのだが、シナリオ中盤くらいまでは彼女の行動に振り回される羽目になる。
    • 初登場場面では政略結婚を強制されており、偶然そこに居合わせた縁もゆかりもない主人公へ縋り付く*3
    • その後主人公に自身との駆け落ちを求めて、断られると主人公が気絶しているうちに最初に手に入れたクルマを乗り逃げする。この為、暫くの間は戦車無しの冒険を強要される破目になる。
      • バイクはその後別の場所で売り飛ばされている。取り戻すには10,000G前後の資金が必要。
    • おまけに再会した際に、一方的に期待してきたにもかかわらず自分の気持ちを裏切ったのはあんただ、と開き直る
    • ……と、ワガママな面が非常に多く出ており感情移入しづらい。再会直後のイベント等で尽くしてあげればそれなりに応えてくれるのだが、プレイヤーからそうしようという気になるかは難しい所。このイベントはシナリオ進行の為に必ずこなさなければならず、むしろ「やらされている」感すら覚えるかもしれない。
      • 冗談抜きにコーラ絡みの必須イベントこそが周回プレイにおける最大の障害とまで言ってのけるプレイヤーも存在している程である。
    • 以上のあり様から、一貫して明るく素直な女の子であるサブキャラクターのシセの方が正ヒロインである、と(冗談交じりに)主張するプレイヤーもいたりする。
      • ちなみに今回、インテリアを貢げる相手はコーラとシセ。そして両者とも結婚してそのままエンディングを迎える事も可能。しかしコーラの場合は結婚は冒頭(前述した駆け落ちを求められるシーン)のみで、インテリアを貢ぐのも条件付き。シセの方は序盤以降は結婚も貢ぎもいつでも可である。
    • ただ、このようなワガママな面が強く出ているのは上記のイベントまでであり、以降は性格も大分丸くなっている。
      • その前の印象が悪過ぎて霞みがちだが、その先の展開では上記のような行動に出る事も無くまともにヒロインをやっている。また、慕っていた恩人は目の前で重傷を負わされ、砂漠で行き倒れた所を助けてくれた二人目の恩人は殺され、誘拐された末に自身のクローンを大量生産されたり、挙げ句エンディングによっては生死不明のまま終わるなど、自身もかなりの苦難に見舞われる事になる。
    • 決して悪いキャラではないのだが、消化不良な面があるのは否めない。実は本作はゲーム2周目を違うキャラの視点で追うという構想があったのだが、結果として没になっている。コーラのエピソードもこの中で補完される予定だったのかもしれない。
      • 特に主人公と別れてから再会するまでにおける心情の変化や性格が丸くなる過程がしっかり描写されていれば、もっと印象も良くなったと思われるだけに惜しい面もある。
  • ラスボス「グラトノス」は人造細胞によって超生物へと変化する能力を持つ男である。超人を自称しており、常に余裕ある態度を崩さない。
    • しかし死んだ恋人の事を未だ引きずっていたり、すぐ苛立ったりするといった描写から、とても超人らしくは見えない。
      • 一応これについては本人も多少自覚をしているらしく、一部シーンでは自嘲するかのような言動が見られる。
    • かつて恋人を殺したギンスキー一族と、一族が治める町シエルタを復讐の対象としている…のだが、設定上では過去に一度攻め込んで敗れている
    • 彼の言動は粘着質な変人である事を差し引いても、明らかに辻褄の合わない部分がある。具体的には以下のような言動。
      • とある重要アイテムを探して持ってこいと言いつつ居場所も告げず、もはや過去の遺産になった飛行機がないと到達できない場所に引きこもる。
      • 恋人と区別もつかなかったコーラ(のクローン)に対してバイオ技術による人体改造を施す事もいとわない。実は彼が欲しているのは、恋人に瓜二つなコーラの外見だけ…という設定があるにはあるのだが、その詳細はストーリーでは語られない。
      • ラストダンジョンとなる最終兵器を「そんなものはどうでもいい」と言っていた筈なのに、いざ最終兵器をスクラップにされたら人間(の姿)をやめるほどマジ切れする。最終的に主人公への恨み節のみを口にして襲い掛かってくるその様からは、正直な所ラスボスとしての貫禄が全く感じられない
    • ただしラスボスとしては微妙でも、一キャラクターとしては申し分ない存在感を持っている。

マップの密度の配分の歪さ

  • このゲームのフィールドマップは中央の河川で東と西に分かれており、東は主に前半(と最終盤)、西は後半に訪れることが多いのだが、東側は街や施設が非常に多く配置しているのに対し西側は密度に乏しい。
    • ドックシステムで移動可能なポイントは、東側に15箇所に対して、西側は6箇所しかない。
    • また、舞台が西側に移るのと同時期に船の使用も解禁されるが、船を使って新たに移動できるようになるポイントもそれほど多くない。プレイ序盤にマップの黒塗り部分の大きさにボリュームを期待すると肩透かしを食らう。
    • 歴史は繰り返されたということだろうか。

問題点

妙にエンカウント率が高い

  • DS世代のRPGとして見ると、かなりエンカウント率が高め。シリーズ過去作品やFC・SFC全盛期のRPGを経験してきた古参勢ならば気にならないだろうが、これによってダレてしまいプレイを断念した新規プレイヤーがそれなりに存在している以上、問題視すべき点である事は間違いない。
    • フィールド上では歩く箇所によってエンカウント率が変化する。下記対策アイテムを入手していない時期や、使用できない状況下では、少しでもエンカウント率の低くなる箇所を通るようにすれば、ある程度はストレスを軽減可能。
    • 「プエルト・モリ下水道」や「ワナナバニ研究所」といった一部ダンジョンでは、対策アイテム無しでエンカウントせずに10歩以上歩ければ奇跡、と言っても過言ではないレベルでエンカウント率が高くなる。これらのダンジョンについては「流石にプレイ時間の引き延ばしが過ぎる」と漏らす古参プレイヤーも見られる程である。
  • 戦車道具「迷彩シールド」か、「●チューブ」「3チューブ」を使用した量子ドールを使えばエンカウント率を軽減可能だが…。
    • 前者は戦車に搭載して使う道具なので、当然降車時には使用不可。しかもエンカウント率の高いダンジョンには戦車で侵入できないケースがやたら多い。
    • 後者は量子ドールをカスタマイズ可能になるのが最速でも中盤以降、3チューブは世界中をくまなく探し回って見つけ出す必要があり、●チューブは店売りではあるが手順を間違えるとその周回では買えなくなるという三重苦。周回プレイではドールのカスタマイズと使用可能なチューブの種類も引き継がれるので、一度完成させておけば次周では序盤から使用可能ではある。
      • こちらはマップ切り替えによって効果が切れてしまう為、その度に使い直す必要がある点にも注意されたし。

シャシー改造の仕様

  • 最大の欠点はシャシーを改造すると前の段階に戻せないと言う点。クルマの改造段階は2周目以降も引き継がれるため、シャシー改造をやり直すにはデータそのものを消すしかない。
    • シャシーの改造方針次第で使い勝手が大幅に変わるクルマもある為、改造段階を巻き戻せないとなると思いきった改造がやり辛い。ゲームの中核とも言うべきシステムが、人によっては極めて楽しみにくい物となってしまう。
    • シャシー改造巻き戻し不可で多くのプレイヤーに涙を呑ませた最たる例が、バイク系以外で最初に手に入る戦車「パトカー」の改造パターン。
      • この戦車には本作で唯一「機銃の5門装備」が可能な改造パターンが存在しており、2連続攻撃をする機銃を5挺装備しバルカンラッシュで一斉発射してやれば(正攻法では)理論上ゲーム中最高の火力をたたき出せる。
      • しかし最初に大砲やS-E穴を開ける改造を行うと機銃5門を搭載可能な改造パターンへの派生が不可能となる。この改造パターン派生について作中に明確なヒントは存在しておらず、かつ戦力的に手持ち無沙汰な状態での入手となる為、当然のように大砲穴やS-E穴を開けてしまい、セーブデータ消去か正攻法での火力理論値を断念するかの二択を迫られるプレイヤーが続出した。
  • なお「バイオタンク」のみ、手間はかかるが例外的に改造パターンの巻き戻し…というか、戦車そのものの作り直しが可能。しかしバイオタンク自体の性能は決して強力とは言えず、態々手間暇かけて作り直す価値があるかは正直微妙な所である。
    • バイオタンクの作成には雑魚モンスターのドロップアイテム「ぬめぬめ細胞」が、制作するバイオタンクの種類にもよるが最大120個必要となる。1戦闘で手に入る数は1~2個。バイオタンクを作る労力に見合うかどうか…。
    • 鉄くずも少なくとも30tほど必要となる。こちらはまだ集めやすい方ではあるが、それでも結構面倒くさい。

戦車の性能格差

  • システム上、ダブルエンジンできる戦車とできない戦車では装備量や装甲タイル枚数などで格差が大きい。
    • バイクやパトカーなど改造によっては使い道のあるシャシーもあるが、結局はどうしても積載量の面で厳しくなってしまう。
  • 取り外し不能で他の有用な装備を起用し辛い、基本的に重量重めで使い勝手も今一つ、一部の品は改造・超改造不可…と、悲しみを背負いすぎている固定装備は、基本的に少ないシャシーの方が使いやすい。
    • この固定装備が原因で最終的な評価を著しく落としてしまったのが、シャシー改造を進める度に固定装備が増えていく「MBT77」「ツングースカ」「ディノヒウス」の3種類。最終段階まで進めると、装備の付け替え可能な穴が1つしか無い状態になってしまう。
      • 特にMBT77を最終段階まで改造してしまうと、機銃穴以外が固定装備で埋まってしまう為、複数の攻略サイトが口を揃えて「絶対にお薦めできない」と評する程である。
    • 固定装備にも、改造・超改造が可能な中では唯一の3連射機銃「トリプルバルカン(チョッパー)」や、驚異的な弾倉数を有しており雑魚散らしとして気兼ね無く使える「オミコシホール(ソイヤウォーカー)」などもあり、決して固定装備自体が使えないという訳ではないのだが…。

進めにくいシナリオ・クエスト

  • メインシナリオの進行に必要なイベントにおいて、発生場所や条件が判りにくかったり、そもそも進行の手順が面倒だったりといった要素が妙に多い。これらの為に長期間シナリオを進められなくなったプレイヤーも決して少なくない。
    • 例を挙げると、メインシナリオの進行条件が一定回数以上戦闘をこなした後、ある場所の家に入って外に出る事など。一応その時点では既に訪れているであろう、シナリオに関係がある場所ではあるが、気付かないと延々無駄に世界を旅する破目になる。
    • シナリオ進行の為のキーアイテムが、シンボルエンカウントするモンスターのランダムドロップという点も批判されやすい。本当に確率なので出ない時は全く出ない。
    • 敵の拠点に乗り込む為に世界に散らばったアイテムを集めるというイベントがあるのだが、そのアイテムのうち1個が町に置かれている転送装置の事故を利用しないと行けない場所にある。転送事故の発生はシリーズ恒例の要素ではあるが、ドッグシステム*4が移動手段として便利であり、しかも転送装置が置かれている町がやや少ないという事情もあって新規プレイヤーは見落としがち。
      • もちろん転送事故が起こるかは運次第。こちらも転送事故が起きない時は全くといっていい程起きない。この為キーアイテムのランダムドロップと合わせて、レアアイテム回収目的の周回プレイにおける最大の難所として知られているとかいないとか。
  • 一部クエストにおいても、作業感が強く攻略する気の削がれるものが複数存在している。
    • 特定の雑魚が落とすドロップアイテムだったり、マップ上で採取可能だが宿泊しないと復活しないアイテムだったりと、大量入手が面倒な品を複数個入手しなければならないものが幾つか存在している。
      • そのくせ、クリア時の報酬はなけなしの金と経験値だけというパターンがやたら多い。
    • とある賞金首と戦う為に人探しを行うクエストがあるのだが、その過程でやたら広いワナナバニ研究所の施設をたらい回しにされる。しかもこのワナナバニ研究所は、上述したやたらエンカウント率の高いダンジョンの一つでもある訳で…。
      • 雑魚の猛攻を必死に振り切り、研究所内部をくまなく歩かされ、漸く見つけた尋ね人の台詞が「いやー、さがしましたよ」…何もこんな形で竜退治をリスペクトせんでも…*5

戦闘関連

  • 本作では犬以外のキャラが「戦闘不能な状態」になると全滅として扱われる。戦闘不能な状態とは単にHP0で死亡した場合だけでなく、マヒや魅了といった重度の状態異常に陥ってしまった場合も含まれている。
    • この仕様のせいで「布教砲」というボスとの戦闘がやや理不尽な難度となっている。全体に魅了効果のある攻撃を放つ為、最悪の場合いきなり人間三人が魅了状態になって全滅するケースもある。しかも魅了は耐性のある防具が未だはっきりしておらず、明確な防御策は戦車に乗る事しかないのだが、布教砲戦では戦車が使えない。
      • 一応酷い運ゲーになるというだけであり、ボスの強さ自体は『2』のテッドブロイラー様ほど酷いものではない。
    • 上述の通り、魅了やマヒといった重度の状態異常は戦車に搭乗している間はかからない為、布教砲ほどの理不尽さを感じるボスは少ないのが不幸中の幸いである。
      • 布教砲以外では本作敵組織の女幹部ぐらいのものか。相手が同性だろうがお構いなしで魅了してくるという色々な意味でとんでもない相手だが、こちらは本来は白兵戦となる所を、バグによって戦車を持ち込む事ができてしまう。邪道を厭わぬのであれば、十分な防御策を講じた上で蹂躙する事も可能。南無。
  • どういう訳かコマンドに防御が存在しない。敵の出方を窺う事ができず、基本的に戦闘では攻撃するか逃げるかの二択のみ。漢気あふれる仕様だが漢らしすぎてプレイヤーが困る。
    • スコープ系アイテムを使用すれば1ターン送る事は可能だが、毎回使用するのが面倒な上、そもそもスコープ系アイテム自体がすべて非売品となっており数を揃えにくい。

通信関連

  • メタルマックスシリーズの中では本作のみ通信対戦モードが存在しているが、出来が非常に悪く対戦ツールとしては全く使えない。
    • 使用するキャラや戦車の装備にもよるが、本編以上にフリーズが発生しやすい。
    • このモードでのみ乱数がおかしい事になっており、多段ヒット系武器のダメージが全て同じになったり全弾クリティカルヒットしたりする、「範囲内に数発」系武器が単独の対象に集中する等の現象が多発する。
    • ゲームバランスも「悪い」を通り越して「無い」に等しい。まともに対戦したいのであれば、予め相手と相談してレギュレーションを決めておく事を強く推奨したい。
      • 30ターンで決着がつかなかった場合は引き分けとなるので、30回以上ゴーストドリフトが使えるハンターを連れていけば最低でも引き分けに持ち込める。
      • 通常の大砲・特殊砲弾は迎撃専門の戦車装備、特に無限迎撃が可能な「閃光迎撃神話」1つでほぼ完全に無力化できる。相手がこれらを装備している場合は、多段ヒット攻撃か迎撃不可の武器でなければまともなダメージが通らない。
      • 後述の「満タンドリンクバグ」「戦車装備バグ」まで問題無く使用できてしまう。
  • 本格的なものではなくあくまでもおまけ要素として作られたものと思われるが、それ故に完全な蛇足となってしまっている。なお、以降の作品では対戦モードは実装されていない。
  • 通信によるアイテムの売買機能では、売値が0G・1Gの品や賞金首等のドロップといった一部貴重品を売りに出せない。
    • 装備格差の項目で触れた「マグナムガデス」を始め「神風ハイヒール」「蒸着アーマー」などの強力な装備や、作中トップクラスの出力を誇るエンジン「コング」「メテオドライブ」といった品々は軒並み取引不可。欲しければ自力で手に入れるしかないし、複数個揃えたいならば欲しい個数分の周回をマラソンしなければならない。
    • 一方で、店売りなどで手に入る戦車装備を超改造したものは売りに出せる。ソフトを2個、DSを2台用意し、3個保存可能なセーブデータを上手く使えば超改造の手間を大幅に短縮できたりする。
      • この場合、通信で入手したアイテムは普通の店で売却できない点に注意。要らなくなった場合は捨てるしかない。

その他

  • 道が斜め方向に続いている場所が結構多いのに、斜め移動ができない。特にやたら斜め方向の通路が多い敵本拠地「ネツィブ・メラハ」内部の移動はかなり面倒くさい。
  • シリーズの例に漏れず、ドロップアイテム収集が困難。
    • 前述の賞金首のドロップアイテムはいずれも確率が低く、狙うとすれば必然的にリセットを繰り返す破目になるが、本作にはソフトリセットが無いため、本体の電源を切るしかない。毎回スタートからやり直すのはかなりの苦行だし、DS本体にも優しいとはいえない。
      • 5年前に発売されている『メタルサーガ ~砂塵の鎖~』もソフトリセットが無い為にレアアイテム収集が苦行…と、本作と全く同じ問題を抱えていた。分家がやった失敗を本家が後追いしなくても…。
    • 極一部ではあるが、超入手困難なアイテムが存在する。一応クリアに必須のアイテムではなく、また無ければクリア困難となるような品でもない為、気にならないのであれば無視しても実害は無いのが救いか。
      • 特に酷いのが「サルモネラポッドα」および「バーストセイバー」。これらの装備は最終ダンジョンに5%の確率で出現する変身モンスターがそれぞれ30%/10%で変身する姿の時に0.5%の確率で落とす…というもの。入手しやすい方でも遭遇からドロップまで総計0.0075%という超心折仕様である。
      • 後に発売された『MM2R』には、本作のデータから転送しないと手に入らないアイテムも結構存在している。そうした本作でしか入手できないアイテムの中に、よりにもよって上述のサルモネラポッドαが含まれているのである。『2R』でのアイテムコンプリートを目指すプレイヤーに対してこの仕打ちは、あまりにも惨いと言わざるを得ない。
  • 前述したアーチストによる超改造が、凄まじいまでの廃人仕様となっている。
    • 超改造に必要なスーパーレアメタル1個を手に入れるにはレアメタルが10個必要、レアメタル1個の入手に「あたりメタル」が10個必要。あたりメタル1個の入手に「はずれメタル」が10個必要…つまりスーパーレアメタル1個を手に入れる為に、はずれメタルが1000個も必要となる。
    • 基本的にメタルは鉄くずや鉱石、ハイテクスクラップなどの戦車道具を溶かして入手する事になるが、最も入手効率の良いホホアナ鉱石を1個溶かした際に手に入るのは、はずれメタルかあたりメタルが1~3個。稀にレアメタルも手に入るが、普通のプレイヤーではスーパーレアメタルを255個集めきる前に心が折れる。
  • 原曲をDS音源に落とし込む過程でBGMの大半が劣化している。サントラと聴き比べると大きく印象の変わる曲も多い。
  • 道具や装備関係のUIが劣悪。
    • 特にわかりやすいのが、戦車に装備させている武装を別の戦車に装備させるとき。「装備→戦車選択→対象アイテムを外す→最初のメニューに戻る→持物→戦車選択→対象アイテムを別の戦車に移し替える→最初のメニューに戻る→戦車選択→対象アイテムを装備」と膨大な手間を必要とする。しかも、上画面に3Dの戦車のプレビューが表示される関係か画面切り替えの際に読み込み時間が発生するため、この一連の操作に20~30秒程度かかる。
      • なお、このあたりは『2R』である程度解消され、遊びやすくなった。

バグ

  • シリーズの例に漏れずバグが多い。もはや意図的にバグを用意しているのでは、という珍説も一部で囁かれているそうな…。
  • 上述の戦車持ち込みバグの他には、無限に資金を稼げる通称「ジャックボーイバグ」、経験値とスーパーレアメタルを無限に入手できる「キーマンバグ」、満タンドリンクで装甲タイルを回復できる「満タンドリンクバグ」、砲弾無限増殖の「トランクルームバグ」、戦車の穴に異種装備や装備ですらない戦車道具を無理やり装備させる「戦車装備バグ」などなど。
    • 特に戦車装備バグでエンジンを武器として装備した場合、弾数無限で攻撃力が(装備したエンジンの積載量×100)というトンでも性能の武器に化けてしまう。発生条件の都合上ゲーム中盤まで進め、且つ大金を用意しておく必要こそあるが、条件さえ満たせば一定以上の積載量を持つ店売りエンジン1~2個で簡単にゲームバランスを崩壊させられる。おまけにジャックボーイバグを使えば、戦車装備バグの前提として必要な額を遥かに超える資金が一瞬で手に入る訳で…。
    • キーマンバグの有用性は、ここまでに記述した超改造の仕様を読んでいただければ容易に理解できるだろう。こちらもフル活用すればゲームバランスがあっさり崩壊する。
    • バグの大半は意図的に条件を満たさないかぎり発生しないので、最終的にはプレイヤーの意思次第ではある。ただ本作は戦車の改造費等が原因で常時金欠気味な為、これらのバグ技をフル活用するプレイヤーも決して少なくない。
  • 高速戦闘モードで戦闘を行った場合、処理落ち・フリーズの危険がある。
    • 派手なエフェクトを持つ攻撃が放たれた際、DSの処理能力の限界の所為なのか処理落ちする事があり、最悪の場合フリーズしてしまう可能性まである。戦闘速度が最速のモードEに近いほど起こりやすい。処理落ちは起きやすいがフリーズそのものはそこまで多くないのがせめてもの救いか。
    • ラスボスやクリア後賞金首などは上記処理落ち・フリーズの原因となりうる行動を多く行う為、最大の脅威は敵自体の強さではなくフリーズという皮肉も見られる。
      • 他にも、賞金首「クラウドゴン」戦でのフリーズ報告が特に多い。事前のセーブは忘れずに。
  • ただでさえ移動が面倒くさい「ネツィブ・メラハ」だが、ギミックの複雑さが仇となり不整合も山のように存在している。
    • 絶対到達できない位置にある宝箱や、決してたどり着けない場所にいる固定エンカウントのモンスター*6、挙句の果てには死ぬかバグを使うかしないと脱出できずゲーム進行不能となる部屋と、そこでしか入手できないアイテムまで存在している。
    • 本来白兵戦でしか戦えない賞金首との戦闘に、戦車を持ちこむ事ができてしまう。上述の女幹部以外に、もう1体別の賞金首戦でも戦車の持ち込みが可能。

総評

荒削りな所も目立つが、メタルマックスシリーズの復活を感じさせるには十分な出来栄えの逸品。
新規ファンは勿論、『メタルサーガ』シリーズですっかり離れてしまったファンを呼び戻す事にも成功した。
随所にメタルマックスらしさを含みながら、新たな試みも感じさせる意欲作となっている。


余談

  • 本作が発売された2010年からはメタルサーガシリーズ4作目であるブラウザゲーム『メタルサーガ ニューフロンティア』がmixiアプリ・ハンゲーム・Yahoo!モバゲーなどで展開された。これにより、奇しくも2010年はメタルマックスとメタルサーガの新作が両方出る事となった。
  • 2011年冬には前作『メタルマックス2』を本作のエンジンを使用してリメイクした『メタルマックス2: リローデッド』が発売された。
    • 『3』での最大の欠点と言われた改造に関する不満を改善した他、新要素も多数見られる。同作の詳細については該当作品の頁を参照してほしい。
    • システム面がより洗練された『2R』と比べると、『3』はどうしても荒削りな印象が否めない。両方遊びたい場合は、まず『3』からのプレイをお薦めしたい。
  • ウェブコミック配信サイト「コミッククリア」にて、本作の外伝作品「メタルマックス3 双銃身(ダブルバレルズ)の魔女」が連載されていた。
    • 原作は宮岡寛、作画は山本貴嗣と古参ファンも納得の人選である。
    • 本作に登場するキャラや、初代の主人公に似たキャラが脇役として登場する等、ファンサービスの多い作品となっている。
    • ファミ通クリアコミックスとして単行本も出されている。気になる方はAmazonや古書店を探してみるといいだろう。全2巻。
  • RPGツクールDS+』のWi-Fiサービス「ツクール城+」において、本作主人公(ドラムカン)・コーラ・犬・Drミンチのデータが配信されていた。
    • 残念ながら、ニンテンドーDSのWi-Fiコネクションサービスが終了した現在は入手不可能。
  • 本作にはヒロインにあたるキャラが2人いる訳だが、後のシリーズではドラムカンが想いを寄せていると思しき描写が双方共に存在する。あくまでゲスト出演に絡むおまけネタと言ってしまえばそれまでだが…。
    • 『2R』でゲスト出演したドラムカンが落とすアイテムに「コーラたん」なる品が存在している。使用した際の効果から考えて、量子ドールに名前を付けたのだと推測され、どれだけワガママを言われてもコーラに対して一途な想いを貫く…というのが公式側の想定する主人公(プレイヤー)像のようである。
    • と思いきや、『4』にゲスト出演したドラムカンは「シセリーナ」なる品を落とす。こちらも量子ドールに(ry 違う歴史から来たドラムカンなのか、あるいは二股なのか…
      • ちなみに『4』にゲスト出演したコーラには「あたしに傷付けたら、ドラムカンに仕返しされちゃうんだから!」というボイスがある。やっぱり二股か
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最終更新:2023年06月13日 09:47

*1 自称「電撃蘇生学」の権威。仲間が死んでしまった場合は彼の手腕を頼る事になる。

*2 犬を除く全職業共通で「男らしさ」というステータスに威力が依存する特技を覚える。男らしさが正の値なら男らしく、負の値なら女らしくなる。

*3 この時、駆け落ちを要求していた男が別にいたのだが、あっさり殴り飛ばされたので見捨てている。この様を見て彼女を「尻軽」と感じたプレイヤーも多い。ただ詳細は割愛するが、この殴り飛ばされた男もあまり褒められた人間ではなかったりする。

*4 瞬時に町への移動、ダンジョンからの脱出が可能となる戦車道具。搭載した戦車に乗ってさえいれば何度でも使える

*5 ワナナバニ研究所ではこれの他に、竜退治をリスペクトしたと思しきシーンがもう1つ存在する。前後の展開からこちらも不評気味である

*6 賞金首ではないが、倒すとネツィブ・メラハの周辺を移動中に砲撃される頻度を減らせる